キックボクシング
レポート

【KNOCK OUT】ヒジ打ち一閃デンサヤームがリオスを大流血に追い込みTKO勝ち、39歳・津崎善郎が暫定王者に、チュームーシーフーが久井大夢との激闘を制して王者・龍聖に挑戦宣言、健太が良太郎に判定勝ち、K-1グループからの刺客・小田尋久が中島に勝利、大谷翔司は相手が戦闘不能で不完全燃焼のTKO勝ち

2024/02/25 18:02
PURE BIOKEYZ presents KNOCK OUT 2024 vol.12024年2月25日(日)東京・後楽園ホール ▼メインイベント(第9試合)KNOCK OUT-REDスーパーライト級 3分3R延長1R×マルコス・リオス(アルゼンチン/ISKAムエタイ・アルゼンチン・スーパーライト級王者)TKO 2R 2分40秒 ※レフェリーストップ○デンサヤーム・ウィラサクレック(タイ/ウィラサクレック・フェアテックスジム/M-1 JAPANスーパー・ウェルター級王者)  リオスは24歳の若さで70勝(41KO)3敗とキャリアも多く、KO勝ちが多い。これまでスーパーライト級で獲得したタイトルはISKAムエタイ・アルゼンチン王座、WBCムエタイ・アルゼンチン王座など7冠。その強烈無比なファイトスタイルから“WASABI(ワサビ)”のニックネームを持つ。2023年3月に初来日を果たすが、鈴木千裕に初回TKO負け。12月に再来日を果たすとバズーカ巧樹に強烈なヒジでTKO勝ちし、インパクトを残した。  デンサヤームは82勝(8KO)27敗3分の戦績を持つムエタイの猛者。175cmの長身サウスポーで、ロングリーチを活かして蹴り技を得意とする。2019年『True 4U』のバンタム級トーナメントで優勝。2020年3月の『K'FESTA.3』でK-1初参戦を果たし、判定負けも武居由樹を長い手足から繰り出すパンチと蹴りで苦しめた。2022年から日本に移住し、武居戦から3階級上げての参戦となった2022年8月の大沢文也戦では組み付きを多用したため減点となり、判定負け。2023年7月には鈴木勇人に初回KO負けを喫したが、11月にKNOCK OUTのオープンフィンガーグローブ戦に臨み不可思に判定3-0で勝利すると、12月のKrushでは町田光にも判定勝ち。  1R、デンサヤームが左ミドルで先制。首相撲で崩し、倒れ際に顔面へヒザを蹴るキラーモードだ。前に出るリオスには左ストレートとテンカオののカウンターをお見舞いするデンサヤーム。完全にデンサヤームのペースかと思われたが、終盤にリオスが左フックを強打。  2R、デンサヤームは左ミドル、リオスが右を出そうとすると左ストレートのカウンター、リオスの蹴りはキャッチしてコカす。リオスが頭を下げて入って来るところへ、デンサヤームが狙いすました左の縦ヒジを直撃。これでリオスが額から流血してドクターチェックに。再開後、リオスがバックブローを放つとデンサヤームは組み付いてコカす。リオスは右ミドルからの右ストレート、ヒジ。流血がひどくなる前に仕留めようということか。ワンツーで突っ込むリオスだがデンサヤームはかわして首相撲で崩す。リオスは飛び二段蹴りを放つが、空振りに終わり、デンサヤームが首相撲でリオスを豪快にコカす。  ここでリオスの出血具合を見たレフェリーが試合をストップ。デンサヤームのTKO圧勝となった。KOボーナス50万円を手にしたデンサヤームは「ウィラサクレックジムの皆さん、いつも応援してくれる皆さん、ありがとうございます」とマイクで話すと、自力では立ち上がれず、セコンドの手を借りて左足を引きずりながらリングを降りた。 [nextpage] ▼セミファイナル(第8試合)KNOCK OUT-REDスーパーウェルター級暫定王座決定戦 3分5R延長1R○津崎善郎(LAILAPS東京北星ジム)判定2-1 ※48-49、49-48、49-48×MASATO BRAVELY(BRAVELY GYM/元WPMF日本ウェルター級王者)※津崎が暫定王座に就く。  MASATOは元WPMF日本ウェルター級王者で九州を主戦場に活躍。KNOCK OUTには2023年3月に参戦して渡慶次幸平に敗れ、6月も津崎善郎に敗れたが、11月にオープンフィンガーグローブマッチでクンタップに判定2-0で勝利。