MMA
インタビュー

【ONE】平田樹「向こうは、得意な形しかなくても勝てればいいと思っているだろうけど、私がしっかりMMAで勝ちます」=1月28日(日)三浦彩佳と対戦

2024/01/24 19:01
 2024年1月28日(日)に東京・有明アリーナにてONE Championship『ONE 165: Superlek vs.Takeru』(ABEMA PPV ONLINE LIVE配信)が開催される。  約4年ぶりの日本大会では、「ONE女子アトム級(※52.2kg)5分3R」で、平田樹(日本/フリー)と三浦彩佳(日本/TRIBE TOKYO MMA)が対戦する。  会見後、本誌は両者に個別インタビューを行った。  ABEMAではすでに山本アーセンを巡る“元カノ・今カノ対決”で大いに煽っているため、本誌では、練習環境や試合について聞いた。 自分が日本人対決をやることでみんなに見てもらえるなら── ――2人が揃った会見では、馴れ合いするのは嫌だった? 「いや、“どっちかかな”と思ったんですよ。自分はBreakingDownめちゃ好きなんですけど(笑)、あのオーディションの一発芸とか逆にすごいなって。だから、今回はBreakingDownみたいに行くのか。でも箕輪(ひろば)くんも言ってた通り、ONEってやっぱりリスペクト重視のスポーツというのがあるので。“そうだよな”って。それを言われたときに“たしかに”と思って。ふざけすぎ、と思って見てましたね」 ――ジムでは、和術慧舟會HEARTSで彩綺選手との練習を拝見しました。日本大会に向けた練習環境はいかがでしたか。 「全然最高です。最高というか、普通に充実して練習できています」 ――打撃や寝技、レスリングなどのパートに分けて練習しているのでしょうか。 「そうですね。パートというか、曜日に分けて、いつもHEARTSさんではMMAを、主に壁レスリングとかをやらせてもらって、あと立ち技、ムエタイのジムに行っていて、フィジカルトレーニングはパーソナルでやってもらったり、HALEOに行かせてもらったり、あと寝技はトライフォース池袋に行かせてもらったりしています」 ――立ち技はどこでやっているのですか。 「クレインという一戸総太さんのジムですね。ずっと前からけっこうつながりがあって、今回日本にいるということで、ミット持ってもらって。お兄ちゃん(平田直樹=PANCRASEフェザー級2位)も行ってるんですけど」 ――一戸さんということはムエタイの組みもあるミットでしょうか。 「そうですね。でもけっこうMMA寄りでやってくれるので、次の試合もこうしたらどうかといろいろアドバイスももらっています」 ――HEARTSでは彩綺選手にむしろ平田選手が教ええているようにも見えました。 「でも彩綺さんもムエタイベースなので、グラップリングはかなりたくさんあると言っていたので、その前の、須田さんの試合前とかも練習してて、今一緒にやらせてもらってます。それにHEARTSには男子軽量級の選手も多いので、自分的にはすごくありがたいですね」 ──トライフォース池袋では、本誌の雑誌の方でお兄さんの平田直樹選手と取材をさせてもらいましたが、格闘技に戻るきっかけになったようですね。 「前回の試合後、いったん格闘技から離れて、その後、グラップリングから練習をするようになって。それで身体を動かして、兄とも意見を交換して、PANCRASEで直樹の試合を見て『もっと殴りに行け!』と思って。そこからもっと自分もパウンドもしたいと思うようになったんです」 ――いま樹選手の動きをトータルでコーディネートとしてくれているのは……。 「自分でもやるし、いまは大沢(ケンジ)さんをはじめ、周りで見ている人たちも“こうしたいけど、どうしたい”というのをけっこう言ってくれるので、作戦についてはしっかり話すことが出来ています。これが選手とコーチの作り方だなというのがあるので。お兄ちゃんともそうできています。自分にめちゃめちゃ厳しいんで(苦笑)。一緒に練習したくないな、という部分もあるんですけど。やっぱそれが言えるのが兄貴だなというのもあるし。そこで言われてそうだなって素直に思う部分は直さないいけないと感じられます」 ――正直、今回の試合が決まったときにどういう捉え方をしましたか。階級下から上げてくる三浦選手、そして、日本人選手と当てられるということについて。 「お互いに求めていたわけじゃないカードだし、“盛り上げてくれ”というのもあるだろうし……でも実際、やっぱ日本のファンのみんなって、日本人の試合じゃなきゃ見ないというところもあると思うんです。これだけすごい、ONEの豪華な組み合わせを見ても、“この人、誰?”みたいなところが多いと思う。その点で、日本人vs.日本人だと、見たいという人がけっこう増えると思うので、自分的には嬉しいし、それで足を運んでくれたらすごいいいことだと思うので。  この試合からONEにすごく詳しくなってくれたらいいなとも思うし。ランキングがあって、ランキング上の人と戦うとなっても、やっぱり日本のファンって結構、まだ分からないというところが多いかなと思うんです。そこは残念なんですけど、その点で、自分が日本人対決をやることでみんなに見てもらえるなら、すごくいいことだと思います」 ――女子アトム級の頂点にスタンプがいて、1位にハム・ソヒ、2位にザンボアンガがいる(※3月1日・カタール大会でスタンプvs.