2023年10月14日・15日(日)東京体育館で全世界空手道連盟 新極真会『第13回全世界空手道選手権大会』が2日間にわたって開催された。
組手部門・型部門の男女ともに日本が完全制覇を成し遂げ、空手母国の威信を保つ結果となった。
女子組手の部では、初出場の鈴木未紘(日本)が網川来夢(日本)を延長戦の末に判定5-0で破り、初優勝を飾った。
鈴木は2003年第8回全世界選手権で優勝した鈴木国博(新極真会厚木・赤羽支部長)の娘で、今回の優勝で親子での世界制覇となった。また、全世界選手権史上最年少での優勝。2005年8月9日、東京都出身、18歳の高校3年生。
新極真会のジュニアの最高峰大会であるドリームフェスティバルで9回優勝を果たし、高校進学後は初出場となった2021年『第53回全日本空手道選手権大会』でいきなり準優勝、翌2022年『第54回全日本空手道選手権大会』で初優勝を飾ると、2023年『第8回全日本フルコンタクト空手道選手権大会』では軽重量級優勝。今回の全世界選手権の日本代表として最年少で女子選手団の主将も務めた。
鈴木は勝利者インタビューで「必ず自分が王座を死守して初優勝、そして支えてくださる人たちに恩返しをすると決め、全てを懸けてやってきたので嬉しく思います。1日1日、世界チャンピオンになるんだという想いで、いろいろなことを犠牲にして本当に多くの人に支えられて優勝することが出来ました。ありがとうございました」と、涙を流しながら答える。
トーナメントの山場となったのは「初日(3回戦)の加藤小也香先輩との戦いが一番苦しい試合になりました」とベテランである加藤との試合を挙げた。
「たくさんの応援ありがとうございました。もっともっと強くなるのでこれらも応援よろしくお願いします」と話した鈴木は、続けて「今、世界ではまだ戦争をしているところがあります。私はこの新極真空手を見て、勇気や感動をもらい元気になりました。今度は私が勇気や感動、そして何がを与えられる、そんなような選手になっていきたいと思います。一刻も早い世界中の平和を心から祈っています」と世界へ向けてメッセージ。英語でもスピーチし、多くの外国人選手とその応援団も含めた観客席からは大きな拍手が沸き起こった。
大会終了後の記者会見では「王座死守とたくさんの人に言ってもらえたので良かったと思います。『重圧を全て力に変える』と島本(雄二=第11回・第12回全世界選手権優勝者)師範に言われていたので(プレッシャーは)大丈夫でした」と振り返り、今後については「第14回でも優勝して連覇を目指し、最強を目指したいです。もっともっと上に行けるかなと思います」と全世界選手権連覇を目標に掲げる。
メッセージに関しては「歴代の世界大会を見て、こういう質問が来ると思っていて。今の世界情勢があるので、何百回も練習していました」と、優勝したら絶対に言おうと決めて練習していたと照れ笑いを浮かべて明かした。