キックボクシング
レポート

【RISE】田丸辰がダウンを奪いトーナメント優勝、コリンズがペットパノムルン破り王座奪取!6勝(5KO)1敗でRISEがGLORYに圧勝、原口がまさかのダウンも逆転KO、白鳥がザカリアをKO、海人が相手に何もさせずKO圧勝、南原と聖愛が勝利、KO勝ちの中村寛が木村ミノルに対戦要求、志朗・大崎一貴・宮崎小雪がペッティンディーに勝利、那須川龍心がTKO勝ちでRIZIN大晦日参戦へ

2023/12/16 13:12
RUF presents RISE WORLD SERIES 2023 Final Round2023年12月16日(土)東京・両国国技館※ABEMAでLIVE配信 ▼メインイベント(第16試合)RISE WORLD SERIES 2023 -54kg Tournament 決勝戦 3分3R延長2R×クマンドーイ・ペッティンディーアカデミー(タイ/ペッティンディーアカデミー/ラジャダムナンスタジアム認定スーパーフライ級王者)判定0-3 ※28-29×2、28-30○田丸 辰(TRY HARD GYM/初代RISEフライ級&スーパーフライ級王者)※田丸がトーナメント優勝。  クマンドーイは2020年大晦日に『RIZIN.26』で那須川天心に判定で敗れるも思い切りのよいパンチと重いミドルキックで場内を沸かせた。過去にはロッタン・ジットムアンノンに勝利している。これまでオムノーイスタジアム認定フライ級王座、WBCムエタイ世界スーパーバンタム級王座、True4Uスーパーフライ級王座、ラジャダムナンスタジアム認定同級王座を獲得。4月の来日では福田海斗にダウンを奪われて敗れている。7月の1回戦ではモハメッド・カルーアに判定勝ち、8月の準決勝では優勝候補最右翼の志朗からダウンを奪って決勝へ進出。戦績は122勝30敗2分(KO数は不明)。  田丸はジュニアキックボクシング出身で、卓越したボクシング技術とディフェンス能力でプロデビュー後は10戦全勝(2KO)と無敗の快進撃で2018年11月に初代RISEスーパーフライ級王者となった。2019年9月にRISEバンタム級王者・鈴木真彦とRISE王者対決を行い延長戦の末に初黒星を喫し、2020年9月の2度目の防衛戦で大崎一貴に敗れて王座陥落。2021年7月の「RISE DEAD OR ALIVE 2021 -53kgトーナメント」でも1回戦で政所仁に敗れるなどスランプに陥ったが、2022年に階級を下げて臨んだ「初代RISEフライ級(-51.5kg)王座決定トーナメント」で優勝し、二階級制覇を達成した。7月の1回戦でペッシラーを初回KOで破ると、準決勝では大﨑にリベンジを果たして決勝へ進出。戦績は16勝(3KO)3敗1無効試合。  1R、田丸が左ハイをかすめるとクマンドーイは右インローを蹴り返す。鋭い右ミドルを蹴るクマンドーイ。強い左ローから左ミドルを蹴るクマンドーイに田丸は距離を詰めての連打。田丸は左インロー、右カーフを蹴る。右ミドルを多用するクマンドーイに田丸は左三日月、接近してのヒザ。  2R、田丸が左インローを蹴るとすぐにクマンドーイが強烈な右ミドル。田丸の利き腕である左腕を襲う。しかし、クマンドーイの左ミドルに田丸が左ストレートを合わせてダウンを奪う。立ち上がったクマンドーイはパンチで前へ出ての猛攻と右ミドル。さらに右カーフを蹴る。田丸はノーモーションの左ストレート。右カーフから右ストレートを放つクマンドーイに田丸は左ストレートで対抗。  3R、パンチで前に出てくるクマンドーイに田丸はジャブ、右フック、そしてガードの隙間を縫うようなノーモーションの左ストレート。パンチの打ち合いになると、田丸はクマンドーイのパンチをかわして左ストレートを打つ。強打を叩きつけるクマンドーイに田丸がジャブ、右フック、左三日月。田丸は左ボディストレートも打つ。クマンドーイも負けじと左フック、右ミドル。田丸は右ミドルで左腕を蹴られながらもノーモーションの左を打つ。  判定は3-0でダウンを奪った田丸が勝利、強敵クマンドーイを破り優勝を飾った。優勝賞金は1000万円。田丸は「今日は最後まで応援してくださってありがとうございます。本当にめちゃくちゃ苦しい試合で1Rの最後の方でめちゃくちゃ効いたし、ダウンも皆さんの想いだったり、いろいろな想いがあって支えられてこの結果になったと思っているので感謝しかないです。  何より一番は、小さい頃から格闘技のことだけに専念させてくれたお父さん、今は天国で見守ってくれているお母さんに感謝しかないです。ありがとう。メインイベンターとして判定であまりいい内容だったとは言えないですが、RISEの王者として代表者として来年も駆け上がっていくので注目してください」とマイクで語った。 [nextpage] ▼セミファイナル(第15試合)RISE世界スーパーライト級(-65kg)タイトルマッチ 3分5R無制限延長R×ペットパノムルン・キャットムーカオ(タイ/Kiatmoo9/GLORY世界フェザー級王者/王者)判定0-3 ※48-49×2、47-48○チャド・コリンズ(オーストラリア/Strikeforce/WBCムエタイ世界スーパーライト級王者/挑戦者)※コリンズが第2代王座に就く。ペットパノムルンは初防衛に失敗。  ペッチことペットパノムルンはサウスポーで2011年にプロムエタイ協会バンタム級王者、2013年にスーパーフェザー級王者となって2階級制覇。2015年にはトーナメント戦の『トヨタ・ムエマラソン』-64kg級で優勝、2016年にWMC世界ライト級王者となった。セクサン、サムエー、ペットモラコット、チャムアックトーンらスター選手としのぎを削って勝利を収め、2016年8月からはGLORYに参戦。ザカリア・ゾウガリーやアブデラ・エズビリらから勝利を収めると、2018年9月に ロビン・ファン・ロスマレンに挑戦し、判定勝ちでGLORY世界フェザー級王座を奪取した。  また、2018年にはGLORYの“ノックアウト・オブ・ザ・イヤー”に輝いた。2021年11月にRISEに初来日を果たし、原口健飛に勝利すると、2022年8月の原口との再戦を制してRISE世界スーパーライト級(-65kg)初代王者との二冠王に。12月の来日では山田洸誓に勝利。2023年3月には同時二階級制覇を狙い世界ライト級王者ティジャニ・ベスタティに挑戦したが、4RにKOで敗れた。GLORY世界王座は10月にダビド・メヒアの挑戦を退け、7度目の防衛に成功している。RISE世界王座は今回が初防衛戦。戦績は170勝(27KO)39敗3分。  コリンズはタイ在住のオーストラリア人選手でこれまでにセクサン、パコーン、サックモンコンといったムエタイのスター選手を次々と撃破。2019年2月の『KNOCK OUT』で初来日し、KNOCK OUTスーパーライト級王者・不可思から右ヒジでダウンを奪い、判定勝ちした。4月にはSBに参戦し、海人にも判定3-0で勝利。RISEには8月の大阪大会に初参戦を果たし、RISEウェルター級王者・中野椋太から1RでTKO勝ちを奪うと、10月にはRISEライト級王者・直樹にも2RでKO勝ち。12月には笠原弘希にも勝利した。