キックボクシング
ニュース

【RISE】3・17ELDORADOは「『強者vs.強者=最強』の集大成というか、年に1度の最高傑作」(伊藤代表)

2024/03/05 22:03
 2024年3月17日(日)東京体育館『ABEMA presents RISE ELDORADO 2024』の見どころを伊藤隆RISE代表が語った。聞き手は元K-1プロデューサーの中村拓己。 心・技・体が揃っていなければ生き残れない 中村 今回はELDORADOについてのインタビューをお願いします。前回の2月の後楽園大会(RISE176)でこういった形で取材をさせていただいて、選手や色々な人から反響があったのですが、伊藤さんご自身への反響はいかがでしたか? 伊藤 沢山の反響がありました。1番多かった反響は「なんで中村さんなの?」って声ですね。若い子達からすると中村さんが元ライターって事を知らないから、K-1プロデューサーのイメージなんですよね。 中村 僕もライターに復帰して取材に行くと驚かれることが多くて、特に今の若い子は知らない人が多いですね。僕もそういった立場があった上でのインタビューということで、他の方とは違う目線でインタビューを聞けたところがありましたし、特に僕自身は選手たちが伊藤さんの言葉に対して反応して、SNSで発信していることが印象的でした。なので今後もこの企画を続けていきたいと思います。 伊藤 宜しくお願いします。 中村 今回RISEとしては年間で1番大きなビッグイベントになるんですけど、この大会に関して『強者vs.強者=最強』とキャッチコピーが付けられた理由を教えてください。 伊藤 『強者vs.強者=最強』の集大成というか、年に1度の最高傑作ですよね。常に色んな団体の強い選手が出てきて鎬を削っていくのがRISEなので、海外の選手もとにかく強いやつを呼ぶという集大成がELDORADOですね。 中村 そういった意味では、1年間をかけて作ってきたストーリーをビッグマッチのELDORADOで見せたいという思いはありますか? 伊藤 1年に1回のビッグイベントなので見せたいですね。この舞台を作ったので、あとは選手たちが思い切りパフォーマンスをしてもらえれば間違いないかと思います。 中村 今回の大会もそうですが、一つの集大成であると共にここから色々なことが始まるのではないかというワクワク感がありますね。 伊藤 今年は65kgトーナメントを12月に開催する予定なので、65kgの本当に強い選手を集めたのでそういう部分もありますし、対抗戦や若手の成長もありますし、今年をクリアして来年が非常に楽しみになりますね。 中村 今回のELDORADOに関して、『強者vs.強者=最強』だったりストーリーの集大成としては、やはり志朗vs田丸辰の試合だと思います。伊藤さんから見てこの2人の1年間の戦いぶりやこの試合に対する期待感はどんなところになりますか? 伊藤 志朗は昨年は上がって下がってという感じだったのですが、田丸が一気に来たじゃないですか。志朗も追われている状況でうかうかしてられなくなりました。55kgの日本最強決定戦だと僕は思っていますので、このまま田丸が勢いで振り切るか、王者のプライドを見せて志朗が蹴り散らすかっていうのは注目ですね。5ラウンド無制限延長Rなのでドロー防衛というのは無いんですね。私の考えはドロー防衛はしても意味がないと思うんですよ。白黒つけるのがRISEという事で気持ちが見える試合になると思います。 中村 ベルトをかけた戦いはしっかり白黒を付けさせるんですね。 伊藤 お客さんも選手もそっちの方が良いですよね。 中村 伊藤さんから見て、田丸選手が昨年1年で躍進したと思うのですが1番変わったところはどこだと思いますか? 伊藤 精神面ですね。彼の中で一時停滞していた時は、環境や自分の中に迷いがあったので。今は迷いがないので、思い切り戦っているように伝わってきます。 中村 そういった気持ちの変化は試合にも現れるという事ですか? 伊藤 ”心技体”ってあるじゃないですか。僕は”心体技”だと思っていて、技術が最後で心が1番最初に重要だと思っているんですね。