MMA
インタビュー

【RIZIN】鈴木千裕の試合後全コメント、勝負を決めた蹴り上げは「僕の格闘技は戦いの中で答えを見つけるんです」、右拳を負傷で大晦日出場は微妙に

2023/11/05 07:11
 2023年11月4日(土)アゼルバイジャン・バクーのナショナルジムナスティックアリーナにて開催された『RIZIN LANDMARK 7 in Azerbaijan』のメインイベントで、ヴガール・ケラモフ(アゼルバイジャン)からTKO勝ちでタイトルを奪取した鈴木千裕(日本/クロスポイント吉祥寺)が試合後インタビューに答えた。  勝負を決めた下からの蹴り上げと、TKOに結びついたグラウンドで下になった状態でのパンチについて「一切作戦には入っていなかった」と、試合中に思いついたことだと明かした。  また、右腕に包帯を巻いており、帰国したら病院で精密検査を受けるという。鈴木の感覚では「ヒビが入ったか、靭帯をやってしまったか」ということで、検査の結果次第では大晦日に間に合わないかもしれないと語った。 <質疑応答> ――試合を終えての感想は? 「やっと夢をひとつ叶えることが出来て、格闘技界の二刀流になることが夢で、いま俺は現役のキックボクシングのKNOCK OUTの王者で、現役のMMAのRIZIN王者になることが出来たので、このふたつを現役で獲ることに意味がある。この夢を叶えることが出来たので、今は凄い嬉しいですね」 ――決定打は何だった? 「これはテイクダウンに来た時にクロスガードに戻して…前回の朝倉未来選手にやった首を抱えてヒジとパウンドをするのを見ていたので、それが来るなと思っていて。ケラモフ選手がパウンドを打ってきたのでフェイクの三角(絞め)を取るふりをして、そうすると嫌なので上体を上げてくれるので。そうするとパウンドを打って来るじゃないですか。この上から下の動きに下から上の攻撃をドンピシャで合わせようと思って、カカトで。相手がパウンドを打って来る瞬間に蹴り上げを合わせてそこでダウンをとれたので、あとは息が戻る前に決めてやろうと思ってラッシュでKOですね」 ――それでは、あの流れは想定通り・作戦通りだった? 「いや、一切作戦には入っていなくて。僕は戦いの中で答えを見つけるので、ケラモフ選手と戦ってパウンドの動きとか戦いの中で答えを見つけて。僕、言ったじゃないですか。1Rの中で5回アタックチャンスを作るって。そのチャンスが今来たなって思って狙っただけですね」 ――ケラモフ選手は戦う前と戦った後で違ったイメージはあった? 「イメージ通りで片足のタックルが絶対に来ると思っていたんですけれど、来ると思っていてもやっぱり倒されてしまいましたね。とにかくテイクダウンのスピードが速かったので。でもそれは想定内です。テイクダウンされるのは。そこからのリカバリーを練習してきたのでイメージ通りですね」 ――右腕の包帯は? 「殴った時に、試合で下から殴ったことは1回もないので、思い切り行こうと思ってやったら親指が骨に直で当たっちゃって。多分、まだ分からないですけれどヒビかな。靭帯か分からないけど、痛いので東京に帰ったら病院で見てもらいます。あと、王者になるためなら骨が折れても何でもいいです。王者になれるんだったら骨のひとつやふたつ持って行けって感じです」 ――今後の目標や展望は? 「やっとRIZINの看板を背負うことが出来たので、これから王者としてRIZINに恩返しをしていくので。今はまだ見えてこないです。いっぱいいっぱいになっているので。でも、子供たちに未来を見せたいんですよね。今、日本の格闘技は不良の人とかヤンキーとかが輝く時代になってしまっていて。そういう人たちが表舞台に出て格闘技の質を下げちゃっているんですよね。そうじゃなくて、本物が本当に格闘技をちゃんとやって、遊びも一切断ち切って格闘技を真面目にやっている人が報われる格闘技業界を俺は作りたいので。そういうのを子供たちに見せたいですね。真剣に、真面目に格闘技をやって夢を叶える。それを僕が今後、格闘技を通じて見せていきます」 ――ケラモフ選手に右を当てられて、右を返そうとした時にカウンターのシングルレッグテイクダウンを受けた。