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【ONE】ダウン喫したスタンプがハム・ソヒをTKO! 引退アンジェラからアトム級ベルト受け取り涙、ムエタイ女子ストロー級はサンデルがTKO勝ちで初防衛、ケリーが女子Gアトム王者に、OFG特別BOXルールでジンナンがワンダーガール下す、リネカーがローマンに判定勝ち、フォラヤンが4年ぶり勝利!

2023/09/30 09:09
 2023年9月30日(土)、シンガポールカランのシンガポール・インドアスタジアムにて『ONE Fight Night 14: Stamp vs. Ham』(ABEMA配信)が開催された。  メインカードでは、アンジェラ・リーの引退発表による「ONE世界女子アトム級王者決定戦」スタンプ・フェアテックス(タイ)vs.ハム・ソヒ(韓国)、「ONEムエタイ女子世界ストロー級王座決定戦」スミラ・サンデル(スウェーデン)vs.アリシア・エレン・ホドリゲス(ブラジル)、「ONEサブミッショングラップリング世界女子アトム級王座決定戦」ダニエル・ケリー(米国)vs.ジェッサ・カーン(米国)が行われた。 『ONE Fight Night 14: Stamp vs. Ham』速報 9月30日(土・日本時間)午前9時00分 ▼ONE世界女子アトム級(※52.2kg)王座決定戦 5分5R〇スタンプ・フェアテックス(タイ)[3R 1分04秒 TKO]×ハム・ソヒ(韓国)※スタンプが新王者に  シンガポールで開催される『ONE Championship『ONE Fight Night 14』のメインイベントにて「ONEアトム級暫定世界王者決定戦」が行われる。アトム級1位のスタンプ・フェアテックス(タイ)と、同級2位のハム・ソヒ(韓国)が暫定王座を争う。  ONE Championshipのチャトリ・シットヨートンCEO兼会長は、現王者のアンジェラ・リー(カナダ/米国)が引退する可能性を示唆しており、2022年10月の『ONE Fight Night 2』でのストロー級王座戦でション・ジンナンに判定負けして以来、試合から8カ月離れているアトム王者について、「アンジェラはまだ完全に決めたわけではないが、復帰の可能性は低い」と語っていた。王者の復帰戦が決まらないなか、「暫定」王座戦が組まれた形だ。  同級1位のスタンプは、現在2連勝中。2022年3月にアンジェラ・リーとのストロー級王座戦で2R リアネイキドチョークで一本負けで戴冠ならずも、その後、2022年9月の再起戦でジヒン・ラズワンに判定勝ち。2023年5月の前戦ではアリス・アンダーソンにレバーへのキックで2R KO勝ちしている。  同級2位のハム・ソヒは、9連勝。RIZINで浜崎朱加にスプリット判定勝ちでスーパアトム級王座につくと、ONEでデニス・ザンボアンガに2連勝。2023年3月の『ONE Fight Night 8』で平田樹に判定勝ちして以来の試合の試合となる。  黒のファイトショートで先に入場したハム・ソヒに対し、ベースボールシャツを羽織り、チョン・ソミの『Fast Forward』のダンスで入場したスタンプ。  試合直前のアンジェラ・リーの引退発表により、「暫定」ではなく「正規」の王座戦に。  1R、先にサウスポー構えで右前手を触角のように出すハム・ソヒ。スタンプは右ロー。右ミドルは遠間から。ハム・ソヒの左の蹴りとスタンプの右の蹴りが交錯。  ハム・ソヒの蹴り終わりにスタンプは右ミドルを当てる。さらにハム・ソヒの左ローに右ミドルを合わせる。  レフェリーは「アクション」をコール。ハム・ソヒは左ストレートをヒット! スタンプは右ミドルを返す。ハム・ソヒは左のダブルで飛び込み。スタンプはその入りに右を狙う。ハム・ソヒの右ジャブをアゴに受けながら、スタンプも右を突く。  2R、右ミドルから入るスタンプ。さらに右ロー。続く右ハイはハム・ソヒがかわす。喧嘩四つの前手を当てる両者。右回りで外を取るハム・ソヒ。  左ミドルを打つ。右ミドルのダブルを打つスタンプに、ワンツーから組むハム・ソヒ。それを剥がしてヒジを狙うスタンプ。  