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レポート

【TOP BRIGHTS】堀口恭司が旗揚げ、ATTチバウがメインで判定勝ち、反則蹴り受けた松嶋こよみがダウトベックにTKO負け、ドンチェンコが戦慄の縦ヒジTKO! ムエタイ対抗戦で吉成名高、石井一成がKO共演・日本が5戦全勝。育成枠MVPは武田寛生

2024/01/21 11:01
 2024年1月21日(日)、群馬県オープンハウスアリーナ太田にて、堀口恭司がエグゼクティブプロデューサーを務める『TOP BRIGHTS』の旗揚げ戦が行われた。 ▼第5試合 ウェルター級 5分3R〇グレイゾン・チバウ(ブラジル)37勝19敗[判定2-1] ※29-28×2, 28-29×ブレンゾリンク・バットムント(モンゴル)15勝13敗1分  チバウは、2003年7月の『DEEP 11th IMPACT in OSAKA』での光岡映二戦以来の日本マット参戦。そのときは6連勝中だったチバウが、テイクダウンで優勢に立つも、肩の脱臼によるアクシデントで2R TKO負けで初黒星を喫している。  2018年6月にUFCを離れたチバウは、ゴールデンボーイ・プロモーションズのMMAでエフレイン・エスクデロ、ウィル・ブルックスに勝利し、PFLではローリー・マクドナルドと接戦の末にスプリット判定勝ちを得るも、現在はPFL2連敗後、ロシアRCFCで2連敗でMMA4連敗中。40歳、日本で復活なるか。  キムが練習中の負傷で欠場、代替選手として出場するモンゴルのバットムントは、MMA15勝12敗1分で38歳。MGLから2015年にONE Championshipにも出場し、Road FC、WLF、Kunlun Fightで勝利。韓国では後のONE王者オク・レユンと1勝1敗のリザルトも持つ。  2019年1月のGRACHANで植田豊に判定負けし、一時はMMA5連敗と苦しんだが、2020年にMAX FC でのキック戦で2勝1敗と勝ち越しすると、2021年3月からDouble GでMMAに復帰し、6戦4勝2敗。ONEでアギラン・ターニに一本勝ちしているジン・テホを相手に組みで真っ向勝負し、判定負けながらグラップリングの強さと立ち技でも懐の深さを見せている。  2022年8月にパク・ミンジュンに判定勝ちし、2023年2月の『GRACHAN 59×BRAVE FIGHT 27』では山田哲也に、1R TKO勝ち。その後、『AFC 25』でかつてREALに参戦していたホドリゴ・カポラルにボディキックで2R KO勝ちで3連勝をマーク。  2023年12月の前戦『MFP 242』では、アイヴァン・ズナメンスキーに判定負けしているため、日本で再起を図る。  1R、ともにサウスポー構え。遠間から足を触りそのままダブルレッグに入るチバウを切るバットムント。  いったん離れるチバウに、左ローのバットムントだが、その蹴り足を掴んだチバウはテイクダウン! ハーフのバットムントは抱きつくが、右で脇差し、左でパウンドのチバウは、バットムントに背中を着かせてからパスガード! サイドから寝かせて左枕。マウントに移行すると左脇に頭を入れて肩固め! 両手をクラッチして防ぐバットムントはハーフに戻して凌ぐ。  2R、中央を取るバットムントは左ロー。サークリングするチバウに右インロー。さらに右ボディストレートを狙う。上下に打ち分けるバットムントのワンツーをかわしたチバウは、右を振って下がらせてダブルレッグテイクダウン。  ハーフで金網に這うバットムントは首を抱えて下に。背中を見せて立とうとしたところにチバウはバックへ。背負って立ち上がったバットムントにチバウは右足だけをかけており着地。  スタンドバックから右足をかけるチバウに小手巻きから払い腰を仕掛けるバットムント。腹ばいで残したチバウが上を取り、バットムントはハーフで金網背に座る。  3R、歓声を受けて最終回に向かう両者。右ボディを打つバットムント。左ローも組みつかれないように腰は入れない。左ローのバットムント。右の飛び込みはチバウが避ける。  両者に「モアアグレッシブ」とコール。左前手フックで入るバットムントも単発。