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【ONE】青木真也、マイキー・ムスメシの「アオキロック」に一本負けで「ONE最後の試合を考えなくちゃいけない」、タン・リーがフェザー級暫定王者に。タワンチャイとディベラが判定勝ち、中国リーポンがナシューヒンをTKOで「青木と戦いたい」、手塚裕之が一本勝ちで秋山成勲を指名

2023/10/07 09:10
 2023年10月7日(土)、タイ・バンコクのルンピニースタジアムにて『ONE Fight Night 15: Le vs. Freymanov』(ABEMA配信)が開催された。 ▼ONE世界フェザー級暫定タイトルマッチ 5分5R〇タン・リー(ベトナム/米国)[1R 1分02秒 ヒールフック]×イリヤ・フレイマノフ(ロシア)  フェザー級暫定王座決定戦。父からテコンドーを、ライアン・ホールから柔術を習ったというベトナム系米国人ファイターのリーは、“ノックアウト・アーティスト”として知られ、2019年5月のONEデビュー以来、ユサップ・サーデュラエフ、朴光哲、高橋遼伍、そしてマーティン・ニューイェンを3R TKOに下し王座戴冠。  2022年3月にはゲイリー・トノンの足関節にも対応し、1R、パウンドによるKO勝ちで防衛。ONE5連勝で、2022年8月に10連勝中のタン・カイと対戦し、判定負けで王座から陥落した。2023年7月にリマッチが組まれたが、王者タン・カイが負傷でキャンセル。今回の暫定王座戦が組まれた。MMA14勝3敗。  対するロシアのフレイマノフは、2022年9月のONEデビュー戦で元王者ニューイェンに1RKO勝ち。さらに2023年6月に、モンゴルのシネチャツガ・ゼルトセトセグも1Rリアネイキドチョークで一本勝ち。ONE3戦目でタン・リーとの暫定王座決定戦を決めた。MMA12勝3敗。  1R、ともにオーソドックス構え。先にタン・リーは左ハイ。ブロックするフレイマノフは、タン・リーの左右の前進にシングルレッグテイクダウン。  しかし、タン・リーは下からヒップアタック、足をからめて50/50からストレートフットロックへ。後ろを向いて足を抜こうとしたフレイマノフにうつ伏せになり、ライアン・ホール仕込みの内ヒールフックを極めた。  リング上で、5万ドルボーナスを告げられたタン・リー。そこにタン・カイがリングイン。フェイスオフ後、「まずはおめでとう。こんな早い時間でサブミッションでのフィニッシュはサプライズだったよ。彼をノックアウトする」とコメント。タン・リーも「少し休んで、彼と戦い、フィニッシュする」と答えた。 [nextpage] ▼ONEキックボクシング 世界ストロー級タイトルマッチ 3分5R〇ジョナサン・ディベラ(イタリア/カナダ/王者)[判定3-0]×ダニエル・ウィリアムス(豪州/タイ/挑戦者)※ディベラが初防衛に成功。  ディベラは格闘家だった父に2歳から教えを受け、極真空手の黒帯を取得。アマチュアキックボクシングで20勝(17KO)無敗、アマチュアボクシング6勝無敗の戦績を収めてキックボクシングのプロに転向。現在まで11勝(4KO)無敗の戦績でISKA北米王座やISKAインターコンチネンタル王座を獲得。GLORYにも出場した。  ONEとは2020年に契約を結んだが、新型コロナウイルスの影響のため試合が出来ず、2022年6月にモントリオールでボクシングの試合に出場して判定勝ち、その1カ月後にはカナダのキックボクシングの試合で2R KO勝ちを収めた。  2022年10月にONE初参戦を果たすと、いきなりONE世界ストロー級キックボクシング王座決定戦に抜擢され、ジャン・ペイメンを判定で破り新王座に就いた“人生無敗の男”。  ウィリアムスこれまで3度の来日経験があり、2013年7月に『RISE』でDyki(宮城大樹)と対戦して判定負け。