ムエタイ
レポート

【ONE】スアキムがダウン応酬の末バリカにKO負け、コンペットが鬼のローキック連打&強打でKO勝ち、小川翔は壮絶KO負け

2024/01/14 01:01
ONE Friday Fights 472024年1月12日(金)タイ・ルンピニースタジアム ▼第12試合 キャッチウェイト(140LBS)3分3R×スアキム・ソー・ジョー・トンプラジン(タイ)KO 3R 0分22秒〇アレクセイ・バリカ(ロシア)  スアキムはルンピニースタジアムのバンタム級、スーパーバンタム級、スーパーフェザー級の三階級制覇王者で、2018年2月の『KNOCK OUT』に初来日。那須川天心への最強の刺客として大きな話題を呼んだが、那須川に5R判定負け。2019年7月には『RISE』で那須川と再戦したが、胴廻し回転蹴りで目尻を切り裂かれて流血、3R1分25秒、TKOで敗れている。  その後、RISEでニキータ・セブンを一蹴、ルンキットとの再戦でリベンジし、スーパーレックには判定負け。2019年12月に日本の『BOM』でチャンヒョン・リーにTKO勝ちし、BOMスーパーライト級王者になった。しかし、2020年4月に突然の引退宣言。2023年7月、ONEで現役復帰を果たすもキリル・ホムトフにKO負け。9月にサマン・アシュリをKOして再起を果たした。戦績は104勝24敗3分。  対するバリカはTiger Muay Thai所属のロシア人キックボクサーで、2023年9月の『ONE Friday Fughts 33』でONE初参戦。2連勝していたヨッドIQ・オー・ピモンシーからダウンを奪って判定勝ちしている。  1R、スアキムの右ローにパワフルな左右フックを繰り出すバリカ。圧力をかけて前に出て行くバリカは、前に出ると同時の右フック、右ストレートを見せる。スアキムは右ヒジを返す。バリカのパンチは見えているようなスアキムだが、バリカが踏み込みの速さは脅威だ。バリカの左右フックをかわしてヒジや左右フックを打つスアキム。  2Rは蹴りを使っていくバリカ。その蹴りに気を取られたか、バリカが踏み込んでの左フックにダウンを奪われる。前に出て距離を詰めるバリカは左ヒジ、ワンツー、右ボディ、右ロー。コーナーに詰まるスアキムはカウンターのヒジを狙う。前に出始めるスアキムに歓声が上がり、スアキムがバリカの右ストレートにすかさず右フックを返してダウンを奪う。  左右フックと右ヒジで勝負をかけるスアキムに左右フックと右ローで対抗するバリカ。右クロスを入れるのはバリカだ。スアキムの左フック、右ヒジにグラつくバリカにスアキムは打ち合いを挑んでいく。バリカも負けじと左右フックで応戦。  3R、前に出て打ち合いを仕掛けるスアキムにバリカは右ヒジ、右ストレートで対抗。前に出て距離を詰めたスアキムにバリカが左フック一閃、スアキムがバッタリと倒れ、起き上がることが出来ずにバリカのKO勝ちとなった。飛びあがって大喜びするバリカ。激闘に当然ボーナスも支給された。 [nextpage] ▼第11試合 ストロー級 3分3R〇コンペット・フェアテックス(タイ)TKO 3R 2分11秒×ダレン・ローラン(フランス)  コンペットはルンピニースタジアム認定フライ級&バンタム級の2階級制覇、元タイ国プロムエタイ協会ライトフライ級王者、BBTV(7チャンネル)フライ級・ライトフライ級・フェザー級の3階級を制覇したムエタイ6冠王。ここ数年はフェザー級トップ選手として君臨し、上の階級の選手とばかり試合を組まれたことも。“フィームー”と呼ばれる離れて戦うテクニシャンタイプであるが、激闘の多さで有名な7チャンネルで戦ってきた、打ち合いも出来る万能型。2022年9月、K-1に初参戦して玖村将史を判定に破り、日本でもその名が知られるようになった。  