SHOOT BOXING2023シリーズFinal -Start towards 40th anniversary-2023年11月14日(火)東京・後楽園ホール※U-NEXTにてLIVE配信
▼ダブルメインイベント第2試合(第8試合)70.0kg契約 エキスパートクラス特別ルール 3分3R延長無制限R〇海人(TEAM F.O.D/SB世界スーパーウェルター級王者)KO 1R 2分48秒 ※左ヒザ蹴り×マサロ・グランダー(オランダ/Mike’s Gym/King of Kings -65kg級王者)
SBの絶対的エースの海人は2014年2月にデビュー。2017年11月にトーナメントを制してSB日本スーパーライト級王座を獲得し、2018年11月にはS-cup2018 -65kg世界トーナメント優勝。その活躍はSB内だけに留まらず、2016年以降はRISE、RIZIN、KNOCK OUTで全勝。2022年6月の『THE MATCH 2022』ではK-1 WORLD GPウェルター級王者・野杁正明を延長R判定3-0で破った。 12月にはGLORY世界ライト級1位ストーヤン・コプリヴレンスキーに判定2-1で勝利。2023年3月にはイ・ソンヒョンに判定勝ちでRISEミドル級王座を奪取し、6月にサモ・ペティとの再戦を制してSB世界スーパーウェルター級王座を獲得と驚異の18連勝をマークしたが、8月のGLORYで王者ティジャニ・ベスタティに敗れ王座奪取ならず。今回が再起戦となる。戦績は52勝(22KO)7敗1無効試合。
グランダーは、バダ・ハリやメルヴィン・マヌーフ、海人と対戦しているストーヤン・コプリヴレンスキーを輩出した、オランダの名門「Mike’s Gym」に所属。バネのある攻撃を武器に、初来日となった2015年のK-1では野杁正明を飛びヒザ蹴りでカットし、2RでTKO勝ちする番狂わせを起こした。
その後もK-1に定期参戦し、2015年7月に 木村“フィリップ”ミノルに敗れるも延長戦まで勝敗はもつれ、2015年11月には平本蓮からも勝利を収めている。近年はGLORYを主戦場にしており、2019年12月のモハメド・ジャラヤ戦で敗れて以降活動を停止していたが、今回約5年ぶりに来日を果たす。戦績は31勝(20KO)15敗4分。黒星はつかみで減点を取られての負けが多いが、SBはつかんでの攻撃もOKのため得意のヒザ蹴りを活かせそうだ。
1R、右カーフを蹴る海人にグランダーは伸びる右ストレート、さらに5連打のコンビネーションを繰り出す。グランダーの右ストレート、左フック、左ボディの強打で場内がどよめく。海人は変わらず右カーフを蹴っていくが、右のカウンターをもらってしまう。
グランダーのスピードのある右ストレートとパンチのコンビネーション。しかし、海人が左三日月を突き刺し、続けて左ヒザ蹴りをグサリ。海人が鮮やかなKO勝ちで再起を飾った。
海人は「満足してないし、僕は満足してないし、12月のRISE、GLORYとの対抗戦にもうひと枠、僕を加えて欲しいです。世界にはまだまだですけれど、絶対に世界一になるので僕に力をください」と再び世界へ挑戦していくと語った。
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▼ダブルメインイベント第1試合(第7試合)64.0kg契約 オープンフィンガーグローブマッチ エキスパートクラス特別ルール 3分3R延長無制限R〇笠原弘希(シーザージム/SB日本ライト級王者)KO 1R 3分00秒 ※左フック×スーパーボール・ティーデ99(タイ/元プロムエタイ協会スーパーバンタム級王者)
笠原弘希は2020年2月の前口太尊戦でKO勝ちして以降、SB史上初の三階級制覇を達成するなどで10連勝中。2022年12月のRISEではチャド・コリンズに惜敗したものの、それ以降は今年2月にムエタイ超強豪のラムナムムーンレック・ティーデットを撃破、4月にはSBで初導入されたオープンフィンガーグローブマッチに挑戦し、元ラジャダムナンスタジアム認定ウェルター級王者ランボー・モー・ラッタナバンディットとバチバチの打ち合いの末に投げでシュートポイントを奪って快勝。9月もOFGマッチでネイサン・ドライデンをフロントチョーク葬とOFGで2連勝だ。