今回の挑戦に漕ぎつけた。普段は医者。  当初は正規王者クンタップにMASATOが挑戦するタイトルマッチが決まっていたが、クンタップの欠場で津崎との暫定王座決定戦に。  津崎は現ラジャダムナンスタジアム認定ミドル級王者・石毛慎也を師に持ち、2020年9月の新日本キックで同団体のウェルター級王者リカルド・ブラボと引き分けている。2020年12月のREBELSでは渡慶次幸平に判定勝ち。2022年12月にはクンタップと第2代KNOCK OUT-REDスーパーウェルター級王座決定戦を争ったが判定で敗れている。  1R、津崎が矢のようなジャブでMASATOが一瞬グラつく。すぐに体勢を立て直したMASATOに津崎は前へ出てのミドルと前蹴り、MASATOは左ミドル。  2R、津崎は右ローを狙い撃ち、組むとヒザを突き刺す。MASATOは右ミドルと前蹴りで津崎に比べて手数が少ない。津崎はジャブを突き、組むとすぐにヒザを蹴る。津崎がショートパンチで詰めていくとそこへMASATOの右ヒジを叩きつける。ここから攻めるMASATOに津崎はジャブで距離をとる。  3Rもジャブを突く津崎にMASATOは右ロー。前蹴りを多用するMASATOに津崎はパンチを繰り出していくが、そこにMASATOはヒジを合わせるつもりのようだ。津崎も負けじと組むと右ヒジを放つ。津崎の出鼻を前蹴りで挫き、右ミドルを蹴るMASATO。徐々にMASATOの蹴りが当たる場面が増えてきた。  4Rが始まるとすぐにMASATOが右ハイキック。さらに飛び込んでの縦ヒジ。MASATOは右ミドルも蹴る。津崎はパンチを当てに行き、組むとヒザ。MASATOのテンカオには津崎が右フックをクリーンヒット。MASATOもすかさず前蹴りで津崎を突き飛ばす。組んだ津崎は右ヒジを打つ。MASATOの左ミドルには右ストレートを合わせた。さらにMASATOの前蹴りを払っての右ローと津崎が上手をゆく。ジャブで仰け反らせる津崎にMASATOは前へ出て右ミドルを蹴り返す。  5R、右ハイを蹴るMASATOに、津崎はワンツーをすかさず返す。津崎は組むとすぐに右ヒジを叩き込む。津崎のワンツー、MASATOの右ハイ。一進一退の攻防が続く中、津崎はワンツーで前へ出る。両者の応援団がそれぞれの名前をコールする中、もつれあう両者は決定打がなく試合を終えた。  津崎はマイクを持つと「オファーがあったのは2週間前の金曜日で凄く迷ったんですけれど、断る理由がないなと。2週間というのは初めてだったんですが出来ることをやりました。27歳で仕事を辞めてプロデビューしました。今は39歳、12年かけてここまできました。勝ったり負けたりなんですけれど、高いチケットを買って応援してくれている人たちにこうやって形になったものを見せられて嬉しいです」と、39歳にして花を咲かせた新王者は語った。 [nextpage] ▼第7試合 スーパーファイト KNOCK OUT-BLACK -59kg契約 3分3R延長1R×久井大夢(TEAM TAIMU/KNOCK OUT-BLACKライト級王者)判定0-3 ※27-30、28-30、29-27○チュームーシーフー(中国/郭強ファイトクラブ/CFP)  久井はKNOCK OUTアマチュアで3階級制覇を達成後、2022年4月大会でプロデビューしてKO勝ち。12月の王座決定戦に大抜擢されると新田宗一朗に2RでKO勝ちし、わずか3戦目でKNOCK OUT-REDスーパーフェザー級王座に就いた。2023年7月にはK-1に乗り込んでBigbangフェザー級王者・龍斗から勝利を収め、9月には大谷翔司に判定勝ちでKNOCK OUT-BLACKライト級王座に就いて17歳にして2階級制覇を達成。12月にはトンミーチャイに判定勝ちでプロ戦績を7勝(3KO)1敗とした。  チュームーシーフーは中国の少数民族であり戦闘民族として知られる「イ族」の出身。2022年3月の『武林風』では、過去K-1で武尊と激闘を演じた強豪ワン・ジュングァンと対戦し、判定で惜敗したものの互角の打ち合いを演じた。2023年6月に初来日、龍聖から右フックでダウンを奪い、延長戦で判定負けも龍聖を苦しめて一躍注目を集めた。戦績は25勝(9KO)5敗。  