スーパー・フェザー級の注目対決、朝久(左)vs横山(C)M-1 Sports Media
2019年8月31日(土)東京・後楽園ホール『K-1 KRUSH FIGHT.104』の第5試合、スーパー・フェザー級3分3R・延長1Rで対戦する朝久泰央(朝久道場) と横山朋哉(リーブルロア)のインタビューが主催者を通じて届いた。
朝久は幼少の頃から父である朝久篤館長のもとで空手、そして朝久館長が創った格闘術と朝久流養我(あさひさりゅうようが)と呼ばれる鍛練法で己を鍛え、2015年からKRUSHに参戦。大沢文也や大岩龍矢から勝利を収め、前戦は5月に山本直樹から勝利した。戦績は12勝(1KO)7敗。
横山はK-1甲子園2017 -60kgで準優勝を収め、2018年6月からK-1 JAPAN GROUPの大会に参戦して現在まで4戦全勝(3KO)と好成績をあげている。戦績は6勝(3KO)1敗。
KRUSHスーパー・フェザー級のトップクラスに位置する朝久に、上り調子で勢いのある横山が挑む形となる。
朝久泰央「相手が全勝だから僕が負けるという話でもない」
「実はあの時、試合前のパフォーマンスで旋風脚をやった時に着地に失敗して足を怪我しちゃったんですよね(苦笑)。その影響で全然足に力が入らなくて勝ちに徹する試合になっちゃいました」
──どのくらいの怪我だったのですか?
「足の筋がグリグリと鳴った感じがして、少し動かしてみたら『あっ、これはやばいな…』って。セコンドの館長と兄ちゃん(朝久裕貴)も笑ってたんで、これで怪我したとは言えないと思って、そのまま試合をしました。あの日はやる前からピンチでしたね。ただ旋風脚は自分のトレードマークだと思うので、これからは転ばない程度にやります(笑)」
──前回の山本戦はレオナ・ペタス選手に負けた後の再起戦でした。精神的に追い詰められた部分もあったのではないですか?
「僕は1試合1試合集中して、とにかく勝つこと。試合した相手が『また朝久と試合したい』と言わないように徹底的に痛めつけることを考えて闘っています。なので『ここで負けて連敗したら…』という気持ちはなかったです」
――試合前にアクシデントがあったにせよ、試合では持ち前の手数の多さで山本選手を攻め続けました。やはり最後は倒しきりたいという気持ちはありましたか?
「はい。怪我の影響がある中でも倒せる力が必要だと思いますし、山本戦後もすぐに練習を再開して頑張っています」
──対戦相手の横山選手はK-1 JAPAN GROUPで無敗のファイターです。どんな印象を持っていますか?
「会場で生で試合を見ることもあったんですけど、勢いもテクニックもあって上手い選手だと思います。でも今まで横山選手が戦ってきた相手で僕レベルの相手はいないし、朝久空手は全勝とか戦績がいい相手の時の方が強さを発揮するスタイルなんで、50戦無敗だろうが100戦無敗だろうが勝つ自信があります」
──全勝で来てはいるけれど、トップレベルの選手との試合はないんじゃないか、と。
「横山選手が勝った相手なら僕も全員勝てると思うし、相手が全勝だから僕が負けるという話でもないので。もし横山選手がデビュー戦で僕と戦っていたら、その時点で一敗がついていただろうし、仮にもっと横山選手が連勝しても僕と試合をすれば初めて黒星をつけられると思うので、相手の戦績のことは気にならないです」
──まだ朝久選手も21歳で若いですが、今回は19歳の横山選手を迎え撃つという図式です。
「会見ではちょっとおっさんみたいな雰囲気になってしまうんで(苦笑)、もうちょっと若々しい雰囲気も出していけたらと思ってます」
──自分よりも若い選手・新しい選手が出てきている状況についてはどう思いますか?
