弥益ドミネーター聡志「続けたいと思える、一つの理由が中々消えてくれない」
──試合後の率直な感想を。
「ところどころ記憶が曖昧なのでなんとも言えないのですが、ちょっと策に頼りすぎたというか。硬くなってしまったかなというのが印象ではありますね」
──フィニッシュされた瞬間の記憶は?
「全然覚えていないです、飛んじゃいました(笑)」
──「策に頼りすぎた」とのこと。元はどのようなプランでしたか。
「軸としてはいくつかもちろんあったのですが、そのなかのメインとしてカーフキック中心に組み立てていこうかなと思ったのですがそこに頼りすぎてしまったというか。その作戦でいけそうだなとなってしまったときに他の作戦が疎かになってしまった感じはしました」
──弥益選手と実際に対戦してイメージと違うところはありましたか。
「いや、そのまんまだったような気はしますけど(笑)まあそうですね。やられちゃったんで単純に自分の想像を超えられたなという感じですね」
──オーバーハンドとともに、アームロックのイメージがある新居選手にKOされるのはイメージしていましたか。
「そうですね、どっちかっていうとアームロックよりはぶん回しのフックのほうが自分の脳みその具合もあるので警戒しなくてはいけないかと思ったのですがまんまとやられちゃいました」
──自分の圧で手が出なかったと新居選手が話していました。最初に考えがあって手を出さなかったのかや、カーフキックで切り開く意図があったのでしょうか。
「カーフキックをきっかけというかひとつの切り口にしたいとは思っていて、やっぱりちょっと効いている感じがあったのでそれに頼りすぎたというか、もうちょっと散らさなきゃいけなかったですね、パンチをもっと出すとか。ひとつの技術に頼りすぎたのは反省点です」
──試合を終えたばかりですが、今後の目標や展望があれば教えてください。
「来年も、格闘技続けられんのかな? みたいなのはいろんな側面からちょっと今は危ぶまれている気もするので、いろんな方々と相談しながら考えていきたいと思っています」
──ダメージの感覚は?
「前戦であれだけダウンして脳みその具合はいろんな方に心配していただいて、で、あんな倒れ方をしたのでご心配頂いている方もいらっしゃると思うのですが、正直あのもらい方であのフックもらったらダメージ関係なく倒れてしまうという無防備なもらい方をしてしまったので、脳みその具合の判断基準には正直ならないかなという思いはあるのですが、ダウンはしすぎているので良くはないです、具合としては。なんとなく覚悟はしています」
──平本戦後は練習を控えていたということでした。今回もしばらく練習できなそうな状況をどう思っていますか。
「さっき奥さんから『当分土日は練習行かずにピクニックでも行こう』みたいなLINEがあって、強制的に遠ざけられるなという感じはしているのですけど(笑)まあ、しっかり、試合決まって1カ月以上、家庭も疎かにしていた部分もあるので、その辺はしっかりと恩返しをしなくちゃなという思いもあるので、そういう意味では不幸中の幸いというか。練習控えて、家庭に時間を注ぐ理由もあるかと思うのでそれは良かったと思います」
──オープニングはなかったけれど、そういった部分でもうちょっと大晦日を味わいたかったですか。
「いやもうそんなことないです。びっくりするくらいお客さんも第1試合から入ってらっしゃって、オープニング前とか気にならないくらいたくさんの方に見届けていただいたと思うので、本当に幸せな時間を過ごさせていただいたと感じています」
弥益は試合後、「歳を重ねると辞める理由ばかりが増えていきますが、続けたいと思えるただ一つの理由が中々消えてくれないので、無様でも可能な限り続けていきたいと今は考えています」と心境を綴っている。