1R、開始と同時にダッシュした久井がジャンピングパンチ。チュームーシーフーもすぐにサウスポーから強打を繰り出して前へ出る。チュームーシーフーの右フックを被弾する久井はサウスポーから左インローを蹴るが、チュームーシーフーはどんどん前へ出る。それをジャブで迎え撃つ久井。  そのジャブに左のクロスを合わせるチュームーシーフー。すると今度はそのチュームーシーフーの左に久井が左ストレートのカウンター。ロープに詰まって左右のストレートを被弾する久井だがジャブを突き続ける。スリリングな展開で初回が終了。  2R、チュームーシーフーは左ストレート連打からの右フック。両者のフックが激しく交錯する。チュームーシーフーの左ストレートを2度直撃され後退する久井。追い詰められた久井だが、左のテンカオを突き刺す。さらに前蹴り。左のヒザを狙う久井にチュームーシーフーは左ストレート。左フック、左ストレートを浴びる久井は左のヒザ。両者右ストレートからの左フック。この試合で何度も見られたシーンだが、ここでチュームーシーフーのタイミングが合い、久井は吹っ飛ぶようにダウン。ラッシュをかけるチュームーシーフーだが、久井はクリンチでピンチを凌いだ。  3Rは開始から両者足を止めての打ち合い。右ストレートからの左フックが交錯。久井の右フックがチュームーシーフーの顔面を捉える。打ち合いを仕掛ける久井は右ボディと右ストレートをクリーンヒット。チュームーシーフーの勢いが弱まるが、それでも左を強打してくる。さらに打ち合いを展開する両者だが、互いにフックをかわして打つ。逆転を狙って打ち合いに行く久井にチュームーシーフーも応え、両者足を止めての激しい打ち合いに場内は大いに盛り上がった。  判定は3-0でチュームーシーフーが激闘を制した。久井は国内で初の黒星。チュームーシーフーはマイクを持つと「前回の試合からリベンジしたいと思ってKNOCK OUTのリングに上がりました。相手は強かったです。これからの目標はKNOCK OUTのベルト、タイトルマッチに挑戦したいです。皆さん私の後押しをしてください。前回の試合は初めてだったので緊張していましが今回はリラックスして戦えました。ぜひ自分にタイトルマッチの機会を与えてください。私は中国、武林風の代表として力を込めて戦います」と、龍聖へのリベンジ、そして龍聖が持つタイトルへの挑戦を勇ましくアピールした。 [nextpage] ▼第6試合 KNOCK OUT-REDスーパーライト級 3分3R延長1R×良太郎(池袋BLUE DOG GYM/team AKATSUKI/KNOCK OUT-BLACKウェルター級王者)判定0-3 ※27-30×3○健太(NJKF/E.S.G/元WBCムエタイ日本ウェルター級王者)  良太郎は“千の職質を受けた男”として知られる強面で、パンチと首相撲からのヒザ蹴りを武器に2017年11月にはREBELS-MUAYTHAIライト級王座を獲得。2019年2月には初防衛にも成功している。2019年8月に雅駿介、2020年2月にスアレックに敗れて連敗したが、2021年2月には橋本悟からダウンを奪って勝利し復活。2022年7月に渡部太基に判定勝ち、9月の初代KNOCK OUT-BLACKウェルター級王座を懸けての再戦も判定で制し、初代王座に就いた。同王座を2023年9月の返上して臨んだKNOCK OUT-REDスーパーライト級王座決定戦ではバズーカ巧樹に延長戦の末に敗れた。戦績は15勝(5KO)14敗5分。  健太は2005年にプロデビューすると、2008年5月にNJKFウェルター級王座を獲得。その後、NJKFスーパーウェルター級王座、初代Krush -70kg王座、WBCムエタイ日本ウェルター級王座も獲得し、NJKFを代表する選手として『ONE Championship』など世界を舞台に戦ってきた。2021年9月にホームリングNJKFでの試合で100戦目に到達、その試合を勝利で飾っている。昨年12月のホーストカップ名古屋大会では元DEEP☆KICK 63kg級王者・山畑雄摩に勝利、2023年2月には引退試合の喜入衆に判定勝ち、4月のNJKFでは吉田凛汰朗にも勝利して3連勝したが、5月にムエタイの強豪ソッガオに判定で敗れた。  