MMA
ニュース

【UFC】プロハースカ「ストップは正しかった。また会おう」、新王者ペレイラ「今度はアデサニヤを救ってやりたい」、アデサニヤ「最後に寝てたのはお前だろ?」

2023/11/13 18:11
 2023年11月12日の『UFC 295: Prochazka vs. Pereira』(米国ニューヨーク・マディソン・スクエア・ガーデン)にて、「UFC世界ライトヘビー級王座決定戦」(5分5R)が行われ、新王者アレックス・ペレイラが誕生。敗れた元王者イリー・プロハースカ、さらに元ミドル級王者のイスラエル・アデサニヤとのやりとりが話題となっている。  元UFC世界ミドル級王者のアレックス・ペレイラ(ブラジル)と、元UFC&RIZINライトヘビー級王者のイリー・プロハースカ(チェコ)の「王座決定戦」。  試合は、序盤からカーフキックを効かせたペレイラに、プロハースカはシングルレッグでテイクダウン。上からヒジで削り、初回を取るも、2Rにも右カーフを被弾。 プロハースカは連打で勝負に出て右を当てて前進するが、そこにペレイラは下がりながら右から左のショートフック!  腰が落ちながらダブルレッグに入るプロハースカだが、それを潰したペレイラはしがみつくプロハースカの頭に右ヒジを連打! 後方に崩れたプロハースカのダウンに、レフェリーが間に入った。  2R 4分08秒、TKOでUFC世界ライトヘビー級新王者となったペレイラは、GLORYミドル級&ライトヘビー級の二階級制覇に続き、UFCでも二階級制覇を達成した。  下に潜る形で倒れたプロハースカは、ストップにすぐに立ち上がったが、ジョー・ローガンのケージのなかのインタビューで「早いストップに驚きはなかったか?」と問われた勝者は、「驚きはなかったよ。最初の左フックが効いて、2回目の攻撃でダウンした。テイクダウンを取りに来たわけじゃないし、足元に崩れたから正しいストップだと思う」と語った。  敗者のプロハースカも「最終的には正しい判断だと思う。私は落ちていたからね」と潔く敗北を認めている。  その上で「でも、知っている通り、死なない限り、僕の身体は動き続けるから……こういうこともある。多くを学ぶことができた。色々と直してさらに強くなって戻ってくる。“マタ・アオウ”。でもいまはアレックス、試合をしてくれてありがとう。多くを学ぶことができた。また戻ってくるよ。」と語った。  その言葉に多くのファンがSNSに「サムライのようだ」と、「日本語で『また会おう』とは……」などのコメントを寄せている。  試合後、プロハースカは、あらためてSNSで「皆さん、こんにちは。皆さんの応援に感謝しています。これ(今回の敗戦)は私にとって単なるモチベーションです。他には何もない。(レフェリーの)マーク・ゴダードは正しかった。もしかしたら2、3秒違えば違う形になっていたかもしれないが、起きたことは起きたこと。私はそれを受け入れる。今は僕を見ていてほしい。これまで以上に強くなって戻ってくる。応援ありがとう」と、レフェリーの判断は正しかったと語った。  一方、新王者となったペレイラは、「誰かの名前をコールしたりする人間ではないけど、個人的に興味深い試合があって、それはみんなにとっても興味深いんじゃないかな。以前、インタビューでバーで飲んでいた人が動画で俺のことを“バーにいるべきだ”と言っていて(※ペレイラはかつてアルコール依存症だった)、その言葉が俺をモチベートして、いま俺はバーからここにいる。  彼は『2027年まで試合をしない』と言った。俺を救ってくれたように彼を救ってあげたい。そんなに休んだら彼の才能の無駄使いだ。ここに来て戦おう“Come to Daddy”(かかってこいよ)、アデサニヤ」と、ミドル級の王座を奪ったイズラエル・アデサニヤに、ライトヘビー級での再戦を呼び掛けた。  続けて、「ミドル級では彼に挑戦できるまで3試合をしたけど、今回はいきなりこのベルトを賭けて戦おう。チャンピオンが呼び出すのはおかしいかもしれないけど、これは完結させたいストーリーなんだ」と語り、UFCミドル級で2度(1勝1敗)、キックボクシングで2度(ペレイラが2勝)戦っているライバルと5度目の戦いで完結させたい、とした。  オクタゴンから対戦をアピールされたアデサニヤは、自身のSNS動画を更新。“ポアタン”からのライトヘビー級でのケージ復帰の呼びかけに、「なんて言えばいいだろう。エミネムとマライヤ・キャリーの関係じゃないけど、俺がまだ彼の精神を傷つけているというのは、好きだね。同じアリーナで新しいベルトを勝ち獲り、次はジャマール・ヒルとだろう。ただ一つ確かなことは、俺がまだ彼の精神を傷つけているってことだね。ほんとうに嬉しいよ。何が“Come to Daddy”だ? たしか最後に俺とやった時はあんたは寝て(失神して)ただろ?」と、因縁が続いていることを嬉しいと称しながらも、上から目線の言葉には否定をしている。  一方で、今大会前には「ミドル級のやつらは俺に感謝するべきだ。アレックス・ペレイラを別の階級に追いやったんだから。俺がいなかったら、お前らが戦わないといけなかったんだ。アイツとはやりたくないはずさ。俺は彼と4度戦い、勝ったのは1度だけだった」と、ペレイラが最強戦士の一人であることを認めている。  2023年4月の再戦でペレイラを2R、右ストレートで倒してパウンドアウトしたアデサニヤは、9月にショーン・ストリックランドに初回に右ストレートでダウンを奪われての判定負けでミドル級王座陥落。長期の休養を宣言している。  そして、ペレイラが転向したUFCライトヘビー級の王座は、もともと2022年6月にプロハースカがグローバー・テイシェイラを破り王座についていたが、12月のダイレクトリマッチをプロハースカが右肩を負傷し、王座を返上。 「王座決定戦」がヤン・ブラホビッチとマゴメド・アンカラエフの間で行われたがドローで王者が決まらず。2023年1月にテイシェイラとジャマール・ヒルが「王座決定戦」を戦い、ヒルが判定勝ちで新王者となっていた。  しかしヒルが2023年7月にアキレス腱を断裂。またも王座返上となり、元王者プロハースカと、7月にライトヘビー級転向初戦で元王者ブラホビッチにスプリット判定で勝利したペレイラとの間で、3度目の「王座決定戦」が行われていた。  今回のペレイラの戴冠劇をケージサイドで観戦したジャマール・ヒルは、「さあ、行こう」と気合いが入った様子だが、ペレイラは「俺はアクティブなチャンピオン、ファイターだ。でも彼は怪我をしているし、最初のチャレンジャーとしてはすぐにはできないんじゃないかな」と語っている。
全文を読む

MAGAZINE

ゴング格闘技 NO.331
2024年3月22日発売
UFC参戦に向け、ラスベガス合宿の朝倉海。「プロフェッショナル・ファイターの育て方」でチームを特集。『RIZIN.46』鈴木千裕×金原正徳インタビュー、復活K-1 WGP、PFL特集も
ブラジリアン柔術&総合格闘技専門店 ブルテリアブラジリアン柔術&総合格闘技専門店 ブルテリア