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【BLACK COMBAT】スヨンのローブローで試合はノーコンテストに。体重超過のソンウンが駒杵にペダラーダでKOもフライ級王座は空位に。大原樹理が初回KO負け、須田萌里が判定負けで王座奪取ならず、中村大介が判定負け、山本聖悟が判定勝ち

2024/01/20 16:01
BLACK COMBAT 10 速報 ▼フェザー級 5分3R-キム・ミンウ(韓国)[ノーコンテスト] ※延長Rにスヨンがローブロー-ユ・スヨン(韓国)第10代DEEPバンタム級王者  朝倉海と1勝1敗のムン・ジェフンを相手に2勝1敗と勝ち越しているミンウ。2017年4月にキム・スーチョルに判定負けも、ジェフンに一本勝ちで再起すると、2019年11月のRoad FCバンタム級王座戦では、ジャン・イクファンを延長R判定で下して戴冠を果たしている。  その後、UFCを目指し、ROAD FC王座返上後の2022年6月に『Road To UFC』バンタム級参戦も、1回戦で対戦予定のシャオ・ロン(中国)の欠場により、体重を作るも不戦勝に。続く、2022年10月の準決勝・風間敏臣戦が2年11カ月ぶりの復帰戦になるはずだったが、今度はミンウが139.5ポンドとまさかの体重超過で欠場となり、UFCへの道が断たれていた。  ブランクの間も『Road To UFC』『RIZIN』参戦のキム・ギョンピョやチャ・ジョンファン、パク・ヒョンソンらと練習を続けて来たといミンウは、フェザー級へ転向し、BLACK COMBAT参戦。2023年2月のDEEPとの対抗戦で中村大介を破り、今回はユ・スヨンと戦うことになった。  スヨンは、サンボとBJJ黒帯がバックボーン。現BLACK COMBATバンタム級王者で、元Naiza FCバンタム級王者。元BLACK COMBATライト級&フェザー級と、BLACK COMBAT3階級制覇王者に。2023年9月に石司晃一を1R TKOに下し、DEEPバンタム級王者に。12月のNAIZA FCでは、ダスタン・アマンゲルディに3R TKO負けで同バンタム級王座から陥落。今回、ノンタイトルで「フェザー級」でミンウと対戦する。  1R、ともにオーソドックス構え。中央を取るミンウに、スヨンは右ロー。左ボディストレートを見せるとそこに右フックを狙うミンウ。スヨンはダブルレッグに差し上げるミンウが金網背にして突き放す。  左ジャブを突くスヨン。ミンウが一瞬バランス崩すが立て直す。オーソから左ミドルハイをガード上に当てるスヨン。ミンウも左ハイをガード上に返す。スヨンの左に下がるミンウ。右から左を突き、左ミドルのスヨンに、ミンウは右! ヒザをマットに着いたスヨンに詰めるミンウだが、バックテイクに前転したスヨンが上に! 苦しい時間帯に上を取ったスヨンは、ミンウのクローズドの中でゴングを聞いた。  2R、ジャブを突くミンウに右ハイをガード上に当てるスヨン。圧力をかけて右ストレートを突く。しかし、ワンツーで押し戻すミンウ! スヨンは右アッパーを突いて、左を振ってダブルレッグでケージまで押し込むとシングルレッグに切り替えるが、ミンウも崩されず。離れた両者。左右入れ替えるスヨンは左の三日月蹴り。ケージを背にするミンウはジャブ&ロー。スヨンも右ストレートを当てると、ミンウは左ロー、歩いて左ヒザ。スヨンの前進に左を返す! スヨンはサウスポーにスイッチ、右ジャブを当てる。大熱戦。  3R、オーソから左ハイを打つスヨン。中央を取り圧力も、ミンウも右ロー。スヨンも右ローを返す。ジャブ、右ストレートから左ミドルのミンウ。互いに1発を警戒し慎重になるなか、カーフを効かせているミンウ。  左から右ハイのスヨンの蹴り終わりに右ローを返すミンウ。詰めるスヨン、左ハイもガードし押し返すミンウも右ハイ。ブロックするスヨンに右ローをこつこつ突くミンウ。スンヨはついに組むが差し上げるミンウ。前に出るとジャブ&ローを突いてゴング。本戦判定はドロー。延長へ。  延長1R、先に中央を取るミンウ。右回りのスヨンは右ロー。しかし詰めるミンウがサウスポー構えに。互いに手が出ないなか、サークリングするスヨンは右ハイ。ブロックするミンウも左の蹴り。右ローを打つスヨンに、ローブローに。長い中断。  アクシデントによるインターバル規定が長いのか、長時間ミンウの回復を待つスヨンは座って待つが、ドクターやセコンドに囲まれたミンウは動けずもストップの裁定が下されない。長い中断の末、試合はノーコンテストとなることがアナウンスされた。 [nextpage] ▼Black Combatフェザー級選手権試合 5分3R×シン・スンミン(韓国)王者[判定0-3] ※27-30×2, 28-29〇ソン・ユチャン(韓国)挑戦者※ユチャンが新王者に  1R、いきなり左の蹴りで詰めるスンミンがは右で差すユチャンに小手巻き内股で投げるも、すぐに立つ両者。