2023年11月23日(日本時間24日)ブラジル・リオデジャネイロのアッパーアリーナで開催される『Shooto Brasil 120』にて「修斗世界ウェルター級選手権試合」(5分5R)として、王者・エルナニ・ペルペトゥオ(ブラジル)に、現環太平洋ウェルター級王者で世界同級1位の田村ヒビキ(カルペディム福岡)が挑戦することが分かった。
2022年5月の修斗TORAOでのソーキとの再戦で環太平洋のベルトを巻いた田村は、同年10月の「RIZIN.39」で阿部大治に判定負けして以来の試合となる。MMA16勝14敗9分。
今回の修斗世界ウェルター級王座の日本奪還にあたり、セコンドにはパラエストラ大阪のタクミ代表がつくという。
2000年4月に修斗でプロデビューしたタクミは、2004年に修斗環太平洋ウェルター級王座決定トーナメントに出場。準決勝で敗退したが、同年11月に米国でKOTC世界ライト級王者に。海外遠征時には田村を帯同することもあり、田村はセコンドとしてタクミの戦いを見届けてきた。
そして、2010年8月に今度は田村がKOTCでトニー・ハービーと対戦。そのときにはタクミが田村のセコンドについている。今回は、田村のブラジルでの修斗王座奪還の大一番に、再びタクミがセコンドとしてバックアップする。
田村が挑戦する王者ペルペトゥオは、MMA20勝9敗。ノヴァ・ウニオン所属で、ルイス・“ベイサォン”・ハモスが返上した修斗世界ウェルター級王座を、2013年8月にトミー・デプレットと争い、5R判定勝ちで戴冠。その後、UFCに転じ2敗でリリースも、リリース後は3勝4敗。黒星はONE Championship、PFC等のアウェイで喫し、3勝はいずれも修斗ブラジルでの試合。ホームで負けない強さを見せている。
2023年2月の前戦では、同門のジョゼ・アルドとともに「修斗ブラジル・ボクシング」に出場。イルデマール・アルカンタラを2R KOに下している。38歳。
身長179cm、リーチ183cmの田村に比べ、ペルペトゥオは身長183cm、リーチ188cmとそれぞれ5cmほど長く、その長いリーチを活かした左ジャブ&ローで圧力をかけ、相手が下がると危険な左右のハイキックも手塚裕之戦で見せている。
さらに右のオーバーハンドと真っすぐを巧みに使い分けており、サウスポー構えの田村にとってはいかにその前進をさばいて得意の右前手と左の攻撃を当てられるか。
(C)Daiki Watanabe
田村は5月には、九州プロキックボクシングミドル級初代王者でK-1やKrushにも参戦している藤岡裕平とキックルールで対戦し、判定まで持ち込んでおり、長身のペルペトゥオと立ち会うためにも、立ち技の進化を磨いてきたといえる。
寝技ではペルペトゥオはラバーガードを多用し、ゴゴプラッタでの極め、キムラ、アナコンダチョークなど5つの一本勝ちも記録するが、9つのKO・TKO勝ちが際立つブラジリアンストライカーだ。柔術黒帯の田村だが、ケージレスリングでも組み勝ち、トップから攻められるか。
修斗ブラジルのホームであるリオのアッパーアリーナは、観客との距離も非常に近く、42歳になった田村にとっては、完全アウェイの地で、自身のMMAの集大成をぶつける5Rの王座戦となる。
かつて桜井マッハ速人やアンデウソン・シウバ、ジェイク・シールズ、青木真也らの腰に巻かれた修斗世界ウェルター級のベルトを、田村は日本に戻すことが出来るか。