この試合がDykiにとって最後の試合となった。2度目の来日は2015年4月のK-1で、-55kg初代王座決定トーナメントに出場すると1回戦で瀧谷渉太に判定負け。  3度目の来日は同年9月で、武尊への挑戦権を懸けた試合でチャールズ・ボンジョバーニに初回KO負けを喫している。また、2014年12月には日本でもお馴染みのアンディ・ハウソンに判定2-1で勝利し、Caged Muay Thaiスーパー・バンタム級王座を獲得。左ミドルとヒザ蹴りを得意とするムエタイスタイルのファイターだ。  2021年4月のロッタン・ジットムアンノンとのOFGのムエタイ戦でONEデビュー。判定まで持ち込むもダウンを奪われ敗れた。2018年9月からはMMAにも挑戦し、川原波輝やデェダムロンに勝利し、6勝2敗の戦績。今回は2023年3月にスーパーレックが保持するONEキックボクシング世界フライ級王座に挑戦して以来の立ち技の試合となる。キックボクシング戦績は24勝8敗。  1R、左ミドルを蹴りながら圧力をかけて前へ出るサウスポーのディベラ。左ローからの右フック。ウィリアムスは左ローを蹴っていくが、不意を突かれた左ハイキックで大きくグラつく。さらにコンパクトな左右フックをまとめるディベラ。ウィリアムスをロープまで追い詰めると左右フック。ウィリアムスは右の三日月と左ローで対抗するが、ディベラの圧は弱まらず左ハイを蹴っていく。  2R、ウィリアムスはサウスポーにスイッチして左ローを蹴るが、すぐにオーソドックスに戻す。ウィリアムスがワンツー・ローで攻勢に出るが、そこへディベラが矢のような左ストレート。完全にダウンのタイミングだったが、レフェリーは続行を宣言。  右の三日月を蹴ってディベラを近付けさせんとするウィリアムスだが、ディベラは左ローから右フック、左ストレートと圧倒的な的確さを発揮する。しかし、ウィリアムスの左カーフにディベラの足が流れる場面も。これに焦ったかディベラはパンチで前へ出ていくが、首相撲からヒザを見舞ったところでウィリアムスの右フックをもらってディベラが大きくグラつく。  3R、サウスポーのウィリアムスは左カーフ&左ローをしつこく蹴っていき、ディベラはそこを左ストレートで狙う。ローを蹴られ続けるディベラは圧が弱まったが、左ローを蹴って左ストレート、左ボディ、右フックとヒットを奪う。  ディベラは左ボディに活路を見つけ、左ボディと右フック。ローを蹴られながらもワンツーを返すディベラだが、ローを嫌がって腰を引き気味だ。  4Rはウィリアムスが前へ出ていく。ディベラはジャブを突き、左ストレートにつなぐ。左ローと右三日月のウィリアムスにディベラは左ボディで対抗。バックハンドブローも繰り出すが、すぐにウィリアムスが左ストレートを打ち返す。  下がるディベラだが左ストレートのカウンター、ワンツー、右フックでヒットを奪う。前へ出るウィリアムスは変わらず右の三日月と左ロー。ワンツーで飛び込んだディベラの左インローで、ウィリアムスは大きく崩れる。  5Rも右の三日月と左カーフで前に出るのはウィリアムスだ。ディベラはローをバックステップでかわしつつ、左ボディからの右フックを繰り出す。ディベラの左右ボディにウィリアムスはヒザを返す。打ち合いになるとロングリーチのワンツーを当てるのはディベラ。最後にディベラがバックスピンキックを見せ、左ボディを打って印象付けての試合終了。  危ない場面もあったディベラだが、判定3-0で“人生無敗”とタイトルを守り切った。 [nextpage] ▼ONEキックボクシング フェザー級 3分3R〇タワンチャイ・PK・センチャイ(タイ)[判定3-0]×スモーキン・ジョー・ナタウット(タイ)  タワンチャイは地方で試合経験を積んだ後、14歳でルンピニースタジアムに上がった。