[インタビュー]坂本優起「死にもしないし倒れもしない」
「調整は今までと変わらずにできていて問題ないです。今回ヒジ打ちありルールで、ヒジ打ちありの試合は2021年7月の『LETHWEI×UNBEATABLE 第1回大会』(鈴木槙吾に2RTKO負け)でやって以来、2度目なので練習ではヒジを強化しています。相手次第ですが、ヒジ打ちありのルールの方が攻防は面白くなりそうだなと思いますね」
――オープンフィンガーグローブ(以下OFG)での試合も2度目になりますね。
「僕としては普通のグローブの方が攻撃は当てやすいとは思います。掴んでの投げや組みがしやすいと言う選手もいますけど、僕はあんまりそう思ったことはないです。正直、普通のグローブとOFGは変わらないですよ。相手の打撃を受けた痛みも変わらないです」
――前回4月のOFGマッチ初戦となった遊笑戦は判定負けでしたが、敗因はどう考えていますか。
「俺が弱かっただけじゃないですか」
――前回の試合を踏まえて強化しているところはありますか。
「特にないんじゃないですかね。練習を真面目にやるようになったくらいじゃないですか。連敗したことで、やはり練習を真面目にやらないと強くならないというのを痛感しました」
――SB日本スーパーウェルター級タイトルを獲得し、58戦もキャリアのある坂本選手が今練習することの重要さを知ったわけですか!?
「やはり練習をしないと強くならないんですよ。僕の場合、試合で勝てば練習量は減ってしまうし、負けたら減ります。勝った時ほど練習は真面目にやった方がいいですよね」
――スーパーウェルター級もそういう波のある練習量だったのでしょうか。
「恥ずかしながら今思い返せばそうでしたね(苦笑)。シーザー会長からも言われたことがあり、勝ち続けている時に僕の練習している姿を見て「お前、次負けるぞ」と。その時は練習していても練習量が少なかったり、練習内容も良くなかったものでした」
――プロ2戦目から12連勝していた時期もありましたが、その時もそういう状態だったのでしょうか。
「相当昔の話ですけど、あの時は自分の意思でやっていたわけではなく、会長や先輩から言われたから練習をやるしかなかった状態でした」
――シーザージムでは笠原兄弟、山田ツインズといった後輩たちはチャンピオンになったりと活躍していますが、今ではそういった刺激も受けますか?
「いや~彼らはもう育ちすぎて(苦笑)。後輩が育ってきたのに、昔からやってる俺がこのままでいいのかという気持ちは確かにあります。あの練習量を見ていたら当然の結果だとは思いますけど、彼らの小さい頃から見ていてまさかみんながベルトを獲る時代が来るとは思ってなかったです」
――今回の相手、関根選手にはどういった印象がありますか?
「多分、僕より20kgぐらいデカいですよね。でも、打撃の技術は確実に僕の方が上なんで、よく分からない一発さえもらわなければ僕が有利に進めるのかなと思います。例えもらったとしても、人間ですから大丈夫ですよ(笑)。死にもしないし倒れもしないです」
――坂本選手は58戦やられてKO負けしたのは昨年12月の南原健太戦だけですよね。
「そうですね、思いっきり倒れたのはあの一戦だけです。鈴木槙吾選手にはTKO負けでしたが、頭突きありのルールで鼻頭に頭突きを喰らいカットしたことで出血が止まらなくなり負けた試合でした。今回はヒジ打ちをもらってもカットされないように、顔の皮膚を鍛えておきました(笑)」
――ヘビー級に転向して体重差がある相手の打撃を受けても倒れないというのは、ご自身でも改めてタフだなと思うことはないですか?
「いや、別にあんまり考えたことはないですけどね」
――スーパーウェルター級時代と変わらず相手の打撃を受けても前に出るスタイルというのはヘビー級だと危険かと思われましたが、スタイルは変わらないですよね。
「このスタイルは昔、シーザー会長から『ガードを固めて前に出れば、相手の攻撃の威力は半減されるので前に出た方がいい』と言われたことでやり始めたもので、今でも前に出続けながら相手との距離感をずっと考えながら戦っています。他のシーザージムの選手はみんなテクニックがあるんですけど、僕にマッチした作戦の一つだったので、今でも戦えているんだと思います。僕の頑丈さを会長が分かった上でのそういうアドバイスだったのかなとも思いますね。でも攻撃をもらわないのが一番ですけど」
――今回は投げ技、絞め技を狙いますか?
「体重差がある選手なので僕は狙えないですね。僕が投げ技に行こうとすると投げられたり、絞め技に関しては形が決まってなくても無理やり絞められるので、そこは警戒しています」
――ここで関根選手が勝てばRIZINファンの間にも知名度は相当広がると思うんですけど、大晦日での試合だったり、次に見据えてるものはありますか?
「大晦日は稼ぎ時なので浅草人力車の仕事をしたいですね。今後、やりたい相手とか特にいないので、オファーがあれば誰でも大丈夫です。とりあえず今回の試合に向けて集中してますので会場に応援に来て下さい。来られない方はU-NEXTでの視聴をよろしくお願いします!」