スーパーボールはラジャダムナンスタジアムを主戦場としていた選手で、カイムックカーオやスーパーレック、ルンキットなど一流選手たちと拳を交えてきた。2014年にプロムエタイ協会のスーパーバンタム級王座に就いて以降タイトルは獲得していないが、アマチュアムエタイの大会に出て2021年IFMA世界選手権の-63.5kg級では金メダル、2022年IFMAワールド ゲームズ ムエタイ競技でも同級で銀メダルを獲得する活躍を見せている。昨年5月には、ロッタンを破ってラジャダムナンスタジアム認定スーパーフェザー級王者になったルンキットからも勝利を収めた。
2023年2月の『ONE Friday Fights 5』で初参戦を果たすと、コンクライ・エニームエタイに判定勝ち。この試合はダウン応酬の大激闘となり、判定決着ながらONEのチャトリ代表から両者にボーナスが贈られた。3月の『ONE Friday Fights 11』でもコンクライとの再戦を制し、8月の『ONE Friday Fights 36』ではジュリオ・ロボにも判定勝ちして3連勝をマーク。戦績は73勝19敗1分。
1R、サウスポーのスーパーボールは鋭い左ミドル、笠原はすぐに前へ出てワンツーを打つ。左ローから左ミドルにつなぐスーパーボール。左フックから左ミドルのスーパーボールに笠原は左ローを蹴り、左フック。笠原は左ボディを打ち、左フックにつなぐ。続いて強烈な左ボディから左フック連打で畳みかけ、倒れていくスーパーボールのアゴへダメ押しの左フック。スーパーボールが倒れると笠原は“どうだ”とばかりに雄叫びをあげた。
見事なKO勝ちを収めた笠原は「スーパーボール選手は凄く強い選手でONEの選手なんですけれど、自分も気合い入った練習をしてきました。たまたま運がよくてパンチが当たって勝てましたが、本当に強い選手でSBに上がってくれたことに感謝します。Twitterで、笠原弘希にって大きすぎる壁と言われましたが、どんなもんじゃいと、やってやりました。立ち技最強トーナメント、グローブでもOFGでも頂点に立つ自信があるので、来年大きい会場でやりましょう。僕が一番輝くので、それまで応援お願いします」と、前回に続いて65kgのトーナメント開催をアピールした。
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▼第6試合 61.0kg契約 エキスパートクラス特別ルール 3分3R延長無制限R〇笠原友希(シーザージム/SB日本スーパーフェザー級王者)TKO 3R ※ドクターストップ×スナイ・ミフター(マケドニア/Mike’s Gym/MKFライト級王者)
ミフターは、強打を武器に近距離での打ち合いを得意とするMike's Gym期待のアグレッシブファイター。「俺も日本で大暴れさせてくれ!」とアピールし、今回のSB参戦となったという。
そのミフターと対戦する笠原は2019年6月に国内55kg級トップクラスの小笠原瑛作をヒジ打ちによるカットでTKOに破る大番狂わせを演じ、2020年7月に那須川天心の対戦相手に選ばれたが初回KO負け。再起戦では手塚翔太と大激闘の末、KO勝ちでSB日本フェザー級王座に就き、2021年12月にはスーパーフェザー級王座決定戦を制してSBで2階級制覇を達成した。
2022年3月にはRIZINに初参戦し、豪快な飛びヒザ蹴りで初回TKO勝ち。6月の『THE MATCH 2022』ではKrush王者の中島千博から勝利を奪ったが、9月にRISEランカーの常陸飛雄馬にKO負けを喫した。12月は石月祐作に大差の判定勝ち、前戦は9月にシンダム・サンライズジムを初回KOし、今年は3戦全勝中。戦績は26勝(11KO)3敗のサウスポー。
1R、両者サウスポー。笠原は左をフェイントしておいての左バックキック。前へ出てローを蹴っていき、左フックを打つミフターに飛びヒザ蹴り。左ボディストレートから右フックを返す笠原は、ジャブでもボディを打って左ミドル。ミフターも左ストレートを返すが笠原はしっかりかわす。