2018年にはクラップダムを3度破り、同年のルンピニースタジアム・オブ・ザ・イヤーとタイ国スポーツ局ファイター・オブ・ザ・イヤーなど4つの年間MVPを受賞。  シントンノーイ、ヌンラーンレック、センマニー、モンコンチャイ、フェラーリらにも勝利を収め、2021年5月にONE初参戦。  2022年9月、ONEでの5戦目でペットモラコットを破りONEムエタイ世界フェザー級王座を奪取した。長身を利したフィームー(テクニシャン)で、近代ムエタイでも1、2を争う実力者&人気選手。2023年2月にジャマール・ユスポフを1Rわずか49秒、ローキックでKOして初防衛に成功している。前戦は8月にダビッド・キリアの腕をミドルキックで破壊して勝利。戦績は130勝31敗2分。  当初はスーパーボンの挑戦を受けてムエタイ王座の防衛戦を行うはずだったが、スーパーボンの欠場によってキックボクシングルールでのノンタイトル戦となった。  ナタウットは10歳でムエタイを始め、2013年にはアメリカへ渡って試合を行い、ラスベガスを拠点とする『LION FIGHT』で2階級を制覇。2018年4月にONEに参戦すると、5勝4敗の戦績を残している。  黒星はジョルジオ・ペトロシアン(2敗)、チンギス・アラゾフ、ジャマル・エスポフと強豪に付けられたもの。連敗中ながらスーパーボンの欠場により今回タワンチャイと対戦するチャンスを得た。戦績は71勝10敗2分。  1R、サウスポーのタワンチャイが左ローで先制。右ローも蹴っていく。ナタウットは右ローと右ストレート、ナタウットが左ミドルを蹴るとすかさずタワンチャイが左ミドルを返す。タワンチャイが左ミドルから左テンカオ、ナタウットは左右の連打を繰り出すが、タワンチャイはかわす。タワンチャイが左ローからワンツー、タワンチャイが入り込んでくるとナタウットは右フックを合わせる。  2Rも左ローからのワンツーで入り込むタワンチャイだが、ナタウットがそこへ右ストレート。のけ反ったタワンチャイへナタウットが連打を見舞いながら前へ出る。体勢を立て直したタワンチャイは前蹴り。タワンチャイはまたも左ローからワンツーで入り込むが、やはりナタウットに右を合わせられる。離れるとナタウットが左右ロー。激しい蹴り合い、打ち合いが続く。  3R、タワンチャイは左ミドルからの左ストレート、ナタウットはワンツーから右ミドル。そしてしつこいローキックでタワンチャイを嫌がらせる。ナタウットの右に左ミドルを合わせ、ローにも左ミドルを返すタワンチャイ。ナタウットはそのミドルに右ローを蹴り返し、ワンツーにつないでいく。ナタウットの右ローが何度も決まり、ワンツーを被弾するタワンチャイだが左右ミドルを蹴り返す。  判定は3-0でタワンチャイが勝利。大健闘したナタウットだったが、タワンチャイの試合支配に惜しくも屈した。 [nextpage] ▼ONE無差別級 サブミッション・グラップリング 10分1R〇マイキー・ムスメシ(米国)[1R 3分05秒 ストレートフットロック]×青木真也(日本) 「無差別級サブミッショングラップリング」(10分1R)で、青木真也とマイキー・ムスメシが対戦。  日本での会見があった9月28日に、スイカを食べて食中毒で体調を崩した「ムスメシが欠場」の一報が入り、青木が出国を遅らせたものの、状況は2転3転し、試合は実施へ。しかし、前日計量&ハイドレーションテストでムスメシが3度目にパスするなど体調に不安が残る。  青木のONEでの試合は2022年11月のサイード・イザガクマエフ戦以来、11カ月ぶり。グラップリングルールでは、2022年5月の ケイド・ルオトロ戦以来、1年半ぶりの試合となる。  BJJ世界選手権で4連覇を誇るマイキー・ムスメシは、2022年10月にクレベル・ソウザに判定勝ちでONE世界王座を獲得。