MMA
インタビュー

【ONE】青木真也を“アオキロック”で極めたマイキー・ムスメシ「リング上で僕はシンヤに『プロフェッサーと対戦できて光栄です』と言ったんだ」「MMAで再戦する気はない。彼は絶対に僕を殺すだろう(笑)」

2023/10/09 22:10

MMAでシンヤと対戦する気はない。彼は絶対に僕を殺すだろう(笑)

──青木真也戦での勝利は、あなたの中でどのような位置づけになりますか?

「現代柔術の中で僕が一番好きなポジションの一つである“アオキロック”を、このポジションの創始者であるシンヤに極められたことは、僕にとって最大の勝利の一つだ。僕が“ギ”で戦っていた時に有名になったポジションで、僕はストレート・フット・ロックで多くの世界タイトルを獲得した。ストレート・フット・ロックのバリエーションが“アオキロック”だから、かつて彼と練習してように、このポジションの創始者にやってもらう以上に、このポジションを極めることはできないと思っている。

 僕にとって、この特別な技を生みの親であるレジェンド、アオキ・シンヤに極めることは特別な勝利であり、彼と対戦できることはとても光栄なことだった。僕は彼にそう言い続けた。試合前、リングに上がったとき、僕は彼に近づき、『プロフェッサーと対戦できて光栄です』と言ったんだ。そして、同じことを試合後にも言った。彼も『ありがとう』と返してきたよ」

──あなたは、青木真也選手のキャリアからどのような影響を受けましたか。

「今、ONE Championshipのトップ選手の一人であり、ONE Championshipを初めて見たのは、シンヤの試合だったから、僕がONE Championshipに興味を持ち、ONE Championshipのファンになったきっかけとなった選手と対戦することが、どれだけ特別なことか分かるだろう? それがシンヤだった。繰り返しになるけど、僕にとってはとても特別な瞬間で、全てはシンヤの試合を見て、彼の試合を見て育ったからなんだ。

 この試合はマーシャルアーツ全般に関係していると思う。師匠が弟子にバトンタッチする。彼の世代が僕の世代にインスピレーションを与え、僕がシンヤに勝つことは、師匠が次の世代にそれを伝え、そして僕の世代では、最終的に次の世代の誰かに負かされる──というような武道を象徴している。それが格闘技の素晴らしさだと思う」

──試合前の食中毒について、教えていただけますか。

「食中毒のことを思い出しただけで、鳥肌が立つよ。まだ体調が悪いんだ。感染症にかかったような、とても無気力な感じなんだ。今はまだその状態が続いていて、あまりエネルギーがないんだ。

 ドクターからは敗血症だとか、虫刺されだとか、熱帯性の感染症だとか言われた。狂気の沙汰だった。グラブ(配送サービス)で注文したスイカの可能性が一番高いようだけど分からない。正直に言うと、僕はスイカが怖くてたまらないんだ。もし大好きなピザが原因だったら、一番悲しかっただろうね(苦笑)。アサイーが見つからなかったからスイカに手を出したんだけど、もうタイでアサイー屋をみつけたから大丈夫(笑)。

(試合に臨んだのは)自分の気持ちなんて関係ないんだ。こんなにストレスやプレッシャーがあるのに、どうやって戦うのかとみんなに聞かれる。僕が彼らに言うのは、精神的に驚く必要はないということだ。心の中で完璧である必要はない。多くの人が、(試合に向かうには)今までで最高の気分でいなければならないと思っている。ただひとつ感じてほしいのは、どんな気持ちであっても、身体は動き続けるということだ。調子が悪くても機能する、そのための能力が必要なんだ。休めと言われ、気分が優れないときに、自分の心をシャットアウトするのには、精神的な強さが必要なんだ」

──試合後は、すでにムエタイを練習していること、将来的にMMA挑戦の可能性も示唆していました。もしMMAも戦うことになったら青木真也選手とも戦いますか。

「朝3時間柔術を行い、夜2時間のムエタイを練習している。病気になる前にグッドシェイプを保っていたから、病気になってもあれだけの試合が出来た。ムエタイでは青か紫帯くらいには成長してきているから、MMAにも興味はある。ただ、MMAでシンヤと対戦する気はない。彼は絶対に僕を殺すだろう(笑)」

MAGAZINE

ゴング格闘技 NO.335
2024年11月22日発売
年末年始の主役たちを特集。UFC世界王座に挑む朝倉海、パントージャ独占インタビュー、大晦日・鈴木千裕vs.クレベル、井上直樹、久保優太。武尊、KANA。「武の世界」でプロハースカ、石井慧も
ブラジリアン柔術&総合格闘技専門店 ブルテリアブラジリアン柔術&総合格闘技専門店 ブルテリア