2R、笠原飛びヒザ蹴りからそのまま組み付くとフロントチョークを仕掛けながらのヒザ蹴り。離れるとミフターはジャブ、前へ出てくるミフターに膝を突き出してダウンを奪う。ヒザを連打する笠原にミフターはショートアッパーを突き上げるが、笠原はコーナーから逃さず左右フックと顔面へ左ヒザを突き上げてスタンディングダウンを奪った。これでミフターは額をえぐられたようにカットしてドクターチェック。再開後、顔面前蹴りから襲い掛かる笠原にミフターは思い切り左を放つが、笠原はかわしてパンチからハイキックのコンビネーション。さらに飛びヒザ。
3R、笠原は左インローを蹴り、左ボディ、左ミドル。右フックを打ってきたミフターには左フック。左右フックから左ミドルを蹴った笠原は飛びヒザ蹴り、これでダウンを追加すると同時にミフターは出血で2度目のドクターチェック。ここでストップがかかり、笠原のTKO勝ちとなった。
笠原はマイクを持つと「KOで勝ったので僕、今年まだ出来ます、年末、梅野選手、僕とやりましょう。ヒジありでも何でも出来るので、ぜひ格闘技界盛り上げたいのでよろしくお願いします」と大晦日RIZINでの梅野源治戦をアピールした。
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▼第5試合 58.0kg契約 エキスパートクラス特別ルール 3分3R延長無制限R〇山田虎矢太(シーザージム/SB日本スーパーバンタム級王者)判定3-0 ※30-28×3×テーパプット・シンコウムエタイ(タイ/新興ムエタイジム/元タイ7chスーパーフェザー級王者)
山田ツインズの弟・虎矢太は2019年8月にデビューすると、心直、佐藤執斗、有井渚海らを破り連戦連勝。2023年2月には植山征紀をKOで破り、無敗のまま王座に就いた。2023年は6月にタンワレック・ルックサウンを1R KOで仕留めると、9月はパク・ヒョンウも1Rわずか35秒でKOしてみせた。現在、12戦12勝と無敗街道を驀進中。
テーパプットはタイで人気のTVマッチ、7chTVスーパーフェザー級タイトル獲得歴があり、あのスアキム・PKセンチャイムエタイジムとルンピニースタジアム認定スーパーフェザー級タイトルを懸けて対戦したキャリアも持つ。日本では宮越慶二郎、バズーカ巧樹、小川翔、重森陽太といった日本のトップ戦線で活躍する選手を相手に負けなし。
1R、右カーフを蹴っていく山田にテーパプットは蹴りをカットしつつ右カーフを蹴り返す。山田は蹴りをキャッチすると左ボディ。さらに左ボディのクリーンヒットを重ねて快音を響かせ、場内を沸かせる。三日月蹴りも突き刺して左ボディにつなぐ山田。ワンツーの右をガードの隙間からねじ込む。左ボディから右アッパー、さらに右フックを打つとその流れで山田が大腰でシュートポイントを奪った。見事なコンビネーションに場内は沸く。
2R、テーパプットは右ストレートからすぐに首相撲になってコカす。その後も右ストレートから首相撲のヒザ。山田は組んでくるところへ強烈な左ボディ。テーパプットは首相撲で山田をコカし続け、削っていく作戦か。組み付いてはコカしを見せるテーパプットに、山田は組み際に右フックを当てる。テーパプットは左目上から出血。
3R、テーパプットは右ミドルを蹴って組もうとするが、そこへ山田の強烈な左ボディがヒット、さらにワンツーで前へ出る山田。前へ出て攻める山田だがテーパプットは組んでディフェンス。ならばと投げを見舞おうとした山田だが、テーパプットはこれを防いだ。判定は3-0で山田がデビュー以来無傷の13連勝を飾った。
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▼第4試合 58.0kg契約 エキスパートクラス特別ルール 3分3R延長無制限R〇山田彪太朗(シーザージム/SB日本フェザー級王者)判定3-0 ※30-29、30-28×2×ヨードタノン・オー.サンスック(タイ/MAX MUAYTAHIフェザー級トーナメント王者)
山田ツインズの兄・彪太朗は2019年8月にプロデビューすると4連勝(無効試合を挟む)を飾ったが、2021年4月に翔に初黒星を付けられた。その後は元貴、田渕神太を破ったが、12月の川上叶戦で延長戦の末に惜敗。2022年2月には翔にリベンジを果たし、6月には初参戦の蒼士を判定に破り、9月にはRISEフェザー級5位の宮崎就斗を右ストレートでマットに沈めた。11月の次期挑戦者決定トーナメントでは優勝。12月の門口佳佑戦ではシュートポイントを奪いながらもダウンを喫して逆転負けを喫したが、今年4月に川上叶に勝利して王者となった。前戦は6月にオートー・ムアンパープーンを初回KOに仕留めた。戦績は13勝(4KO)3敗1無効試合。
