Krush.1572024年1月28日(日)東京・後楽園ホール
▼ダブルメインイベント第2試合(第8試合)Krushフライ級タイトルマッチ 3分3R延長1R×悠斗(HUNGRY GYM/王者)KO 2R 0分41秒○大夢(WIZARDキックボクシングジム/挑戦者)※大夢が第4代王座に就く。悠斗は初防衛に失敗。
悠斗こと高橋悠斗は、元々はキックボクサーで2011年に国士舘大学所属として全日本学生キックボクシング連盟のフライ級王者となっている。プロデビュー後はNJKFの上位ランカー(最高2位)として活躍したが、2014年にボクシングへ転向。2019年10月に世界ランカーでもあった王者・堀川謙一を破り、日本ライトフライ級王者となった。しかし、2020年3月に決まっていた初防衛戦が新型コロナウイルスの影響により度々延期に。気持ちが切れてしまい、4月にタイトル返上と現役引退を発表。プロボクシングの戦績は11勝(5KO)4敗。
2021年6月にキックボクシングに復帰し、『KNOCK OUT』で白幡裕星に判定負け。2022年9月にはWMC日本ライトフライ級王座を獲得している。2023年7月のKrush初参戦で松葉斗哉を左フックでなんと9秒でKOした。10月には大鹿統毅を47秒でKOし、王座を奪取している。戦績は22勝(11KO)13敗4分。自らを“KO体質”と称している。
大夢は10勝(5KO)3敗の戦績を持ち、2021年6月からKrushに参戦。山脇、萩原秀斗らを破って4連勝(3KO)を飾ったが、2022年の「初代Krushフライ級王座決定トーナメント」の決勝戦で大久保琉唯に延長戦の末に惜敗。2023年5月に再び「第2代Krushフライ級王座決定トーナメント」に挑んだが、決勝で大鹿統毅に敗れ王座を逃した。10月に宗一郎をKOし、王座挑戦をアピールしていた。
1R、右カーフを蹴る大夢に悠斗はいきなり左右フックを振る。悠斗の左右フックをかわしつつ、顔面に前蹴りを入れる大夢。ジャブと右カーフの大夢は上体をリラックスさせて悠斗のパンチをかわしていく。大夢は前蹴りから意表を突くバックハンドブロー。悠斗が攻めてくるとガッチリとブロックを固め、すぐにジャブで反撃。
大夢はジャブに左三日月、右カーフ。悠斗は右目が赤く腫れあがり、大夢は容赦なくその右目へ向けてジャブを連発する。ジャブ、顔面前蹴りとリーチの長さを存分に活かす大夢。右カーフで悠斗がバランスを崩し、大夢が前へ出る。悠斗も左右フックを振って反撃するが、大夢の飛びヒザ蹴りからの左インローで悠斗がダウン。
2R、右カーフ、ジャブで悠斗を近付けさせない大夢。左三日月で悠斗を後退させると、すぐに前へ出て右ストレート2発でダウンを奪う。レフェリーは立ち上がれないと見てここでストップ。大夢がKOでタイトルを奪取した。
ベルトを巻いた大夢は「ここまで来るのにほんまにめっちゃ遠回りして。ジュニアの時もトーナメントに5回くらい出させてもらって全部ベルトを巻くチャンスを失ってしまって。そのままプロに転向してトーナメントと大鹿選手に2度も負けて。どうしようかなと思ったんですけれどこうやって3度目の正直ってことでベルトを巻くチャンスをもらえてほんまに嬉しいです。
試合前もめっちゃ不安で大丈夫かなと思っていたんですけれど、チームやったり応援団のみんながパワーをくれてベルトを獲ることが出来ました。ほんまにありがとうございます。チャンピオンベルト獲ってこれで終わりじゃないと思っているので、自分のやり方でこれからも頑張っていくのでよろしくお願いします」と涙ながらに語った。
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▼ダブルメインイベント第1試合(第7試合)第6代Krush女子フライ級王座決定トーナメント決勝戦 3分3R延長1R○池内紀子(POWER OF DREAM)延長R 判定3-0 ※10-9×3×麻央(K-1ジム心斎橋チームレパード)※池内が第6代王座に就く。本戦の判定は30-30×2、30-29。
池内は2021年3月にKrushでプロデビューすると、POD仕込みのボクシングテクニックで無傷の6連勝。2023年6月に麻央を判定で破り、10月のトーナメント準決勝では真優に判定勝ち。