心ってどんな職業に就いても一緒なんですけど1番重要で、体を動かすのは心なんです。 中村 逆に志朗選手の1年はどうでしたか? 伊藤 志朗からは冷たい青い炎を感じるんですよね。「見てろよ。55kgはそんなに甘くねえぞ。」っていうのが伝わってきます。 中村 志朗選手はビッグマッチのメインを務めたりとRISEを代表する選手になりつつあるんですけど、ここぞという時に勝てなかったりする部分があるので、僕は今回の試合は志朗選手は志朗選手でRISEを代表とする選手になれるのか、試される試合になるのかなと思います。 伊藤 志朗は去年のELDORADOでもメインを務めているので、まさにそうだと思います。彼は振り幅が広くて53kgや54kgで戦ってみたりしていますが、55kgだったら間違いなく強いので安定した実力の証明ができる試合になると思います。 中村 冷たく怖い志朗選手と情熱的に感情を表に出す田丸選手はファイトスタイル含めて対照的な2人ですね。 伊藤 田丸がガンガン攻めても冷静に捌いて相手の弱点を見つけて戦うのが志朗なので、対照的な2人の試合になるでしょうね。 中村 伊藤さんが先ほど仰っていたように、5ラウンド無制限の戦いは”心技体”すべてが揃っていないと勝てない戦いですよね。 伊藤 本当にハードでごまかしも効かないので、”心技体”が揃っていなければ生き残れないですね。 中村 色々なカードがある中でもこの試合をメインに据えたのは、ベルトもかかっている事とこの2人だったら大会を締めてくれると感じたからですか? 伊藤 志朗だけではなく田丸がトーナメントを優勝してRISE's PRIZEでMVPを獲ったので、メインを張ってほしいじゃないですか。それでこのマッチメイクができたので、間違いなくRISEとしてのメインだなと感じます。 [nextpage] 若者同士の潰し合いっていうのがRISEらしい 中村 志朗vs田丸はRISEで作ってきたストーリーの中での”強者vs.強者”ですけれど、日本vs世界という部分では大﨑一貴選手がISKAの防衛戦でジラリー選手と対戦しますが、この試合は世界戦として組みたいと考えていたのですか? 伊藤 元々はK-1との対抗戦に入っていたけれど、対戦相手が決まらずに流れてしまいました。それでISKAのタイトルを昨年の同じくらいの時期に獲って防衛をしていなかったので、ベルトを持ったら防衛するのが義務だと思うので、そういう意味でこのカードを組みました。 中村 この試合は日本人が外国人選手を迎え撃つ形ですが、大﨑選手の強さやこの試合のポイントはどんなところになりますか? 伊藤 大﨑が潰しにいくんじゃないかと思います。非常に手足が長くてやりづらい選手ではあるんですけど、大﨑はそういった相手が得意ですよね。足で潰してボディで倒す。そうあってほしいですし、苦戦しているようであればここで止まっちゃうので、彼自身も53kgの世界を目指してこの試合を見せてほしいですね。 中村 僕らから見る大﨑選手の強さはなんでもできて強いという見方しかできないですけど、伊藤さんから見た大﨑選手の強さはどんなところですか? 伊藤 やっぱり当たりの強さと、常に前に出て破壊力のある攻撃で白黒をつけるという部分ですね。 中村 攻撃力は53kgの階級の中でも抜けていますか? 伊藤 THE MATCHの時の合宿でミットを持ったんですけど、ボディは53kgのパワーじゃないですね。当たった面が広がって行く感じがして、破壊力が普通じゃないです。 中村 相手も強豪ですが、今回はクリアして対世界に向けていくという事ですね。 伊藤 彼の目指している道に近づくためには、ここはKOで倒さなければいけないですね。 中村 その他にワンマッチの対戦カードで色々な”強者vs.強者”が組まれていますが、注目しているRISEらしいと感じるカードはありますか? 伊藤 山田虎矢太vs大森隆之介ですね。山田に関してはRISE向きの選手で、2022年12月の大会では有井渚海もKOで倒していますし、RISEルールに合っていると思います。