GLORY世界ウェルター級王者セメリアが新鋭チャイブの挑戦を受けて3度目の防衛戦(C)GLORY
2023年の最終戦となる『GLORY 90』は、12月23日(土)オランダ・ロッテルダムのアホイRTMステージで開催される。
メインイベントではGLORY世界ウェルター級王者エンディ・セメリア(キュラソー/オランダ)が『House of GLORY』の勝者アンワル・オウルデ・チャイブ(モロッコ)と3度目の防衛戦で対戦する。
セメリアは2016年キング・オブ・ザ・リングトーナメントで優勝すると、2017年からはEnfusionに参戦。2017年にEnfusion -72.5kgトーナメントの決勝戦ではあのスーパーボン・バンチャメークに勝利して優勝した。GLORYには2022年9月に初参戦。11月の王座決定戦でアリム・ナビエフを判定3-2の大接戦の末に勝利して王座に就いた。4月にマーセル・グローエンハートを判定で破り初防衛、6月にジェイ・オーバーメールを判定で破り2度目の防衛に成功した。戦績は35勝(17KO)1敗。現在9連勝中。
チャイブは今年放映されたGLORY版の「The Ultimate Fighter」といえるリアリティショー「House of Glory」(リコ・ヴァーホーベンとバダ・ハリ率いる2チームがウェルター級の新たな才能を求めて対戦)で、出場者の中で最も若く経験が少ないながらマイク・フレンケンとGLORY常連のロビン・シリックを破り優勝。プロキャリアはわずか3戦(全勝)ながら今回の挑戦者に抜擢された。
コー・メインイベントでは、地元ファンの人気者である世界ヘビー級8位ナビル・ハチャブ(モロッコ)が、ニコラ・フィリポビッチ(セルビア)と2024年初頭に開催される8人制ワンナイト50万ドル・ヘビー級トーナメント「GLORYグランプリ」予選で対戦。
ハチャブは“ザ・タンク”の異名を持ち、134kgの巨漢ながらよく動く。2023年2月のGLORY初参戦ではウク・ユルジェンダルに勝利も、2023年3月の2戦目ではソフィアン・ラドウーニに敗れた。6月にウラジミール・トクタシノフを判定で破り再起を果たしている。バダ・ハリとは同門。26勝(4KO)4敗1分。
フィリポビッチは元バスケットボール選手で192cmの長身を誇る。過去3年間で欧州タイトルを1回、WAKO世界タイトルを2回獲得したという。『SENSHI』を経て2023年4月からGLORY参戦を果たすと2連勝を飾った。戦績は11勝(6KO)2敗。
世界ウェルター級7位マーセル・グローエンハート(オランダ)がプロ100戦目を迎え、今年10月にGLORYデビュー戦を勝利で飾ったばかりのテオドール・フリストフ(ブルガリア)を迎え撃つ。
グローエンハートは2014年9月デビューの36歳。K-1イタリア・オクタゴン2008 -75kg級トーナメントで優勝すると、当時ヨーロッパ最大の組織であった『It's Showtime』と契約。勝ったり負けたりの不安定な戦績だが、2010年2月にEMTA K-1ルールヨーロッパ王座-76kg級王座を獲得すると、2012年にはK-1GLOBALが主催したK-1 WORLD MAX 2012世界トーナメントで城戸康裕、マイク・ザンビディス、アルトゥール・キシェンコを破り優勝。世界にその名を轟かせた。
GLORYには2012年10月から参戦し、ロビン・ファン・ロスマーレン、ダビッド・キリア、シッティチャイ(この試合はKunlun Fight)らには黒星を喫するも、2015年11月にはウェルター級コンテンダートーナメントで優勝。2016年10月にGLORY世界ウェルター級王者ニキー・ホルツケンに挑戦したが惜敗。しかし、2017年8月にホルツケンに勝利して新王者となったセドリック・ドゥンブに挑戦して王座を奪取。初防衛戦でハルト・グレゴリアンに敗れて王座を失った。2023年4月には王座返り咲きを目指して王者エンディ・セメリアに挑戦するも判定負け。8月にシハード・アキパに勝利して再起した。戦績は70勝(40KO)26敗3分。また、2021年と2022年にはMMAにも挑戦して3戦全勝を収めている。
フリストフはSENSHI、Enfusionを経て2023年10月にGLORY初参戦。これまでMixFight世界王座、WKFインターコンチネンタル王座、Castle Gladiator王座などを獲得している。10月の初参戦ではエドゥアルド・ガフェンクに判定勝ち。戦績は15勝(7KO)3敗。