麻央は5勝1敗の戦績を残してリングから離れていたが、2022年12月のKrushで約6年ぶりに復帰。真優に判定勝ちすると2023年4月には韓国のファン・ソンリムにも勝利して連勝。しかし6月、PODの新鋭・池内紀子に敗れ連勝がストップした。10月のトーナメント準決勝では鈴木万李弥に判定勝ち。戦績は8勝2敗。
1R、麻央はワンツー・ロー、ワンツー・ミドルと前へ出てアグレッシブに攻めていき、池内はヒザを多用する。池内は前へ出る時に必ずヒザを上げてけん制。麻央はジャブをボディへ打つ。麻央がワンツー・右ローでペースを握ったか。
2R序盤、ワンツーで激しく打ち合う中、池内はヒザを突き上げる。さらに右ロー。麻央は右ミドルからの右ストレート。池内は蹴り上げを多用し、当たらずもけん制となっている。麻央のワンツー・ミドルに池内は左右ボディ、右ローで対抗。池内は左アッパー2連発から右ミドル、右フックも麻央は下がらず前へ出ていく。
3Rもヒザを突き上げていく池内。麻央のワンツーに池内は右ストレートを返す。入り込んで左右のアッパーを突き上げる池内は左右のボディも叩く。麻央のワンツー・左ミドルに池内はショートアッパーにヒザ。さらに左右ボディ。右ヒザを突き上げながら前へ出ていく池内。麻央がミドルを蹴る距離で左右のボディをヒットさせる。
本戦の判定はジャッジ1名が池内を支持したがドロー。延長戦へ突入する。麻央のワンツーに池内が左右ボディを返す。両者ともクリンチが多い。麻央の左ミドル2連発には池内がヒザ。体格で優る池内は麻央を押して下がらせる。麻央も右ストレートで応戦したが、体格差を活かして前へ出続けた池内の判定勝利となった。
池内はマイクを持つと「KOは出来なかったですが、麻央選手は本当に強かったです。自分は全然センスないし、一人じゃ何もできないけれど会長を始め、家族、ジムの仲間みんなのおかげでここまで来れました。大好きな石川県(池内は石川県津幡町出身)にもパワーを送りたかったのでベルトを持って帰ることが出来てよかったです」と涙声で語った。
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▼第6試合 Krushスーパー・ライト級 3分3R延長1R×近藤魁成(TEAM3K)判定0-3 ※26-30×3○塚本拓真(K-1ジム三軒茶屋シルバーウルフ)
近藤は幼少期より空手を学び、難病を克服して2017年に高校1年生でK-1甲子園を制覇。2018年3月にプロデビュー、2018年K-1甲子園を連覇。2019年5月、木村“フィリップ”ミノルのKrushウェルター級王座に挑戦し、KO負けで初黒星を付けられたが、ヒザ蹴りでダウンを先制してあわやの場面を作り出した。
2020年8月には「第7代Krushウェルター級王座決定トーナメント」に出場するも決勝でアクシデントによりTKO負けを喫し、またも王座に手が届かなかった。2022年8月、スーパー・ライト級に転向するが鈴木勇人にKO負け。2023年3月にヴィトー・トファネリに勝利して再起を果たしたのもつかの間、8月にFUMIYAにKO負けを喫した。戦績は8勝(5KO)5敗1分。
塚本はK-1アマチュアを経て、2018年9月にKrushでプロデビュー。2019年10月から2021年6月まで3連敗を喫したが、2021年11月の川島康佑戦から2023年1月の大野祐志郎戦まで5連勝。「第9代Krushスーパー・ライト級王座決定トーナメント」では準決勝で小嶋瑠久に敗れるも小嶋の棄権で決勝へ進出。稲垣柊にTKOで敗れた。戦績は6勝(2KO)5敗2分。
1R、ミドルの蹴り合いからスタート。近藤がローを蹴ると塚本はジャブ、右ストレートを合わせて来る。近藤は左ボディをリターン。右ミドルを蹴って来る塚本に近藤は左ローを返していく。近藤はジャブ、左インロー、前蹴りで塚本を下がらせる。ならばと塚本はヒザを突き上げる。近藤は前蹴りからヒザ。
2Rも前に出る近藤は右ストレートで倒しに行くが、塚本も右ストレートを返してボディへヒザを突き刺す。ボディの打ち合いから、塚本が右ミドルを連発。近藤はそのミドルに右ストレートを合わせに行く。近藤はヒザを蹴るが塚本もヒザを返し、ヒザからの右ストレートで近藤が一瞬腰を落とす。すぐにワンツーで前へ出る近藤だが、下がりながらも塚本は右ミドル、右ボディストレートを当てていく。近藤のワンツーに塚本は右ストレートを打ち返していき、ラウンド終了間際に右クロスでダウンを奪う。
