2024年2月3日(日本時間4日・日曜日)米国ラスベガスのUFC APEXにて『ROAD TO UFC Season 2』(U-NEXT配信)の決勝戦が行われる。
日本から参戦した4階級7選手中、フライ級で鶴屋怜、ライト級で原口伸が決勝に進出している。
優勝すればUFCとの契約が決まる決勝戦に向け、大会最後に行われるライト級で、原口伸(BRAVE GYM)と対戦する元UFCのロン・チュー(中国)にインタビューした。
ロン・チューはまだ23歳。20歳で参戦した最初のUFCではカズラ・バルガスに判定負け後、ブランドン・ジェンキンスを3R TKOで五分に戻すも、2022年2月のイグナシオ・バハモンデス戦でブラボーチョークを極められ、リリースとなった。
UFC再挑戦を目指し、UAEウォリアーズでTKO勝ちすると、RTUでは1回戦でホン・ソンチャンを1R TKO。準決勝でキム・サンウクを右カーフから右オーバーハンドで崩すと、サンウクのシングルレッグ狙いもことごとく切って、右アッパー、ボディ打ちも効かせて判定3-0で勝利。決勝進出を決めた。
パワフルな打撃と巧妙なテイクダウンディフェンスを持つロン・チューは、インタビューで、「自分がUFCにいたときはまだ若すぎて選手として成熟できていない状態でしたが、今はもうUFCファイターと呼ぶに相応しい状態です。より完成度の上がった試合をして、自分の持つべきものを取り戻します」と、進化を語っている。(C)U-NEXT
ロン・チュー「自分はレベルの違うコンプリートファイターだということを知らしめたい」
──試合まであと3日(※インタビューは2月1日に行われた)となりました。いまの心境は?
「気分はとてもいいです。“ハングリー”ですね」
──コンディションはいかがでしょうか。
「全てが順調です。とてもうまく調整ができていますし、今回は今までで一番いいファイトキャンプだったと思っています」
──決勝の対戦相手、原口選手の印象は?
「並の選手、という感じです。過去の試合を見て、レスリングを多用してくるころは分かっていますが、おそらく2Rあたりで、パンチやヒジでフィニッシュできると思っています」
──相手がレスラーということを踏まえて、得意のスタンドの打撃で勝負したいと考えていますか。
「もちろんスタンドでは自分が有利ですけど、彼はレスリング、寝技に持ち込みたいというなかで自分はスクランブルでも相手を上回ります」
──ファイトキャンプはどこで?
「RTUに出場が決まってからは上海PI(パフォーマンス・インスティテュート)でずっと練習しています。上海PIのチームと非常にいい関係が構築できているので」
──ATTでも練習していたことがありますよね?
「UFCで試合をしていたときはアメリカに約1年ほどATTに滞在してトップレベルのファイターたちと練習しました」
──いまはアルファメールのソン・ヤドン選手ともトレーニングしていた?
「ええ、以前練習していました。彼は今年活躍して、男子では初の中国人王者になりますよ」
──影響を受けていますか?
「はい。練習していたとき、たくさんのスキルを彼から学びました」
──今回、レスリングスキルの高い原口選手の対策でレスラーと組んだりということはしてきましたか?
「たしかにレスリングに限ってしまえば彼は優れたレスラーだと言えますけど、これはMMAですので特にレスラーを連れてきて強化するというようなことはないです。自分はテイクダウンディフェンスもしっかりできるところを見せられると思いますし、こちらがスタンドの状態で彼によりプレッシャーをかけられると思っています」
──前回の死闘の勝利の決め手になったのは、ロン・チュウ選手の右カーフ、そしてボディブローでした。今回の原口選手はサウスポー構えですので新たな作戦も?
「そうですね、前戦は対戦相手が背が高かったので、カーフキックをより活用することを考えていました。対戦相手が変わるので毎試合プランは変わってはきますが、カーフキックは長年練習しているものではあります」
──今回は何がキーになると思っていますか?
「いつもの自分らしい戦いをすれば、勝てると思っています」
──どんな試合を見せたいですか?
「皆さんに、自分はレベルの違う“コンプリートファイター”だということを知らしめたいです」
──今回勝利すること、そしてUFCと改めて契約することにどのような意味を持っていますか?
「必ずこの試合を勝利します。自分がUFCにいたときはまだ若すぎて、まだ選手として成熟できていない状態でしたが、今はもうUFCファイターと呼ぶに相応しい状態です。より完成度の上がった試合をして、自分の持つべきものを取り戻します」
──現在の中国では、UFCファイターになるということは大きな影響力を持つのでしょうか。
「そうですね、MMAはこの数年で急速に中国で発展している分野なんです。特に『ROAD TO UFC』が始まってアジアの選手たちがより多くUFCの舞台で戦えるようになってきていることでより盛り上がっていると思います」
──日本のファイトファンにメッセージをお願いします
「皆さん、残念ながら(日本人選手の)原口伸選手を倒してしまうことになりますが、応援よろしくお願いします」