ヨードタノンの詳細は不明だが、元ラジャダムナンスタジアム認定バンタム級6位オートーに続き、ムエタイ撃破なるか。
1R、左右ミドルを蹴るヨードタノンに山田は左右のボディ、右カーフを返していく。ヨードタノンの右ミドルには左ミドル、そして右ボディストレートに左ボディフック、右ボディフックとボディを狙い撃ち。ヨードタノンが打ち合ってくると回転の速い山田が左右フックで応戦。ヨードタノンをロープに押し付けた山田はワンツーを打っておいての左ボディ。前h出ると左ミドル、そして左ボディから右ボディも叩く。ヨードタノンが組んでくるとアッパーを突き上げ、ヨードタノンは首相撲からのヒザ蹴り。山田の左フックからの右ストレートに頭を下げたヨードタノンのアゴを山田の右アッパーが突き上げた。
2R、ヨードタノンはいきなり首相撲に持ち込んでヒザ蹴り。山田は投げで対抗するも不発に。完全に首相撲に活路を求めたヨードタノンは首相撲をしつこくん羅うが、山田は左右ボディを叩き、右アッパーを突き上げる。離れると右ボディストレート、左ミドル。山田が前へ出え来るところに組み付き、山田を投げるヨードタノン。山田の左ボディ、右フックに組み付いて崩して必死の抵抗。
3R、山田は右カーフを狙い撃ち、ヨードタノンは左ミドルを蹴る。山田が左ボディを叩くとヨードタノンは組んでのヒザ。山田はその組み際に右アッパーを合わせ、左ボディも打つ。ヨードタノンは強引な首投げも仕掛ける。山田の強烈なボディをもらっても前へ出て組みに行くガッツを見せるヨードタノン。その後も首相撲で組むと首投げを狙う。山田は倒し切ろうと右ストレート、左フックをヒットさせるが、ヨードタノンも最後まで粘った。
判定3-0で山田が勝利。ヨードタノンも最後まで勝ちに行くナイスファイトだった。
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▼第3試合 53.0kg契約 オープンフィンガーグローブマッチ エキスパートクラス特別ルール 3分3R延長無制限R〇佐藤執斗(グラップリングシュートボクサーズ名古屋/SB日本バンタム級王者)TKO 2R終了時 ※レフェリーストップ×翼(TARGET/RISEスーパーフライ級5位)
佐藤はトリッキーな動きから繰り出す蹴り技を得意とする、SB中部地区を代表する選手。2021年12月には伏見和之と激闘を繰り広げ、4R KOで初代SB日本バンタム級王者に輝いた。2023年6月のOFG戦でサンチャイ・TEPPENGYMをKOし、現在5連続KO勝ちと勢いに乗る。兄は元DEEPストロー級王者のカン・サトー。
サウスポーの翼は2019年11月に流血戦を制してジャパンキックバンタム級王者となり、デビュー以来9戦無敗を誇っていたが、2020年11月にWBCムエタイ日本統一&NJKFバンタム級王者の一航に判定で敗れ初黒星。2022年2月にジムを移籍してRISEに初参戦すると鳩にKO勝ちを収めたが、続く3月は京介にKO負け。7月には溜田蒼馬を2RでKO。10月に花岡竜との対戦を迎え2R負傷判定ながらも下馬評を覆す勝利。12月にSBとの対抗戦で佐藤執斗に初回KO負けを喫し、2023年は7月に長谷川海翔にも初回KO負けと連敗中。戦績は11勝(6KO)5敗1分。
前述の通り両者は昨年12月のSBとRISE合同興行で対戦し、佐藤が初回でKO勝ちしているが、翼の強い再戦要求を受けて今回の一戦が決定したという。OFGマッチだけに、さらに前戦以上の激戦が予想されるリマッチで佐藤が返り討ちか、それとも翼がリベンジなるか。
1R、序盤から両者はスピードのある蹴りと左右フックの応酬。佐藤がサイドキックからの左右フックで優勢かと思われたが、翼はもらいながらも前へ出て左右フックを当てていく。しかし、ロープを背負った佐藤が右フックでダウンを奪う。さらに打ち合う両者は全く手を止めずパンチを繰り出す。終盤、翼がボディへヒザを突き刺し、佐藤の動きが止まった。