ハム・ソヒの左に右クロスを狙うスタンプ。右ミドルをガードの上に当てて、さらに右ミドルハイで左腕を壊しに行く! しかし、そこに左ストレートを当ててダウンを奪うハム・ソヒ!  クローズドガードを取るスタンプにインサイドガードからパウンド、圧力をかけるハム・ソヒ。下のスタンプはギロチンチョーク狙い、さらに腕十字を狙うが、すぐに察知するハム・ソヒ。終了間際にもう一度、スタンプは素早く腰を切り腕十字を狙う。  3R、距離を詰めるハム・ソヒは右差しで押し込むが、脇を締めたスタンプは離れ際に右ヒジ狙い。ハム・ソヒを剥がすと、右ボディストレート! 効かされたハム・ソヒが顔をしかめて下がると、スタンプは一気に前へ”! ボディアッパー、さらに首相撲からヒザ蹴り、右ボディと畳みかけたスタンプがハム・ソヒをダウンさせてパウンド! レフェリーを呼び込んだ。  アンジェラ・リーから新王者のベルトを受け取ったスタンプはアンジェラとハグをかわし、涙。マイクを向けられ「ファッ〇ン・アメイジング」と発したスタンプは、「私は今日こうして自分のヒストリーを築き上げた……ママありがとう。やったよ」と語った。  続けて「アンジェラが、ONEでこれ以上MMAジャーニーを続けられないということがとても悲しい。彼女に伝えたいのは、MMAを始めた私にとってはずっとアイドルだっていうこと。愛してる、アンジェラ」と、ケージの中で前王者に伝えた。  2Rのダウンは、「とにかくサバイブしなくてはいけない、と。あれはアクシデント的なものだった。とにかく勝ててよかった」と振り返ったスタンプは、5万ドルボーナスの獲得に「チャトリありがとう。私を信じてくれて、私を応援してくれて。自分を信じられなかったけど、今回自分を信じてやり遂げた、チームのみんなありがとう、家族にもありがとう。アンジェラありがと、みんなにありがとう」と、黄金のベルトを肩に涙を流しながら語った。 [nextpage] ▼ONEムエタイ女子世界ストロー級タイトルマッチ 3分5R〇スミラ・サンデル(スウェーデン/王者)[3R 2分58秒 TKO]×アリシア・ヘレン・ロドリゲス(ブラジル/ONEムエタイ女子アトム級世界王者/挑戦者)  サンデルは5歳で空手を始め、12歳からタイでムエタイを学んだ。タイで試合経験を積み、なんと男子選手とも対戦して勝利を収めているという。2021年2月からONEに参戦。豪州のディアンドラ・マーティンを相手に、173cmの長身を活かし、首相撲ヒジ&ヒザを効かせ、最後は鋭い左ボディで3R KO勝ち。2022年4月のONE女子ストロー級ムエタイ世界タイトルマッチで王者ジャッキー・ブンタンを判定3-0で破り、ONE史上最年少の17歳(現在は18歳)で戴冠した。2023年5月の『ONE Friday Fights 18』ではキックボクシングルールに初出場して判定勝ち。  ロドリゲスはブラジルで初期のキャリアを積んだ後、タイへ渡り試合経験を重ねてきた。2019年7月にはプーケットのバングラスタジアムでタイトルを獲得している。オープンフィンガーグローブ着用のムエタイ大会『ムエ・ハードコア』で2試合を行った後、2020年8月からONEに参戦。いきなりスタンプのONEアトム級ムエタイ世界王座に挑戦すると、判定勝ちで王座を奪取した。その後はコロナの影響で試合から離れていたが、2023年3月に暫定王者となっていたジャネット・トッドを判定で破り王座を統一。今回は同時2階級制覇を狙ってサンデルに挑戦する。身長161㎝。  1R、両者かなりの身長差。上背で優るサンデルは首相撲に持ち込み、ヒジとヒザ。ロドリゲスは離れ際に左右フックを打ち込む。ロドリゲスはリーチの長さを活かせない近距離で戦い、ロドリゲスの左ボディを何度ももらう。サンデルが組みに来るところへヒジを見舞い、左右フックを回転させるロドリゲスが攻勢。しかしラウンド終了直前、サンデルの左フックがヒットしてロドリゲスは一瞬棒立ちに。  2R、前に出るサンデルがワンツーの連打と右ミドル、ヒザ。ロドリゲスは前蹴りで距離をとるが、サンデルは1Rと別人のようなワンツーの連打で前へ出ていく。ロドリゲスは左フックで対抗。