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【ONE】青木真也「トップレベルの舞台でやれるのは最後」発言の真意とは?「文脈の読めなさに絶望する。騙されておけばいい」「俺になにを期待するかは、てめぇで見つけろ」=1月28日(日)有明

2024/01/22 18:01

青木が「嫌い」「一周回って嫌い」「アイツはクソ」と言いつつも──

 青木のことを「嫌い」という“破拳王子”こと廣田瑞人、“コスプレファイター”長島☆自演乙☆雄一郎、“野生のカリスマ”こと桜井“マッハ”速人の3人は、青木の決意の試合をどう見ているか。

 2009年大晦日の『Dynamite!!~勇気のチカラ2009~』の「DREAM vs. SRC 対抗戦」で廣田は、青木のハンマーロックで右上腕を骨折し、一本負けを喫した。

「俺の中では2009年で止まってるんで、申し訳ないけど嫌いなまま。やっぱり一周回って嫌いなところに来てますね」と、廣田は言う。

 青木とは再戦の話があるも実現しなかったことを明かす廣田は、「アイツにとってメリットは何もないからしょうがない」としつつも、「アイツが受けなかったのがやっぱ男らしくないなと。人として出来てない、どうしようもないヤツだな」と一刀両断する。

 今回、青木と対戦するノースカットの印象を「マッチョで身体能力が高くて、主催者から推されてる選手」とという廣田は、青木の勝つ道は「一本しかない」と断言する。

「極めに行って極め切れなかったとき、アイツ諦めるじゃないですか。極め切れなかったときに諦めてやられる。最後だったらKO負けしてほしいですね。勝ったら『またやる』とか言い出しそう」と、負けるときは“諦めたとき”と語っている。

 廣田が対戦した翌年、2010年の『Dynamite!!~勇気のチカラ2010~』で、青木を跳び膝蹴りで失神KOに下した長島☆自演乙☆雄一郎もまた、青木に複雑な思いを持っている。

 ミックスルールで行われた試合について、「当時、K-1で優勝して日本トーナメントで優勝して、ひとつ人生が変わったんですよ。それからの青木真也の一戦やったんで、“超えるものあったわ”みたいな」と振り返ると、「分かりやすい意味でヒールになってくれた(1Rのキックルールで青木がロープ掴み)んで、それを倒した僕は世間から“やったな”って言われましたよ。一回、青木真也と椅子に座ってあの時の試合について話してみたい、何を思ってたん? って」と、かつての試合の答え合わせをしたいと語る。

 また、「ほんま強いなと思うんですけど、好きか嫌いかで言うと、やっぱり嫌いですよ。誰が腕折って薬指立てるやつ好きやねんっていう。武道をちゃんと習おうとしてる人間からしたら、間違いなくその武道精神に反してないですか」と、当時27歳の青木の直情的な行動を好きになれないという。

 今回の日本での試合については、「勝つんやったら嫌われて勝って、負けるんやったら世間が両手挙げるような負け方をしてほしい。今までの青木真也を貫くじゃないですけど」とし、「“青木ざまあ”って言いたい人間がいる、きっと僕はそっち側です」と青木への想いを語った。

 一方、2009年4月の「DREAMウェルター級GP開幕戦」で青木に1R KO勝ちし、『格闘代理戦争』でも丁々発止を繰り広げた桜井“マッハ”速人は、青木に発破をかける。

「(青木が)試合をすること自体、特にそんなに意識してないんで、“そうなんですか”って感じです」と、無関心を装う桜井は、青木について、「同じ時代を生きた仲間意識はない、はっきり言って興味ない」と言い放つ。

「強くたってチケット売れないじゃん、それはやっぱり人間性だよ。“ただ僕は強いです”ってそんなやつ価値ないでしょ。もう(40歳の青木は)“おじいちゃん”でしょ。おじさんじゃなくて、“おじいちゃん狩り”されてるんですよ。俺とよく戦ってた頃が最強じゃない? 俺は付き合ってやってたけど」と、34歳で7歳下の青木とウェルター級で対戦したことを振り返りながら、いまは逆の立場になっているとした。

 青木vs.ノースカット戦は、「相当(青木に)分が悪い」と言い、「彼はテイクダウンがすごく強いけど、それだけ。寝技ももちろん強いけど、攻略されちゃうともうダメだと思います。彼は、特に打たれ弱いんで、パワーのある選手に打たれちゃうと効いちゃう。テイクダウン出来なかった終わり」と察した。

 最後に青木へのエールとして、長島は「いつも通りやりや」、廣田は「諦めるなよ」、桜井“マッハ”速人は「頑張ってねって握手(する)」と、「青木真也が嫌い」と言いながらも愛のある言葉でエールを送った3人。

 多くのファイターたちが青木を語るなか、40歳になった青木が“いまなお格闘技の最前線で戦い続けている”ことはたしかだ。今後の進退にも注目が集まる青木の「トップレベルの舞台でやれる最後の試合」は、1月28日、『ONE 165』にて行われる。

<発表済み対戦カード>

スーパーレックvs.武尊(フライ級キックボクシング 世界タイトルマッチ/3分5R)
青木真也vs.セージ・ノースカット(ライト級MMA/5分3R)
ダニー・キンガットvs.若松佑弥(フライ級MMA/5分3R)
平田樹vs.三浦彩佳(アトム級MMA/5分3R)
ボカン・マスンヤネvs.山北渓人(ストロー級MMA/5分3R)
箕輪ひろばvs.グスタボ・バラート(ストロー級MMA/5分3R)
ゲイリー・トノンvs.マーティン・ニューイェン(フェザー級MMA/5分3R)
ケイド・ルオトロ vs. トミー・ランガカー(ライト級サブミッショングラップリング 世界タイトルマッチ/10分1R)
秋山成勲vs.ニキー・ホルツケン(キャッチウエイト 特別ルール/3分3R)

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