離れて左右を振るスンミン。先に詰めてワンツーを突くが、回ってかわすユチャン左ジャブ! 互いに右ロー。右の真っ直ぐが伸びるユチャン。ジャブを刺し、スンミンの入りにカウンター。しかしスンミンも左フックを返して前に。四つで組むとユチャンが崩して立ち上がるスンミンを再び崩してゴング。  2R、スンミンの右ロー、さらに左にバランスを崩したユチャンだが、ボディロックして前方に崩す。内股狙うスンミンに、後方に投げるユチャンだが、スンミンもすぐに立ち上がりスタンド勝負。右から左に繋ぐが、ユチャンは効いていないと両手を広げる。  スンミンの左の蹴りを掴んで崩すと、しっかりジャブを突く。ワンツーでのスンミンだが軸がブレる。ユチャンはジャブ&ロー。四つに組むと小外で崩してバックテイク。背後からパンチして離れてゴング。  3R、左右ラッシュで前に出るスンミン。しかしさばいて右にダックしてかわすユチャン。そこにスンミンは左ミドルで止めに。右から左を当てたスンミン。しかし顔をずらしているユチャンはジャブ、ワンツーの右! スンミンの打ち返しをかわす。  前進のスンミンをさばいて右前蹴りを効かせるユチャン! 両手をマットに着くが立ち上がり左右を振るスンミンは苦しい展開。そこに右の蹴りを効かせて、サッカーキックも打ち込むユチャン。試合が決まったかに見えたが、スンミンはなおも立ち上がり、左を突くが力無くスローモー。シングルレッグを切ったユチャンも最後は打ち合いに応戦。ゴングに両者マットに尻を着くが、ユチャンが先に立ち上がり、両手を挙げた。  判定は、3-0でユチャンが勝利。ベルトを巻いた。 [nextpage] ▼Black Combatフライ級選手権試合 5分3R〇キム・ソンウン(韓国)※体重超過 57.3kg[1R 1分31秒 KO] ※蹴り上げで駒杵が失神×駒杵嵩大(日本/FIGHT BASE)※ソンウンが体重超過で王座剥奪、駒杵が勝った場合のみ王者の変則王座戦※フライ級王座は空位に  1R、体重超過で減点のソンウン。サウスポー構えのソンウンがサイドキック。蹴りの打ち終わりに組んで押し込む駒杵。左で差して押し込みテイクダウン、そのままサイドを奪う。下から腕十字を狙うソンウンに、片手で鉄槌の駒杵。  腕を外そうとするが、手首を掴んだままソンウンは固定して下から左のペダラーダ!(蹴り上げ)効かされた駒杵にさらに右の蹴り上げも当てると、駒杵は後方に大の字でダウン! 鉄槌を振り下ろそうとするソンウンに、レフェリーが素早いタイミングで間に入った。試合はソンウンのKO勝ちも、フライ級王座は空位に。  ドクターチェックに向かうべきKO負けの敗者にも、試合後のケージのなかでマイクが回されるBLACK COMBAT。駒杵は「テイクダウンは俺の展開だったけど、その後もらったのは予想外だった。相手の減点に関係なく、いつも通りに行こうと思ってました。韓国の方がすごく熱狂的で応援のメッセージをもらったので、これからも僕の応援をよろしくお願いします」と語った。 [nextpage] ▼ライト級 5分3R×大原樹理(日本/KIBAマーシャルアーツクラブ)【1R 2分03秒 KO】※右ストレート〇ファン・ドユン(SAKURA)(韓国)  1R、SAKURAが左インローで先制、もう一度ローを蹴ってきたところに大原はジャブを合わせる。SAKURAは右へ回り込みながらの右ローを多用。大原はジャブで対抗し、SAKURAが右を放ってくると右を合わせに行く。左右のストレート連打で大原を下がらせるSAKURAだが、大原は冷静にジャブを突き、右ストレートをヒット。  ジャブの突き合いから大原の右にSAKURAが右フックを合わせ、もらった大原の身体が大きく泳ぐ。このチャンスを逃さないSAKURAは左右フックを振り回して畳みかけ、右アッパーで大原が前のめりに崩れ落ちる。大原が組み付きに行ったかのようにも見えたが、レフェリーはここでストップ。  歓喜するSAKURAに対し、大原は両手を広げて「?」とストップに対して不満をアピール。しばらく抗議していた大原だったが、SAKURAとハグすると足早にケージを降りて行った。 [nextpage] ▼バンタム級 5分3Rキム・ソンジェ(韓国)パク・ソンジュン(韓国) [nextpage] ▼Black Combat女子アトム級選手権試合 5分3R〇パク・シユン(韓国)王者[判定0-3] ※30-26, 30-27, 29-28×須田萌里(日本/Scorpion Gym)挑戦者※シユンが王座防衛  1R、先に詰めるサウスポー構えのシユン。須田は右ミドルで押し戻し。シユンは左ボディ。右インロー。シユンはさらに左ボディを突く。左オーバーハンドをかすめる。左回りの須田は左右から首を掴みに行くが剥がすシユン。  前手を掴み首投げの体勢も戻して離れる須田。