チバウはニータップからダブルレッグへ。バットムントは金網背に半身で受け止め、右で小手巻きヒザ。左で差すチバウは、ダブルレッグ、シングルレッグに切り替え引き出そうとするが、両足を広げて倒れないバットムントが頭を下げたチバウのボディに鉄槌。しかしチバウが片足を手繰りバットムントに尻を着かせてゴング。  判定は、1者がバットムントの打撃を支持か28-29も、2者がチバウのテイクダウンアテンプト、肩固めのニアフィニッシュを評価したか、29-28×2でチバウを支持。スプリット判定で勝利した。  試合後、チバウは「日本の皆さんありがとうございます。日本に来ることが夢でした。日本の文化やサムライが好きでここで勝ててほんとうに嬉しいです。アリガトウ、ジャパン、キョージさん、押忍!」と語った。  また、全試合後、ケージの中に入った堀口恭司FPは、「皆さん、どうでしたか?『TOP BRIGHTS 01』、まだまだ一番最初で苦労したところもあって、嫌な思いもさせたかもしれませんが、これから盛り上げていくので応援よろしくお願いします。これにて終了にしたいと思います。ありがとうございました!」と語った。 [nextpage] ▼第4試合 フェザー級×松嶋こよみ(日本)14勝7敗[1R 4分41秒 TKO] ※左フック〇カルシャガ・ダウトベック(カザフスタン)14勝3敗  松嶋は、2023年7月の『DEEP 114 IMPACT』で、2018年4月のPANCRASEでのISAO戦以来、5年3カ月ぶりに日本マットに参戦。劉獅と68kg契約で対戦し、1R1分54秒、右ストレートでダウンを奪い、サッカーキックでTKO勝ち。得意のテイクダウンを見せずに勝利していた。  ONE Championshipでタイトルマッチを戦うなど活躍した松嶋は、2022年の「ROAD TO UFC」で不可解な判定で敗れた後、再びUFC参戦を目指し、欠場した元UFCファイターのガブリエル・シルバの代替選手の劉獅と68kg契約で対戦し、114秒KOで一蹴している。  対するダウトベックは、2018年9月の『RIZIN.13』で朝倉未来と対戦し、判定負けもフィニュシュさせなかったMMA13勝3敗のカザフスタン戦士。サウスポー構えで朝倉の左の蹴りをキャッチしての左ストレートで朝倉をダウンさせ、足をさばいてサイドポジションを奪っている。  ボクシング、シラットベースのMMAファイターで、2023年9月の前戦では、元UFCのディエゴ・ブランダォンを左の強打でわずか35秒、パウンドアウトに下している。今回、5年4カ月ぶりの日本マット参戦となる。  1R、サウスポー構えのダウトベックとオーソの松嶋。中央を取るダウトベック。低い構えの松嶋は、右ミドルを空振り。ダウトベックは左前蹴りもバックステップの松嶋はスイッチを見せてからオーソに戻すと、右ミドルから足を戻してすぐの右のショートを突く。  圧力をかけるダウトベックに左右を突く松嶋。サウスポー構えから低い左のスピニングバックキックの松嶋に、軸足払いのダウトベックは、松嶋が転んだところにサッカーキックも反則。中断。  松嶋のダメージはいかに。ダウトベックにイエローカード。再開。右の蹴りの松嶋に、左インローのダウトベックの蹴りが股間に入るが、松嶋はファールカップを押さえながらも試合続行。右を突いた松嶋。  松嶋のダブルレッグを差し上げ、左ボディを突くダウトベック。松嶋もここは深追いせず。松嶋のダブルレッグからの離れ際に左ボディを合わせに行くダウトベックだが、頭が当たったか後方に倒れたダウトベック。すぐに立つ。  互いに左ロー。松嶋がサウスポー構えになるとダウトベックは左カーフを当てる。ダウトベックの左ストレート入りに跳びヒザを狙う松嶋は右ハイ! かろうじて左手でブロックするダウトベック。その左の蹴りをそのまま前に着地させてサウスポー構えになる松嶋は左ローを蹴るも、そこに左ストレートを強振したダウトベックをかわしてバランスを崩し尻もちを着く。  座った松嶋に右ストレートを打ち下ろすダウトベックをかわした松嶋はすぐに立ち上がり。なおも詰めて左ストレートを突くダウトベックに、右にサークリングする松嶋。追ってくるダウトベックに右の三日月蹴りを腹に突く! 