2023年5月には『KICKBOXING WORLD CUP』にてムエタイルールでラーチャシンから延長Rで勝利を収め、8月のRISEでチョ・ギョンジェを初回KOして日本では負け無し。戦績は58勝(29KO)16敗2分。  1R、コリンズは左右にスイッチしながら前蹴り、すぐにバックハンドブロー。ペッチは左ミドルを蹴る。前に出るコリンズへペッチが左ボディストレート。この左ボディが強烈に決まる。組むと両者ヒザを突き刺す。前に出るペッチが左ミドル、左ロー、左ミドル、左ボディストレートと攻める。ローの蹴り合いでも強く蹴るのはペッチだ。ペッチの左ミドルがコリンズの右腕を襲う。オープンスコアは10-9×3でペッチ。  2R、ペッチが前蹴りならコリンズも前蹴り、距離を詰めるコリンズは右フックをヒットさせてラッシュをかけるがペッチが右アッパーを突き上げる。至近距離で左ミドルを蹴るペッチに対し、コリンズは右ボディと右ロー。前に出るコリンズはペッチに左ミドルを蹴られるとすぐに右ボディ。左ローにも右フック。組むと両者がヒザを蹴る。至近距離で火が出るような攻防が続く。OPスコアはジャッジ1名が10-9でコリンズ。  3Rも前に出るコリンズが顔面前蹴り、組んでのヒザ。ペッチも左ミドル、左ローを強く蹴り。下がりながら左ミドルを蹴るペッチは、コリンズが入ってくると左ボディ。コリンズはパンチの連打でフック、アッパーをクリーンヒットするがペッチは倒れない。ペッチの左ミドルにコリンズが右ストレートと右アッパー。この右アッパーに大きくアゴが上がるペッチだが笑みを浮かべる。コリンズを前蹴りで突き放すペッチ。OPスコアは10-9×3でコリンズ。  4Rも前に出るコリンズは左フック、ペッチは左ミドルから左ストレート。打ち合いに行くペッチにコリンズは右アッパーを突き上げる。ペッチの左ミドル、左ローにコリンズはバックハンドブロー。押して左ミドルのペッチにコリンズは右アッパー。ペッチの左ローに右足を上げるコリンズ。右足を上げながら入り込むコリンズは組んでのヒザ、放して左右フック。前へ出て攻め続けるコリンズにペッチは左ミドル、組んでヒザ。ゴングが鳴るとお互いに顔を見合って“やるな”という表情を浮かべる。OPスコアはジャッジ1名が10-9でペッチ。これでイーブンに。  5R、前に出るコリンズにペッチは下がりながらも左ミドル。コリンズは至近距離でフック&アッパーを放つが威力がない。しかし、ペッチの左ローに合わせたコリンズのバックハンドブローで尻もちをつく。前へ出てボディをパンチとヒザで攻めるコリンズにペッチは手が出なくなる。コリンズの崩しでペッチが転倒。走るようにして前へ出て距離を詰め、右フックをクリーンヒットさせるコリンズ。  判定は3-0で5Rにわたって攻め続けたコリンズが勝利。新王座に就いた。コリンズは「今めちゃめちゃ疲れています。皆さんずっとKOで勝っていたのでKOで勝ちたかったんですが、ペッチと戦ってベルトを巻くことが出来ました。いつも日本に来るといろいろサポートとしていただいてありがとうございます。日本は一番大好きな国です。ペッチとは昔から仲が良くて友だちですが対戦相手になってまた友だちに戻ります。ペッチ選手、素晴らしい試合をしてくれてありがとうございます。サンキュー、ジャパン」と語った。 [nextpage] ▼第14試合 RISE×GLORY スーパーライト級(-65kg) 3分3R延長1R○原口健飛(FASCINATE FIGHT TEAM/ISKA世界ライトウェルター級王者)KO 2R 1分49秒 ※右フック×エイブラハム・ヴィダレス(メキシコ/Living legacy/GLORY世界フェザー級1位)  原口は空手出身で、高校からはボクシングを始めて17歳でプロデビューし、2016年西日本新人王決定トーナメントで準決勝進出。2017年にキックボクシングでプロデビューすると、わずか2戦目でACCELフェザー級王者となり、翌年(2018年)のRoad to RIZINキックトーナメントで優勝。チャンヒョン・リー、森井洋介からも勝利を収め、2020年1月大会で秀樹を降してRISEライト級王座に就いた。2020年10月には「DEAD OR ALIVE 2020 -63kgトーナメント」で優勝。2021年2月には白鳥大珠に圧勝、9月もタップロンにKO勝ちしたが、11月にGLORY世界フェザー級王者ペットパノムルンに敗れて連勝がストップ。  2022年4月、ロンペットを初回KOして復活すると、6月の『THE MATCH』では第5代K-1 WORLD GPスーパー・ライト級王者の山崎秀晃に2R0分33秒、TKO勝ち。しかし、9月のペットパノムルンとの再戦では延長戦で敗れRISE世界スーパーライト級(-65kg)王座を逃した。12月に元GLORYフェザー級王者のセルゲイ・アダムチャックに圧勝すると、今年3月にはジェレミー・モンテーリョをKOしてISKA世界王座に就いた。7月にはGLORY推薦選手のアンバー・ボイナザロフを1RでKOしている。戦績は25勝(16KO)3敗1分。  ヴィダレスは、GLORYでは6戦して6勝(4KO)2敗で戦績は18勝(13KO)2敗。黒星はいずれもGLORYでペットパノムルンとセルゲイ・アダムチャックに付けられたもの。“ダイナマイトハンド”の異名を持つ強打者で、2022年10月にペットパノムルンが保持するGLORYフェザー級王座への挑戦者に選ばれたが完封負けを喫した。11月5日のGLORYで同級2位アフマド・チク・ムーサを初回TKOに降したばかりだ。  1R、サウスポーの原口は左三日月、左ハイキックを蹴りながら左右の連打。遠い距離から左右ストレートと左三日月をどんどんヒットさせる。ヴィダレスのパンチは距離があって届かない。左三日月、右フック、右ローと一方的に当てる原口。コーナーへ追い詰めて連打を見舞う原口だったが、ヴィダレスの右フックに巻き込まれて転倒。立ち上がったところでヴィダレスの反撃を喰い、コーナーに詰まったところでヴィダレスの右フックをもらってまさかのダウン。  2R、原口はオーソドックスにスイッチし、前蹴りと左ロー。またサウスポーになって左ミドル。右カーフを蹴る原口にヴィダレスが右ストレートを伸ばし、さらに前へ行くところへ原口がヴィダレスのワンツーに右フックを合わせてダウンを奪い返す。ほぼ相打ちだったが、原口の強打が先に当たったようだ。  何とか立ち上がったヴィダレスだが、様子を見たレフェリーがストップ。原口の逆転KO勝ちとなった。  マイクを持った原口は「ヒヤヒヤさせてすいませんでした。さずがGLORY1位でした。強かったです。僕は今からやるペッチ選手に2敗しています。その時に原口じゃ勝てないとか3回目は見たくないとか、ペッチの無駄使いとかいろいろな声がありました。だからこそ諦めずに、誰もが納得する形でGLORYの最強選手たちを倒して自分の拳でたどり着くと決めました。そしてようやくたどり着きました。僕がGLORYの王者になります」と、GLORY世界王者ペットパノムルンとの3度目の対決へ向けて意気込みを語った。 [nextpage] ▼第13試合 RISE×GLORY スーパーライト級(-65kg) 3分3R延長1R○白鳥大珠(TEAM TEPPEN/RISE WORLD SERIES 2019 -61kg級王者、第5代RISEライト級王者)KO 3R 1分27秒 ※左ヒザ蹴り×ザカリア・ゾウガリー(モロッコ/‘T Oude Westen Gym/S-cup -65kg世界トーナメント2016優勝)  白鳥はキックボクシングからボクシングに転向し、8勝(5KO)3敗の戦績を残してキックボクシングにカムバック。2019年2月に第5代RISEライト級王者に輝くと、3月に開幕した「RISE WORLD SERIES 2019 -61kg Tournament」で優勝。世界王者のベルトを巻いた。2021年6月のRIZIN KICKワンナイトトーナメントでは皇治らを破って優勝。2022年6月の『THE MATCH 2022』ではゴンナパーに初回KO負け。10月にはYA-MANと大激闘を演じて判定勝ちで再起を果たした。12月にはISKAヨーロッパ・ライト級王者イリアス・バニスに完封勝ち。6月にフランスでアレクシス・ソートロンにKO負けを喫するもラウンド終了後であったため無効試合に変更された。戦績は25勝(10KO)9敗1分1無効試合。  ザカリアは2014年4月にシュートボクシングに初来日し、鈴木博昭と対戦して判定負けも好試合を展開。2014年11月には選手欠場のため大会前日にオファーを受け、大会当日朝に来日してそのまま試合に出場、1回戦でボーウィー・ソー.ウドムソン、準決勝でウシネ・ベノーイと強豪を撃破して決勝へ進出するという離れ業を見せた。決勝での鈴木との再戦でも2回の延長戦へもつれる接戦を演じている。  そこからはシュートボクシングの外国人エースとして活躍し、2016年のS-cup -65kg世界トーナメントでは優勝、2017年4月には海人からも勝利を収めている。また、RISEには2度参戦して裕樹にKO勝ち、吉本光志にはTKOで敗れた。近年はGLORYを主戦場にし、2017年12月にはペットパノムルンとGLORY世界フェザー級王座挑戦者決定戦でKO負け、2017年4月以来、実に6年ぶりの来日を果たす。戦績は33勝(15KO)5敗1分。  1R、白鳥の左ストレートがヒットするが、飛びヒザに行くと今度はザカリアの右がヒット。白鳥はじりじりと詰めていって左三日月、ザカリアが連打で前へ出ていくと白鳥は後ろ廻し蹴りを見せる。  2R、ザカリアはいきなりの後ろ廻し蹴り。前へ出ていくとローから右フック。さらにバックハンドブロー。左右フックの連打には白鳥が右フックを返す。いきなり前へ出て連打を見舞うザカリアに白鳥は右フック。白鳥の蹴りを受けても前へ出ていくザカリア。白鳥は頭を下げさせてのヒザ。ザカリアのワンツーを下がりながらかわしての白鳥のワンツーが決まる。  3Rもザカリアが連打で前へ出るが、そのパンチは届かず白鳥が右を当てる。ザカリアは思い切り入り込んで左右フックを連打、白鳥の左フックをもらっても前へ出て攻める。しかし、白鳥はザカリアのパンチをよく見てかわし、頭を下げてフックを連打するザカリアへ白鳥が左ヒザを突き上げる。このヒザが見事に決まり、ザカリアを一発KOした。  大喜びの白鳥は「久しぶり、RISE。みんなお待たせしました。これが白鳥大珠です。海外で不甲斐ない試合をして海外に出たら通用しないのかなと落ち込んだんですが、そこでザカリア選手という超強豪と対戦出来て勝つことが出来て自信になりました。こうして勝って今年締めくくったから、来年どうしようとか言いたいんですが、この勝ちが嬉しすぎて次のことはとりあえずどうでもいいです。ゆっくりしたら次の展望を話したいと思います。今後も白鳥大珠に注目してください」と勝利を喜んだ。 [nextpage] ▼第12試合 シュートボクシング提供試合 RISE×GLORY -72kg契約 3分3R延長1R○海人(TEAM F.O.D/第5代RISEミドル級王者、SB世界スーパーウェルター級王者)KO 1R 2分06秒 ※3ノックダウン×ジェームズ・コンデ(フランス/SBC sarcelles/ISKAヨーロッパライトミドル級王者)  SBの絶対的エースの海人は2014年2月にデビュー。2017年11月にトーナメントを制してSB日本スーパーライト級王座を獲得し、2018年11月にはS-cup2018 -65kg世界トーナメント優勝。その活躍はSB内だけに留まらず、2016年以降はRISE、RIZIN、KNOCK OUTで全勝。2022年6月の『THE MATCH 2022』ではK-1 WORLD GPウェルター級王者・野杁正明を延長R判定3-0で破った。  12月にはGLORY世界ライト級1位ストーヤン・コプリヴレンスキーに判定2-1で勝利。2023年3月にはイ・ソンヒョンに判定勝ちでRISEミドル級王座を奪取し、6月にサモ・ペティとの再戦を制してSB世界スーパーウェルター級王座を獲得と驚異の18連勝をマークしたが、8月のGLORYで世界王者ティジャニ・ベスタティに敗れ王座奪取ならず。11月の再起戦ではマサロ・グランダーを初回KOに仕留めた。戦績は53勝(23KO)7敗1無効試合。  コンデは2022年2月にFFKMDAナショナルタイトル-75kg王座、2023年9月にISKAヨーロッパ王座(-72.5kg)を獲得。9月9日の『GLORY 88』でGLORY初参戦を果たし、ジョナサン・マエゾから勝利を収めている。なんとその2日後にISKAのタイトルマッチを戦って初回KO勝ちで王座を奪取しているという。戦績は10勝(5KO)無敗。サウスポーから徹底して左ローを蹴り、よく伸びる左ストレートや左アッパーを交えたコンビネーションパンチからヒザにつなげるのが得意なようだ。  1R序盤、左ボディを打ち込んだ海人はコンデが怯むと一気にラッシュ。左右フックと左ボディの連打でコンデをコーナーへ釘付けにし、ヒザ、三日月蹴りも混ぜて左ボディでダウンを奪う。  立ち上がったコンデへすぐにラッシュを仕掛け、左ボディで2度目のダウンを追加。最後も左右フックのラッシュから左ボディでコンデが腰を落とし、3度目のダウン。海人が相手に何もさせず完勝した。  海人は「正直に言います。こんなレベルじゃ僕には絶対に勝てないです。GLORYでも僕の相手になるのはベスタティ選手だけです。なので来年リベンジしてGLORYのベルトを獲りに行きます」と、ベスタティへのリベンジを宣言した。 [nextpage] ▼第11試合 RISE×GLORY ライト級(-63kg) 3分3R延長1R○中村 寛(BK GYM/第8代RISEライト級王者)KO 2R 1分31秒 ※左フック×アフマド・アコーダッド(モロッコ/Brutal Gym)  中村は野性味あふれるファイトスタイルから、“人獣”とも評される。日本拳法仕込みのサウスポーから放たれる破壊力抜群のパンチを武器に、2021年7月には大雅からダウンを奪って判定勝ち。11月にはYA-MANに判定負けを喫したが、大激闘を演じて強烈なインパクトを残す。2022年6月の『THE MATCH 2022』ではレオナ・ペタスから番狂わせの勝利を収めた。10月のチャンヒョン・リー戦では2RにTKO負けするも、12月の再起戦で伊藤澄哉を2RでKOすると、2023年4月に直樹を判定2-0で破りRISEライト級王座を奪取した。