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インタビュー

【ONE】青木真也を“アオキロック”で極めたマイキー・ムスメシ「リング上で僕はシンヤに『プロフェッサーと対戦できて光栄です』と言ったんだ」「MMAで再戦する気はない。彼は絶対に僕を殺すだろう(笑)」

2023/10/09 22:10
【ONE】青木真也を“アオキロック”で極めたマイキー・ムスメシ「リング上で僕はシンヤに『プロフェッサーと対戦できて光栄です』と言ったんだ」「MMAで再戦する気はない。彼は絶対に僕を殺すだろう(笑)」

(C)ONE Championship

 2023年10月7日、タイ・ルンピニースタジアムにて『ONE Fight Night 15: Le vs. Freymanov』が開催され「無差別級サブミッショングラップリング」(10分1R)で、BJJ世界選手権4連覇を誇るマイキー・ムスメシが、青木真也を1R 3分05秒、ストレートフットロックで極めて一本勝ちした。

 バンコクで食べたスイカが原因と思われる食中毒で体調を崩したムスメシが欠場の報告が、青木陣営に入ったが、病院から退院したムスメシは試合の実施を決断。前日計量&ハイドレーションテストに3度目のトライでパスし、青木戦に臨んでいる。

 試合は、ガードから青木の右足を手繰ることに成功したムスメシは、左脇に抱えてヒールフックへ。股間に手を入て防ぐ青木だが、ムスメシはリバ―スデラヒーバでうつ伏せになり、ストレートフットロック=アオキロックに切り替えて、自身の二の腕で両腕を組んで絞ってタップを奪った。

 試合後、ONEで5回目の5万ドルボーナスを受賞し、計25万ドルのボーナス獲得となったムスメシは、リング上でのインタビューで、今回の試合に至るまでの思いを下記のように語っている。

「先週41度の発熱をして、アメリカからきて、ここにたどりつけると思ってなかった。『出来ないです』ってONEにメッセージも送った。死にそうだと思ってたけどここに来れてとても感謝してる。だって、僕たちは、たったひとつの人生しかないから。自分は自分の大好きなことをしている人生を生きたい。自分を追い込んで挑戦すること。

 やっぱり、自分の人生において、快適ではない状態に身を置くこと、居心地の悪さというのは好きだし、障害がある状態も好きだ。自分のことを本当に疑った。この試合に勝てるかどうかっていうのが分からなかったから。この1週間ほとんど練習できなかった。午前中に1時間トレーニングしようとしてみたけど気分が悪くて。でも自分に言い聞かせた、自分がどう感じるかは関係なくて、みんなに言いたいのは、とにかく戦いたかったってこと。

 どう感じるかは関係なくて、そういう感情を無視して、自分を追い込むことで、人は成長できる。だから、ここに自分を試すためにやってきた、というのもあるし、ここに来るって言ったからには来るんだっていうこと。病気だったなんて関係ない。ここに来ると宣言したからには何がなんでも来るんだ。間違いない。戦っている時は自由だ。ただやるだけだ」

 そして、フィニッシュについて、「自分が極めたポジションは“アオキロック”と呼ばれるもので、ヒールフックの改良型。このポジションは青木から教わったものと言える。彼が考案したサブミッションだから。だから何かと言うと、彼は柔術のマスターであり、下の世代の競技者に影響を与えている人だということ。みんな彼の作ったポジションを実践している、シンヤはこの世界でその名を刻まれて然るべき人だ。僕は彼に、彼のムーブをした。それは師匠と弟子のようなもの。僕はシンヤの大ファンだったけれど、今はその彼が作ったポジションを自分が取る。すごいことだ。彼がここで競技をやってること自体が賞賛すべきことで、つまり40代になってもまだ競技を続けて、自分自身に挑戦を続けている、それこそチャンピオンだと思う」と、青木に敬意を示した。

 続けて、今後を問われ、「自分の次の挑戦と言えば、とにかく元気になること。先週医者に言われたとおりに。土曜に『2週間はトレーニングしちゃだめだ』と言われていて、心拍が110以上にならないようにと。それから自分はここで試合をしてしまったのだから、休まないと。1週間かそこらは休まないといけないと思ってる。とにかく本当に気分が悪くて。それから、いまムエタイのトレーニングをしてる、とっても楽しい。だから練習を続けて、もっと上手くなったら、いつかMMAをここルンピニーでやりたい、それが夢。でも、とにかく、いつも、毎月でも、自分はチャレンジし続けている。自分はONEの所属選手のなかでも一番活発な選手の1人だと思う。コンスタントに自分を追い込んでる。だから次の自分のチャレンジを考えてワクワクしてる。

(5万ドルのボーナスを告げられ)自分を信じてくれてありがとう、自分を大事にしてくれて。もう1度言うけど、死にかけてた。だからここに来られたことは本当に光栄で、ここにいたいって思わせてくれる。本当に好きだから。僕の試合を見てくれてたみんなも、ありがとう。僕は柔術でやり遂げたいんだ、みんなを楽しませるような試合を見せることを。つまりみんなのトイレ休憩タイムになんかしたくない。だから、みんなが楽しんでくれているといいな。みんな大好きだ。ありがとう、柔術を楽しんでくれて」と語っている。

 その後、バックステージでの会見でムスメシは、あらためて試合前の食中毒が深刻だったこと、そして青木との試合の意味を語っている。マイキー・ムスメシとの一問一答は以下の通りだ。

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