キックボクシング
レポート

【RISE】大雅がチャンヒョン・リーを攻略、K-1とRISEの2団体制覇を達成「武尊選手頑張ってください」、KO勝ちの小林愛理奈が小林愛三にOFG戦を要求、愛三も受けて立つ。木村ケルベロスがダウン奪う完勝、翔が上位ランカー山川賢誠をKO

2024/01/14 20:01
RISE 1752024年1月14日(日)東京・後楽園ホール ▼RISEスーパーフェザー級(-60kg)タイトルマッチ 3分5R無制限延長R×チャンヒョン・リー(韓国/RAON/王者)判定0-3 ※49-50、48-50、47-50○大雅(TRY HARD GYM/挑戦者・同級2位)※大雅が第6代RISEスーパーフェザー級王座に就く。 “韓国の鉄拳”リーは強打を武器に数々の日本人ファイターを撃破してきた。2017年にRISEスーパーフェザー級王座を戴冠。2022年7月、約2年半ぶりに来日して暫定王者の一馬と王座統一戦を行い、ダウンを奪われるも逆転KOで初防衛に成功。10月には中村寛から2度のダウンを奪ってTKO勝ち。今年1月には常陸飛雄馬との延長戦にわたる激闘で勝利し、2度目の防衛に成功した。7月には初のオープンフィンガーグローブマッチで山口侑馬と対戦し、衝撃の一撃KO勝ちを飾っている。しかし、8月に引退試合の秀樹に敗れ今回は再起戦となる。戦績は30勝(16KO)13敗1分。  対する大雅は2012年1月に16歳でプロデビューし、2014年8月にKrushスーパー・バンタム級王座を奪取。2016年にはK-1 WORLD GP -60kg日本代表決定トーナメントで優勝し、翌2017年2月にはK-1 WORLD GPスーパー・フェザー級王座を奪取した。2018年9月からRIZINに参戦。RISEには2019年3月から参戦し、連敗を喫したが梅野源治、奥平将太に連勝して調子を取り戻すと2023年6月にはフランスでポール・カーポウィッツに判定勝ち。8月に常陸飛雄馬に延長戦で競り勝ちして今回の挑戦権を得た。戦績は27勝(6KO)13敗2分。  1R、大雅がサウスポー。リーが左フックで飛び込むと、右ストレートをヒット。大雅は様子を伺い、左フックをクリーンヒット、バックブローもヒットさせて会場を沸かせる。大雅のパンチにリーはよろける。リーは右ローをヒット、大雅はボディ打ちから左ハイキックへと繋ぐ。ジャッジ3者とも10-9で大雅を支持する。  2R、リーは圧をかけて左ボディ。大雅は左飛びヒザ蹴り。リーが奥足へのローを放つと、大雅は左ローを返す。スイッチするリーは左右のボディ打ち。大雅は右フックのカウンター、左ストレートも当てる。大雅の左ストレートが何度もヒットするが、リーは下がらずに右ローを蹴る。ジャッジ2者は10-10、1者は10-9で大雅を支持する。  3R、大雅が右フックから左ストレートをヒット、リーは右フック、アッパー、ストレートのコンビネーション。大雅は左ボディ、コンパクトな右アッパーから左ハイで会場を沸かせる。お互いに前蹴り、大雅は左の飛びヒザ蹴り、奥足へのローを放つ。大雅がリーをプッシュして左フックとパンチを出す。ジャッジ3者とも10-10でイーブンに付ける。  4R、リーは左ボディで先制、細かいパンチをまとめ、手数でポイントを取りに行く。大雅はカウンターのヒザ蹴りで応戦、左腕を回すようにして余裕を見せる。リーは随所で大雅をロープに詰めるが、ビックヒットは奪えず。大雅は左フックを当てて、右バックブローと譲らない。場内は大雅コールで大盛り上がり。  5R、大雅がワンツー、左フックで先制して左ロー。リーは左右フック、ヒザ蹴りと攻める。やや近距離となるが、大雅のカウンターの右フックが的確に当たる。リーは右ローを強打、左右のフックを見舞う。大雅が左飛びヒザ蹴り、左ストレートを放つ。近距離でアッパーを突き上げるリーは鼻血を出す。大雅は左ストレートをヒット。気合いで前に出続けるリーに、大雅は左フックを返していった。ゴングが鳴ると大雅は大の字に、会場は大歓声に包まれた。  ジャッジ3者は、序盤から主導権を奪った大雅を支持。過去には連敗で苦しんだ大雅がK-1から移籍後、RISE初戴冠。K-1とRISEの2団体制覇を達成した。  大雅は「まだ強いでしょ?俺。『もう無理だよ。引退しろ』と言われた時期もありましたがわ、ついてきてくれる皆のおかげでチャンピオンに戻ってくることができました。ここに来るには色んなことがあって、途中でチームドラゴンに移籍させてもらって前田代表、チームドラゴンのおかげでここに立てています。