8月はアクシデントによる肩の脱臼でアリシェル・カルメノフと無効試合になっている。戦績は14勝(11KO)5敗1無効試合。  アコーダッドは身長184㎝(中村は164㎝)の22歳で戦績は13勝(7KO)2敗。伊藤隆RISE代表によれば「パワーのあるストレートとヒザが驚異的」だという。  1R、中村は右カーフを蹴り、左右フックを繰り出す。ハイキックでもけん制。アコーダッドは右ハイを狙いつつ、左フックも繰り出すが中村はかわす。思い切り右を伸ばす中村だが拳は届かず。  2R、アコーダッドは右ヒザをボディに突き上げていく。飛び込んでのアタックを繰り返す中村だが、パンチは空を切る。しかし、その飛び込んでの左フックがついにヒット、アコーダッドは強烈にダウンする。再開後、ロープを背負わせた中村は左ボディ、キャッチして頭を下げさせてのヒザ蹴りから思い切り左フックを強振。この一撃が強烈にヒットし、アコーダッドは完全に失神。  豪快なKO勝ちに中村は大喜び。リングを降りて、リングサイドの関係者やファンにハイタッチしまくる。興奮冷めやらぬ中村は「ランニング疲れた(笑)。かっこよすぎるわ、今のパンチ。この声援が答えやな。絶対にMVPもらったはずですけれどね。世界へ向けてって言って8月不完全燃焼だったんですけれど、こうやって変わらずできるので、脱臼した腕でKOできることを見せられた。みんなに勇気を与えられたと思います」と完全復活をアピール。  続けて「俺はRISEの王者だけでは収まりたくないので、まだまだ目立ちたいので、俺と誰を見たいですか? 与座? 大したことないやろ、やりたかったらRISEのリングに上がってこい。俺が本当にやりたいのは木村“フィリップ”ミノル。木村、俺は陽性になるまでずっと陰性やと思っていたんですよ。ずっとかばっていたんですけれど、頑張っているって。でも俺とステロイドルールでやってください。俺は強いヤツとやりたいのでステロイドマッチやらせてください」と、ステロイドをやっている木村とやりたいとむちゃくちゃな要求をした。 [nextpage] ▼第10試合 RISE×GLORY ライトヘビー級(-90kg) 3分3R延長1R○南原健太(極真会館/第2代RISEライトヘビー級王者)延長戦 1分01秒 ※パンチ連打×ビクター・デ・コニング(オランダ/Kickboxing fearless)※本戦の判定は28-29、28-28×2。  南原は幼少時代から極真空手を学び、小学生の時はあの那須川天心とライバル関係にあった。2022年オープントーナメント全日本体重別空手道選手権大会軽重量級優勝などの実績を持つ。2021年7月にRISEでプロデビューし、3試合連続KO勝ちを収めたが、2022年4月にカルリ・ギブレインにKO負け。その後、坂本優起にKO勝ちして再起を果たすと、今年3月にはK-1との対抗戦で愛鷹亮を1Rでマットに沈めた。「第2代RISEライトヘビー級(?90kg)王座決定トーナメント」で優勝し、8月に第2代ライトヘビー級王者に。戦績は8勝(8KO)1敗。  コニングは身長195㎝(南原は186㎝)の20歳で戦績は7勝2敗1分。若手で急成長を遂げている選手だという。  1R、コニングが南原の左フックの出鼻に放ったジャブで、南原はよろよろと崩れていきなりのダウンを奪われる。再開後、右ローを蹴っていくコニングに南原は足が流れるが右ストレートで反撃。コニングのジャブ、右ローに左右フックで反撃する南原。右カーフを連打するコニングに南原が右ローを蹴り返し、その右ローでコニングがグラつく。ニヤリと笑ってノーガードになる南原。さらに右ローを蹴る。  2Rもジャブを突くコニングに南原は右ロー。コニングの右カーフからの右ストレートをもらう南原。コニングは長いジャブを突き、南原は右ハイキック。南原は右オーバーハンドをヒットさせ、前へ出ていく。手数の減ったコニングに南原は右インロー。コニングは口を大きく開けてバテ気味に。  3R序盤、コニングの連打をまともにもらってしまう南原。左ハイキック、バックハンドブロー、さらい左右ボディ連打と反撃する南原。両者のパンチが空を切る場面が目立ち始める。南原の左ボディで身体を丸めるコニングに南原がボディ連打、さらに後ろ蹴り、ヒザ。完全に身体を丸めるコニングは防戦一方に。南原は最後まで逆転を狙って攻めていった。  本戦の判定はジャッジ1名がコニングを指示したがドロー。南原は下段カカト蹴り、さらにボディへの連打。コニングは顔面はガードしていたがコーナーで座るようにしてダウンする。さらに連打をまとめる南原にコニングは攻撃を返すことが出来ず、ロープに座り込んで2度目のダウン。南原が逆転KO勝ちに成功した。  南原はマイクを持つと「昨日の会見でどうしても盛り上げたくてビクター選手にとても失礼なことをしてしまったことを深くお詫びします。反省します。どうでしたか、やっぱりヘビー級面白くないですか? めちゃくちゃ鼻が痛いです。本当に僕がこうしてリングに上がれるのはスポンサーさんを始め極真会館、そしてたくさんの応援してくれている皆様のおかげです。これから僕は世界の選手と、日本人として南原とRISEの強さをしっかり証明していきます」とアピールした。 [nextpage] ▼第9試合 RISE×GLORY -54kg契約 3分3R延長1R○聖愛(魁塾/初代RISE QUEENバンタム級王者)判定3-0 ※30-29、30-28×2×テッサ・デ・コム(オランダ/Fightteam Vlaardingen/第2代RISE QUEENフライ級王者)  聖愛は関西の名門・魁塾所属の女子大生ファイター。2020年2月にNJKFミネルヴァ・スーパーフライ級タイトルマッチに勝利して高校生の内にチャンピオンになるという目標を達成した。2021年2月の『ミネルヴァ』では初防衛に成功。2022年3月にはムエタイルールに挑みRINAに判定勝ちして初代WMC女子日本スーパーフライ級王者となった。2023年は「RISE QUEENバンタム級王座決定トーナメント」で神谷優良、決勝では村上悠佳にリベンジを果たして優勝し、王座に就いた。戦績は12勝(2KO)5敗2分。  コムは身長163㎝(聖愛は164㎝)の22歳で戦績は17勝2敗1分。2022年9月にEnfusionストロー級(-52kg)王座に就き、12月に初来日して小林愛三から右フックでダウンを奪って判定勝ち。2023年1月のGLORYメキシコ大会ではジュリアナ・コスナルド(アルゼンチン)に判定で敗れたが、5月の再来日では小林との再戦で返り討ちにし、RISE王座に就いた。9月にはドイツの試合で判定勝ちしている。戦績は17勝2敗1分。  1R、コムは伸びる右ストレートと右ローで前へ出て行く。聖愛も右ストレートを連打してコムを下がらせ、ジャブを突く。コムは右ローを徹底的に蹴り、聖愛は右ストレートを打つ。聖愛が右ミドルを蹴ればコムも右ミドル。コムは左右の蹴りとパンチを繰り出して前へ出る。  2R、スピードを一段上げたコムがワンツーと右ロー、聖愛は右ローを蹴る。ワンツー、前蹴りでコムを近付けさせないようにする聖愛だが、コムも連打で入り込んでくる。