その時、サイドからハーフガードだったと思うが、そこからフルガードに戻せたことで蹴り上げも出来たと感じました。あそこで寝技の練習が活きたという想いはある? 「そうですね、本当にそれはあると思うのですけど。まあ、身体が勝手に動きましたね。特に考えてなかったです」 ――フェイクの三角に相手が上体を上げてスペースが出来たから蹴ったり殴ることが出来たと言っていましたが、その想定はセコンドのGOZOさんたちとしていたのでしょうか? 「出来るわけないっすよ、あんなの(笑)。僕の格闘技は戦いの中で答えを見つけるんですよ。だから作戦なんて僕は基本的には聞かないですし、戦いの中でチャンスを作る、それが俺の戦い方なのでそのチャンスがそこに来ただけですね」 ――相手が失神、力が抜けたのは間近で感じていた? 「感触があるので。パンチを打ち抜く感覚に似ていて、これは完全に効いたなど。予想が出来ない角度からの攻撃って一番効くんですよ。蹴り上げなんて予想しないじゃないですか。だからわけが分からないと思います。なんで俺、倒れたんだろうみたいな。そういう技ですね」 ――金原選手から鈴木選手の試合前のインタビューを受けて『じゃあ、やりましょう、大晦日』という言葉があった。 「拳が微妙ですけれどなんとか間に合うように頑張ります。ちょっとまだ分からないですね、まだ検査していないので。間に合うかな…ちょっと待っていてください」 ――1Rに5回のチャンスを作ると言っていたが、これは感覚的なもの? 「直感ですよ、当たり前じゃないですか(笑)」 ――リング上で子供たち、または格闘技関係に寄付をと言っていたが、元々日本でそういうことをやっていた? 「日本でハロウィンイベントに一部協賛したり、子供イベントしたりとか、そういう小さな活動をやっているので。一番大事なのって20代の僕らと大人が今の未来を作っているじゃないですか。子供たちはそれを見ているんですよ。だから僕たち20代がいま頑張って素晴らしい未来を作らないといけないんですよね。僕は格闘技を通してそれが出来ると思ったので。だからアゼルバイジャンに何かの形で、寄付でもいいですし、そういう子供イベントみたいなのをやって、子供たちが俺もいつか格闘技をやって未来の子供たちに還元できる大人になりたいって思ってもらいたいですよね。そういうきっかけを作れればいいなって思って僕はやっています」 ――夢をひとつ叶えることが出来た。他の夢は? 「見えてくるのは、それは格闘技の中心に立つことが出来たので、次は格闘技界を変えることですね。いま大きく変わりつつあるんですけれど、これはずっと思い描いている夢なのかもしれないけれど子供たちがああいう選手になりたいと思ってもらえる選手になりたいということなんですよね。格闘技ってただ殴り合っているだけのイメージが、まだ日本には多いんですよね。そうじゃなくて、格闘家はリングの上でも強いし、リングを降りたとしても強くて逞しいカッコいいい選手になり続けることですね。王者になったらなおさら説得力がある」 ――1Rに5回チャンスを作るということだが、そのチャンスは考えていた1回目のチャンスで勝利まで行けたのか? 「今回は5分3Rフルで、15分全ラウンドの中のどこかで倒せればいいなと思っていたので、特にそこは決めていなくて。結果的にKOしようと思っていて、そのタイミングが最初のチャンスで、ここ行けるかもしれない、その1回目のチャンスのワンアタックが成功した感じですね」 ――年末でケラモフと再戦とのリクエストがあったら受ける? 「王者なので誰が来ても逃げちゃダメですよね。結果的に王者なので逃げる選択肢ないので、誰が来ても待っています。だから誰が来てもOkです」 ――ケラモフとの再戦があった場合はどういう練習をするつもり? 「今日テイクダウンされちゃったので、もっと切れるようにレスリングかなって。武田選手も試合しましたけど レスリングが強いんですよね。だからもっともっとレスリングを練習しないといけないなって。アゼルバイジャンはレスリングが強いので、そこを見習って練習しようと思います」
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