右を突いて金網まで詰めた須田はジャンピングガードも引き込めず着地。右で小手に巻き内股へ。ここも左で差すシユンが押し込み。右でオーバーフックしてクローズドに入れて引き込んだ須田。シユンは押し込んで潰すが、下の須田は腰を切って腕十字! 押し込み外したシユンに須田は潜りからヒザ十字に入るがゴング。  2R、互いに喧嘩四つでジャブを突き、右で差して組む須田。金網まで押し込み左ヒザを突く。ボディロックから引き込んでのは須田。いったんクローズドから足を開いた須田は、右でオーバーフックして再び金網を蹴ってって腰を切って腕十字へ! またいで防ぐシユンだが、ここまでは防戦。正対に戻った須田。インサイドガードのシユンは鉄槌1発。右を深くオーバーフックしたままの須田。  シユンは離れ際にサッカーキックもかわした須田が立ち上がり。右前蹴りからすぐに組むと投げ狙いに後方に崩したシユン。しっかりクローズドに入れる須田。シユンが離れたところでゴング。  3R、左ボディストレートを突くシユンにすぐに組む須田はまたも右オーバーフックで引き込み。中央にステイするシユンに下からギロチンを狙う須田。組ませないシユンにバタフライガードの須田。ブレークでスタンドに。左を突くシユンだが単発。左右で詰める須田に体を入れ替えクリンチで右を細かく打つシユン。ブレーク。  左が大きいシユンに、スタミナ十分の須田が引き込みから外掛け、サドルへ。右足を手繰って内ヒール狙い。組み手に手をかけて絞めさせないシユンに、須田は外ヒールに切り替えかかと蹴りもゴング。  初回に被弾した須田だが、下からのアタックの評価はいかに。須田のセコンドはヒールフックの際にシユンがグローブを掴んでいたとレフェリーに訴えるが……判定は3-0でシユンが勝利。王座防衛に成功した。  試合後、マイクを向けられた須田は、涙を流しながら「皆さん応援ありがとうございました。韓国で敵地での試合がすごい不安だったんですけど、YouTubeで応援していただきありがとうございます。私、韓国がすごい好きなので、試合が出来て嬉しいです」と語った。 [nextpage] ▼フェザー級 5分3R〇パク・チャンス(韓国)[判定3-0] ※29-28×2, 28-27×中村大介(日本/夕月堂本舗)  1R、ともにオーソドックス構え。左右のローから入る中村にチャンスも右ロー。詰める中村は右を当てて組むと、引き込み三角、十字狙い! 腕を抜いたチャンスは上からパパウンド。中村はケージを使って立ち上がり。  ノーガードで前に出て右ローの中村にチャンスも左から右フックを返す。じりじりと詰める中村に右を突くチャンス! いったん後退した中村だが、右前蹴り。チャンスは左ミドルをヒット! 中村は左から右で前に出ると右をヒット! ダウンしたチャンスにパウンドよりもアームロック狙い。足を手繰りに行くチャンスに細かい鉄槌でゴング。  2R、グローブタッチ。オーソから左ミドルのチャンスは詰める中村にダブルレッグテイクダウン! 亀になり背中を譲って立つ中村に金網に押し込むチャンス。ブレーク。互いに右ローから、チャンスは右ストレート! 顔を避けながらも被弾し金網に詰まる中村は首投げテイクダウンからチャンスの立ち上がりにアームロック狙い。しかし押し込み潰して上になるチャンスは、腕を掴む中村から外してサイドからヒザ! 中村は腕を掴みながら立ち上がり。しかし押し込むのはチャンス。ブレーク。右ローを打つ中村。チャンスの右に左右で押し戻すが軸が流れる。  3R、変わらずノーガードで圧力をかける中村。下から左ジャブを伸ばすとワンツー。チャンスは金網背から押し戻す。左を突いて金網に詰めてダブルレッグテイクダウンはチャンス! バックを狙う中村に、させずに潰すチャンス。立ち上がる中村を金網に押し込むと、中村はかわずがけから首投げも潰れて下に。シングルバックのチャンスの左腕をアームロックに狙う中村だが、クラッチを組ませないチャンスは、シングルバックでコントロール。足を外して立つ中村の立ち際にヒザを突く!  スタンドバックから巻き込み前転を狙う中村だが、潰したチャンスはサッカーキック。これはかわした中村だが、ゴングに座り込んだ。判定は3-0で27歳のチャンスが勝利。試合後は、「途中でちょっと折れて、いまチャンス選手のお母さんの病気のことも知って、気持ちで負けたのが悔しいです。43歳でしんどくはなっているけど、まだ簡単には諦めたくないです」と語った。 [nextpage] ▼フライ級 5分3R〇ジョン・ウォンヒ(韓国)[延長判定]×キム・ウジェ(韓国) [nextpage] ▼バンタム級 5分3R〇山本聖悟(日本)[判定3-0] ※29-28×2, 29-27×イ・ソンウォン(韓国)※詳報追記あり
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