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インタビュー

【ONE】フェザー級暫定世界王座戦を秒殺一本勝利のタン・リー「足関節に鉄槌をもらわない練習もしてきた」

2023/10/11 19:10
【ONE】フェザー級暫定世界王座戦を秒殺一本勝利のタン・リー「足関節に鉄槌をもらわない練習もしてきた」

(C)ONE Championship

 2023年10月7日、タイ・バンコクのルンピニースタジアムで開催された『ONE Fight Night 15』の「フェザー級MMA世界暫定王座決定戦」で勝利したタン・リーが、試合後の会見で心境を語った。

 リーは1R、イリヤ・フレイマノフにテイクダウンを奪われるも、下から足にからみ、内ヒールフックを極めて一本勝ち。正規王者のタン・カイとの「統一王座決定戦」を決めた。タン・カイとは2022年8月以来の再戦。前回はリーが判定0-3で敗れており、リベンジで王座奪取なるか。(C)ONE Championship

あの技はマグレでも、飛び道具でもない。ライアン・ホールが得意とするポジションだ

──一本勝ちの後、気持ちを爆発させていました。どんな心境だったのですか。

「正直、たくさんの感情がこみ上げていた。個人的な気持ちとしては、試合は少しナーバスな状態でリングに上がったんだ。短い準備期間、対戦相手の変更があり、その変わった相手もイリヤという危険な選手。しかし、その状況にチャレンジし、あんなパフォーマンスができて最高の気分だった。あと、ビジネス的な話しで言うと、暫定王者のベルトを巻けたから。でも、それも一歩だ。タン・カイから“私のベルト”を奪い返さないと。それで今回は最初の難関をクリアしたわけだ。今回の戦いのパフォーマンスは非常に満足している。それもこれまでのトレーニング、チームメイトのおかげだ」

──ルンピニースタジアムで戦うことは、どんな特別な意味がありましたか。

「まさに死ぬまでにやっておきたい事の一つだった。私はやりたいリストの数はそれほど多くない方だけど、その中で今回の事は最高の出来事だ。多分、KO勝利だったらもっと最高だったんだろうけど、それでも満足だ。あのスタジアムでサブミッションで勝つなんてそれ程ない事だろうから。もしルンピニーの観客に柔術に興味を持ってもらえたら、嬉しいね」

──フィニッシュについては?

「まず、たくさんの素晴らしいコーチたちが私の周りにいる。その中でもライアン・ホールが一番だ。セコンドについてくれた友人関係でもあるコーチもそうだし、あのポジションは彼が得意とするものだ。練習の中であのポジションでの動きが上達し、自分でも自信を持っていた。彼にはファイトマネーの一部を渡さないとね。

 とにかく、自分が格闘家として成長していることを証明できた内容だと思う。自分の得意の分野でなくても、すぐに学び吸収し実践できる。ハードワークのおかげだ。あの技はマグレでも、飛び道具的なものでもない。幸運なことに、私には正しい柔術や戦いの技術を教えてくれる人たちが周りにたくさんいたんだ。あと、仲の良い自分の兄弟のおかげで、テイクダウンに対しての対応ができるようになった。レスリングもグランドワークもできるんだ」

──2014年のRMMA以来、約9年ぶりのサブミッションでの一本勝ちはどのような特別な意味を持ちますか。

「基本、私は打撃が大好きだ。私のルーツだからね。テコンドーが私のバックグラウンドだし自分のルーツだ。しかし、サブミションで極めて、瞬殺したのも最高だった。ただ、相手のイリヤがすぐに怪我から回復するもの願っている。KOするのが最高なんだけど、これはワガママな感情なのかもしれないが、サブミッションを極めるのも気持ちいいよ」

──タン・カイとの統一戦はいつ行いたいでしょうか。

「すぐにでもやりたい。もちろん、このあと家族と過ごしたり、自分の時間を作ってリセットはするつもりだ。しかし、気持ちの上ではすぐだ。決まれば、すぐに練習を再開し、“ラウンド6”を戦う。そこに戻ることに興奮しているよ。自分のベルトを奪い返す。前回はフィニッシュのないグズグズの戦いをやってしまったけど、次回の戦いは楽しみだ。相手は素晴らしい選手なので、さらに強くなっているだろう。試合は少し違ったものになるだろうから“その時”を待つだけだ」

──今回の試合で、MMAファイターとして進化した姿を見せられたと思いますか。

「もちろんだ。試合を通さなくても、自分の進化は既に知っている。さっきも話したけど、自分の周りには素晴らしいコーチがたくさんいて、彼らが私を鍛えてくれる。私は MId City MMAなどレベルの高い場所でキャンプを行った。ライアンやその仲間たちとも良い練習を行ったし、(UFCファイター)のコリー・サンドヘイゲンもそこで知り合った。今回のファイトキャンプを通して、柔術黒帯連中を相手にハイレベルのスパーリングを何ラウンドもこなし、随分と鍛えられた。これ以上にないトレーニングだ。だから、今の自分の強さを理解できているのは、周りのチームのおかげであり、私はそれだけ彼らを信用している、ということだ。

 今回はあのフレイマノフという怪物的なストライカーを相手に戦うとした場合の選択肢の一つだった。彼自身も同じ動きができる選手だ。それを知った上で、危険な部分に注意をはらい、やるべき事をやった。柔術に対する私とチームの理解が試される場でもあった。あの状況で、鉄槌の返しの打撃をもらわない事も想定していたし、想定通りの展開に持っていけたんだ」

──今、キャリアで最高の状態にあると思いますか。

「間違いなくそうだ。私は38歳で周囲から歳をとっていると言われる年齢だが、自分自身では今が最強だと感じている。今が一番スピードが速いし、心身ともに最高の状態だ。どう説明すれば良いか難しいが、これは真実だ。全局面、全ての部分において私は以前より強くなっている。私の格闘技が成長しているんだ。

 その理由は素晴らしいコーチ達の言葉に耳を傾け、正しいトレーニングを行なっているからだと思う。もちろん、その中ではミスを犯す事もあるが、でもそれを気付いて改善していく。それが格闘技だ。格闘家としての道だ。私は自分を“ファイター”だと呼ばない。もちろん、ファイトはするが、私は格闘家だ。それは常に最善を尽くす人間のことだ。だから私は毎日練習を行い、それを愛しているし、これが私の人生だと思っている」

──最後にファンへメッセージを。

「いつも応援ありがとうございます。感謝しています。住んでいる場所から遠く離れたところで、戦えるのは最高です。こうして戦うのは、ファンのためだと思っています。帰国したら家族とハグしたいです」

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