2024年3月30日(土)東京・後楽園ホール『Krush.159』の対戦カード発表記者会見が、1月29日(月)都内にて行われた。
Krushスーパー・バンタム級タイトルマッチ3分3R延長1Rとして、王者・璃明武(K-1ジム総本部チームペガサス)が岩尾力(POWER OF DREAM)の挑戦を受けて2度目の防衛戦に臨む。
璃明武は空手のバックボーンを持ち、2018年4月にプロデビュー。2021年8月から開幕した「第7代Krushスーパー・バンタム級王座決定トーナメント」で優勝して王座に就いた。2022年2月の「K-1 WORLD GP第3代スーパー・バンタム級王座決定トーナメント」では準決勝へ進出するも金子晃大に敗れ、6月の『THE MATCH 2022』では江幡睦にも敗れて連敗を喫したが、7月の初防衛戦で永坂吏羅に判定勝ち。戦績は12勝(4KO)3敗。
岩尾は2014年7月にK-1 JAPAN GROUPに参戦すると、亀本勇翔、西京春馬に勝利したが2015年5月に朝久泰央に敗れた。その試合を最後にWINDY SUPER FIGHT、蹴拳、Bigbangなどの他団体に出場。バイク事故で大怪我を負い、2022年8月のKrushで約4年半ぶりの復帰を果たすと、4連勝(3KO)。前回は12月に内田晶に判定勝ち。武居由樹が「マジの天才」と評価する。戦績は15勝(8KO)3敗1分。
岩尾は「やっとタイトルマッチが来た。やっとこの時が来たのでワクワクしています。絶対にベルトを獲る」と王座奪取の意気込み。璃明武は「岩尾選手とは出てきた時からやると思っていました。Krushのこの階級で岩尾選手以外に相手がいないと思っているので、試合が楽しみです」と、岩尾との対戦は予感していたという。
互いの印象を聞かれると、岩尾は「僕の中の璃明武選手の印象は、永坂戦の背中を見せて逃げるシーンしかないので、僕の時はしっかり向き合って欲しいですね。この前の試合は僕も内田選手に力みすぎたので、今回は倒しに行くと宣言して行こうと思います」と、挑発を交えてのKO宣言。
これに璃明武は「背中を見せて逃げたと言われましたが、ちゃんと試合を見ていたのかなって。今回も最後完封してまたダッシュしてもいいのかなと思っています」とニヤリ。岩尾については「パンチがあって、この前は判定でしたがその前は3試合KO。55kgではダントツのパワーで強い選手だと思う」と高評価した。
璃明武は「交通事故だったんですよね。そこから復帰されて、自分がデビューする前からデビューしていたので、Krushに出てきて一発目の小倉戦を見て強いと思いました。その時に、他にこの階級で相手になる選手がいないので、やることになるのかなと思っていました。そこから連勝したのでやる流れかなと思いましたね」と、岩尾が自分の前に立ちはだかるのは予想していたとする。
それに岩尾は「僕も遠回りしたので。事故もしていろいろなことがたくさんありました。タイトルマッチも他団体で2回逃しているので、久しぶりのベルトが懸かっての試合というのもあるし、単純に璃明武選手を倒したい。その中でベルトが付いてくるだけ。変な意味じゃなくタイトルが懸かっていなくても戦う相手として、ベルトよりも璃明武選手に勝ちに行きます」と、璃明武に勝ちたいとする。
璃明武のどんなところに対戦相手としての魅力を感じているのかと聞かれると、「魅力はないんですけれど。55kgだと誰と戦っても僕は負ける気がしないので、王者である璃明武選手が戦う相手にふさわしいと思うだけです。倒して勝つのが面白いと思ったのでやりたい相手です」と、Krushスーパー・バンタム級の頂点に立っているからやりたい相手だと説明。
前日には同門の池内紀子がKrush女子フライ級王座に就き、「ノリとは今年一発目からタイトルマッチが決まっていたので、絶対にベルトを獲って繋げますと言ってくれていて。いい流れでバトンを渡してくれました。PODにベルトがなかったんですが、一発目からベルトを持って帰ってきてくれたので、いいバトンが来たのでそこはしっかりつなげます」と自分も続きたいとした。
前回の内田戦で連続KO勝ちは途切れたが「反省点もありますが、逆に久々に3Rだったので振り返ってみるとやってよかった。元々、倒しに行くつもりはなくて、倒し切れる場があったら倒そうと思っていたので、3Rやって得るものが多かったです。凄くいい経験で繋がるものを得ましたね」と、タイトルマッチ前にフルラウンド経験できてよかったとする。
一方、璃明武は岩尾のフィニッシュブローであるボディブローについて「内田戦の時はリングサイドで試合を見ていましたが音が凄いし、この階級でパンチ力は一番あるのかなと思うので警戒しています。でも、僕は今までボディで倒されている選手とはレベルが違うので、そんな簡単にはいかない」と言い放つ。
前回の永坂戦に続いて挑発を受けたことには「今回は言われ無いのかなと思っていたんですけれどね(苦笑)。自分は岩尾選手をリスペクトしているので。交通事故から復帰するのは凄いことだと思います。そこから復帰して勝ち上がるのは普通の人には出来ない。本当に強い選手だと思いますが、違うレベルを見せたい」と、岩尾のことは認めながらもレベルが違うとした。
岩尾が「昨日のタイトルマッチでもメインが2RのKOで終わった。KOって見ていて面白いし、誰もがKOはしたくても出来るものではないと思いますが、KOで終わらせるのが一番いいかなと思っていて。自然と出ると思うので、今回はKOで倒しに行く練習をしているので楽しみにしていてください」と、KO決着がタイトルマッチにふさわしいとする。
それに璃明武は「この試合は今のKrushで一番いいカード。レベルでも期待値でも。それにふさわしい試合内容でしっかり勝って、このベルトの価値をしっかり高めたいと思います」と応えた。
最後に岩尾は「6~7年ぶりのタイトルマッチ。初のKrushタイトルマッチでワクワクしていて、僕が巻いた方がストーリー性もあるし、僕の方が華があると思うので、ベルトを何が何でも巻いて、55kgを僕に任せてもらえたらと思う」と自分がスーパー・バンタム級を引っ張っていくと話す。
その発言を聞いて璃明武は「いろいろ言ってるんですが、試合で何もさせないで圧倒して、しっかりとこの階級は璃明武なんだぞって内容を見せて証明したい。あと満員の会場でしたいので盛り上がる試合をしたいです」と、自分こそがスーパー・バンタム級の王にふさわしい試合を見せると語った。