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コラム

【MMA】堀口恭司、平良達郎、鶴屋怜、そして朝倉海も──「世界」の頂点を目指す日本人フライ級ファイターの可能性とは?

2024/02/05 20:02
 2024年2月3日(日本時間4日)、米国ラスベガスのUFC APEXで行われた『ROAD TO UFC Season 2』決勝戦にて、日本の鶴屋怜(パラエストラ千葉ネットワーク)が、6カ国から8選手が参加したフライ級トーナメントで3試合を勝ち抜き優勝。UFCとの契約を勝ち獲った。  決勝戦では、上海のMMA最先端施設であるUFC PI(パフォーマンス・インスティテュート)でトレーニングを積む、中国のジー・ニウシュイエを相手に、鶴屋は首投げでテイクダウン。袈裟固め、肩固めを狙いながら、バックを奪うと、ツイスターやエクセキューショナーチョークを仕掛けつつ、最後はバックマウントからパウンド連打。1R、残り1秒でTKO勝ちした。  試合後、ケージの中でのインタビューで「負けを知りてえー!」と、UFCフライ級ランカーたちに対戦を呼び掛けた鶴屋は、ランカーを倒して、ダナ・ホワイト代表に「“こいつにはタイトルマッチじゃないと相手いねーな”と言わせるような」試合をして、チャンピオンシップに向かっていきたい、とした。  その可能性はどこまであるか。  MMAが真の意味でオープン化されたいま、そのルーツの国のひとつである日本のアドバンテージは無く、いまやメッカは北米のみならず、中南米、アフリカ、中東、ロシア、そして中国を筆頭とするアジアにも拡大している。  そんななか、オープン化の宿命として、各階級で競争が激化。個人競技ながらチームで戦うフルコンタクトファイトスポーツのMMAで日本人が勝つことが困難になってきている。国内外でいかに最先端の技術・トレーニングを採り入れ、いかに世界レベルの戦いに繋がる試合ができるかなど課題は多いが、フィジカル差が大きく出る、中・重量級に比べ、軽量級に日本人選手のチャンスがあるのもたしかだ。  なかでもフライ級(125ポンド/56.7kg)は人材が揃っている。  鶴屋怜と同グループになるMMA15戦無敗の平良達郎は、現在UFC5連勝中で、フライ級15位とランキング入りを果たしたばかり。  そのUFC挑戦を視野に入れるのが、現RIZIN王者の堀口恭司(フライ級)と、朝倉海(バンタム級)だ。  日本人で唯一、Bellator世界王座にバンタム級でついている堀口は、大晦日、フライ級で神龍誠に一本勝ち。今後は、キャリアの中期にデメトリアス・ジョンソンに敗れて王座獲得ならなかった「UFCフライ級」でもうひとつのベルトを手にすることを最後の目標としている。  また、元Bellator王者のフアン・アーチュレッタを2R KOに下し、RIZINバンタム級のベルトを奪還した朝倉海は、UFCではフライ級で挑戦したい意向を示している。 「UFC? 今年中に行きたい。(「ROAD TO UFC」について聞かれ)俺は“直行”でしょ。前回、(ダナ・ホワイト)社長に会ったときにもう『いつでもいいですよ』と言われているし、たくさん声がかかってきますよ。あとはいろんな条件とかタイミングとかってすぐに自分では決められないから話し合いをしてどうなるかってところ。階級はたぶんフライ級。やってみないと分からないけど、体重はたぶん大丈夫だと思う」(KURUMI_CHANNEL)  ほか海外では、ONE Championship日本大会で、強豪のダニー・キンガッドを下した若松佑弥がフライ級2位に浮上。再び王座挑戦に近づいた。  国内メジャーのRIZINと老舗3団体では、動向が注目されるBellator契約下の堀口を頂点に、元UFCのジョン・ドッドソンを下した扇久保博正、堀口と好勝負を繰り広げた神龍。  さらに、バンタム級にも挑戦のDEEPフライ級GP王者の福田龍彌、PANCRASE新王者の伊藤盛一郎、その首を狙うサロハイディノフ。  修斗では、ストロー級から二階級制覇の新井丈と名勝負の山内渉、さらに6年ぶりにフライ級に戻して内藤頌貴を三角絞めで極めた石井逸人、1月大会で鮮烈4秒KO勝ちを見せた鈴木崇矢など、層の厚さが目立つ。  