聖愛の右ストレートでコムが大きくバランスを崩す。ジャブ、ワンツーを主体に右ミドルとヒザも蹴る聖愛。  3R、コムはジャブから右ロー、左右連打で前へ出る。それを右ストレートで迎え撃つ聖愛。コムのローにパンチを合わせに行く聖愛は手数も多く出す。前に出るコムを迎え撃つ聖愛という図式のまま試合終了。  判定は3-0で聖愛が勝利。RISE QUEEN対決を制した。マイクを持った聖愛は「今日、RISE QUEENの初戦でこの大きいWORLD SERIESでしかも対抗戦で不安なことがいっぱいありましたし、今日まで頑張ってこれたのは魁塾の素敵な先輩方と、文句ばっかり言っていたけれど最後まで支えくれた母親と、皆さんの応援でここまで来ることが出来ました。私を強くしてくださったのは皆さまです。ありがとうございます。そしてRISE関係者の皆様、ここまで私を見捨てずに強くしてくれてありがとうございます。来年は政所仁くんが黒色のRISEのベルトを獲ってくれると思うので2人で写真が撮れるのを楽しみにしています」と話した。 [nextpage] ▼第8試合 RISE×GLORY ウェルター級(-67.5kg)3分3R延長1R×中野椋太(誠至会/第3代RISEウェルター級王者)判定0-2 ※29-30、29-29、28-30○ペトル・モラリ(モルドバ/Kickboxing fearless/WKU世界-65kg王者)  中野は2018年12月にNJKFウェルター級王者になった左フックを得意とするアグレッシブファイター。RISE初参戦となった2019年7月、憂也に初回KOで勝利。10月には65kg級のS1ジャパントーナメントで優勝。RISE2度目の参戦となった2020年2月にはスーパーライト級王者・山田洸誓に判定負けを喫するが、11月のRISEでは山口裕人から左フックでダウンを奪って勝利した。2021年7月にはWBCムエタイ日本ウェルター級王座を獲得。2022年3月、5月の「第3代RISEウェルター級(-67.5kg)王座決定トーナメント」を制して王座に就いた。8月にチャド・コリンズに初回TKO負けを喫したが、2023年7月にイ・ソンヒョンをバックハンドブローでKOする大金星。戦績は22勝(11KO)7敗。  モラリはWKU世界-65kg王者で、戦績は7勝1敗。パンチ、蹴り共に思い切った攻撃を仕掛けるアグレッシブなファイタータイプ。2021年6月に、当時無敗だったヤン・カッファを後ろ廻し蹴りでKOした一戦が光る。  1R、中野がいきなり左ハイキックをヒットさせるが、モラリは軸足払いで中野を転倒させる。名あkのは右ローから前へ出て、中野の蹴り足をキャッチすると鮮やかにコカす。ローの蹴り合いから中野は左ミドル、モラリは右ストレートを伸ばしてくる。中野は得意の左フックをヒットさせるが、モラリは下がらず前へ出る。モラリも右ストレートで思い切り前へ出る。中野は右ローで迎え撃つ。  2Rもローの蹴り合い。前に出てくるモラリに中野は蹴りから左フックを狙う。モラリは右を伸ばす。中野は左フックから前に出ていくが、モラリはバックスピンキックを見せる。中野は右フックから左ミドル。  3R、中野の蹴り足をキャッチしてまたも鮮やかにコカすモラリ。中野は左ミドルを蹴るが、モラリに軸足払いでコカされる。中野の右ローにモラリはバックスピンキック。中野もバックハンドブローを返す。パンチの打ち合い、ローの蹴り合いで両者譲らない。モラリは右ストレート、そしてバックスピンキックを見せる。  判定は2-0でモラリが勝利。接戦を制してGLORYに1勝をもたらした。 [nextpage] ▼風音(TEAM TEPPEN/RISE DEAD OR ALIVE 2021 -53kgトーナメント優勝)引退セレモニー  風音はプロキャリア前半は関西を中心に活躍し、2019年3月にTEAM TEPPENに移籍。他団体王者キラーぶりを発揮して頭角を表し、2021年の「RISE DEAD OR ALIVE 2021 -53kgトーナメント」では江幡睦、政所仁、志朗にいずれも“番狂わせ”の勝利を収めて優勝。2022年4月には那須川天心のRISEファイナルマッチの相手に抜擢され判定2-0で惜敗したが、6月の『THE MATCH 2022』ではK-1の黒田斗真に延長戦で勝利した。  10月には大﨑一貴のRISEスーパーフライ級王座に挑戦も、判定2-0で惜敗。今年3月の田丸辰戦で敗れ「RISE WORLD SERIES 2023 -54kg Tournament」本戦出場を逃した。7月に親友である政所仁との2度目の対決で延長戦の末に判定2-1で惜敗し、これが最後の試合となった。生涯戦績は17勝(6KO)9敗。10月27日には25歳の誕生日を迎える。 [nextpage] ▼第7試合 Super Fight!-55.5kg契約 3分3R延長1R○志朗(BeWELLキックボクシングジム/初代RISE世界バンタム級王者)KO 1R 2分28秒 ※右フック×ブンロン・ペッティンディーアカデミー(タイ/ペッティンディーアカデミー/True 4u 115P,118P,122P王者)  志朗はジュニアキックを経て2009年8月にタイでプロデビュー、翌年1月に国内でプロデビューを果たした。2016年1月にはISKAムエタイ世界バンタム級王座を獲得して2度の防衛に成功。2018年11月からはRISEに参戦し、那須川天心とは2度対戦。2022年4月には江幡塁をハイキックでKOしたが、6月の『THE MATCH 2022』では玖村将史にダウンを奪われて敗れる。2023年3月にディーゼルレックをハイキックでKOし、RISE世界バンタム級王座に就く。7月に開幕した「RISE WORLD SERIES 2023 -54kg Tournament」では準決勝でクマンドーイに敗れた。戦績は29勝(12KO)6敗4分(タイの試合は除く)。  ブンロンはタイのTVマッチ『True 4U』で115ポンド、118ポンド、122ポンドの3階級を制覇している27歳で戦績は75勝20敗5分。  1R、サウスポーのブンロンに右ストレート、右ローで前に出ていく志朗だが、ブンロンは強烈な左ミドルで志朗を押し返す。それでも志朗は前へ出てブンロンをコーナーへ詰め、ブンロンのミドルに右ボディストレートを返す。さらにかわしての左ボディ6左右フックでダウンを奪う。再開後、さらに左ミドルを増やすブンロンに志朗はボディとローで対抗。  左ミドルで前に出て来たブンロンに下がった志朗だが、カウンターの右フック。これでブンロンがダウンし、立ち上がろうとするもフラフラ。レフェリーがストップし、志朗の鮮やかなKO勝ちとなった。  志朗はマイクを持つと「いやあ、蹴り強すぎですよ(笑)。前回たくさん応援してもらったのにトーナメントで負けてしまいすいませんでした。来根は自分が持っている世界タイトルの防衛戦があると思うので、クマンドーイ選手とか玖村将史選手とか負けた選手とやりたいので、伊藤代表お願いします」と、世界タイトルの初防衛戦をリベンジマッチでやりたいとアピールした。 [nextpage] ▼第6試合 Super Fight!