[インタビュー]関根"シュレック"秀樹「最終的にはプロレスの技でKOしたい」
「もともとボクシングやキックボクシングを好きで見ていたので、以前から打撃だけの試合に出たいと思っていました。格闘技が好きになったきっかけというのも、高校3年ぐらいの時にK-1が始まり、格闘技に興味を持つようになったのは打撃からなんです。あと、自分はMMAの試合をする時に、相手に組み付くまでの打撃の攻防でやられちゃうことも多かったので、自分の苦手な部分だけの試合で勝負してみたいと思って今回SB参戦を決めました」
――現在はどちらで打撃を練習しているのでしょうか。
「ずっと鈴木博昭さんのBELLWOOD FIGHT TEAMに行っていて、今年6月のRIZINの上田幹雄戦前の1カ月間は内藤大樹君にミットを持ってもらい、試合では負けてしまいましたが、その期間でだいぶ打撃の方は良くなった手応えはありました」
――SBルール特有の投げ技や立ち関節技も意識して練習していますか?
「そこは元々できるし、SBの選手よりもできると思うんです。さらに今回はオープンフィンガーグローブ(以下OFG)で組みやすく絞め技もしやすいので打撃中心の練習をしています。僕の一番のバックボーンである寝技の展開がないというのではハンデがありますが、今回は自分の一番得意なところを封印して一番苦手なところで勝負するというのは自分にとってもメッセージ性があるんじゃないかなと思ってます」
――今回の試合に向けて鈴木選手や内藤選手から何か特別なアドバイスはありましたか。
「ずっとBELLWOOD FIGHT TEAMで教わっているので教わってきた打撃を今回は出したいと思っていたのですが、鈴木さんから『ファンに求められてるのはやっぱりプロレスの技でKOするということですよ』と(苦笑)。確かにそれは当然ですよね。誰も自分の下手くそな打撃を見ても喜ばないですし、僕の試合は全部チャンピオンが出るSBのオールスターが揃うような大会で自分が上達した打撃を見せてもはっきり言って意味がないと思います。やっぱり最終的にはプロレスの技でKOしたいと思います」
――それは危険な角度で落ちるスープレックスでのKOをイメージしてますか?
「そうですね。打撃の部分もかなり上達しているのでそっちの方でも勝負になると思いますが、必ず組みの展開になると思うので、スープレックスを出してKOしたいと思います。坂本選手は20kgぐらい体重は軽く、自分は120kgなんでもうパンチが当たれば倒れるんです。組みの展開になった時に100kgオーバーの人と接触するだけでもだいぶ疲れると思いますし、今までMMAでも相手が110kgとか120kgの選手が相手でも組みの技で苦戦したことはないので、スープレックスを期待してください」
――対戦する坂本選手について、ファイターとしてはどういった印象がありますか?
「自分はあんまり相手の試合映像を見ないんですけど、今回初めてのSBルールなので2、3試合見たんですけど、その時の解説の方も言われてる通り、相手が下がって自分が前に出てる時は強いけど、相手が前に出て押し返せない時は手が出ていない印象を受けました」
――警戒している攻撃やポイントはありますか?
「一発はそれほどないと思うのですが、やっぱり連打を警戒しています。ガードせずにまともに貰えちゃうと連打を出せるので、スタミナもある選手なのかなと」
――現在、SBのヘビー級の王座は空位ですが、今回の試合結果によってはSBに定期参戦は考えてますか?
「OFGマッチならいいんですけど、グローブだとさすがに難しいかもしれません。でも、今回の結果次第ですね。その先のベルトのことをまだ口に出しちゃいけないと思うので、坂本選手にきっちり勝てるんだったらそういったことを考えたりとか発言権はあると思います」
――11月8にはプロレスのリングでボラモン兄弟に捕まり、バリカンで前頭部を剃り上げられ落ち武者ヘアになっていましたが、坂本戦に影響はないですか?
「バラモン兄弟に剃り上げられて、そこまでやるのかよ! とちょっとビックリしましたね。プロレスでの相手としては数日後にSBの試合をやろうが、SBの試合が終わってストロングスタイルでタイトルマッチが決まっていようが関係ないことですから。今回の悲劇は、1試合1試合をしっかりやれよ、先のことを見てるんじゃねえぞという神のお告げなのかなと捉えています。だから今回も坂本戦に全集中してやろうかなと思います」
――SBの試合後にプロレスの試合は決まってるんですか?
「SBの1週間後の26日に浜松でプロレスリングFLASH!!に参戦して、その後の12月7日に初代タイガーマスクさん率いるストロングスタイルのタイトルマッチを控えています。元々、僕はRIZINに出た時も試合の1週間前だろうが、試合のすぐ後だろうが、顔面骨折をしてようが、僕はプロレスラーなので試合に出続けるのは普段の生活の習慣と同じなんです」
――今回SBのリングでプロレスラーの強さを見せたいという想いもありますか?
「もうそれしかないですよね。PRIDEが誕生してからプロレスラーはキックやMMAに挑戦したり、結果を残せてないことが多く、プロレスラーの強さを見せるのは自分だけかなと思っています。他の試合はチャンピオンカーニバルですけど、自分がプロレスラーとしてのSBを見せるので楽しみにしてください」