ONE初参戦となった2023年1月の『ONE FRIDAY FIGHTS 1』のメインイベントではプラジャンチャイに判定負け、3月のK-1では金子晃大に判定負けと連敗を喫するも、6月の『ONE FRIDAY FIGHTS 23』では中国人選手に判定勝ち、9月にはゴンチャイとの大激闘を判定で制した。10月にはカムバックと引き分け。戦績は85勝(12KO)18敗4分。  ローランドはIFMAなどムエタイのアマチュア大会で数々の優勝を収め、2017年10月にプロデビュー。2019年1月にライアン・シェーハンにTKO勝ちでWBCムエタイ・インターナショナル・フェザー級王座を獲得。8月にはWBCムエタイ世界フェザー級王座もKOで獲得した。2019年10月にはONE日本大会でサムエーと対戦するも2RにKO負け。その後、FFKMDAフェザー級(-57kg)ムエタイ王座、WMCインターコンチネンタルフェザー級王座、WMOインターナショナルフェザー級(-57.5kg)王座などを獲得。現在12連勝でONE Friday Fightsには初出場となる。戦績は20勝(8KO)6敗。  1R、8cm長身のローランは軽快なフットワークで動き、ジャブと前蹴り、右ローを蹴る。止まってワンツーを打つローランにコンペットはスピードのある右ストレート、動くローランに右ロー。ローランはコンペットの蹴り足をキャッチしての右ストレート、コンペットも負けじと蹴り足をキャッチして右ストレートを出す。どんどん前へ出るコンペットはあまりリーチの差を感じさせず右を当てていく。  2Rも前に出て行くコンペットは右ストレートと右ローで動くローランを追っていく。コンペットの右ローを嫌がってサウスポーになるローランだが、オーソドックスに戻ったところでコンペットが鬼の右ロー10連発でダウンを奪う。ローランはコンペットの右ローをキャッチしてのパンチを狙い、前蹴りで突き放す。前に出て右ストレートやヒジも繰り出して逆襲するローランにコンペットは右ローとコーナーへ詰めての左右連打。首相撲でローランを軽々と投げ捨てる。  3R、右ローを連打するコンペットをローランが前蹴りで転倒させ、左アッパーからの右ストレートでコンペットを吹っ飛ばすが、すぐにコンペットが右ストレートで反撃。右ローと右フック、組んでのヒザはコンペット。バックスピンエルボーで逆転を狙うローラン、飛びヒザ蹴りを出したところに右フックをもらってダウンを喫した。コンペットが前に出て打ち合いとなり、コンペットが思い切り右フックを振り抜いてダウンを追加。そしてパンチをまとめたところでレフェリーがストップをかけた。  打ち合いになったはずだが綺麗な顔で勝利者インタビューを受けたコンペットには、ボーナスが支給された。 [nextpage] ▼第4試合 キャッチウェイト(140LBS)3分3R×小川 翔(OISHI GYM)KO 2R 1分52秒〇ヌンパンニャー・イーグルムエタイ(タイ)  小川は極真空手を学び、中学でキックボクシングに転向して2019年に15歳でプロデビュー。2012年にはK-1甲子園で優勝し、以後は様々な団体に出場してREBELS-MUAYTHAIライト級王座、蹴拳ムエタイスーパーライト級王座、WBCムエタイ日本統一ライト級王座、HOOST CUP日本スーパーライト級王座を獲得。2018年8月のRIZIN初出場では海人に惜敗、2022年3月の2度目の出場では山畑雄摩にKO勝利。ひとつの引き分けを挟んで4連勝していたが、5月の『KICKBOXING WORLD CUP』ではチョ・ギョンジェに敗れている。  6月16日に開催された『ONE FRIDAY FIGHTS 21』でONE初参戦を果たすも、トンサヤーム・ゲッソンリット(タイ)に判定負け。