山田はRISEで勝っているけどランキングがまだ下の方なので、対戦相手の大森が4位なのでここで勝つことによって一気に上位ランクへ上り詰めますし、タイトル戦線にも絡んでくるようになります。大森も良い選手で膝が強いんですよ。パンチには膝というセオリーがあるんですけど、そういう部分では面白いカードですね。 中村 シュートボクシングのリング上でカード発表して、山田選手も本格的にRISEに乗り込んでいきますと仰っていましたが、そういった選手とRISEのランカーとの戦いが熱くなりそうですね。 伊藤 大森は復帰して1年ぶりとなるんですけど、どこまで意地を見せられるかですね。 中村 同じ階級で言うと、加藤有吾vsジャルンスック・ブーンラナームエタイの試合もありますけど、ジャルンスック選手が前回インパクトを残していました。 伊藤 ジャルンスックが53kgに落ちないので、55kgを目指しています。加藤有吾に勝つことがあればタイトル戦線に絡んできますね。RISEルールにアジャストしてきているし、ダークホースというか台風の目になると思います。 中村 新しい選手がこの大会で活躍しそうですね。 伊藤 松本天志vs那須川龍心もそうですね。お互いにリスクがある試合で、皆さんの予想では松本天志という話もあるのですが、龍心サイドは勝てると言っているので、ここで龍心が勝つことがあれば一気にランクアップしますし、天志が勝てばまたタイトル戦に近づきますよね。若者同士の潰し合いっていうのがRISEらしいですけど、見たいような見たくないような感じがします。 中村 良い意味で残酷というか、勝ったら前進負けたら後退がはっきりしているカードが並んでいる印象です。冒頭でもお伺いしたように一つの大きな柱としては、RISEvs.GLORYの絡みの中でのスーパーライト級、チャド・コリンズvsミゲール・トリンダーデ、白鳥大珠vsイ・ソンヒョンの2試合があります。ここは先ほど言われた年末の65kgトーナメントに向けた査定試合という形になるのでしょうか? 伊藤 そうですね。今回ミゲールという強い選手も出てきて、イ・ソンヒョンも70kgだったけど65kgのトーナメントに向けて階級を下げるという事でメンツが揃っています。これからGLORYでも65kgの試合をやっていきますし、RISEでも65kgの予選をやって行きます。 [nextpage] 65kgは本当に世界の強豪が揃っている 中村 RISEとGLORYで65kgの階級を盛り上げていくと発表されましたが反響は大きかったですか? 伊藤 今GLORYのホームページから70kgと65kgが消されたんですよ。なぜかというと70kgは休眠なんですけど、65kgは今一緒にランキングを作成していて、上位6位までは入れて、あとはワイルドカードを作っていこうという流れになっています。トーナメントはワンデーなので、通常RISEではワールドシリーズの賞金が1000万なんですけど、それ以上の金額を出そうと思っています。 中村 なるほど。それが12月に行われるんですね。 伊藤 1日3試合です。僕も1日3試合は最高のパフォーマンスができなくなるから否定派でした。ただGLORYと組むことによって他の階級はワンデーでやっているので、どうにかそれでやってもらえないかという事で色々話し合った結果、その対価に見合うものを出すしかないとまとまったんですよね。 中村 その中で65kgがスタートして、チャドもそうですが、ミゲールが来たりソンヒョンが階級を合わせてきたりとか、世界観が広がって今までになかった化学反応が生まれたなというのがこの2カードですね。 伊藤 海外からの問い合わせもすごいですし、俺を使ってほしいと結構有名選手から連絡が来たりしているんですけど、その中でこのカードが生まれました。 中村 そこに日本人として挑む白鳥選手の相手はイ・ソンヒョン選手で強敵だと思いますが、この試合はどんなところに見どころがありますか? 伊藤 ソンヒョンは体が強いので、白鳥は前回のザカリア戦のようにできたら違うと思います。