さらに、ドッドソンと接戦の竿本樹生、ONE FFで打撃の進化を見せた本田良介、そしてダークホースから存在感を見せるヒロヤ、山本アーセンらの台頭もあり、GP開催の機運も高まっている。  このなかから、UFC初の日本人世界王者は誕生するか、また国内を「世界の頂」とする絶対王者が現れるか。UFCのいまを知るランキング、そして各団体のフライ級注目選手と今後のマッチアップを紹介したい。 [nextpage] UFCフライ級ランキング(※2024年2月4日付) 王者 アレッシャンドリ・パントージャ(ブラジル)※リンクから直近の試合1位  ブランドン・モレノ(メキシコ)※2.24 ロイヴァルと対戦2位  アミル・アルバジ(イラク)3位  ブランドン・ロイヴァル(米国)※2.24 モレノと対戦4位  カイ・カラ・フランス(ニュージーランド)5位  マテウス・ニコラウ(ブラジル)6位  マネル・ケイプ(アンゴラ)7位  アレックス・ペレス(米国)※3.2 モカエフと対戦8位  ムハンマド・モカエフ(英国)※3.2 ペレスと対戦9位  マット・シュネル(米国)※3.2 エルセグと対戦10位 ティム・エリオット(米国)11位 タギル・ウランベコフ(ロシア)12位 スティーブ・エルセグ(豪州)※3.2 シュネルと対戦13位 ス・ムダルジ(中国)14位 ダビッド・ドボジャーク(チェコ)15位 平良達郎(日本) ほか海外フライ級ファイター 若松佑弥(ONE)(キンガッドに勝利)和田竜光(ONE)藤田大和(UAEW)(UAEWで2連勝中)仙三(ONE) 国内の主なフライ級MMAファイターと今後の試合 ◆RIZIN堀口恭司(王者)(神龍に勝利)扇久保博正(ドッドソンに勝利)朝倉 海(※バンタム級でアーチュレッタに勝利)ジョン・ドッドソン(竿本樹生に勝利)ラマザン・テミロフ(征矢貴に勝利)メイマン・マメドフ(中村優作、ギョクテペに勝利)ホジェリオ・ボントリン(村元友太郎に勝利)竿本樹生中村優作(3.23 アルマン・アシモフ)征矢貴山本アーセン(3.23 vs.柴田“MONKEY”有哉)ヒロヤ(新井丈に勝利) ◆DEEP神龍 誠(王者)福田龍彌(暫定王者)※3.9 バンタム級 vs.雅駿介本田良介(ONE FF)宇田悠斗伊藤裕樹(2.24 vs.上田将年)村元友太郎KENTA安谷屋智弘柴田“MONKEY”有哉(3.23 RIZIN vs.山本アーセン)杉山廣平(3.24 風我)風我(3.24 杉山廣平)駒杵嵩大原 虎徹(3.9 Double G FC vs.王者チェ・ソングク(RTU準決勝進出)に挑戦) ◆修斗新井 丈(王者)山内 渉関口祐冬(ヤックルに勝利)石井逸人(内藤頌貴に勝利)鈴木崇矢(宮城友一に勝利)宮城友一ヤックル真吾内田タケル ◆PANCRASE鶴屋 怜(王者・2.4 RTUで優勝→UFC)伊藤盛一郎(暫定王者)ムハンマド・サロハイディノフ(松井斗輝に勝利)猿飛流(3.16 ETERNAL vs.王者アンソニー・ドリリッチに挑戦)有川直毅秋葉太樹(2.18 vs.松井斗輝)松井斗輝(2.18 vs.秋葉太樹)上田将年(2.24 vs.RIZIN 伊藤裕樹)濱田 巧(3.31 vs.山﨑聖哉) ◆GLADIATORニャムジャルガル・トウメンデムベレル(→UFC)NavE(3.3 vs.藤沢彰博)ツェルマー・オトコンバヤル(3.3 イ・スンチョル)イ・スンチョル(3.3 ツェルマー・オトコンバヤル)久保健太(3.3 vs.オトコンバートル・ボルドバートル)オトコンバートル・ボルドバートル(3.3 vs.久保健太)和田教良(3.3 チェ・ドンフン)チェ・ドンフン(3.3 和田教良) ◆GRACHAN御代川敏志(王者・松場貴志に勝利)松場貴志宮内拓海児玉勇也天野哲宏金井一将(3.10 vs.小田魁斗) ◆Fighting Nexus荻窪祐輔(王者・豪瑠に勝利)浜本“キャット”雄大(王座返上)
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