若くてブッ飛んでて物怖じしない鈴木選手と──
──同じく大晦日にともに出場する扇久保博正選手(vs.ジョン・ドッドソン)にもまた違った思いがあるのでは?
「扇久保さんに関しては修斗の時からですよね。もう10年行かないくらいかな。同じ道を辿ってきたというか、同じ時代に修斗でチャンプだった時代があって、RIZINでも同じように試合をしてきた。戦友というよりはチームメイトのような、同じ志を持った仲間です。ドッドソンは強敵ですが、勝つと思います」
──扇久保選手からエールもあったようですね。
「(扇久保はYouTubeで斎藤について)修斗時代から同じ大会に出ていて、お互いに勝って祝勝会をしたい。あの攻略法は金原選手だから出来ただろうけど、(斎藤vs.クレベルの)勝った方が鈴木千裕選手が持つタイトルにからんでくる。斎藤選手はクレベル選手に引き込まれても極めさせない。いきなり引き込み等では極まらないと思う。テイクダウンして立ってくる際を狙ってくる。でも斎藤選手はMMAで一本負けはない。気持ちも強いのでクレベル選手としてはタップしないから落とすしかない。組んでみた感じでテイクダウンに行くかどうか。上を取る選択をするかも注目。とにかく斎藤選手は一本を取らせない力が強い。打撃では、クレベル選手の開く打撃に、斎藤選手は真っ直ぐが打てる。こうして準備期間もあるし、クレベル選手には3カ月前に追い込み、減量、試合のダメージもあるから、金原選手のように腹から左を狙うか。勝って2人で互いにタイトルマッチに向かいたいですね」と語っている)
「心強いですね。いつも前日にホテルに入って撮影とインタビューがあるのですが、扇久保さんの顔を見るとホッとするんです。同じホテルに泊まって、気さくに声をかけてくれるし、器の大きな人だと思います」
──さきほどクレベル選手に「もうちょっと発信してほしい」ということでしたが、平本選手やYA-MAN選手のような発信方法について感じていることもありますか。
「発信に関してはすごく難しいですね。いろんな動画とか、武器にもなれば凶器にもなる。それを分かった上でうまく使えばいい。20代の選手のほうが使い方は上手いのかなって。自分はあまり得意ではないけど、ああいうふうに周りを巻き込んでやろうとすると疲れてしまいます。ただ、自分が何をしているかの近況くらいはクレベル選手も発信できるんじゃないかなと。
SNSに賛否あるのはしょうがない。好き嫌いがありますから。そのお陰で手にしているものもあるので、そこはやっている人も分かっていると思います。話題にもなってプロモーションにもなれば、上手に使っているってことじゃないですかね。仕事としてそれは否定できないです」
──今回のクレベル戦の勝敗について、勝った場合と負けた場合、ご自身のなかで、選手としての評価はどうなるのでしょうか。
「見方は人それぞれがあるし、ランキングがないので階級の順列が明確でない部分はありますよね。ただ、クレベルに勝つということはタイトル戦線に出るということだと思っているので、そこは言える。負けたら人生終わったような暗さになるから考えたくないですね」
──決着をつけたあとに、ご自身のなかでは、次戦で誰と試合をするイメージですか。
「タイトルという話では、鈴木千裕選手と金原(正徳)選手がいつやるか次第ですね。個人的には鈴木選手とやりたい気持ちが強いです」
──鈴木選手と、というのは?
「最高じゃないですか、若くてブッ飛んでて。ピットブル相手でもアゼルバイジャンでも物怖じしない。魅力を感じてしまう。いい選手ですよね、本当に」
──クレベル選手の試合で一番見たのは?
「僕、結構現地で生で観ているんで、映像で何10回、何100回見返すというのはないです。現地でしかもリングサイドで観たものを大事にしていて、印象に残る試合もありました」
──会場で観たクレベル選手の試合で、印象に残った試合というのは?
「いい意味でも悪い意味でも、鈴木千裕戦ですね。クレベル選手の良さが出たと思う。(一番強いクレベルを想定した?)そうですね」
──あらためて、今回の試合で注目してほしいポイントは?
「難しいですね、クレベルが極めるか僕が殴り飛ばすかどちらか」
──会場のファンから力になる声援はどんな言葉?
「あんまり単語を聞いている余裕はないのですが、とにかく大きな声援です。“ワーッ”と盛り上がってくれると嬉しいです!」