-54kg契約 3分3R延長1R○大﨑一貴(OISHI GYM/第2代RISEスーパーフライ級王者)延長R 判定0-2 ※9-10、10-9×2×ジャルンスック・ブーンラナームエタイ(タイ/ブーンラナームエタイジム/True 4u 118P王者)※本戦の判定は29-29×3。  大﨑は2020年2月からRISEに参戦し、9月に田丸辰を破ってスーパーフライ級王座を奪取。2022年10月には「RISE DEAD OR ALIVE 2021 -53kgトーナメント」優勝者・風音に判定勝ちして53kg最強を証明した。2023年4月、ISKA世界王座決定戦でKO勝ちし、念願の世界王者に。2023年7月に開幕した「RISE WORLD SERIES 2023 -54kg Tournament」では準決勝で田丸辰に判定2-0で敗れ、19連勝がストップ。戦績は41勝(22KO)6敗2分1無効試合。  ジャルンスックは身長168㎝(大﨑は160㎝)の17歳で戦績は44勝6敗3分。True 4Uの118ポンド王者。ペッティンディー興行に出場しており、推薦を受けての参戦となる。伊藤隆RISE代表は「アグレッシブでイケイケの選手」と評した。  1Rから左ボディ、左ヒザで攻める大﨑。サウスポーのジャルンスックに距離を詰め、左右フックと左右ボディ、さらに三日月、ヒザと大﨑が手数で攻めまくる。ジャルンスックが左ミドルを蹴ると、大﨑はその足の引き際に右ボディ。大﨑が序盤からボディを集中的に攻めた。  2R、前へ出てヒザを突き刺すジャルンスック。大﨑のパンチをよく見てパンチを返し、ヒザや右ミドルを蹴る。大﨑が右ローから左右ボディ、ジャルンスックの左ヒザのタイミングを読んだか、上手くかわして右アッパーを返す。左ボディからの右ロー、さらに左フックは大﨑。ジャルンスックもヒザとパンチを返すが、大﨑は右ローを蹴っていく。  3R、ジャルンスックは前に出て左ヒザを蹴り、右ボディも打つ。大﨑もボディを打つが、ジャルンスックはつかんでのヒザも。ジャルンスックはヒザを連打し、大﨑はボディを打って右ロー。大﨑にカウンターのテンカオも。負けじとパンチの打ち合いも行って試合終了。  判定は29-29×3で延長戦へ突入。ジャルンスックは不敵な笑みを浮かべる。大﨑のボディにジャルンスックは左ヒザを打ち返し、大﨑は右ローも蹴る。大﨑の右ローに大きくバランスを崩したジャルンスックだが、すぐに前へ出ていきヒザを蹴る。大﨑は左フックから右ヒザ。どんどん前へ出てくるジャルンスックだが、大﨑の右ローがヒット。それでも前へ来るジャルンスック。組まれると大﨑はカカトで太腿を減る。大﨑の左ボディにジャルンスックは右フックを合わせる。最後は左右フックを打ち合い、試合終了のゴングが鳴ると両者笑顔で抱き合った。  判定は2-1で大﨑が僅差の勝利。ジャルンスックが大﨑を苦しめた。大﨑はマイクを持つと「前回負けて悔しい思いをしましたが、ジャルンスック選手めちゃくちゃ強かったです。気持ちも強かったです。勝ててホッとしています。先週、孔稀がベルトを獲ってくれて僕もぎりぎりだったけれどなんとか勝つことで出来て、2024年はもっと仕上げて大﨑一貴こんなもんじゃないところを見せるのでまた応援よろしくお願いします」と語った。 [nextpage] ▼第5試合 Super Fight!アトム級(-46kg)3分3R延長1R○宮﨑小雪(TRY HARD GYM/第2代RISE QUEENアトム級王者)判定3-0 ※30-2×2、30-26×モンクットペット・カオラックムエタイ(タイ/カオラックムエタイ/IFMA Youth WorldMuaythai 2023 45kg王者)  宮﨑は小学3年生から空手を学び、アマチュア戦績10戦10勝(3KO)無敗の戦績を引っ提げ、16歳で2019年11月にプロデビュー。新人離れしたテクニックを見せて関係者から高い評価を受け、2021年1月「アトム級NEXT QUEENトーナメント 2021」で優勝。3月にはRISE QUEENアトム級王者・紅絹に挑戦し、判定2-0で破り第2代王座に就くと、伊藤紗弥、小林愛理奈、ペットルークオン、MISAKI、ビョン・ボギョンを連続撃破。2023年8月にはジュムリアットをKOして2連続KO、10連勝をマークした。戦績は12勝(2KO)1敗1分。  モンクットペットは身長160㎝(宮﨑は153㎝)で戦績は80勝5敗1分。IFMA Youth WorldMuaytahi 2023の45kg王者で、パトンスタジアム認定ミニフライ級王者。2022年12月に田中”暴君”藍にTKO負けを喫しているが、2022年10月にKAREN、今年5月の『ムエローク』では藤原乃愛、9月の『RWS』では伊藤紗弥に勝利している強豪だ。  1R、サウスポーの宮﨑は右へ回り込みながら左右のロー、モンクットペットは右ミドルを蹴っていき組んでのヒザを狙う。宮﨑は右フックを見せておいての左ボディ。右ミドルを蹴るモンクットペットだが宮﨑は距離を詰めて連打からボディを打つ。さらにヒザ。  2R、右へ回り込みながら前へ出る宮崎は左ロー、連打の中に左右のボディを織り交ぜる。宮﨑の左ボディが何度も決まり、モンクットペットはつかんでの連続攻撃でイエローカード。再開すると宮﨑が連打からのボディ、そして左ローと圧倒的な攻撃を繰り出す。それに対してモンクットペットはつかみを繰り返すのみ。宮﨑のボディに身体を丸めるモンクットペット。宮﨑の左インローでモンクットペットの左足内側は真っ赤だ。宮﨑の左インローに大きくバランスを崩すモンクットペットは、ホールディングでついにレッドカード(減点1)。  リングサイドでK-1女子アトム級王者・菅原美優が観戦する中、最終3Rが始まる。モンクットペットはワンツーを打ってそのまま組み付く動きが多く、クリンチが増える。宮﨑の左ハイキックでモンクットペットが前のめりにダウンするが、これはスリップ判定。宮﨑は左インロー、右フック、前蹴り、ボディと攻め込むがモンクットペットはつかんで耐える。宮﨑の左ローと左インローに防戦一方のモンクットペットだが守りは固く試合終了。  大差の判定で宮﨑が今年も全勝で終えたが、KOを逃して表情は微妙。マイクを持つと「嬉しいですけれど倒せなくて。本当は倒さないといけない試合だったし、自分の未熟さ、弱さに情けなく思います。もっと飛躍できるように来年注目お願いします。そして日本人でもう一人倒さないといけない相手がいるので、K-1の菅原選手とやりたいです。一緒に女子格闘技を盛り上げましょう」と対戦をアピールすると、菅原は笑顔で拍手を送った。 [nextpage] ▼第4試合 -54kg契約 3分3R延長1R×松下武蔵(GOD SIDE GYM/バンタム級10位)判定0-2 ※29-30、29-29、29-28○池田幸司(ReBORN経堂/第8代Krushバンタム級王者)  松下は「武蔵」のリングネームで活躍、2023年3月に『KNOCK OUT』に初参戦するとKNOCK OUT-BLACKスーパーバンタム級王者の古木誠也に初回KO勝ち、6月は小倉尚也にも初回KO勝ちして、8月に古木とのKNOCK OUT-BLACKスーパーバンタム級タイトルマッチが決まっていたが、所属ジムを退会したため欠場。