右ジャブを突いてそのまま組みに行く松嶋だが、突き放して距離を保つダウトベックの詰めに、右を強振する松嶋。そこに左の蹴りでカウンターを合わせに行くダウトベック。左右にサークリングする松嶋をじりじり追い詰めていく。後ろ蹴りも。  松嶋の左ローの打ち終えりにワンツーで飛び込むダウトベック。かわした松嶋は左の下段蹴りから右の三日月蹴り。右ハイは空振りに、詰めるダウトベックは左ボディ! 一瞬動きが止まった松嶋だが、右の三日月蹴りに。  その蹴り足を掴んだダウトベックは足を右に流すと、左ヒジか左前腕ストレート! 倒れた松嶋にダウトベックはパウンドを連打し、レフェリーが間に入った。  ダウトベックが1R 4分41秒、TKO勝ち。「皆さんありがとうございます。(サッカー)キックはごめんなさい。対戦相手の方も反則にご理解いただきありがとうございます。一緒に戦っていただきありがとうございます」と語った。 [nextpage] ▼第3試合 ライト級 5分3R〇ダニエル・ドンチェンコ(ウクライナ)9勝2敗[2R TKO] ※左ヒジハ×ン・サングォン(韓国)3勝6敗  1R、中央を取るオーソのドンチェンコにサングォンはサークリング。サウスポー構えのサングォンは組みに行くが、マットが滑る。  詰めるドンチェンコ。サングォンはシングルレッグで尻を着かせるがすぐに立つドンチェンコは右ロー。しかし回るサングォンはシングルレッグテイクダウン。ここもすぐに立つドンチェンコは右ミドル! サングォンはクリンチボクシングからスタンドバックも正対するドンチェンコがヒジ!   左ハイを当てるサングォンだが、ドンチェンコの左縦ヒジでサングォンがカット! ゴングにサングォンは座り込む。  2R、右瞼をカットしたサングォン。開始すぐにドクターチェック。試合続行不可能で、ドンチェンコのTKO勝ちとなった。タイガームエタイでトレーニングするドンチェンコが見事なカウンターの縦ヒジで勝利した。 [nextpage] ▼第2試合 フェザー級 5分3R〇ベン・ロイル(英国)8勝2敗[1R リアネイキドチョーク]×ウィ・ジョンウォン(韓国)1勝3敗  1R、サウスポーのロイルが圧力をかける。ジョンウォンは右フックを返すと一瞬ぐらついたロイルが前に出てダブルレッグで組みつくと、ロイルが背中に飛び乗ってリアネイキドチョーク! ジョンウォンからタップを奪った。 [nextpage] ▼第1試合 バンタム級※ 5分3Rーコシェン・アカノフ(カザフスタン)4勝0敗 ※64.40kg(体重超過) [1R 三角絞め]ーキム・ジュンソク(韓国)3勝2敗  前日計量では、本戦MMA第1試合でキム・ジュンソク(韓国)と対戦するコシェン・アカノフ(カザフスタン)がバンタム級リミットの61.2kgを大幅に上回る3.2kgオーバー。ファイトマネーのカットと、各ラウンドで減点2、試合当日午前9時に再計量でアカノフが勝った場合はノーコンテストという条件での試合実施となっている。 ※アカノフは3.2kgオーバー。ファイトマネーのカットと、各ラウンドで減点2、試合当日午前9時に再計量、アカノフが勝った場合はノーコンテストという条件での試合実施。  1R、アカノフはジュンソクのダブルレッグを潰してバックに。バックからパウンド。ジュンソクが前転スクランブルで上を取り返したが、アカノフが下から三角絞めを極めた。規定によりノーコンテストに。 [nextpage] 日本vs.タイ ムエタイ対抗戦 ▼第5試合 ムエタイ対抗戦 大将戦 スーパーフライ級(52.16kg)3分3R〇吉成名高(エイワスポーツジム)=52.00kg[KO 1R 1分28秒]※左ストレート×ジャオクントーン・ソーペッチタワン(タイ/RWS)=52.15kg  ジャオクントーンはタイ北部53kg級王者、ムエサヤーム北部52.5kg級王者、アマチュアムエタイ大会54kg級王者。マッチメイカーでもある中川夏生BOM代表は「このジャオクントーンはタイの北部で王者を2回獲っていて、何より凄いのはアマチュアムエタイトーナメントの金メダリストです。アマムエのメダリストはめちゃくちゃ当てるのが上手い選手。ヒジが凄く上手い」と、この試合の見どころを語る。  