ムエタイ
レポート

【ONE】日本勢が今週も勝利ならず。バズーカ巧樹がダウン応酬の激闘も判定負け、羅向が最後まで攻め続けるも無敗ロシアンに判定で敗れる、鮫島大翔もダウン応酬の末にKO負け

2024/03/08 22:03
ONE Friday Fights 542024年3月8日(金)タイ・ルンピニースタジアム※U-NEXTでLIVE配信 ▼第4試合 58.0kg契約 ムエタイ 3分3R×鮫島大翔(WSRフェアテックス荒川/M-1日本フェザー級王者、WMC日本同級王者、IPCC日本同級王者)[2R 1分39秒 TKO]※レフェリーストップ〇ペットランプン・ムアダブランパーン(タイ)  鮫島はM-1日本フェザー級王者(1度防衛)、WMC日本フェザー級王者(2度防衛)。2023年2月にはNJKFで大田拓真との王者対決に臨んだが、判定3-0で敗れている。6月のKNOCK OUTでは栗秋祥梧にKO負け。10月に『BOM』でしょーいにTKO勝ちしてIPCC日本フェザー級王座を獲得して3冠王となった。左ミドルキックを軸としながらも、左右フックで打ち合いに行くファイターの面を持つ。  ペットランプンは2023年3月に『ONE Friday Fights 8』でランボンにKO勝ちして初陣を飾ると、4月の『 ONE Friday Fights 12』でスンボに判定勝ち、6月の『ONE Friday Fights 23』でパタッケーに判定勝ちとタイ人を相手に3連勝中の強豪。  1R、両者サウスポー。ペットランプンは左ローを蹴っていき、その中で左ミドルも蹴る。鮫島が左ミドルをカットしようと右足を上げると、右ミドルを当てるペットランプン。しかし、鮫島が思い切り左ストレートを伸ばすとペットランプンは大の字にダウン。すぐに立ち上がると左ミドルを蹴るペットランプンは首相撲からのヒザ。鮫島はジャブを打って距離をとり、右へ回り込みながらの右フック。しかし、正面に立ったところでペットランプンが踏み込みざまの左ショートフックでダウンを奪い返す。そこからのラッシュで左フックをもらってダウンを喫する鮫島だが、これはゴング後でノーカウントに。  2R、鮫島は前に出てくるペットランプンにワンツー、右ヒジ。それでも左右の拳を繰り出して前へ出てくるペットランプンは左右フックとヒジ。鮫島を首相撲に捕まえてヒジからヒザを連打する。鮫島も左ヒジで応戦してヒジの打ち合いとなり、ペットランプンは鮫島のジャブに踏み込んでの右ショートストレート。カウンターでもらう形となった鮫島がダウンした。  レフェリーがここでストップし、ペットランプンがKO勝ち。35万バーツのボーナスも手にした。2月16日の『ONE Friday Fights 52』で佐藤蒔音(センチャイムエタイジム)と津橋雅祥(STELLA恵比寿)、2月23日の『ONE Friday Fights 53』では笠原弘希と平井将歳が敗れたのに続き、日本勢は今週も全敗の結果に終わった。 [nextpage] ▼第3試合 フライ級 ムエタイ 3分3R〇ルスタム・ユヌソフ(ロシア)[判定3-0]×羅向(ZERO/元NJKFライト級王者)  羅向は老舗キックボクシング団体NJKFの元ライト級王者。「自分は頭のネジがぶっ飛んでる選手」と自ら言い、2020年11月には元WBCムエタイ日本統一スーパーフェザー級王者・琢磨からダウンを奪って勝利、2021年9月には川原龍弥に初回KO勝ちしてWMC日本ライト級王座にも就いている攻撃力が高いサウスポー。2023年4月の「ROAD TO ONE ムエタイ ライト級トーナメント」決勝戦でダブルノックダウンの末にレンタに敗れたが、10月の『BOM』で小清水涼太を初回KO。12月にタイのRWSでも勝利。今年1月には『TOP BRIGHTS』でペッチブラパーにも1RでTKO勝ちしている。  ユヌソフは9戦無敗の19歳。ONEには初出場。  1R、両者サウスポー。左ローを蹴る羅向をユヌソフは前蹴りで2度吹っ飛ばす。左ロー、ワンツーに前蹴りを混ぜるユヌソフは組み付くと首相撲でしっかりとロックしてのヒザを繰り出す。ユヌソフの前蹴りに転倒する羅向。ユヌソフの右フックからの左アッパーに大きくバランスを崩す羅向。飛び込んでの左ボディ、左フックを繰り出す羅向は、ユヌソフのミドルにも左ボディを合わせる。ユヌソフがワンツーから入り、羅向のミドルをキャッチしての左ストレート。組むとすかさずユヌソフはヒザを蹴る。