1R、良太郎はさっそく得意の首相撲に持ち込むとヒザ、健太もすぎに蹴り返し、良太郎がヒジ。健太の左前脚のカーフを蹴る良太郎。ジャブからローの良太郎に健太郎は前へ出て右ロー。  2R、組むと良太郎の頭部にヒジを突き立て、首相撲で崩す健太。良太郎は前へ出て右ロー、健太は左ボディ。健太が左ストレートからの右フックでダウンを奪う。すかさず仕留めに行く健太は左ボディ、右フック、右ヒジ、右ハイ。良太郎は組みついてこのラウンドを耐えた。  3R、健太がジャブ、右ストレート、左ボディ、右ローを的確に当て、良太郎は前に出るも攻撃が当たらず。ガードを固めて前に出るだけになった良太郎に健太がジャブやヒジ、ハイキックを打つ。首相撲でもなかなか手が出ない良太郎だったが、最後はヒザを蹴る。健太は左右フックを回転させ左フックを当てて終了。  判定は30-27×3のフルマークで健太の快勝となった。 [nextpage] ▼第5試合 KNOCK OUT-BLACKウェルター級 3分3R延長1R×渡部太基(TEAM TEPPEN/第4代Krushウェルター級王者)判定0-3 ※27-30、29-26、26-30○漁鬼(SHINE沖縄/TENKAICHIウェルター級王者)  渡部は藤原ジム所属として2006年3月に全日本キックでプロデビュー。Krush、M-1、REBELS、RISEなど様々なリングで活躍し、2011年1月にトーナメントで優勝して初代WPMF日本ウェルター級王者となり、2016年1月にはKrush同級王座を奪取。RISEのウェルター級王座決定戦にも2度挑んでいる。2019年7月の『RIZIN,17』でHidekiに判定2-0で敗れると引退を示唆したが、2021年11月に2年半ぶりに復帰。2022年9月には初代KNOCK OUT-BLACKウェルター級王座決定戦に臨んだが良太郎に敗れた。前戦は2023年3月にスアレックに判定負け。戦績は24勝(13KO)29敗2分。  漁鬼は『TENKAICHI』と『BEAST』のウェルター級王座を獲得。2022年7月にKNOCK OUT初参戦を果たすと、中島弘貴と1Rから打ち合う大激闘を演じ、延長戦でKOされるもインパクトを残した。戦績は6勝(2KO)4敗1分。  1R、左ミドルで先手をとる渡部に漁鬼は思い切り左右フックを振って来る。渡部はインローやミドルを見せつつ、スーパーマンパンチのトリッキー技も。左ストレートで前へ出ようとする渡部は左インローも蹴る。漁鬼は右ボディからの左フックをクリーンヒット。渡部も足を止めて打ち合いに応じるが、漁鬼の左フックが連続ヒット。漁鬼は右ローから右アッパー、右ボディから左フック、さらに思い切りフックを振り回して前へ出ると左フックを叩きつける。  2R、左ミドルを蹴る渡部に構わずフックやアッパーを浴びせる漁鬼。フルスイングの漁鬼の左右フックに渡部も打ち合うが回転のスピードに差がある。渡部が左ストレートを打つと3発連続で左フックを返す漁鬼。渡部はここで左ローを漁鬼の奥足に集中。しかし、漁鬼の左右フックを次々と浴びてしまう。それでも下がらず前へ出る渡部が左ストレートと左ロー。ラウンド終了間際、漁鬼のフルスイングの右から左フックで渡部は腰が落ちかける。  3R、漁鬼のフルスイングの左右フックが渡部の頭部を揺らし、場内に悲鳴とどよめきが起こる。左ローで逆襲する渡部だが漁鬼のパンチをもらってしまう。疲れが見える漁鬼は手数が減り、渡部の左ストレートも当たり始める。漁鬼も残る力を振り絞ってパンチを打ちながら前へ出る。それを迎え撃ち、左ストレートをヒットさせる渡部。しかし、次の瞬間、漁鬼の右フックからの左フックが強烈ヒットし、渡部はついに横倒しにダウン。立ち上がったところで試合終了のゴングが鳴った。  判定は3-0で漁鬼が激闘を制す。マイクを持つと「沖縄から来ました漁鬼です。僕、今回2戦目で僕のこと知らない人がいっぱいいると思います。名前を憶えてくれたら嬉しいです。今年KNOCK OUTのトーナメントがあるらしいので僕にもオファーお願いします」とアピールした。 [nextpage] ▼第4試合 KNOCK OUT-BLACK スーパーウェルター級 3分3R延長1R×中島弘貴(NEXT LEVEL渋谷)延長R 判定0-3 ※9-10×3○小田尋久(キックボクシングジム3K)※本戦の判定は28-30、29-28、29-29。  中島は無敗のまま「Krush 70kg Tournament 2009」で優勝。2010年3月には「K-1 WORLD MAX 2010 ~-70kkg日本トーナメント」で準優勝。2012年にはIT'S SHOWTIMEの日本王座として制定されたSTJ 70kg MAXの初代王者にも輝いている。2015年4月には第3代Krushスーパー・ウェルター級王座を獲得。2021年5月よりKNOCK OUT初参戦を果たすと5連勝(4KO)を飾ったが、2022年10月のクンタップ戦で判定に敗れ連勝がストップした。2023年4月、西川康平にKO勝ちで再起。戦績は31勝(19KO)17敗。  新極真会出身の空手家である小田は2021年11月に『DEEP☆KICK』でプロデビュー。2022年4月に『Stand up』で勝利すると、2023年2月の『Krush』に初参戦して夜叉猿に勝利した。8月には第3代Bigbangスーパー・ウェルター級王者の山崎陽一からKO勝利を飾っており、現在5戦5勝(3KO)1敗。ハイ・ミドル・ロー、後ろ廻し蹴り、胴廻し回転蹴りと空手家らしく蹴り技を多用するスタイルで、山崎戦では飛びヒザ蹴りでKO勝利している。  1R、小田が重い蹴りを放ってじりじりと前へ。中島も強い右ミドルを蹴ると、小田はハイキックからの後ろ廻し蹴りを繰り出して場内をどよめかせる。中島が右ミドル、右インローを蹴るも、左フックを打つと小田が入り込むため巻き込むような形となり、両者ホールディングという展開が続く。  2R、中島が右フックを打つと小田が入り込むためホールディングに。ならばと中島はヒザを突き上げようとする。小田が鋭い左ミドルから前蹴りで中島を転倒させる。立ち上がった中島は強烈な左ボディ。中島の左右ボディに組み付く小田。中島の右フックからの左ローに小田は左ストレート。  3R、前に出てくる小田に中島は左ボディ、右フック、左ミドル。中島が飛びヒザを発射して、そのまま両者倒れ込む。接近して左を連打する小田。中島は左ボディストレートからの右フック。ホールディングの忠を受ける中島。両者打ち合おうとするが距離が合わずホールディングになってしまい、噛み合わないまま試合終了。  延長R、至近距離での打ち合いになると中島がフックをヒットさせるが、小田が足払いで中島をコカす。中島が一発入れては組み付くか、小田が組み付くという展開が続く。小田が左右ハイキック、中島が左ボディを打つとクリンチでブレイク。中島の右アッパーに小田は右フックを合わせに行く。右フックを当てに行く中島に小田は左右ハイキック。両者もつれてどちらかが倒れるような展開がつづいた。  判定は3-0で蹴りを当てに行った小田が勝利を収めた。 [nextpage] ▼第3試合 KNOCK OUT-BLACK -63kg契約 3分3R延長1R○大谷翔司(スクランブル渋谷/元JAPAN KICKBOXING INNOVATIONライト級王者)TKO 1R終了時 ※セコンドからのタオル投入×キム・ウスン(韓国/仁川MOOVI GYM/2023年K-COMBAT アジアトーナメント優勝)  大谷は陸上自衛隊徒手格闘部隊出身。2016年にデビューし、2020年8月にJAPAN KICKBOXING INNOVATIONライト級王座に就いた。12月にはKNOCK OUT-BLACKライト級王者バズーカ巧樹に勝利も、2021年5月のタイトルマッチでの再戦では判定負け。2022年4月には『RIZIN TRIGGER 3rd』で初回KO勝ちも、7月には梅野源治に3RでTKO負け。12月には庄司啓馬にKO勝ちで再起を果たすと2023年4月に力斗にKO勝ち。6月はKrushに乗り込んで児玉兼慎から判定勝ちしたが、9月のKNOCK OUT-BLACKライト級王座決定戦で久井大夢に敗れた。12月には再びKrushで大沢文也に延長戦の末に勝利した。戦績は19勝(10KO)9敗3分。  ウスンはイ・ソンヒョン、チャンヒョン・リーを育てた仁川ムビジム・キム会長の息子。