アーセン「1回落ち着かないと分からない」
「俺はこんな長い事やってきて、ここまでかって正直思ってるっす。何も考えられなくて。正直、立ち技やって、壁(ケージ)側で組んで、これもう勝ったって自分でも思っちゃっていたんですけれど、それがダメだったですね。作戦では壁に絶対に行かない作戦だったんですけれど、俺の方が力が強いし、いけるかなって思ったら。計画していなかった技が来て逃げ方が分からなくて。本当は抜こうと思ったんですけれど、壁際にいて動けないと思ったらどんどん奥に入って行ってヒザ極められたみたいな感じですね。本当に正直、いますげぇ自分にガッカリしているっすね。すげえ調子も良くて。自分にガッカリしています」
「フライ級とかそんな話よりも、格闘家としてっすね。ちょっと話にならない、正直。ちゃんとやってたら、多分、あそこ壁際に行っても離してボディにあと1発、2発入れてたら倒れていたって感じだったんですけれど、それでも壁を付き合ってしまった自分が…よく分からないです。作戦にそわなかったからとかああだこうだ言うんですけれど、自分がここまでなんだなって思ったし、過去一調子よかったし、寝技もすげえ成長していたんですけれど、もう頭の中が真っ白すぎちゃって楽屋でもずっと同じことばかり言っていたので、今はこれしか言えてないです」
「足腕十字というんですかね。足には来るっていうのは練習していたんですけれど、足ほどく練習とかめっちゃさせてもらってイケていたんですけれど。足十字が来てあれ、どうしたらいいんだろうなっていう。そこでテンパっちゃって。コーナーの声もあまり聞こえなくなっちゃって。とりあえずクラッチを蹴って外してをやっていたんですけれど、ヒザがピキッと言って。これ多分このまま我慢していたら怪我するなと思ってタップしたっすね」
――次の目標だったりは?
「家に帰って冷静に考えてみます。この間、RIZINのYouTubeに呼ばれて。もう少しで俺10年やってるんだってことに気付かされて。で、俺ここかと思っちゃって。確かに自分は成長しているし、あと少しでKO狙えていたんですけれど、でも結果は1R秒殺だから。いろいろな意味で俺はもうここまでかって自分で思っています」
――まだまだこれからじゃないかという気持ちにもなれるんじゃないかと思うが。
「そう言ってもらえてすげえ嬉しいすね。ただ、自分の中でこれが一番予想していなかった展開で。だって、試合が終わってから汗流れなかったんですよ。自分にガッカリしすぎちゃって、自分を受け止められてなくて。1回落ち着かないと分からない。人とよく喋れていないくらい頭が真っ白になっちゃって。たしかにこれからっていう、やることはすげえ見えているんですよ。やらないといけないことも見えてるし、自分のいいところもすげえあんな感じかって見えたし。ただ、ただですよ。ここまでやってきて、この負け方かって。柴田さんはすげえリスペクトしているし、凄いなって思う選手だけれど、自分の言葉で言うんだったら、この選手にこんな感じで負けるんだって。組んでみても打撃やってみても思って…ちょっと家に帰って冷静に。あとでLINEしてください。連絡ください」
――みんなそういうことを乗り越えてやっている人たちが、山本アーセンの周りにもたくさんいると思うが。
「……そうっすね。確かに…押忍」