ただあの勝ちを確証にするにはもう1回ソンヒョンみたいな選手と試合をしなければいけないので、フィジカルが強い選手が海外には沢山いるので、白鳥大珠の完全復活のためにはソンヒョンをクリアしなければいけないですね。 中村 ザカリア戦では白鳥選手の良いところが凝縮された試合だったと思うのですが、伊藤さんも同じように見ていましたか? 伊藤 押されている時は負けるパターンの試合なんですけど、今回は避けて避けて膝が入ったのでよくクリアしてきたなと思いました。いつも押されて下から入られると、体を上に上げられて白鳥はKO負けするので、練習をしてきたんだなと思いました。 中村 派手なKOの部分ではなくて、彼の努力が見えた試合だったんですね。 伊藤 WORLD SERIESの61kgで優勝した時の雰囲気が戻ってきて、顔にも自信が出ています。 中村 そう考えると対戦相手がイ・ソンヒョンというのは試される試合になりそうですね。 伊藤 白鳥大珠の証明になりますよね。 中村 イ・ソンヒョンも上の階級であの強さだったので、65kgだとどうなるんだろうと期待してしまいますね。 伊藤 久々の65kgなのであとは減量との戦いじゃないですかね。ただ体と攻撃力は強いですね。 中村 あとはチャドvsミゲールの外国人同士のカードがありますが、RISEとしては世界に向けてこういったカードも組んでいきたいという事ですか? 伊藤 これが65kgの世界最高峰だよっていうのを見せたいです。ミゲールは本当に強い選手でステップを踏んでくるタイプの選手です。チャドはムエタイの選手と相性が良くて、前後の出入りが激しくてパワーがあります。 中村 色んな選手が言うように、チャドが折角勝ったのにこんなに強い選手を早速当てるんだ?と言われてるくらいミゲールは強いですよね。(笑) 伊藤 この相手ではないけどチャドが今回望んだんですよ。俺がチャンピオンなんだから意味のある試合をさせろと。だから彼も”RISE”なんですよ。 中村 ミゲールの映像を見ましたが、攻撃力も全てバランスが良くて今回チャドは倒されるんじゃないかなと心配しています。 伊藤 相性はあまり良くないと思います。ただミゲールも今後トーナメント候補に入ってきますし、チャドは負けてもチャンピオンなのでトーナメントには入ってきます。 中村 この4人が年末に向けてどう変わっていくかというか、どんな試合をして行くのかっていうのが楽しみですね。あとはRISEでの試合ではないですけど、この階級でいうと原口選手とペッチ選手のGLORYで予定しているタイトルマッチがあります。何度か対戦していますが、今回はGLORYでのタイトルマッチということも含めてどう見ますか? 伊藤 原口は「間違いなく倒せる」と言っていました。 中村 こうなってくるとここのタイトルマッチを含めて3試合をセットで見ておくと良さそうですね。 伊藤 ABEMAさんでも放送してほしいですね。(笑) 中村 原口選手とペッチ選手の最近の試合を見てどう感じていますか? 伊藤 原口も”RISE”で、弱い相手をぶつけると怒るくらいなので、どんなに強い相手をぶつけてもクリアしてくるので安定しています。ペッチに関してはGLORYで7度防衛に成功していますから凄いことですよ。ムエタイのスタイルでRISEとGLORYで勝っていくというのは難しいことだと思います。 中村 伊藤さんの話を聞くと、まさに65kgの世界のトップがRISEに集まってきていますね。 伊藤 旧K-1 MAXは70kgでしたけど、今はヨーロッパでも65kgが流行っているんですよ。65kgは本当に世界の強豪が揃っているんですよね。 中村 そういった世界展開を含めて、ここからRISEとGLORYの戦いも始まっていくという事で、今後も楽しみにしたいと思います。
全文を読む

MAGAZINE

ゴング格闘技 NO.331
2024年3月22日発売
UFC参戦に向け、ラスベガス合宿の朝倉海。「プロフェッショナル・ファイターの育て方」でチームを特集。『RIZIN.46』鈴木千裕×金原正徳インタビュー、復活K-1 WGP、PFL特集も
ブラジリアン柔術&総合格闘技専門店 ブルテリアブラジリアン柔術&総合格闘技専門店 ブルテリア

関連するイベント