2023年1月にガントゥルム・バヤンドゥレンに判定勝ちで王座初防衛。5月にオサマ・マルワーイをリアネイキドチョークで極めて2度目の防衛。8月の前戦でジャレット・ブルックスに腕十字で一本勝ちし、3度目の防衛に成功した。  試合前に青木コーナーに挨拶するムスメシ。表情は崩さない青木。ムスメシはコールに右手を挙げてハートマーク。青木に握手を求め、欠場騒動を謝罪する。  1R、右足を上げて青木に持たせて下になるムスメシ。ヒザをついて座る青木にKガードからニーシールド、足を手繰りに行こうとするムスメシ。  剥がす青木に、右足を手繰ることに成功したムスメシは、左脇に抱えてヒールフックへ。股の間に手を入て防ぐ青木。ムスメシはリバ―スデラヒーバでうつ伏せになり、ストレートフットロック=アオキロックに切り替えて、自身の二の腕で腕を組んで、ヒールフック気味に絞ってタップを奪った。  アナトリー・マリキンと並び5回目の5万ドルボーナスを獲得し、累計25万ドルのボーナスとなったムスメシは、「先週41度の発熱をして、アメリカからきて、ここにたどりつけると思ってなかった。『出来ないです』ってONEにメッセージも送った。死にそうだと思ってたけどここに来れてとても感謝してる。だって、僕たちは、たったひとつの人生しかないから。自分は自分の大好きなことをしている人生を生きたい。自分を追い込んで挑戦すること。  やっぱり、自分の人生において、快適ではない状態に身を置くこと、居心地の悪さというのは好きだし、障害がある状態も好きだ。自分のことを本当に疑った。この試合に勝てるかどうかっていうのが分からなかったから。この1週間ほとんど練習できなかった。午前中に1時間トレーニングしようとしてみたけど気分が悪くて。でも自分に言い聞かせた、自分がどう感じるかは関係なくて、みんなに言いたいのは、とにかく戦いたかったってこと。  どう感じるかは関係なくて、そういう感情を無視して、自分を追い込むことで、人は成長できる。だから、ここに自分を試すためにやってきた、というのもあるし、ここに来るって言ったからには来るんだっていうこと。病気だったなんて関係ない。ここに来ると宣言したからには何がなんでも来るんだ。間違いない。戦っている時は自由だ。ただやるだけだ」と一気に語った。  そして、フィニッシュについて、「自分が極めたポジションはアオキロックと呼ばれるもの。ヒールフックの改良型です。このポジションは青木から教わったものと言える。彼が考案したサブミッションだから。だから何かと言うと、彼は柔術のマスターであり、下の世代の競技者に影響を与えている人だということ。みんな彼の作ったポジションを実践している、シンヤはこの世界でその名を刻まれて然るべき人だ。僕は彼に、彼のムーブをした。それは師匠と弟子のようなもの。僕はシンヤの大ファンだったけれど、今はその彼が作ったポジションを自分が取る。すごいことだ。彼がここで競技をやってること自体が賞賛すべきことで、つまり40代になってもまだ競技を続けて、自分自身に挑戦を続けている、それこそチャンピオンだと思う」と青木に敬意を示した。  続けて、今後を問われ、「自分の次の挑戦と言えば、とにかく元気になること。先週医者に言われたとおりに。土曜に『2週間はトレーニングしちゃだめだ』と言われていて、心拍が110以上にならないようにと。それから自分はここで試合をしてしまったのだから、休まないと。1週間かそこらは休まないといけないと思ってる。とにかく本当に気分が悪くて。それから、いまムエタイのトレーニングをしてる、とっても楽しい。だから練習を続けて、もっと上手くなったら、いつかMMAをここルンピニーでやりたい、それが夢。でも、とにかく、いつも、毎月でも、自分はチャレンジし続けている。自分はONEの所属選手のなかでも一番活発な選手の1人だと思う。