トライハードに戻ってからは、メインで僕のトレーナーのハルキ、小学校から一緒で中学校はサッカー部の後輩でトレーナーの勉強をして、1年前から僕のことをつきっきりで見てくれて、本当にありがとう。本当にみんなに感謝しています。俺は絶対に世界チャンピオンになります。正真正銘の世界1番になります。試合前に武尊選手から『頑張れよ』と言われていて、28日、スーパーレックを倒してONEのチャンピオンになってください。武尊選手頑張ってください。僕も世界でデカい試合をできるように頑張ります」と語った。 [nextpage] ▼Super Fight! -49.5kg契約 3分3R延長1R○小林愛理奈(FASCINATE FIGHT TEAM/第3代RISE QUEENミニフライ級王者)KO 2R 1分32秒 ※左ボディ×ワン・チンロン(TKBA/PUNCHUP)  小林はフルコンタクト空手出身で強烈なパンチを武器に持つ。正道会館第38回全日本空手道選手権大会2019軽量級優勝など主に関西圏の大会で多くのタイトルを獲得してきた。RISEでは奥脇奈々、平岡琴、百花、祥子JSKらを次々と撃破するも、2022年5月に3度目の対決となったRISE QUEENアトム級王者・宮﨑小雪とのタイトルマッチで敗れた。10勝(3KO)3敗1分の3敗はいずれも宮﨑に付けられたもの。12月には女子初のオープンフィンガーグローブマッチに臨み平岡を返り討ちにすると、2023年2月にはSB日本女子アトム級王者MISAKIからダウンを奪って勝利、8月には花田麻衣に判定勝ちすると、11月にRISE QUEENミニフライ級タイトルマッチでerika(=名前の後ろにハートマーク)をKOで破り、王座を奪取した。現在5連勝中。  対するチンロンは167cmの長身。2018年10月にKrushに初来日(当時の名称はワン・ジンロン)し、壽美に判定負け。2019年にはONE Championshipにも参戦している。戦績は13勝(1KO)7敗。2022年11月にプロボクシングの試合をして勝利を収め、2023年4月にKNOCK OUTでぱんちゃん璃奈と対戦。判定2-0で敗れるも前へ出続けるガッツファイトと右ストレート&前蹴りでぱんちゃんを苦しめた。  1R、チンロンが左ジャブで牽制、右ストレートを打ち下ろす。右ロー、ハイを蹴る小林は左フック。チンロンは前蹴りで突き放すも、小林はじりじり距離を詰める。小林は右カーフキックを多用、右ボディをヒットさせる。小林の右カーフキックが何度もヒットし、嫌がるチンロンはサウスポーにスイッチする。  2R、小林がカーフキックで先制、右フックを出しつつ、距離を詰める。チンロンは左ジャブを突くが、小林がカーフキックを効かせて、豪快な左フック。これでチンロンはダメージを負って後退。  追撃する小林は左右フック、ストレートをまとめてダウンを奪う。立ち上がったチンロンに右カーフを蹴った小林は、強烈な左ボディフック!これにチンロンが悶絶ダウン。即座にストップとなり、小林が圧巻KO勝ちを収めた。  小林はマイクを持つと、「ワン・チンロン選手、台湾からありがとうございました。チャンピオンになってから初めての試合、国際戦でKOで勝つことができて良かったです。ちょっと名前出したい人がいます。愛三選手は自分がキック始める前から活躍されていて、自分が上に行けたらやりたいと思っていました。(小林が)オープンフィンガーで練習をしてるのを見ました。オープンフィンガーでどうですか」と、元RISE QUEENフライ級王者・小林愛三に対戦アピールする。  観戦していた小林はリングに上がり「まずはおめでとうございます。私もオープンフィンガーでやりたいと言いに来たので、ぜひこのカードを決めていただきたいです」と対戦承諾。本来の階級は小林が上だが、両者とも契約体重は歩み寄るとしている。果たして対戦決定となるのか。 [nextpage] ▼スーパーライト級(-65kg) 3分3R延長1R○木村“ケルベロス”颯太(心将塾/ライト級9位、第3代DEEP☆KICK -65kg王者)判定0-3 ※30-28、30-27×2×チャッピー吉沼(TANG TANG FIGHT CLUB/同級8位)  木村は「ウルトラマンに憧れ、戦いごっこの延長でキックを始めた」という個性派。2021年11月のDEEP☆KICKでトーナメントを制してDEEP☆KICK-65kg王座に就くと、2022年2月の『RISE FIGHT CLUB』に参戦。