1R、両者サウスポー。名高は左ミドルと左三日月を混ぜ、ジャオクントーンはパンチから組み付くが名高が首相撲でコカす。名高はジャオクントーンをケージまで追い詰めるとフェイントを入れてからの左ストレートを突き刺してさっそくダウンを奪う。 ジャオクントーンは前に出てくるが、名高は左フックをスウェーでかわすと右フックのカウンター、ジャオクントーンが右フックを返して来ると左ストレートのカウンターでダウンを追加。ジャオクントーンはその場で崩れ落ち、名高がKOで圧勝した。  笑顔の名高はマイクを持つと「素晴らしい会場で皆さんの前で試合が出来て嬉しく思います。そしてジャオクントーン選手、敵地に出向いて試合をしてくださってありがとうございます。MMAが多い中でムエタイ5試合をやらせていただいて、大将でやらせてもらえましたがムエタイを楽しんでもらえましたか? 今回日本人が全勝で終わることが出来たんですけれど、ムエタイは強い選手がたくさんいて、自分は2月にRWSでラジャのスーパーフライ級の王座統一戦が決まっています。その試合は相手選手も評価が高い選手で、日本での開催なので皆さんの応援が必要なので後楽園ホールに応援に来てください。必ず王者になりますと高らかに宣言。 「対抗戦は5-0で日本が勝利しましたが、タイは強い選手がいっぱいいるので、今回の相手も強かったですが次はレベルアップした相手とこの舞台で戦えたらと思うので、これからもTOP BRIGHTSよろしくお願いします」と語ると、堀口らと共に記念撮影に収まった。対抗戦は日本チームの5戦全勝となった。 [nextpage] ▼第4試合 ムエタイ対抗戦 副将戦 スーパーフライ級(52.16kg)3分3R〇石井一成(ウォーワンチャイプロモーション)=52.15kg[KO 1R 1分54秒]※右後ろ蹴り×ナンペット・チョーチャンピオン(タイ/RWS)=51.85kg  副将戦はスーパーフライ級(-52.16kg)3分3Rの石井一成(ウォーワンチャイプロモーション)vs.ナンペット・チョーチャンピオン(タイ)に決定。  石井はジュニアキック出身で、アマチュアでは14冠王を達成。2017年2月にはTrue4Uフライ級タイトルを高校生で獲得。2018年12月、トーナメントを制してKING OF KNOCK OUT初代フライ級王座に就いた。WPMF世界フライ級王座、IBFムエタイ世界フライ級王座、BOMスーパーフライ級王座、WBCムエタイ世界スーパーフライ級王座も保持。K-1には2022年8月に初参戦を果たし、12月の「K-1 WORLD GP初代バンタム級王座決定トーナメント」に臨んだが決勝で黒田斗真に判定負け。  2023年はK-1でヨーシラーとテクニカルドロー、7月と9月には『RWS』で連続KO勝利を収めたが、10月のRWSでラジャダムナンスタジアム認定バンタム級王者パントアに敗れた。12月のK-1 WORLD GPバンタム級タイトルマッチでも黒田との再戦に敗れ連敗中。戦績は43勝(24KO)15敗3分。  マッチメイカーでもある中川夏生BOM代表は「ナンペットはフィームーで正直、一成が一番苦手なタイプだと思う。一成が前に来たところで蹴りを合わせるという。一成のスタイルもムエマッドなので、武尊選手とスーパーレックに似た戦いになると思います。ムエマラソントーナメント(-53kg)で優勝しているし、テーププラサートスタジアムの王者も獲っている。本人も一成とやりたいと言っていたので自信があるようです。それとジムの会長が一緒に来るんですが、タイの選手は会長がいるとめちゃくちゃやる気が出る。気合い入っています」と、石井にとって強敵だとした。  1R、さっそく圧をかけて前へ出る石井はジャブから右フックを繰り出すが、ナンペットが右ストレートで石井の身体を泳がせる。再びケージへ詰めていく石井は右ボディストレート、右ロー、左ボディ。ナンペットは長いリーチからのジャブ、右ストレート。  石井は相手の懐が深いと思ったか、ケージを背にしたナンペットに右後ろ蹴り。石井のカカトがモロにレバー付近に入り、一発KOとなった。  鮮やかなKO勝利を飾った石井は「今日のテーマはムエタイを知らない方もいると思いますし、堀口選手とMMAのファンもいらっしゃると思うので魅せる試合を絶対にしないといけないと思って戦いました。