3R、塚本は右ストレート、右ミドル、ヒザと前へ出る近藤を迎え撃つ。近藤はワンツーで逆転を狙うが、塚本はヒザを突き上げる。塚本の連打に棒立ちとなる近藤だが、右ストレートを出して前へ出る。互いのストレートが交錯。近藤はヒザも蹴るが塚本が右ストレートでまたも近藤をグラつかせる。近藤はアッパーからヒザ、ワンツー。塚本は右ミドルを蹴っていく。近藤は左フックを思い切り振っていくが、またも塚本に右を合わされてダウン。それでも倒しに行く近藤だったが、塚本の右をもらってグラついてしまう。
判定3-0で2度のダウンを奪った塚本が勝利を収めた。
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▼第5試合 Krushライト級 3分3R延長1R×瓦田脩二(K-1ジム総本部チームペガサス)KO 3R 0分33秒○児玉兼慎(K-1ジム三軒茶屋シルバーウルフ)
1R、瓦田はジャブから細かい連打を打ってのヒザ、そて右ストレートを伸ばす。鉄槌を振り下ろすようなジャブ、外側から回して打つ右フックと瓦田は手数を出して攻める。児玉はガードを固めてジャブと右カーフ。前に出て手数を出し攻める瓦田だが、児玉の右カーフをもらって後退。徹底的に右カーフを蹴る児玉。
2R、左右を連打してアッパーやボディにつなぐ瓦田。しかし児玉は下がらず、瓦田を下がらせて左アッパーに左フックを合わせてダウンを奪う。しつこく右カーフを蹴る児玉に瓦田はヒザを突き上げる。左右フックも打って右カーフで瓦田をグラつかせる児玉。瓦田も細かくパンチを繰り出していくが、児玉はガードを固めて瓦田のジャブにジャブをタイミングよく合わせてダウンを奪う。襲い掛かる児玉だが瓦田も左右ボディとヒザで反撃。
3R、瓦田は飛びヒザ蹴りを仕掛け、右ストレートに左右フック。しかし、瓦田が右ストレートを出そうとしたところに児玉が右ハイキックを合わせてダウンを奪う。立ち上がった瓦田だが、足元がフラつきレフェリーがストップ。児玉が元王者を破る金星を得た。
「やってやったぞ!」とマイクを持って叫ぶ児玉。「俺はいつも試合が終わった後はまだまだこんなもんじゃないですと言っているけれど、俺はこんなもんです。どうですか。今年中にKrushのベルト獲りに行くので伊藤健人さん、待っていてください」と年内にタイトル挑戦をアピールした。
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▼第4試合 Krushライト級 3分3R延長1R×堀井 翼(K-1ジム五反田チームキングス)判定0-3 ※28-30×2、28-29○鈴木翔也(OGUNI-GYM/NJKFライト級王者)
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▼第3試合 Krushバンタム級 3分3R延長1R×坂本寿希(リーブルロア/初代KROSS×OVERスーパーバンタム級王者)判定0-3 ※29-30、28-30×2○林 佑哉(K-1ジム大宮チームレオン/RKSバンタム級王者)
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▼第2試合 Krushフェザー級 3分3R延長1R×水津空良(優弥道場)KO 1R 2分09秒○橋本雷汰(BFA-SEED/K-1甲子園2022 -60kg王者)
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▼第1試合 Krushフライ級 3分3R延長1R×西林翔平(K-1ジム福岡チームbeginning/初代KPKBバンタム級王者)判定0-3 ※27-30×2、28-30○長野 翔(K-1ジム三軒茶屋シルバーウルフ)
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▼プレリミナリーファイト第2試合 Krushライト級 3分3R○河北“KONG”光生(K-1ジム蒲田チームアスラ)KO 3R 1分26秒×川越亮彦(K-1ジム総本部チームペガサス)
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▼プレリミナリーファイト第1試合 Krushフェザー級 3分3R×山本 陸(K-1ジム総本部チームペガサス)判定0-3 ※28-30×2、27-30○橋本楓汰(BFA-SEED)