2Rも左右フックをフルスイングする佐藤に翼はワンツーと佐藤よりコンパクトな左右フックで打ち合う。両者とも被弾するが、前へ出る翼の勢いが徐々に優っていき、佐藤はダウン寸前に追い込まれるも右フックで佐藤がダウンを追加。それでも前へ出て打ち合いに行く翼。佐藤は被弾しながらも左右フックのフルスイングとコンパクトな右を織り交ぜる。前に出てパンチを繰り出す翼に佐藤の右フックがヒットし、膝を着く翼にダウンが宣告される。ここでレフェリーがストップ。両者全く手を休めないノンストップの打ち合いに場内からは大きな拍手が送られた。
激闘を物語る顏の佐藤だったが「先ほどの第2試合とはまた別の種類の激闘をお見せできたかなと思います。こんな顏で言っても何ですが、まだ全然大丈夫です、行けます。SBは今年これで終わりですが、いつでもどこでも誰とでもやるので年内オファーを待っています」と年内にもう1試合やりたいとアピールした。
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▼第2試合 SB日本ヘビー級 オープンフィンガーグローブマッチ エキスパートクラス特別ルール 3分3R延長無制限R ※ヒジあり×坂本優起(シーザージム/SB日本ヘビー級2位)判定0-3 ※27-29、26-29×2〇関根“シュレック”秀樹(ボンサイ柔術)
関根は山梨学院柔道部出身。卒業後、静岡県警で機動隊や暴力団担当の刑事を務め、ボンサイブルテリアジムでブラジリアン柔術を習得。柔術で全日本選手権、アジア選手権など様々な実績を残し、2009年に40歳でMMA転向。身長175cm、体重115.0kgの破格の体格を武器にDEEPやONEで戦績を重ね、現在はRIZINを主戦場とするベテランファイター。前戦は2023年6月のRIZINで上田幹雄にTKO負けを喫した。
所属するボンサイ柔術では元SB世界スーパーライト級王者・鈴木博昭と共に汗を流し、「SBのOFGルールに是非トライしたい」との本人のアピールを受けてSB初参戦が決定した。柔道の投げはもちろん、立ったままでのサブミッションなどSBルールならではの攻撃に期待したいところ。
迎え撃つ坂本は、2009年11月にプロデビュー戦を行い敗れたものの、その後は12連勝をマーク。2013年4月には鈴木悟を破り、SB日本スーパーウェルター級王座を奪取した。2015年2月には長島☆自演乙☆雄一郎、6月にはT-98を破るなどSB中量級のエースとして大活躍したが、2015年後半からは黒星が増え、2020年12月に一気に階級を上げてヘビー級に転向。6連勝を飾ったがマウンテンRYUGOに判定負け。2021年10月には韓国で無差別級トーナメントに挑み、2勝して優勝した。12月にはRISEの南原健太と対戦し、ダウンを先取するも逆転TKO負け。2023年4月のシリーズ第二戦でSB初となるOFGマッチに挑戦し、遊笑を相手に惜敗。今回、過去最大の重量、過去最強といってもいい関根と背水の陣で対戦する。戦績は38勝(8KO)20敗。
なお、この試合は負けた方がリング上で坊主になる“カベジェラ・コントラ・カベジェラ”(敗者髪切りマッチ)として行われる。
1R、関根の右ローに左を合わせた坂本、関根は“効いてないよ”のポーズ。関根がタックルに入ると坂本はヒジ、関根は持ち上げてのボディスラムを狙うが坂本の足がロープに引っかかる。何とか投げたがこれはシュートポイントにならず。組んでくる関根に右フックを見舞う坂本。関根が組むと坂本はロープを背にして投げを防ぐ。関根のタックルに坂本がフロントチョークの体勢に入るもこれはブレイク。離れると坂本の右フックがヒットする。
2R、関根の左目上が切れてドクターチェック。再開後、右を連続ヒットさせる坂本に関根が組み付いてバックドロップ風の投げとなるが不十分。左目から流血する関根は右フック。組み付くと強引に投げる関根だが手が滑って不十分に。しかし、坂本が右フックを放ったところに関根の右ショートアッパーがヒットし、ダウンを奪う。その後も関根の右フックが強烈にヒット。
3R、右アッパーを打つ坂本にワンツー連打を返す関根。組み付くとバックドロップ、これは見事に決まりシュートポイントに。さらにバックに回ってのジャーマンスープレックスを繰り出すがこれは不十分。坂本は右フックで逆転を狙いにいくも、関根の右フックフルスイングをもらってバランスを崩す。最後は疲労の色が見えた関根だが、最終ラウンドを終えると雄叫びをあげた。