何か大技でKOしたかったので、出したところで当たって倒すことが出来ました。僕自身、去年K-1のタイトルマッチで負けちゃって、ラジャの王者にも負けちゃって、2024年は勝負を懸けて戦いますのでまたTOP BRIGHTSでムエタイの大会を開いてもらって、強い王者に挑んでいきたいと思います。群馬のみなさん、格闘技のこと好きになって楽しんでいってください」と爽やかにアピールした。 [nextpage] ▼第3試合 ムエタイ対抗戦 中堅戦 ライト級(62.23kg)3分3R〇羅向(ZERO)=61.20kg[TKO 1R 2分40秒]※レフェリーストップ×ペッチブラパー・チョンブリーアートムエタイ(タイ/RWS)=61.05kg  中堅戦はライト級(-61.23kg)3分3Rで、羅向(ZERO)がペッチブラパー・チョンブリーアートムエタイ(タイ)と対戦。  羅向は老舗キックボクシング団体NJKFの元ライト級王者。「自分は頭のネジがぶっ飛んでる選手」と自ら言い、2020年11月には元WBCムエタイ日本統一スーパーフェザー級王者・琢磨からダウンを奪って勝利、2021年9月には川原龍弥に初回KO勝ちしてWMC日本ライト級王座にも就いている攻撃力が高いサウスポー。2023年4月の「ROAD TO ONE ムエタイ ライト級トーナメント」決勝戦でダブルノックダウンの末にレンタに敗れたが、10月の『BOM』で小清水涼太を初回KO。12月のRWSでも勝利を収めている。  ペッチブラパーはTVマッチの「true4u」ライト級5位で、チョンブリー県スーパーフェザー級王者。中川会長は「ペッチブラパーはオープンフィンガーグローブの大会を主戦場に戦っている。どっちのパンチが強いんだと思って、日本の格闘技ファンはポイントを取る戦いより倒し合いに興味があると思って。この試合必ずKO決着で終わると思う。一歩も退かずに打ち合って欲しいと期待を込めて組みました」と説明。  羅向はここでいい勝ち方をして梅野源治に対戦をアピールしたいという。  1R、サウスポーの羅向は圧をかけていくが、ペッチブラパーは右ミドルを蹴る。その右ミドルに羅向が左ストレートをタイミングよくクリーンヒットさせてさっそくダウンを奪う。下がるペッチブラパーは右ミドルを蹴り、羅向は左ヒザを突き刺してからの左ボディ。ペッチブラパーは明らかにこれを嫌がる。ケージに追い込む羅向が左ロー、左右フック。顔面を意識させておいての左ボディでダウンを追加。  最後はケージに詰めての左右フックと顔面&ボディへの左ヒザで畳みかけ、レフェリーがストップした。  羅向はマイクを持つと「こんにちは、羅向です。このような大会に呼んでいただきありがとうございます。面白いことを一発言って帰ろうと思ったんですけれど、梅野源治選手、よければこの舞台でいつか戦いましょう」と梅野との対戦をアピールした。 [nextpage] ▼第2試合 ムエタイ対抗戦 次鋒戦 アトム級(46.26kg)2分3R〇伊藤紗弥(尚武会)=45,70kg[判定2-1]※28-29、29-28×2×サネーガーム・カムナンチェットムアンチョン(タイ/RWS)=44.70kg 次鋒戦は唯一の女子マッチとなるアトム級(-46.26kg)2分3Rで、伊藤紗弥(尚武会)がサネーガーム・カムナンチェットムアンチョン(タイ)と対戦。  伊藤はジュニアキックで数々のタイトルを獲得。2012年12月には中学2年生にしてタイでWPMF女子世界ピン級暫定王座に就いた。2014年4月に国内で正式にプロデビューを果たすと、国内外の強敵を相手に快進撃を続けWPMF・WMC・WBCムエタイと女子世界王座の三冠を制覇。2021年4月にBOM女子ピン級(-45.53kg)初代王座、11月にBOM女子ライトフライ級(-48.98kg)王者になると、2022年5月にはナムワンを破りIPCC世界女子アトム級王者となって世界四冠王に。  2022年10月にはさらに上の階級である-50kgで『MUAYTHAI SUPER CHAMP』のトーナメントに参戦も決勝で涙を飲んだ。