2戦目もペットガーフィールド・ジットムアンノンに判定で敗れたが、大激闘を演じて両者にボーナスが贈られた。  ヌンパンニャーは2023年5月の『ONE Friday Fights 16』にてアリ・ハーン・エルゲショフにTKO勝ち。8月の『ONE Friday Fights 38』ではペットガーフィールド・ジットムアンノンに判定負けも、この大会屈指の大激闘を繰り広げ、小川と同じく両者にボーナスが贈られた。  1R、小川は序盤から右ローを集中、ヌンパンニャーも右ローを返していく。徹底して右ローを蹴る小川はワンツーを繰り出す。ヌンパンニャーは右ミドル。小川が右ローを蹴った直後に、ヌンパンニャーが左ヒジで小川を吹っ飛ばし、右ストレート。小川はロープにバウンドして立ち上がり、ヌンパンニャーの追撃を防いでこのラウンドを終えた。  2R、小川の右ストレート、左ボディにヌンパンニャーは右ヒジを狙い撃ち。前に出るヌンパンニャーがローを蹴られながらも近付いて右ヒジを打っていく。右ローに右フックや右ヒジを合わせられる小川。組むとヌンパンニャーがヒザ。小川はスーパーマンパンチを繰り出すが組まれてヒザを蹴られ、離れるとヌンパンニャーが右ストレート、右ヒジ、ヒザと猛攻。小川も右ヒジで対抗したが、どんどん前に出て詰めるヌンパンニャーに左フックを打ったところに左縦ヒジを合わせられて強烈なダウン。ヌンパンニャーのKO勝ちとなり、小川には担架が用意された。  ヌンパンニャーは今回は勝者としてボーナスを獲得した。 [nextpage] ▼第10試合 フライ級 ムエタイ 3分3R〇プンルアン・バーンレンバー判定3-0×フアム・フェリペ・モライス・カルダス(ブラジル) [nextpage] ▼第9試合 キャッチウェイト (136 LBS) ムエタイ 3分3R〇デントゥントン・シンハ・マウイン(タイ)判定2-1×ペットシリチャイ・デペッチシリトン(タイ) [nextpage] ▼第8試合 キャッチウェイト (113 LBS) ムエタイ 3分3R〇クンスック・ソー・デチャパン(タイ)KO 1R 0分55秒×ヌラペット・ケラスポーツ(タイ) [nextpage] ▼第7試合 キャッチウェイト (120 LBS) ムエタイ 3分3R×ジョムホート・VK・カオヤイ(タイ)TKO 1R 2分27秒〇カンレック・ソー・チョーミーチャイ(タイ) [nextpage] ▼第6試合 バンタム級 ムエタイ 3分3R〇フェラーリ・フェアテックス(タイ)判定3-0×アンター・カセム(ベラルーシ) [nextpage] ▼第5試合 バンタム級 ムエタイ 3分3R〇アレクシ・ニコラ(フランス)判定3-0×マゴメド・マゴメドフ(ロシア) [nextpage] ▼第3試合 キャッチウェイト (130 LBS) ムエタイ 3分3R×エリアス・カセム(アルジェリア)KO 2R 1分23秒〇アピワット・ソー・ソンヌック(タイ) [nextpage] ▼第2試合 フライ級 MMA 5分3R×イリムビェク・アキルベク・ウフール(キルギス)TKO 2R 1分59秒〇ハリーム・ナズルロエフ(タジキスタン / ロシア) [nextpage] ▼第1試合 フライ級 MMA 5分3R〇クーパー・ロイヤル(オーストラリア)3R 3分16秒 ※アームバー×カムロンベク・オルチコフ(ウズベキスタン)
全文を読む

MAGAZINE

ゴング格闘技 NO.331
2024年3月22日発売
UFC参戦に向け、ラスベガス合宿の朝倉海。「プロフェッショナル・ファイターの育て方」でチームを特集。『RIZIN.46』鈴木千裕×金原正徳インタビュー、復活K-1 WGP、PFL特集も
ブラジリアン柔術&総合格闘技専門店 ブルテリアブラジリアン柔術&総合格闘技専門店 ブルテリア

関連するイベント