左フックからそのまま首相撲でロックし、ヒザを蹴るユヌソフ。1Rは羅向がユヌソフの前蹴りとパワーに手こずった。  2R、ユヌソフは右フックから踏み込んでの左ヒジのコンビネーション。左ハイを蹴って前蹴りで突き放し、羅向が近付いてくると首相撲からのヒザに捕まえる。ユヌソフがワンツーを当ててすぐに前蹴り、前に出てくる羅向は再び前蹴りで突き放す。ユヌソフの首相撲に左右ボディで対抗する羅向。左右フックを打ち込む羅向にユヌソフは首相撲に持ち込むが、アタックを続ける羅向にやや疲労も感じさせる。  3R、いきなり左フックを打つ羅向。左を振って前に出る羅向にユヌソフは前蹴りで対抗するが、羅向は何度も前に出て行ってガムシャラに左を打つ。左ローを蹴る羅向に頭を下げて縦ヒジを打って来るユヌソフ。前蹴り、左ミドル、ワンツーを打たれながらも前へ出て左フックを打つ羅向にユヌソフも左を返す。消耗しているユヌソフだが、羅向に前蹴りや左ロー、左ストレートを打って攻撃を続けさせない。  最後まで前に出て攻め続けた羅向だったが、ユヌソフの判定勝ちとなった。 [nextpage] ▼第2試合 64.8kg契約 ムエタイ 3分3R〇ノンタキット・トー・モースィー(タイ/P.K. Saenchai Muay Thai Gym)[判定3-0]×バズーカ巧樹(菅原道場/KNOCK OUT-REDスーパーライト級王者)  バズーカは2020年2月のKNOCK OUT無法島GPの決勝戦で西岡蓮太に判定負けを喫するも大きなインパクトを残して“覚醒”。8月大会では丹羽圭介に判定勝ちしてKNOCK OUT-BLACKライト級王座を奪取。2021年10月にはWMAF世界スーパーライト級王座決定戦で勝利し、二冠王となった。2022年からは精彩を欠いたが、2023年6月の『鉄拳』で豪快KO勝ちを飾り復活。9月には良太郎との王座決定戦を延長戦の末に制して二階級制覇を達成した。12月にはマルコス・リオスを迎え撃ったがTKO負けを喫している。戦績は29勝(11KO)11敗3分。  ノンタキットは2023年9月に『ONE Friday Fights 31』で初参戦。オーストラリアのリバー・ダスに判定負けを喫し、10月の『ONE Friday Fights 38』ではイタリアのレニー・ブラジにKO負け。相手の攻撃をもらいながらもどんどん前へ出て左右ミドルを蹴り、ヒジを打って来るファイタータイプ。連敗中とはいえヒジを使って来るためバズーカにとって油断ならない相手だ。戦績は67勝17敗。  バズーカはレフェリーチェックでノンタキットと額を付けてのにらみ合い。1R、右ローをしっかり当てて行くバズーカは左へ回り込んでいく。前へ出るノンタキットの右ストレートが直撃。バズーカはクリンチ。ノンタキットにヒジを見舞って離れたバズーカは、左ハイ空振りからのバックハンドブローでダウンを奪う。その後は右カーフを連発するバズーカ。ノンタキットの右ミドルはキャッチして崩しに行くが、ノンタキットは崩れない。バズーカはノンタキットの右にジャブを合わせるが、ロープにもたれかかって蹴りを出したところで蹴り足をつかまれ、引き寄せられての右フックをもらってダウンを奪い返される。  2R、ノンタキットの右ミドルをキャッチして、崩しながら攻撃するバズーカ。サウスポーにスイッチしての左インローも見せる。ノンタキットの右ミドルをかわしながらローを蹴るバズーカは、組み付くとヒジを見舞うが、ノンタキットの右ミドルを後退してかたした時にバランスを崩して右ストレートでダウンを喫する。一気にヒジと右ストレートでラッシュをかけるノンタキットだが、バズーカも強気に打ち合う。ヒジの打ち合いで両者流血。バズーカは蹴り足をキャッチしての右ストレート、バックハンドブロー、バックスピンエルボーと反撃。  3R、ノンタキットはいきなりの左ハイをヒット。バズーカは右カーフを蹴り、両手で同時にパンチを打つ。ノンタキットの右ミドルに右ストレート、バックハンドブローで応戦するバズーカだが、ノンタキットの右ミドルをかわすため仰け反ったところへノンタキットが飛びヒザ蹴り。ノンタキットにヒジを見舞われると、バズーカは腰を振って挑発。バズーカは逆転を狙って右ストレートを打っていくが、ノンタキットの右ハイをもらって大きく後退。  バズーカはカモンゼスチャーも見せるが逆転の一撃を当てることは出来ず、判定負けを喫した。
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