GOD SIDE GYM所属として10月のRISEに2年4カ月ぶりの参戦を果たすとバンタム級10位の彪司に判定勝ちしてベストバウト賞を獲得した。戦績は8勝(3KO)1敗1分。  池田は幼稚園から始めた空手をバックボーンに持ち、アマチュアでは無敗を誇り、2019年にはK-1カレッジ優勝。同年10月にKrushでプロデビュー。2021年5月の「K-1バンタム級日本最強決定トーナメント」では1回戦で黒田斗真にKO負けを喫したが、その後は連勝して2022年3月に壬生狼一輝を判定で破りKrushバンタム級王座に就いた。7月には野田蒼をKO、今年2月には松谷桐をKOして2度の防衛に成功している。2022年12月の「K-1 WORLD GP初代バンタム級王座決定トーナメント」では準決勝で石井一成に敗れて3位に。2023年6月、ペットモンコンに延長戦の末判定勝ちし、前戦は9月に元KNOCK OUT王者の心直をKOで撃退した。戦績は12勝(7KO)4敗。  1R、松下も池田も前足を上げ下げしてから入り込む。松下がジャブ、右ローの蹴り合いから松下が右ストレート。池田が右ハイを蹴ると松下はバックキックを放つ。前に出る松下に池田はジャブ、右ロー。池田は前蹴りのフェイントからバックハンドブローを見せる。松下は左フックを強振するが、池田はかわした。  2R、強振して前へ出る松下だが、池田はかわしてジャブや右ローを当てていく。さらに松下の蹴り足をキャッチすると豪快にコカす。さらには首相撲からのヒザも繰り出す池田。松下は右クロスを合わされ、出鼻に右ローも合わされる。右カーフに足を挙げる松下。前へ出るところに右ロー、右カーフを合わされる松下は、接近してもつかまれてヒザをもらう。ゴングが鳴ると池田は両手を上げた。  3R、ジャブで前に出る松下だが池田の距離は遠い。それでも前に出る松下が左フックをヒットさせ、左ボディからの右ヒザ。猛然と攻める松下が顔面とボディにフック、さらにヒザ、バックキック。このボディ攻めに池田の動きが止まる。池田もヒザで反撃し、松下も疲労を感じさせるが前へ出て攻め続ける。池田はキャッチから2度の攻撃でイエローカード。池田は徹底したヒザ、松下は前へ出て左フック。両者ともかなりの疲労ぶり。  判定は2-0の僅差で池田が対抗戦でK-1グループに勝利をもたらした。マイクを持った池田は「KOしてK-1の強さ、そして今後の目標を語りたかったんですが、松下選手めちゃくちゃ強くてRISEの洗礼を浴びました。いやあ、RISEもなかなかいいですね、ベルトなんかも欲しくなっちゃったので、伊藤代表、チャンスをください。K-1最高です、RISEも最高!」とバランスのとれたマイクでRISEに継続参戦をアピールした。 [nextpage] ▼第3試合 スーパーフェザー級(-60kg)3分3R延長1R○常陸飛雄馬(TARGET SHIBUYA/同級3位)KO 2R 1分19秒 ※左フック×勝次(TEAM TEPPEN/WKBA世界スーパーライト級王者) 常陸はテコンドーをバックボーンに持ち、2016・2017年全日本学生キックボクシング連盟フェザー級王者の実績を持つ。2019年7月に清水将海にKO勝ちしたのを皮切りに8連勝を飾り、2023年1月にはRISEスーパーフェザー級王者チャンヒョン・リーに挑戦したが、延長Rで敗れタイトル奪取ならず。8月には大雅と対戦したが、延長戦で敗れた。YA-MANと同門の強打の持ち主。戦績は9勝(7KO)4敗1分。  勝次は2003年にプロデビューし、2015年にキャリア12年目にして新日本キックボクシング協会の日本ライト級王座に就いた。2017年にKNOCK OUT初代ライト級トーナメントへ参戦すると、1回戦の不可思戦、準決勝の前口太尊戦といずれも倒し倒されの大激闘を演じて一気に名を挙げ、決勝では森井洋介に敗れるも大きなインパクトを残した。2019年10月には悲願であったWKBA世界王座をTKO勝ちで獲得。2023年7月の『NO KICK NO LIFE』にて大月晴明に5RでKO勝ちして健在ぶりを示し、10月には新日本キックラストマッチで岩橋伸太郎に判定勝ちした。戦績は47勝(20KO)19敗10分。  1Rから前へ出るのは常陸。左右フックを振り回すようにして打ちに行き、勝次に何度もコーナーを背負わせる。勝次も右ストレートで反撃するが、常陸に勢いがある。  2Rも同じ展開で、常陸が勝次をコーナーやロープ際に追い詰める。セコンドのYA-MANの指示通りに左ボディからの右フック、そしてジャブで仰け反らせた勝次に右ストレートからの左ストレート。勝次が横倒しにダウン。常陸の豪快KO勝ちとなった。  連敗を脱出した常陸は涙を流しながら「自分の話ですけれどずっと付き合っていた彼女と25日に入籍するので勝って本当に嬉しいです。一家の大黒柱として仕事のキックボクシングをもっと頑張ろうと思います。来年60kgのベルトを絶対に獲りに行くので応援してください。もう60kgに相手がいないので、K-1とかRIZINとか他団体の強いヤツとやっていきたいです。自分の試合は絶対に倒すのでこれからも期待してください」とマイクでアピールした。 [nextpage] ▼第2試合 スーパーフェザー級(-60kg)3分3R延長1R○岩郷泰成(EX ARES/同級8位、AJKN日本スーパーフェザー級王者)判定2-0 ※30-29×2、29-29×奥平将太(フリー/同級11位)  岩郷はタトゥー多き怖い風貌とは裏腹に洗練された実力を持ち、タイミングの良い蹴りと威力のあるパンチを武器にアグレッシブなファイトスタイルが魅力。『RISE 162』では小野幹晃と倒し倒されの激闘を繰り広げ延長Rにまで及んだが、偶然のローブローにより岩郷が試合続行不可能となり途中判定で引き分け。6月には藤井重綺に判定で敗れた。戦績は9勝(3KO)7敗1分。  奥平はBigbangアマチュア6階級制覇、元NJKF EXPLOSION-50kg級王者とジュニア時代から活躍。2020年10月にRISEでプロデビューを果たすと3連勝(2KO)を飾ったが、4戦目でベテランの宮崎就斗に初黒星を付けられた。前戦は2022年10月で大雅の対戦相手に抜擢を受け、延長Rまでもつれ込む接戦を演じるも判定で惜敗。約10カ月ぶりの試合となった8月の蒼太戦でKO勝ち。戦績は5勝(3KO)3敗。 試合が大きく動いたのは2R、岩郷の右ストレートからの左フックで奥平が後方へ大きく吹っ飛ぶ。ダウンにはならなかったが、これが決定的なポイントに。3Rはローブローなどがあり、荒れた展開となったが岩郷が判定2-0で勝利を収めた。 [nextpage] ▼第1試合 フライ級(-51.5kg)3分3R延長1R○那須川龍心(TEAM TEPPEN/同級5位)TKO 3R 2分04秒 ※ドクターストップ×龍太郎(VALIENTE)  那須川はアマチュア大会で数々の優勝を経て、2022年4月のRISEでプロデビュー。2戦目で6月の『THE MATCH 2022』でK-1の大久保琉唯に判定で敗れ初黒星を喫したが、フライ級に階級を下げると3連勝。2月の「RISE NEW WARRIORSフライ級トーナメント」の準決勝で塚本望夢に判定で敗れ、6月にアマチュア時代のライバルだった相沢晟に判定勝ちで再起。