相手を打ち合いに乗せるには──
一方、魂の師匠・五味隆典からは「風邪引くな。先手必勝で行け。先に手を出せ。前回と一緒で怯むな、下がるな。ずっと前に出続けろ」と、アドバイスを受けた。
鈴木自身も、直感を大事に受けに回らず、自ら仕掛けていくつもりだ。
「僕が良くないときはだいたい後手に回るとき。相手を観察してから試合を作り始めるときは、基本試合の流れが悪い。知識で、頭で戦うファイターじゃないんで。そこでは相手に上回られちゃう。逆に感性は僕がズバ抜けて強いんで、そのときの感性で戦うのが一番なんだなっていう」
テーマは「アタック」すること。
「1Rから速攻で倒す気で行かないと。格闘技は本当に先手が大事。プランを言うなら1R5分で最低5回のアタックチャンスを作る。5分3Rで、それを15回、その中でKOする。それが今回の試合の僕のテーマになる」と、勇気を持ってアタックの場面を多く作るという。
アタックすることは、カウンターのテイクダウンを受けることにも繋がる。そのときこそレスリング特訓、そして鈴木の得意の打ち合いに誘うチャンスにもなるという。鈴木は、相手にテイクダウンに入りにくくさせて、殴り合いを誘うことが可能だと語る。
「相手を打ち合いに乗せる打撃の配分がある。相手の視線を上下させる、プラス左右を入れると(相手は)テイクダウンを狙いたくなくなる。逆に相手の目線が上下しないとポイントが定まってテイクダウンを取りやすい。ライオンに狩られるウサギが前後左右に動いたら、いつ行こうかってタイミングを失う。そういうポイントで打撃をどう使うか」