2023年3月にはタイ・パタヤで勝利し、IMSAという団体のベルトを新たに獲得したが、5月のWBCムエタイ世界ライトフライ級ダイアモンドベルト王座決定戦では、KANAと対戦経験があるキム・タウンセンドに敗れた。7月のBOMでは今回再戦するサネーガームに勝利。9月の『RWS』でモンクッペットに判定負けを喫し、RWSでの2分3R制を踏まえてパンチを強化して11月のBOMでは予告通り左フックでミンタを2RでKOした。12月にはラジャダムナンスタジアムでの初勝利もあげたばかり。  サネーガームはプロムエタイ協会ピン級王者、東部地区ムエタイ女子ピン級王者、アジアンゲームムエタイ金メダリスト、IFMA世界大会金メダリスト、2020年ライジングスター賞などを獲得している選手。  1R、サネーガームは前蹴り、右ミドルと距離をとろうとするが、伊藤はサネーガームが蹴り足を下げたところを狙って右カーフを蹴る。圧をかける伊藤がローから左フック、そして右ロー。サネーガームの右ミドルをキャッチした伊藤は右フック。右ミドルの蹴り合いから右カーフにつなぐ伊藤。左フックからの右ローでサネーガームは転倒する。伊藤は蹴りが以前よりも力強くなった印象。  2Rも前に出る伊藤が右ローを蹴り、パンチにつなぐ。サネーガームの右ミドルに右ボディストレートを合わせる伊藤。サネーガームも右ストレートを伸ばす。サネーガームの右ミドルをキャッチしての右フック、さらに連打で前へ出る伊藤だがサネーガームは前蹴りで突き放す。サネーガームは「ヤッサイ」と呼ばれるボディに押し込むヒザ蹴りを見舞った。  3Rはサネーガームが前へ出てくる。伊藤は右ストレート、右ミドルで迎え撃つが、サネーガームも右ストレート。そして組み付いてのヒザ蹴りを見舞う。伊藤の左ミドルにもすぐに左ミドルを返し、組むとヤッサイを混ぜてのヒザ蹴り。両者蹴りを出すが距離が遠く空振り。伊藤がパンチで近付くと組んでのヒザ蹴り。伊藤は左ミドルをヒットさせるが、サネーガームがすぐに組んでヒザを見舞う。  判定は2-1と割れ、伊藤の辛勝となった。伊藤は「サネーガーム選手と再戦でしたが前回3-0で勝って、今回は1点取られて自分でも最悪な試合になってしまいました。倒す気で行ったんですが距離が長くてなかなか入らせてもらえず、自分の距離にならなかったんですが、勝ててよかったです。日本の女子ムエタイを引っ張って行く立場として先頭に立って頑張って行くので女子のムエタイにも注目してもらえたら嬉しいです」とアピールした。 [nextpage] ▼第1試合 ムエタイ対抗戦 先鋒戦 フェザー級(57.15kg)3分3R〇朝陽・PKセンチャイムエタイジム(PKセンチャイムエタイジム)=56.90kg[KO 2R 2分04秒]※右カーフキック×スラサック・クルーダムジム(タイ)=56.60kg  先鋒戦は朝陽・PKセンチャイムエタイジム(=品川朝陽/エイワスポーツジム)がフェザー級(-57.15kg)3分3Rでスラサック・クルーダムジム(タイ)と対戦。  朝陽は同門の吉成名高と共にジュニア時代から様々なアマチュアタイトルを獲得し、プロ転向後も強打を武器にMA日本フライ級王座、ルンピニージャパン認定スーパーバンタム級王座、WBCムエタイ世界スーパーバンタム級王座、ムエサイアム・イサーン・バンタム級王座などのタイトルを次々と獲得してきた。2021年12月にONE初参戦を果たしたが、のちにONEムエタイ世界ストロー級王者となるジョセフ・ラシリに初回KO負けを喫して世界の壁の厚さを痛感させられた。  2022年9月にはBOMにてIPCC世界フェザー級(57.15kg)王座決定戦でタイ強豪ペイム・バンライカンケンドンを4RKO。同年11月には日本人選手が7人も参戦したONEシンガポール大会でただ一人勝利をものしている(ルイ・ボテーリョに判定勝ち)。2023年はONEを離れ、新たな強敵を求めてBOMに帰還。8月、10月、11月のBOMと12月のラジャダムナンで4連続KO勝ちと勢いに乗る。  スラサックは2年連続でムエマラソントーナメント57kg級で優勝している強豪で、中川会長は「スラサックは筋肉だるまと呼ばれていて身体がバキバキ。身体が丈夫な選手。RWSでも勝っています。首もめちゃ太い。