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2024年1月28日(日)東京・有明アリーナ『ONE 165: Superlek vs.Takeru』にて、正規王者がタン・カイ、暫定王座にタン・リーがつくONEフェザー級(※70.3kg)において、現在1位のゲイリー・トノン(米国)と、3位のマーティン・ニューイェン(豪州/ベトナム)が対戦する。
トノンは、2022年3月にトノンに敗れたものの、2023年1月にジョニー・ヌネスをキムラロックで、7月にシャミル・ガサノフをヒザ十字で極めて2連勝中のサブミッションアーティストだ。
元ライト&フェザー級二冠王のニューイェンは、2022年9月に現2位のイリヤ・フレマノフに1R TKO負けも、2023年2月の前戦でレオナルド・カソッティに判定勝ちで再起を遂げている。
2人の王者がいるフェザー級で、次なるコンテンダーは誰か。注目の上位ランキング戦だ。
前回極めたヒザ十字は「ラットニーバー」さ(トノン)
──来日してからは山本“KID”徳郁さんのジム・KRAZY BEEで調整を続けてきたようですね。
「そうなんだよ。ジョン・ダナハーらとKIDのジムで調整することが出来た。素晴らしかったよ。彼はこのスポーツのレジェンドだから、そこでトレーニングする機会を持つことが出来たのはとてもクールだった」
──対戦相手の元ライト&フェザー級二冠王のマーティン・ニューイェンは中間距離が強いストライカーですが、一本負けが無いわけではありません。
「マーティンはいろんな方法でフィニッシュする能力を持っていると思う。彼は相手を痛めつけたあとにそこを活かしていくことがとても上手だし、状況は変化するものだから自分は世界でも最高峰のグラップラーの一人じゃないかと思うけれど、何回かパンチをもらってしまうと、何らかの状況につかまってしまうかもしれない。
優れたグラップラーだからといって、タフなグラップラーが打ち込まれてしまったりすることもある。それでグラップリングスキルという点で劣っている人に極められてしまうなんてこともしばしば目にする光景だ。だからあらゆる局面に準備が出来ている。きっと彼はスタンドで自分をKOで仕留めようと思っているだろうけど」
──相手を掴むことと、相手に掴ませることは同意という考えもあるなかで、アプローチすれば、トノン選手には後転しての足関節、さらに前戦のシャミール・ガサノフ戦のように前転のニーバーもある。あの最後のフィニュシュは、通常の胸で絞める形とは異なるものでした。
「そう。英語では『Lat Knee Bar』(ラットニーバー)と言って、相手の足を脇の下に入れて伸ばす。相手の足の下に自分の足を入れて伸ばすと、自分の背骨全体が伸びるような支えになる。逆に胸で支えるのは難しい、手でアシストしないといけないから。相手の足を肩の後ろにひとたび入れれば、全部をやらなくていい。ただ自分の背骨を伸ばすだけで、いろんな力を広背筋に加えることができる。
でもここで起きている大きなことというのは、広背筋の下の足のトランジションだけじゃなくて、注意しなくちゃいけないのは、足から足へのコネクションで、これがフィニッシュに繋がっている。これをもっと近くで見てみると、最初にニーバーを絞めようとしたときに、ラット・ポジションから伸ばしたとしてもまだ彼にタップさせるには十分じゃなかった」
──相手のヒザをトノン選手の腿の上に乗せて、さらに右足を相手の腿の上からかぶせて両足を組んでタイトに絞めましたね。
「そう、自分の足を、自分の足の上にこう乗せた瞬間に、自分が両足で彼の腰のところにドライブできるようになるから、それで最終的にはフィニッシュできるくらいに足を伸ばせるようになるんだ」
──サブミッションのポジションによってはリスクもあるなか、ガサノフ戦の前転、中原由貴戦のシングルレッグからの後転しての外ヒールなど、アプローチはさまざまですね。
「フロントからバックからだけでなくさまざまなアプローチをMMAのなかで行うこと。だからそれはスタンドから始まっている。楽しみにしていてほしい」