8月にはMA日本バンタム級王者のJINに判定勝ちした。戦績は6勝(1KO)2敗。  龍太郎はDEEP☆KICKやNKBを主戦場に活躍、4勝7敗2分の戦績を持つ。スタイルはパンチ主体。  1R、那須川はジャブ、龍太郎は飛び込んでの右ストレートから左フック。好戦的な龍太郎はプレッシャーをかけていき左ボディから右フック。龍太郎は左フックを狙い撃ちにし、那須川の先手をとっていく。那須川はジャブや右ミドル、ヒザを合わせる。那須川の右ミドルに龍太郎は右フック。那須川はジャブでしっかり距離をとり、右ストレートにつなげていく。  2Rも龍太郎が前に出て右フック。那須川もワンツーで応戦する。ジャブを突く那須川がワンツーを突き刺し、左三日月からの左ボディ。左フックの相打ちから那須川のすぐの左フックに龍太郎が下がり、那須川が連打。ボディへの飛びヒザも繰り出す。思い切って左右フックを打つ龍太郎だが、那須川が右ストレートで迎え撃つ。コーナーに詰める左フック、ボディへの飛びヒザから右ストレート。終盤にはハイキックからのバックキックを見せる那須川。  3R、龍太郎が距離を詰めるが那須川の右フックにアゴが上がる。那須川は右ローから飛び込んでの左アッパーをヒット。ジャブ、右ミドルで距離を作り、龍太郎の突進をかわす那須川。ジャブでも龍太郎に入らせず、左ボディ、右ストレートを打つ。那須川の右飛びヒザで龍太郎は眉間から出血。  ドクターチェックでストップがかかり、那須川がTKO勝ち。マイクを持った那須川は「どうですかね、前よりは少しは成長した姿を見せられたと思うんですよ。今回KOしたし、正直ダメージもないので今年、年末、大晦日どうですかね? RIZINの榊原さんもいるので」と、大晦日RIZIN参戦をアピール。  リングサイドで観戦していた榊原信行RIZIN CEOもマイクを受け取り「龍心、勝利おめでとう。大晦日、本気でやるなら用意してもいいけれどMMAだよ?」と、MMAなら試合を用意すると言う。  那須川は「はい、全然」と即答。榊原CEOが「お前の兄貴はMMAをやったけれど、何歳になった?」と聞き、「18歳です」と龍心。榊原CEOは「兄貴と同じ道を歩めるならMMAで相手を用意します」と約束。 「自分の兄もこうやってRIZINでMMAで出たように、僕もやるしかないのでMMAルールやります」と、兄・那須川天心が18歳の時、2016年12月のRIZINにMMAで初参戦したのと同じ道を歩むと宣言。  榊原CEOは「じゃあ、同じくらいの年齢でゴツイ相手を用意しておきます。あと2週間準備してください」とその場で試合を決定。那須川は「大晦日RIZIN、榊原さんも言ってくれたように決まったので、MMAやるのでマジで本気でやるので大晦日も応援よろしくお願いします」とアピールした。 [nextpage] ▼オープニングファイト3 スーパーフェザー級(-60kg)3分3R○山科直史(極真会館/同級13位)KO 3R 1分33秒 ※右フック×近藤大晟(及川道場/同級14位、Stand Up King of Rookie 2023 -60kg級優勝)  山科は6勝(3KO)1敗、近藤は4勝(1KO)無敗。両者とも空手衣で入場。  1R、ローの蹴り合いからガムシャラなパンチで前へ出る山科に近藤も打ち合う。山科は右フック、近藤は左フックで迎え撃つ。どんどん距離を詰める山科は左ローを連発、近藤はプッシュからパンチに繋ぐ。  2Rも前に出るのは山科で近藤がクリンチしても左ローを蹴る。前に出る山科に近藤はヒザ、追ってくるところへ左ストレート。山科は右インローも近藤の奥足に蹴る。パンチを当てるのは近藤、山科は左ロー。山科がバックハンドブローを繰り出す。どんどん前へ出る山科が左ロー。  3Rが始まってすぐ、近藤がジャブの連打からの右ストレートでダウンを奪う。立ち上がった山科は左右フックと左ボディで接近戦を挑むが、近藤はジャブと右ストレートで距離をとる。それでも突進する山科がつかもうとした近藤に右フック一閃。ダウンした近藤は目を剥いて失神。山科が逆転KOを飾った。近藤は担架に乗せられた。 [nextpage] ▼オープニングファイト2 バンタム級(-55kg)3分3R○モンタナ・アーツ(オランダ/Team Aerts)判定3-0 ※29-28、30-28、30-27×加藤乃々夏(全真会館)  ピーター・アーツの長女モンタナは4勝3敗1分、加藤は2勝無敗。モンタナは174㎝、加藤は161㎝と両者の身長差は13㎝。  1R、サウスポーの加藤は右回りで左ロー、モンタナは長いリーチを活かしてワンツーと左ミドル。さらにジャブを伸ばして距離をとるモンタナ。加藤は長い距離でもワンツーを当てる。ワンツーを出しながら前へ出ていく加藤は右インローも蹴る。  2R、パンチで距離を保とうとするモンタナに、加藤はお構いなしに連打で前へ出る。それを右フックで迎え撃つモンタナ。この右フックを多用するモンタナは左ストレートも繰り出す。距離をとっていると長い攻撃を当てるモンタナだが、加藤に距離を詰められるとクリンチを繰り返す。  3R、パンチを繰り出しながら前へ出る加藤にヒザを合わせようとするモンタナ。加藤が入ってくるところに左を合わせ、加藤が尻もちをつくがこれはスリップ。加藤の突進に下がりながらだが、モンタナの右フックとヒザが当たりだす。加藤が入ってくるところにジャブ、左ストレートを合わせるモンタナ。加藤のパンチが届かない。  判定3-0でモンタナが勝利。連敗を脱出した。 [nextpage] ▼オープニングファイト1 フェザー級(-57.5kg)3分3R×杉山豪基(TARGET SHIBUYA)判定0-3 ※27-29×2、27-30○永松進之介(FJ KICK ASS)  杉山は3勝(1KO)4敗、永松は2勝(1KO)2敗。永松は2013年・2015年ITF世界テコンドー選手権優勝の実績を持つ。  1R、サウスポーの杉山左ミドルから左右フック、思い切り踏み込んでの左ストレートを繰り出す。距離をとりたい永松だが、杉山の踏み込んでの左ストレートが強くヒット。永松は右ミドルとヒザで応戦するが、杉山が距離を詰めて左右フックを打ち込んでいく。杉山は飛び込んでの左フック、永松は前蹴りと左インロー。このインローを嫌がったか、杉山はオーソドックスにスイッチ。  2R、サウスポーの杉山は右へ大きく回り込んでいく。しかし、永松が右インローを蹴る。永松が右ミドルを蹴ると杉山は左ストレートで思い切り踏み込む。永松も右ショートで反撃。永松は1Rよりも手数を増やし、右ミドルや右ストレートがヒット。永松が蹴りからのパンチで押していき、杉山はディフェンスに回る場面が増え、空振りも目立つ。  3R、前に出る永松を左フックで迎え撃つオーソドックスの杉山。左右ボディ、フックを繰り出すと永松はワンキャッチからのヒザ。永松の右ミドルが続けてヒットし、ワンキャッチからの左ヒザを顔面に突き上げてダウンを奪う。永松の右フックからの左フックに杉山は左右フックで応戦する。  判定3-0でダウンを奪った永松が制した。
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