山口侑馬にオープンフィンガーグローブマッチで判定勝ちして名を上げた。2023年4月のRIZIN大阪大会では進撃の祐基にTKO勝ち、5月のRIZINでは城戸康裕からダウンを奪って勝利する大金星。2023年11月の『FIGHT CLUB』にはYA-MAN軍団の一員として参戦し、記者会見で朝倉未来に詰め寄られたことが大きな話題に。試合では白川陸斗と時間切れ引き分けとなった。戦績は13勝(4KO)4敗2分。  対する吉沼は1年ぶりのRISE復帰となった2022年2月の『RISE 155』より、リングネームを突如チャッピー吉沼に変更。公式計量と会見には顔面白塗り&バンダナと革ジャンのロックスタイルで登場し、語尾に「ベイべ」と付けて周囲を困惑させていた。試合は判定で麻火佑太郎に負けてしまったもののかなりのインパクトを残し、5月には第2代Bigbangライト級王者・稲石竜弥を判定3-0で破り格上越えを達成した。11月には『RISE EVOL.11』のメインで小川悠太に判定勝ち。今回はそれ以来の試合となる。戦績は11勝(3KO)7敗1分。  1R、吉沼がサウスポーでロー、ハイと蹴りを散らす。木村はボディストレートを当てつつ、右ロー。吉沼は真っ直ぐな左ストレートを当て、木村は右の三日月蹴り。吉沼のジャブに対して、木村は右カーフキックをリターン。吉沼が右フックをカウンターでヒットさせると、木村は右ローを返していった。  2R、木村は左の前手で距離を測りつつ、右ロー。吉沼はアッパーからフック、左ミドルと攻撃を繋げる。木村は右ローを強打、右ストレートを放つ。吉沼が飛びヒザ蹴りの奇襲、そしてパンチで前に出るが、木村もフックやストレートを打ち返す。すると、木村が抜群のタイミングで右ストレートをヒットさせてダウンを奪う。  3R、後がない吉沼は近距離で打ち合いを仕掛ける。木村は冷静に右ロー、三日月蹴りを散らす。吉沼が左フックをヒットさせるが、木村の右ローが効果的に決まる。吉沼の左フックに、木村がカウンターのテンカオ。その後は近距離でのパンチの応酬。木村は三日月蹴り、ヒザ蹴りを使いつつ、吉沼の前進に対抗する。木村が的確な右ストレートを数発ヒットさせるも、吉沼も近距離のハイキック、パンチ連打で攻め続けた。  ジャッジ3者は2Rにダウンを奪った木村を支持。木村が的確なヒット、ダウンを奪って判定勝ちを収めた。  木村はマイクを持つと「今年65kgのベルトを取るので、しっかりここから伸びていきます。また強いやつとやらせてください」とアピールした。 [nextpage] ▼フェザー級(-57.5kg)3分3R延長1R×山川賢誠(Kickboxing Academy Sapporo/同級6位)KO 2R 1分22秒 ※左ボディ○翔(REVOLT/同級11位)  山川はアマチュア時代より卓越したボクシングテクニックで注目を集め2013年10月に北海道の格闘技イベント『BOUT』でプロデビュー。その後もBOUT、RISEで経験を積み現在はRISEフェザー級6位にランクイン。2020年2月に現フェザー級王者の門口佳佑に判定負けも、2022年2月に森本“狂犬”義久からKO勝ちした戦績が光る。10月には安本晴翔に1RKO負けを喫したが、今年3月には宮崎就斗を判定で下し、6月にはRIZIN北海道大会で平野凌我に2RKO勝利を収め現在連勝中と勢いに乗る。戦績は18勝(9KO)9敗2分。  対する翔はRISE WESTで活躍中の23歳。昨年10月にRIZIN福岡大会で栗秋祥梧に2RKO負けを喫したが、その後は藤井海人、山元剣心、都筑海杜に勝利し2023年は全勝。2024年初戦となるこの一戦で山川を下し一気にランキングアップを狙う。戦績は11勝(6KO)4敗1分。  1R、山川がサウスポーで距離を取る。翔がガードを固めて前進。山川は右ジャブを多用して、翔のパンチにフックやストレートを返す。翔の強烈なフック、ストレートでアグレッシブに攻め続ける。終盤、翔が山川のパンチにカウンターの右ストレートを合わせてダウンを奪った。  2R、山川が細かいフック、ストレートを翔のガードの上から放つ。翔はガードを固めて、距離を詰めると、左ボティフックを強打。これが見事に決まり、山川が2度目のダウン。立ち上がった山川はパンチを返すが、チャンスと見た翔は追撃、今度は右から左ボディ。これもクリーンヒットし山川がダウン、続行不可能となり、翔の圧巻KO勝ちとなった。
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