13戦全勝の戦績で2019年7月にWPMF王者の長谷川健をKO、11月にRISEに初来日すると竹内皇貴に判定勝ちしている。2018年MKF YOUTH -63kg王者、2023年K-COMBATアジアトーナメント優勝。戦績は20勝(12KO)1敗1分。  1R、前に出る大谷が右クロス、左インローを決めるとウスンも前へ出てきてパワフルなフックを叩きつける。右ローの蹴り合い、大谷はジャブを出して前に出ると右カーフ、右ストレート。ウスンは左フックを打つ。  2Rが始まる前、ウスンが右目の異常を訴えてセコンドからタオル投入。大谷が不完全燃焼のTKO勝ちとなった。  大谷はマイクを持つと「ちょっと不完全燃焼と言うか、残念ですが韓国からわざわざ仕上げてきてくれてありがとうございました。蹴りもパンチも今までで一番くらい強くてびっくりしました。1Rで終わってしまいましたが、どっちにしろ2か3には終わってたと思います。1Rを見ても僕の成長が見てもらえたと思うので、僕がKNOCK OUTを背負う選手になります」とアピールした。 [nextpage] ▼第2試合 KNOCK OUT-BLACK スーパーフライ級 3分3R延長1R○柿﨑 瑠(クロスポイント大泉)KO 2R 2分59秒 ※3ノックダウン×タネヨシキ(=タネとヨシキの間にハートマーク/直心会)  前日計量で柿崎は100グラムオーバー。そのため減点1、柿崎が6オンスとタネが8オンスのグローブハンデに。  1R、両者きびきびした動きからローを蹴るが、サウスポーのタネの蹴りがローブローとなって第1試合を彷彿とさせ場内にどよめきが起こる。両者組む場面が多いが、柿崎は首相撲でタネを鮮やかにコカす。タネは左三日月とヒザでボディを狙い、柿崎も右三日月を突き刺す。タネが左ストレートを伸ばすと柿崎は左ハイを合わせる。  2R、右の三日月を刺す柿崎にタネは左ハイを返す。柿崎は右フックを狙うがタネはしっかりガード。タネが振りかぶったところへ柿崎がワンツーを打ち抜き、ダウンを奪う。立ち上がったタネは捨て身の打ち合いに行くが、柿崎は唐牛がるとタネを投げる。さらに打ち合いに行ったところで柿崎が右ストレートでダウンを追加。  最後は打ち合いに行ったタネがバランスを崩して柿崎に抱き着いたところでバッティングとなり、タネが両膝をマットについたところに柿崎が左フックを入れ、これがダウンとみなされて体重超過した柿崎のKO勝ちとなった。  柿崎はマイクを持つと「計量オーバーして申し訳ございませんでした。試合を受けてくれたタネ選手、ジムの会長ありがとうございました。次からはオーバーしないようにやっていきます」と謝罪した。 [nextpage] ▼第1試合 KNOCK OUT-BLACKスーパーフェザー級 3分3R延長1R△羽黒慈夢(クロスポイント大泉)ドロー 判定0-1 ※19-19×2、19-20△小森玲哉(ONE`S GOAL)※判定0-2(19-20×2、20-20)から変更。  1R、サウスポーの羽黒はじりじりと前へ出て左ミドル、小森は右ミドルで応戦。両者が同時に右フックを放つ場面が続く。その右フックをバックハンドブローに変えてリズムを変える小森。羽黒の横蹴りに小森が前蹴りを合わせ、小森が転倒するも羽黒はローブローで一時中断。  2R、小森は左へ回り込みながら右ミドル。その右ミドルが再三ローブローとなってしまい、ついに強打して羽黒は悶絶。再開後、すぐに今度は小森の前蹴りが羽黒の急所を直撃。悶絶して叫び声をあげ倒れ込む羽黒。小森はリング四方に土下座する。小森には警告。インターバルの後、再開。しかし、羽黒が横蹴りを出したところに小森が右ローを蹴り、またも急所へ。悶絶してダウンした羽黒に、もはや試合続行不可能の判断が下され、ここまでの判定で決着となった。  判定は2-0で小森の勝利となったが、小森は首を横に振り続けた。 [nextpage] ▼プレリミナリーファイト KNOCK OUT-BLACK バンタム級 3分3R延長1R○川野龍輝(クロスポイント吉祥寺)判定3-0 ※30-29×2、30-28×柚子貴(NJKF京都野口GYM)
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