実績だけで言ったら名高の相手とスラサックかなっていうくらいです」と生粋のムエマッドだと説明。  1R、朝陽は距離をとって左右ロー、スラサックは鋭い左ミドルを当てに来る。朝陽の強い右カーフにすぐ左ミドルを返すスラサック。その左ミドルに左フックを狙う朝陽は空振りすると右アッパーも繰り出す。朝陽が左ボディから左フックのシャトルブローを決め、ワンツー、左フックで前に出るがスラサックは左ミドルを蹴る。ケージ際まで追い詰めた朝陽が左ボディをフェイントし、左ボディからの左フックでダウンを奪う。再び詰める朝陽が左ボディを決め、2度目のダウンを追加。スラサックが立ち上がったところで1R終了。  2R、朝陽が強烈な右カーフを蹴り、スラサックが明らかなダメージで下がる。左右フック、左ボディ、右カーフで畳みかける朝陽だが、スラサックも左ミドルを返す。強気なスラサックはサウスポーに構えを変えて左ミドルで前に出て、左ハイも蹴る。しかし、朝陽の奥足への右カーフ2連発でスラサックがダウン。レフェリーがここでストップした。  朝陽はマイクを持つと「ムエタイの第1試合を任せてもらってKO出来るか不安だったんですが、KO出来て会場を盛り上げられて、SNSで宣言した通りでホッとしています。ムエタイの面白さが伝わったと思います。TOP BRIGHTSにまた参戦したいのでこの後の日本人4選手もめちゃくちゃ強いので、これからもムエタイと僕らの応援よろしくお願いします」とアピールした。 [nextpage] 【育成枠試合】 ▼第10試合 フェザー級 3分3R×山口 勇(STRIFE/和術慧舟會群馬道場)=65.65kg[判定0-3]〇中野綱恭(DAMM FIGHT JAPAN)=65.10kg [nextpage] ▼第9試合 ライト級 3分3R×木村祐輝(AFC)=70.15kg[判定0-3]〇金賢民(FREEDOM@OZ)=70.30kg [nextpage] ▼第8試合 フェザー級 3分3R〇松浦稜生(総合格闘技闇愚羅)=65.55kg[1R リアネイキドチョーク]×小池奨太(Bushi-Doo-武士道-)=64.95kg [nextpage] ▼第7試合 フライ級 3分3R〇武田寛生(INFIGHT JAPAN)=56.70kg[1R TKO] ※左ハイでダウン奪い、立ち際に右ヒザ×寺門真吾(総合格闘技道場STF)=56.40kg [nextpage] ▼第6試合 バンタム級 3分3R〇勅使河原稜太(INFIGHT JAPAN)=60.90kg[判定3-0]×藁谷兼介(クロスポイント・パラエストラ拝島)=60.75kg [nextpage] ▼第5試合 バンタム級 3分3R〇吉元世界(Destiny jiu-jitsu)=60.75kg[1R 1分37秒 TKO] ※右ストレート→パウンド×佐々木雄基(パラエストラ西東京)=59.75kg [nextpage] ▼第4試合 フライ級 3分3R〇牧ケ谷篤(和術慧舟會群馬道場)=55.25kg[1R 1分05秒 ヒールフック] ※外ヒール×米泉乾太(RIGHT THING ACADEMY/Gibson MMA)=56.60kg [nextpage] ▼第3試合 バンタム級 3分3R×大山 完(STRIFE)=61.20kg[1R 1分24秒 リアネイキドチョーク]〇吉澤勇人(AFC)=61.10kg [nextpage] ▼第2試合 バンタム級 3分3R〇貫井義規(OOTA DOJO)=61.10kg[3R 2分41秒 リアネイキドチョーク]×小栗蓮樹(総合格闘技道場STF)=61.05kg [nextpage] ▼第1試合 フェザー級 3分3R×そらジロー(STRIFE)=65.15kg[1R 2分11秒 TKO]〇中島浩二郎(FREEDOM@OZ)=65.65kg [nextpage] 【キッズ・ユース】 ▼第3試合 キッズ・ユース 3分1R〇宮城壮一郎[判定]×小山朝太郎 ▼第2試合 キッズ・ユース 3分1R〇宮城 碩[腕十字]×小山丈太郎 ▼第1試合 キッズ・ユース 3分1R〇波多野球真×伊藤神夜
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