判定はダウン、シュートポイントを奪った関根の勝利となった。関根はラウンドガールの肩を抱いて満面の笑みを浮かべ、記念撮影に収まった。
「SBファンの皆様、こんばんは。今日はRIZINファイターではなくプロレスラーとして伝統あるSBのリングに上がりました。もっとMMAのリングと違ってこのリングめちゃくちゃ固いんですよね。一発でKO出来るかと思ったあめちゃめちゃ苦しそうだったけど立ち上がってこんなにボコボコにされちゃったよ。彼の健闘を称えて…」と、髪切りを取り消そうとしたが、背後ではすでに椅子とシートが用意されており、「用意されてるじゃないですか!」と関根も驚く。
「俺はいいんだけど、約束は約束だ」と関根は坂本の髪にバリカンを入れ、坂本を自分と同じ落ち武者ヘアーにした。
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▼第1試合 46.5kg契約 エキスパートクラス特別ルール 3分3R延長無制限R〇MISAKI(TEAM FOREST/SB日本女子アトム級王者)判定3-0 ※30-27、30-26、30-25×チャン・リー(K-1ジム五反田チームキングス)
チャン・リーは2018年9月の『KHAOS.6』からK-1 JAPAN GROUPの大会に初参戦、女子アトム級の主力選手として活躍。2021年6月のKrush-EXでは期待のJKホープの紗依茄から判定2-1で勝利をもぎ取ったが、11月のKrushでは山田真子に判定負け。2022年1月には新鋭のKihoに勝利し、6月のK-1女子大会では紗依茄から自身初のKO勝ちを奪った。10月には菅原美優のKrush女子アトム級王座に挑戦したが、KOで敗れ王座奪取ならず。手術を経て2023年4月に再起戦を行い、MMA出身のKAIから判定勝ちした。戦績は8勝(1KO)8敗1分。
迎え撃つMISAKIはシュートボクシングの女子トップ選手で、2016年3月にプロデビュー、“猪突猛進女子”の異名通り、最初から最後までガムシャラに攻め続ける驚異のスタミナを武器に勝ち続け、2017年12月に寺山日葵を破ってJ-GIRLSミニフライ級王座に就いた。2020年8月にはぱんちゃん璃奈とREBELS-BLACK女子46kg級初代王座決定戦を争うも判定負け。2021年に入ってからは的確性を重視したファイトスタイルにチェンジし、12月のSB日本女子アトム級王座決定戦で勝利して王座に就いた。2022年12月にはRISEで宮﨑小雪との女王決戦、2023年2月には小林愛理奈と対戦もいずれも敗れた。6月にホンヨックに初回KO勝ちして再起を飾っている。戦績は22勝(3KO)9敗1分。
1R、リーは左手を伸ばした独特な構えから右ストレートを繰り出す。MISAKIは右カーフ、右ミドルを蹴っての右フックを狙う。MISAKIの右カーフに左ミドルを返すリーは右ストレートをヒット。MISAKIのローに右を合わせるリーだが、MISAKIの右ストレートをもらって後退。ロープ際でも右ストレート、左ボディをもらう。リーのロー、ミドルを足を上げてカットしながら前に踏み込むMISAKIの右フックがクリーンヒット。
2R、ワンツー、右ミドルを放つリーだがMISAKIのパワーに押されて後退、右フックでダウンを奪われる。左フック、右ロー、ヒザとパワフルに前へ出るMISAKI。右カーフ、右フックを被弾するリーはクリンチ。リーも右ストレートをヒットさせ、MISAKIは左右を繰り出して応戦。リーの右ストレートが当たり始め、MISAKIもクリンチ。
3R、MISAKIは右ストレートを当てて組んでのヒザ。さらに左フックから組んでのヒザ。リーはワンツーを連打するが両者とも前へ出るため組み合いになる。右フックまたは左フックを一発当てては組んでヒザに持ち込むMISAKI。左ボディもヒットさせる。MISAKIのパワフルな一発に仰け反るリー。右ストレートを当てて一矢報いるが、MISAKIもガムシャラに前へ出て左右フックからの左ミドル。
判定3-0でMISAKIが完勝。vs.K-1の先陣を切り、SBに勝利をもたらした。