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【ONE】平田樹「ランカーでもないし“マジ無意味な試合”だけど、それで数字取れるなら“やっぱ自分のおかげじゃん”」×三浦彩佳「(平田は)“選手”としてはどうなんだろう? この試合は結構(精神的に)くる……」

2024/01/09 16:01
 2024年1月28日(日)に東京・有明アリーナにてONE Championship『ONE 165: Superlek vs.Takeru』(ABEMA PPV ONLINE LIVE配信)が開催される。  約4年ぶりの日本大会に向け、ONE女子アトム級(※52.2kg)5分3Rで対戦する、平田樹(日本/フリー)と三浦彩佳(日本/TRIBE TOKYO MMA)が、ABEMAのインタビューに応じた。  平田は2023年3月のアトム級戦でハム・ソヒに判定負けからの再起戦。三浦は2023年11月のストロー級戦で中国のメン・ボーを1R あやかロックで極めて一本勝ち。今回は階級を落として、平田との日本人対決に臨む。  会見時には冒頭で「ほんとうにこのカードが組まれるんだな、というのが正直な感想ですね」とつぶやいた三浦。  2年前の1月には、ストロー級王者ション・ジンナンに挑戦し、判定で敗れた。「一昨年、ション・ジンナンと試合をして、“次は絶対に勝つ”とずっと思っていて、再起戦(ダヤニ・ソウザ戦)で(右肩を)脱臼してしまって……勝って“私はジンナンといつでもやれるんだぞ”と証明したかったので、それが(出来なくて)すごく苦しかったですね」と、ストロー級コンテンダーは語る。  一方の平田は、2023年3月の『ONE FIGHT NIGHT8』以来、約10カ月ぶりの実戦復帰となる。元RIZIN王者のハム・ソヒに判定負けしたことで、「自分のなかでも意地を張るじゃないけど、結構、突っ張ってたところもあったので、あの負けでその突っ張りも折れたところがあって、前回の負け以降、格闘技もあんまやる気無かったというか、前回の試合が終わってからなんか、1回冷めるというか、ぼーっとしている時間が欲しいなと思っていたんですけど」と、格闘技からいったん離れた時間があったことを明かす。  しかし、「結局、試合を観たり、身体を動かしていくうちに“もう1回やりたい、頑張りたい”というのがあって、復帰しました。自分と向き合う時間は大事でしたね。試合のことととか、今まで自分の練習してきたこととかを考えて、もっとラフに自分の思った通りに発言できるようになったかなと思います」と、空白の時間に自身を見つめ直したことがプラスに働いたと振り返った。  対する三浦は対照的だ。 「私は(敗戦後の空白時間は)全く無くて、格闘技がやりたくてしょうがない。彼女(平田)は“試合が終わったら、普通にハッピーな生活がしたい”と言ったけど、私は試合をすることが幸せで、試合が終わったら“また次の試合がしたい”って気持ちになる」と、格闘技と向き合う姿勢の違いを明確に語る。  その“次の試合”は、自身の階級では組まれなかった。平田が主戦場とするアトム級での対戦となったことについて三浦は、「正直“なんでだろう”というか。私が体重を落として一個下の階級で戦うというのは、やっぱり“平田選手ありき”なのかなというのはすごく感じていて……でも私は“何でもやります”の精神なので『やります』と答えました」と、複雑な心境を吐露しながらも、覚悟を持った眼差しで答えている。  また、平田を「すごく才能のある選手だと思います」と評価しながらも、「ただ“選手”っていう感じでは……どうなんだろう? と思っていて。格闘技を本当に好きな方々にはどう映っているか分かると思っているので、それを試合で証明しようかなと思います。彼女にはSNSで頑張っていただいて(笑)」「私がやってきたことはエンタメではないので」と、格闘技選手としては疑問符がつくとした。  対する平田も、アトム級の頂を目指す上で、階級違いの選手と日本で日本人対決を行うことについて、「(三浦はアトム級の)ランカーでもないし、“マジ無意味な試合だな”と思ったんですけど」と戸惑いがあったとしながらも、「“これで盛り上げろ”って言うなら“分かりました、やってやります”っていう感じですね」と、割り切った表情を見せている。 [nextpage] 「元カノ・今カノ対決」の声に両者は──  このカードの発表後、SNS上では瞬く間に「山本アーセン」や「元カノ・今カノ対決」などのワードがトレンド入りし、ファンの間で注目を集めることとなった。ある種、“スキャンダラス”なカードだが、試合に向かう上で、かつて平田のセコンドについていたアーセンの存在は、三浦にとっていまは力強い存在だ。  三浦は「気まずいですよね。彼(アーセン)は“持ってる”んだと思いますよ。こんな戦いはないですよね」と苦笑しながらも、「KRAZY BEEにリングがある(※今回の試合はケージではなくリング)ので、もちろん彼と組むこともあります」と、所属のTRIBE TOKYO MMA以外にも、アーセンと練習していることも明かす。  現在は柔術強豪でMMAファイターでもある鹿志村仁之介をパートナーに、さまざまな出稽古にも足を運ぶ平田は、ABEMAの煽りに、「“そういうので来たな”と思っているし、逆にそれで数字取れるなら、“やっぱ自分のおかげじゃん”って思うし、タイムラインがそれで埋まればみんな見ると思うし、話題性あるんじゃないかなとは思います」「ぜんぶ含めて、SNSでの発信とかもそうだし、試合内容も行動も発言も、これが平田樹だっていうのが結構、形に出来てきているなと思っているんで、“自分が主役だな”って感じです」と、このカードが自身ありきで成立している、とする。  また、「もし対角のセコンドにアーセンがいたら?」の質問には、「いたらそれはもう“盛り上げ”に来てますよね。“盛り上げるところ分かってんな、仕事してください”って感じで(笑)」と、サバサバとした表情。  一方の三浦は、「“うーん”ってなることもあったんですけど、後輩たちが『これはいいチャンスですよ』って励ましてくれたので……あぁ、また泣いちゃいそう……。早く終わってほしいですね。結構この試合は(精神的に)くるので」と涙ぐむと、最後は「格闘家なんでリングの上で証明するのがやっぱり一番なのかなって思います」と前を向いた。「日本で勝って、応援してくれる皆さんにお礼、恩返しをしたい」と決意を語る三浦。 「いつも生ぬるい試合だったと思うので、今回はみんなが声を張るような試合にしたい。“平田樹”コールで会場を埋められるように頑張ります」と、笑顔の平田。  有明アリーナでのアトム級戦まで、待ったなし、だ。
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