コンスタントに自分を追い込んでる。だから次の自分のチャレンジを考えてワクワクしてる。 (5万ドルのボーナスを告げられ)ワオ、ありがとう。自分を信じてくれてありがとう、自分を大事にしてくれて。もう1度言うけど、死にかけてた。だからここに来られたことは本当に光栄で、ここにいたいって思わせてくれる。本当に好きだから。僕の試合を見てくれてたみんなも、ありがとう。僕は柔術でやり遂げたいんだ、みんなを楽しませるような試合を見せることを。つまりみんなのトイレ休憩タイムになんかしたくない。だから、みんなが楽しんでくれているといいな。みんな大好きだ。ありがとう、柔術を楽しんでくれて」と語った。  また、試合後、バックステージでのABEMAの中継でムスメシ戦の感想を問われた青木は、「いや、船木誠勝の方が強かった。今後? 今後? このリングで厳しくなってきていることは分かっていますから、近い将来に、ONEで最後の試合をすることは考えなくちゃいけない。その相手を誰にするかも自分のなかでは決まっている。選手を辞めることはないので。ONEのトップで戦えなくなることはあると思います」と、ONEでのラストマッチが近いことを語っている(→試合後のマイキー・ムスメシ会見はこちら)。 [nextpage] ▼ONEストロー級 5分3R〇ジョシュア・パシオ(フィリピン)[判定3-0]×マンスール・マラチエフ(ロシア)  ストロー級1位のパシオと、5位のマラチエフがルンピニースタジアムのリングMMAで対戦。  1R、ともにオーソドックス構え。先に右オーバーハンドを見せるパシオ。右ミドルハイも。マラチエフはダブルレッグも中央で差し上げるパシオ。マラチエフは右を打ち込む。  左ジャブを入れるマラチエフに右ローはパシオ。マラチエフは左足を痛めたか、体勢を2度崩す。そこに右ローはパシオ。しかしマラチエフはダブルレッグテイクダウン。インサイドガードから脇腹。頭に細かいパウンド。右目尻から出血するパシオは下からギロチンチョークを狙う。  2R、右ローを2度当てるパシオ。左ジャブからシングルレッグに入るマラチエフだが、差し上げるパシオ。ギロチンチョークを極めに行くが、首の対角に回りパスするパシオ。しかし、マラチエフはレッスルアップで足を手繰り上を取り返す。  片腕をオーバーフックするパシオだが、すぐに抜くマラチエフはボディロックからパス狙い。足を戻すパシオだが、マラチエフはトップキープから細かくパウンドで上のままゴング。  3R、マラチエフの左ジャブに右ローを打ち返すパシオ。しかしその蹴り足を掴んでテイクダウンはマラチエフ。そこにクローズドガードからアームインギロチンチョークで絞るパシオ。首を抜くマラチエフが細かいパウンドも、なぜかゴングが打ち鳴らされる。  競技運営のミスと分かり、そのまま続行。マラチエフは細かいパウンドも動きが無いとみなされたか、まさかのブレーク。  後ろ蹴りのパシオ。オリビエ・コストレフェリーから「モアアクション」の声。低いダブルレッグに入るマラチエフにがぶりからヒザを突き、スイッチして上を取り返すマラチエフ。ここもパシオはアームインギロチンチョークで絞めてゴング。  3Rトータルマストの判定は、下になりながらもギロチンチョークをのサブミッションアテンプトが評価されたか、3-0でパシオの手が挙げられた。  リング上でパシオは、「バックフィストを当てて流れが来た。(判定については?)レッグキックのダメージも与えたし、ギロチンチョークで2、3Rもニアフィニッシュだったから勝利したと思っていた」と語り、ジャレッド・ブルックスの名前を挙げた。 [nextpage] ▼ONEライト級 5分3R×ティモフィ・ナシューヒン(ロシア)[1R 3分18秒 TKO] ※右オーバーハンド〇ジャン・リーポン(中国)   元UFCのリーポンはMMA33勝12敗2分。