ザンボアンガの元チームメイト対決が決定)。3位にアリヨナ・ラソヒナ、4位にティファニー・テオ、5位にジヒン・ラズワンというランキングで、平田選手はハム・ソヒとラズワンに敗れている。上位を目指すためには、また白星を積み上げてランカーに勝っていかないといけないという状況です。そこで今回の階級上の日本人選手との試合は“試されている”という気持ちはありませんか。 「それもありますね。日本大会だし、みんなも見ているというのもあるので、“しっかり試合しろよ”という部分もあると思います」 [nextpage] あやかロックは「もらわないで勝ってる人たちもいるということは“対策ができる”ってこと」 ――同じ柔道ベースですが、MMAでは三浦選手とはやっていることが異なりますか。 「そうですね。やっぱ自分はすぐに組みに行かず、打撃もやりたいというのは、毎回毎回の目標でもあるんです。そこで前回の試合よりもワンステップ上にいけたらいいなという、“試し”でもあるかなと」 ――あのハム・ソヒ戦は自分の中で消化できていますか。 「悔いは残らなかったというのもあるけれども……“もっとできた”という思いもあるんです。やっぱり試合が終わるたびに、毎回毎回“もっとできた”というのはあると思うので、いつかそれを無くせるような試合が目標だなって。その上では、試合数が少ないというのもあるので、2024年一発目でもあるので、一発目から飛ばしていきたいなと思います」 ――ハム・ソヒ戦で打って組んで、序盤はかなりがぶられて下になったりもしましたが、後半にダブルレッグと飛行機投げで組んで投げる形を見せました。ああいった動きの手応えはご自身ではどうだったのですか。 「スタートが遅かったなというのはあります。それは毎試合。5分3Rしかないところで、最後のラウンドが良くても負けるというのは分かっているのに。あそこの15分間で発揮できないのが、一番選手の中で悔しいというか、心が残るところなんです。そことしっかり向き合うことが出来ました。最初から100パーセント出すというのも、次の試合で試すところかなと思います」 ――最初から100パーセントを出す。そのためにはどうしたらいいと考えていますか。 「練習からもそうだし、試合前もそうだし、どう作るか。緊張という部分もあると思うし、相手と向き合ったときの感覚もそうです。それってやっぱ練習じゃ分からないことだと思うけど、本番でどれだけ行けるか。その(緊張の)壁をどう壊せるかが、自分の目標だなってすごい思ってきました。そこに取り組まなきゃいけないというのが、すごい明確に分かっているので、次の試合はそこが試せたらいいなと思います」 ――階級を下げてきて、当日の相手は大きいかもしれないですが、あの首投げからのアームロックに関しては、もらわないという気持ちもありますか。 「そうですね。だってもらわないで勝ってる人たちもいるので。ということは“対策ができる”ってことだと思ってるので、百発百中あれが効くかって言われたら……うーん、と思うんですけど、それでも効いてない、負けてる試合があるのは、どこかに抜け道もあるということ。チャンスもあるので、そう思うと、自分も袈裟固めのやり方もけっこう分かる。組まれなきゃいいけど、組まれてからも頭の位置とか気をつけて。それでも極める強さ・コツ持っていると思うし、やってみなきゃ分からないですけど、そこに注意したいと思います」 ――どんな試合になりますか。 「しっかり、5分3ラウンド、MMAを戦おうと思っています。でもたぶん向こうは、得意な形(あやかロック)があって、それしかなくても勝てればいいと、いつも通り組む形だと思っているんですけど、自分は近い距離での打撃戦もできたらいいなと思うし、やっぱりMMAをやりたい。それに、最初から100パーセント出すという自分との戦いもあるので、そこも越えて、しっかり目標を達成できたらいいなと思っています」 ――最後はどうやって仕上げていきますか? 「いつもどおりの試合前の感じもあるし。でもやっぱ、結構ホームで試合というのが大きいかなって。これまでだったら試合の4、5日前には現地入りしていたので、普段のまま家族とも普通に過ごして、試合だってときに100パーセントで戦えるので、コンディション的にもめちゃくちゃ楽です」 ──1カ月前で何kgでしたか。 「全然落ちてます。66~67kgの間くらいなんで、1カ月前でちょうどいいかな。以前と違って、成分もしっかり見て“普通にこれ食べてたら太るな”“あいつらやばいもん食ってんなみたいな”と思うことがけっこう増えました」 ──あらためて、今回の試合に向けたいまの気持ちを。 「いい意味で平常心です。前回負けた時に本当に気持ちが落ちて、あれ以上落ちることもないし、この試合を成長できる試合にしたいと思っているんで、意地を張ってつまらない試合をするより、色々チャレンジしながら経験を積む試合にしたい。試合は楽じゃないけど、みんなが思っているより、自分は楽しみながら試合をやろうと思っています。以前は“試合か……”って、メンタルが落ちていたんですけど、今回は試合が楽しみなんですよね」
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