「やっぱり年齢を聞いた時に『若い!』と思ったし、横山選手は若手筆頭じゃないですけど、僕は横山選手のことを強い選手だと思って練習を続けています。戦績や年齢に関係なく気を引き締めて、徹底的に痛めつけて『二度と朝久とは試合をしたくない』と思わせて勝ちます」
──今回は若くて勢いのある2人の対戦として期待を集めていると思います。どんな試合をお客さんに見せたいですか?
「よく僕と試合をする時に相手は『朝久選手は手数があって打ち合いがしたい』と言うんですけど、僕は打ち合いはあまり好きではありません。僕が一方的に叩くだけ叩いて蹴るだけ蹴って、攻撃はもらわないで勝って圧倒的な試合に持って行きたいと思います」
横山朋哉「ずっと上の選手と戦いたいと思っていた」
――3月の齋藤祐斗戦は会心のKO勝利でしたが、前回の試合を振り返っていかがでしたか?
「ちょっと急ぎ過ぎてたところがあったので、まだまだ経験が足りないなと思いました」
──齋藤選手は空手仕込みの蹴り技など攻撃力があるファイターでしたが、特に警戒などはしていなかったですか?
「そうですね。スピードで負けないと思っていたので、1Rから打ち合いしかないと思って行きました」
──これでK-1 JAPAN GROUPでは4戦4勝3KOとなりました。自分の中で自信になったところや次に向けての練習でプラスになったところはありますか?
「自信がついたのもあるんですけど、気持ちの面で変わったなと思うところがあります。練習でも常にパワーや倒す意識をしていて、それが結果に出てるかなってのはあります」
──今大会では朝久泰央選手との試合が決まって、最初にオファーを受けた時の心境はいかがでしたか?
「『やっと来たか!』と思いましたね。これをモノにすることによってベルトが近くなると思ったので、即答で『出ます!』って言いました」
──これまでは比較的同じぐらいのキャリアやポジションの選手と試合をすることが多かったと思いますが、朝久選手はスーパー・フェザー級のトップ戦線の1人だと思います。
「ずっと上の選手と戦いたいと思っていたんですけど、なかなかチャンスはないだろうなと思っていて。そのためには勝つしかない、KOで結果を出すしかないと思ってやってきました。だから今回のオファーが来た時は本当に嬉しかったです」
──朝久選手は他の選手にはあまりいないタイプだと思いますが、彼のファイトスタイルはどのように見ていますか?
「ちょっとやりづらいなというのはあるんですけど、そんなことは言っていられないので。必ず打ち合って勝ちたいと思ってます」
──この試合は横山選手がトップ戦線に食い込んでいけるかどうかターニングポイントの試合なると思います。そこに向けての心境はいかがですか?
「今回久しぶりに試合間隔が空いたので、しっかり仕上げられています。対戦相手が決まってから対策も考えてるし、このまま試合まで追い込んで良い状態に仕上げられればなと思ってます」
──スーパー・フェザー級には色んな選手がいますが、横山選手はどんなところで勝負して上の選手と戦って行きたいと思っていますか?
「この階級には皇治選手とか目立ってる選手がいっぱいいるんですけど、自分は口が下手なんで結果と試合で魅せるしかないと思ってます。自分は試合で魅せる選手になりたいです」
──兄の横山巧選手も9月大会への出場が決まりました。横山兄弟として活躍したいという気持ちはいかがでしょうか?
「そうですね。兄弟ファイターは本当に多いので負けていられないなと思うし、あとはやっぱり兄弟で試合に出るとお互いのモチベーションが上がるので。それは朝久選手も同じだと思うので、兄弟ファイターとして負けていられないなと思います」
──ファンの皆さんに向けてメッセージをいただけますか?
「朝久選手は強くて知名度もあって『いいな』と思うんですけど、僕と歳も近いし負けていられません。若手なりに必ず倒して喰ってやろうと思っているので、打ち合ってKOしたいです」