世界ミドル級6位イワン・ガラス(チリ)と同級10位イリアス・ハムーチェ(モロッコ)は、11月5日の『GLORY COLLISION 6』での対戦がキャンセルされ、今大会に振替となった。
ガラスは37歳で58勝(15KO)10敗1分の戦績を持つベテラン選手。少年時代はアマチュアボクシングのチリ代表チームに所属、カンフーとアメリカ拳法空手も学んでいたという。2017年12月にGLORY初参戦を果たしてポール・バナシアクに判定勝ちもその後は2連敗。前回2023年1月に判定勝ちで再起した。MMAとの二刀流で、MMAでは『MFC』や『RCF』で試合をして6勝7敗。勝利の5試合はKO勝ち。2014年12月からはキックボクシングに専念。
ハム―チェは32勝(7KO)6敗の戦績を引っ提げて2023年9月にGLORY初参戦。フロリアン・クルーガーに判定勝ちで初陣を飾っている。
世界ライト級1位のエンリコ・ケール(ドイツ)は、同級9位アルマン・ハンバリアン(アルメニア)と対戦。
ケールは2013年6月にMixFightフルムエタイミドル級世界王座(-72.5kg)とISKAオリエンタルルールミドル級世界王座(-75kg)を獲得し、2014年にはK-1 GLOBAL主催のK-1 WORLD MAX CHAMPIONSHIPトーナメントで優勝を果たした。2019年1月からは『ONE』に参戦し、フェザー級キックボクシング・ワールドグランプリにも出場したが準々決勝でジャバル・アスケロフに敗れている。ダビット・キリアとタイフン・オズカンに連敗を喫し、ONEを離脱。敗れてはいるが、ブアカーオ・バンチャメーク、ジョルジオ・ペトロシアン、チンギス・アラゾフ、ムスタファ・ハイダ、シッティチャイ・シッソンピーノン、ヨードセングライ・フェアテックスら世界トップファイターらと多数拳を交えている。2023年5月のGLORY初参戦ではゲリック・ビレットに判定勝ち。戦績は52勝(30KO)15敗2分。
ハンバリアンは58勝(27KO)8敗2分と豊富なキャリアを持ち、元ISKA世界ライトミドル級王者。2023年2月にGLORY初参戦、ソリン・カリニュークにスプリットデシジョンで辛勝した。
世界フェザー級2位ヤン・カッファ(オランダ)は初参戦のミゲール・トリニダーデ(ポルトガル)を迎え撃つ。
カッファはキックボクシングを5歳から始めて“ラモン・デッカーの再来”と呼ばれているという。2022年8月にRISEに初来日し、山田洸誓と対戦するもKO負け。2023年5月にGLORYデビューを果たし、ベルジャン・ペポシとの激しい打撃戦を制して判定勝ち。前回はモハメド・エル・ハムティに判定勝ちした。戦績は20勝(7KO)3敗。キャッチフレーズは"ザ・ダイヤモンド "。
トリニダーデは2023年9月の『ONE Friday Fights 34』で初回KO勝ちしたばかりで、今回がGLORY初参戦。22歳にして戦績は57勝(24KO)6敗。
世界ミドル級7位ブリース・コンボウ(カメルーン)は同級9位モハメド・トゥチャッシー(モロッコ)と激突。
コンボウは2023年5月にGLORY初参戦、マキシミアン・ブラカオビッチを右フックで3度ダウンさせてTKO勝ちした。戦績は18勝(3KO)3敗。
トゥチャッシーはプロ無敗のまま2023年10月にGLORY初参戦。エドゥアルド・アレクサニャンを右ストレート、左ボディ、顔面ヒザ蹴りで3度のダウンを奪ってKO勝ち。しかし11月の2戦目で、タリク・カバベの欠場によりなんとわずか4日前のオファーを引き受け、ミドル級から階級を上げて世界ライトヘビー級王者ドネギ・アベナに挑戦。体格差がありながらも奮闘したが判定負け。プロ初黒星を付けられた。戦績は15勝(12KO)1敗。
プレリムでは、トルコのシハド・ケペネク(21勝6KO15敗)とポーランドのスラッガー、ミハウ・ブラウジエヴィッチ(11勝6KO1敗5分)のヘビー級対決が予定されており、新進気鋭のオランダ人ニナ・ヴァン・ダルム(13勝6KO1敗)が、GLORYと契約したばかりのポルトガルのタレント、デボラ・エヴォラ(27勝9KO1敗2分)と対戦する。
今大会は日本ではU-NEXTにて全試合LIVE配信される。