2021年8月にエドゥアルド・フォラヤンに判定勝ち後、2022年1月にルスラン・エミベックにカウンターの左フックで1R KO勝ちで2連勝。2022年9月の前戦ではサイード・イザガクマエフの組みに判定負けしている。  MMA14勝7敗のナシューヒン。2019年3月にエディ・アルバレスにTKO勝ち、2020年11月にピーター・バウシュトにも判定勝ちしたが、以降3連敗。王者クリスチャン・リーに1R KO負け。続けてサイード・アスラナリエフに3R TKO負け。2022年9月の前戦でハリル・アミールにも敗れてランキングから外れた。  リングMMA。1R、ともにオーソドックス構え。左から詰めて入るナシューヒン。リーポンは右ロー。コーナーに詰めたナシューヒンはダブルレッグテイクダウン。リーポンはコーナーを使って立つ。  右ローを打つリーポン。ナシューヒンも右ローを返すと、リーポンのローに左フックを合わせる!  右前蹴りのリーポンに同じ前蹴りを返すナシューヒンだが、リーポンは右オーバーハンド! ダウンしたナシューヒンは後退。同じ右を突くリーポンは、右で2度目のダウンを奪うとパウンド! レフェリーが間に入った。ナシューヒンは4連続KO負け。  5万ドルのファイトボーナスを獲得したリーポンは「青木真也の試合を見て、MMAを始めた。MMAでもグララップリングでもいい。青木と戦いたい」と語った。 [nextpage] ▼ONEフライ級 5分3R×エコ・ロニ・サプトラ(インドネシア)[1R 1分03秒 TKO] 〇フー・ヨン(中国)  MMA7勝2敗、レスリングベースのサプトラはデビュー戦で敗れた後は7連勝。前2023年2月の前戦ではダニー・キンガッドに判定負け。  MMA11勝4敗、中国のフー・ヨンは、ONE Hero Series 4連勝を経て、2021年3月にONE本戦デビュー。3勝1敗で黒星は、若松佑弥に判定負けしたのみ。2022年12月に元王者ジェヘ・ユースタキオに右オーバーハンドで1R KO勝ち。2023年6月にウ・ソンフンにスプリット判定勝ちしている。  1R、ともにオーソドックス構え。いきなり右の跳び蹴りを見せるフー・ヨン。右で差したサプトラを突き放したフー・ヨンに、サプトラも大きな右を振って押し戻す。  圧力をかけるフー・ヨンは、サプトラの左フックにカウンターの右! 後退したサプトラに右フックから左フックをアゴに打ち抜き、粉砕した。フー・ヨンは若松戦の敗戦後、3連勝。 [nextpage] ▼キャッチウェイト (121ポンド) ムエタイ 3分3R〇ペッディージャー・ルクジャオポーロントン(タイ)[3R 1分01秒 TKO] ※ドクターストップ×セレステ・ハンセン(豪州)  1R、ルンピニースタジアムのリング&オープンフィンガーグローブのONEムエタイ。先に圧力をかけるペッディージャーがボディ打ちからヒジ。オープンフィンガーグローブで顔をガードで固めるハンセンは打ち返しを狙う。  2R、詰めるペッディージャーは首相撲からこかし。右の3連打を上下に打ち分けて前に。さらに右ヒジも。ハンセンの首相撲もさばいてこかす。ペッディージャーは左前蹴りも腹に突くと、左右ボディ打ちにハンセンは後退。左をかわしたペッディージャーは左右で前に。左ミドル、右ボディストレートで前に。  3R、右縦ヒジで前に出るペッディージャー。顔をガードするハンセンだが、鼻から出血。ドクターストップとなった。ペッディージャーは4連勝。 [nextpage] ▼ONEウェルター級 5分3R〇手塚裕之(日本)[1R 4分45秒 腕十字]×ジン・テホ(韓国) “野生獣”手塚は、農家と格闘家の二足の草鞋を履く異色のファイター。2018年8月から5連勝を飾るも、2020年11月に当時MMA9戦無敗の強豪ムラド・ラマザノフに判定負け。連勝がストップした。しかし、2021年10月、ウェルター級世界王座挑戦経験を持つアギラン・ターニと86kg契約で戦い、3R 逆転TKO勝ち。さらに、2022年1月28日にゼバスチャン・カデスタムの欠場による代役のエドソン・マルケスに3R KO勝利し、2連勝を飾った。  その後、足の怪我・手術もあり長期欠場。約1年8カ月ぶりの復帰戦で、ジン・テホ(韓国)と対戦する。  ジン・テホは、Double GFCの元ウェルター級王者。元々はライト級で、大原樹理、川名雄生に判定負け。2022年4月にアギラン・ターニに1R キムラロックで一本勝ちも、2022年7月の前戦でヴァミール・ダ・シウバに右カーフを効かされダウン、ニンジャチョークを極められている。桜庭和志の大ファンで、組んで背中を取られてもアームロックで切り返すなど、回転体を得意とする。  日本勢としては、青木真也とともにルンピニースタジアム大会に出場する手塚は、試合前のインタビューで「全ラウンドを通して相手にとって“怖いな”っていう、“何が来るか分かんない”みたいな感じで追い回して、恐怖を与えたいと思います。フィニッシュします」と予告。「もし日本大会があるなら、秋山成勲選手とか日本人とやっても面白い」と語っている。  1R、対峙すると身長差が感じられる手塚と長身のジン・テホ。ともにオーソドックス構えから手塚は右ロー、カーフキックから入る。  さらに右のジャンピングパンチ。ジン・テホも右ローを返すが、圧力をかける手塚が左から入る。ジン・テホの左ミドルを掴んでテイクダウンは手塚。  ハーフガードから手首を掴んでアームロック狙いのジン・テホだが、顔を剥がして寝かせる手塚。「アクション」がかかる。下のジン・テホはキムラ、V1アームロック狙い。かわした手塚は脇差しパスガード。サイドに出た手塚は腕十字! またごうとしたジン・テホにうつ伏せで極めてタップを奪った。  バック宙を2度飛んだ手塚はブレイクダンスで喜びを表した。  リング上でのインタビューでは、すべて英語で「アイ・フィール・ソー・ハッピー! サワディーカップ! この瞬間を長く待っていた。もっと戦いたい。日本で秋山(成勲)を試合をしたい。テホは長いリーチでアームロックを警戒したけど、僕もオールラウンダー。アームバーはイージー。ジン・テホ選手は桜庭選手をリスペクトしている選手で、自分もリスペクトしているけど、今日は僕が強かった」と語った。  バックステージでは、「やっと戻ってこれた。動き自体はいつも通り、落ち着いてできた。セコンドの岡田遼さんに感謝です。相手の力が強かった。でも米食ってるから強いです。日本に戻ったら手塚米を買ってください」とアピールした。 [nextpage] ▼キャッチウェイト (174.5ポンド) ムエタイ 3分3R×バムパラ・クヤテ(フランス)[判定0-3]〇シャーキル・タクレティ(イラク)  1R、ルンピニースタジアムのリング&オープンフィンガーグローブのONEムエタイ。  ともにオーソドックス構え。先に詰めるタクレティはヒジ。首相撲から体を入れ替えるクヤテ。右ミドルから前に出るタクレティ。右の縦ヒジでダウンを奪うと詰めてワンツー。しかしクヤテも右のダブルで押し戻す。  2R、左ジャブ、右ローを当てるクヤテは長い右ストレートで前に。クリンチのタクレティ。左からの飛び込み。クヤテは左ボディから右。タクレティは疲弊か左で飛び込むが軸がブレる。  3R、右ローから入るクヤテ。そこに左ストレートからバックヒジで飛び込むタクレティ。クヤテのワンツーをかわして右を打ち込む。タクレティの左ミドルハイの打ち終わりを掴むクヤテ。組んで右ヒジも首相撲でクリンチのタクレティ。  判定3-0でダウンを奪ったタクレティが勝利した。
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