今度はロドリゲスが首相撲に持ち込んでのヒザ蹴り。サンデルは首を下げさせられるがヒザを返す。至近距離でヒジを打ち合い、サンデルは離れるとワンツーもロドリゲスがヒジを返す。さらに首相撲からのヒザを蹴り合う。止まらない攻撃を繰り出す両者は、離れても接近しても組んでも攻め合う。  3R、組んでくるロドリゲスにサンデルはヒザとヒジ。離れるとすかさずサンデルがワンツーを連打していく。サンデルの左フックがヒット、さらに左ヒジから組んでくるロドリゲスがヒザを見舞う。離れたいサンデルにロドリゲスはひたすら組みに行く。ロドリゲスもヒザを突き上げる。サンデルは攻撃の手が止まらず、離れてワンツー、近付いてヒジ、組んでヒザ蹴り。右の横ヒジ、縦ヒジ、そして首相撲からのヒザを顔面とボディに突き上げる。動きが止まったロドリゲスにサンデルは左フック、右ボディと連打し、ロドリゲスは棒立ちに。ここでレフェリーがストップした。  1Rはロドリゲスのパンチ&ヒジに危ない場面もあったサンデルだが、2Rから本領発揮のノンストップオフェンスで初防衛に成功した。ボーナスも手にしたサンデルは「ボディは効きましたが、KO出来て嬉しい。ボーナスは家族と一緒にホリデーで使いたい」と微笑んだ。 [nextpage] ▼ONEサブミッショングラップリング世界女子アトム級(※52.2kg)王座決定戦 10分1R〇ダニエル・ケリー(米国)[判定3-0]×ジェサ・カーン(米国)  ケリーは、ONEデビュー戦でV.V Mei相手に判定なしのドロー。2戦目はマリア・モルカノヴァにチョークで一本勝ち。2月の前戦は三浦彩佳の得意の首投げ、袈裟固めを仕掛けられるもバックを奪い判定勝ち。  カーンはカンボジア系米国人。19歳で柔術黒帯に。米カリフォルニア州コスタメサの「アート・オブ・柔術アカデミー」所属で、女子黒帯ライトフェザー級でIBJJF世界王座を獲得している。2年前のグラップリングマッチではケリーに判定勝ちしている。  1R、先に詰めるケリーにカーンはジャンピングガード。自陣コーナーまで運んだケリーに引き込もうとするカーン。落としたケリーは上に。カーンは右足をたぐり背中を向かせてバック狙いも、ケリーは回転して正対し上に。下からスイープしたカーンは、すぐにバックを奪い、4の字ロック、フェイスロック狙いも、腰をずらすケリーが正対し、クローズドに入れようとするカーンをリフトし立ち上がり。  デラヒーバ狙いのカーンに潜りアンクルロックのケリー。互いに足関節狙いからトップを奪いに行くカーンにレッスルアップはケリー。そこにジャンピングガードのカーンを金網に押し付け、ブレーク。レフェリーはカーンにホールドで「注意」。  差して押し込み投げを狙うケリーに、カーンは外掛け狙い。外して上を取りにくケリーに左で差してバック狙いのカーンに、ケリーはヒップアタック。ケリーが上を取りに行きゴング。  判定は3-0でトップを取りに行ったケリーが勝利。ONEサブミッショングラップリング世界女子アトム級王者となったケリーは、「アンダードッグなのは知っていた。世界中のファンに継続して努力することを誓います」涙声で語った。 [nextpage] ▼女子ストロー級特別ルール(※OFGのボクシングルール)3分3R〇ション・ジンナン(中国)[3R 2分42秒 TKO]※レフェリーストップ×ワンダーガール・ジャルーンサックムエタイ(タイ)  ジンナンは18歳で山東省女子ボクシングチームのメンバーに選ばれ中国代表選手として活躍。ブラジリアン柔術を学ぶと2004年にMMAデビューを果たし、『クンルンファイト』で10勝1敗の戦績を残してONEと契約。2018年1月に初代ONE女子ストロー級王座に就いた。同王座は三浦彩佳、アンジェラ・リーらを相手に7度の防衛に成功している。  ワンダーガールことナット・ジャルーンサックはONEムエタイで2連勝後、2021年2月にジャッキー・ブンタンに判定負け。2022年5月にMMA転向を果たし、プロ1勝・アマチュア3連勝のゼバ・バーノに腕十字で勝利した。2戦目は6勝1敗(アマチュアで9戦)のキャリアを持つHEXフライ級王者リサ・キリアコウに判定負け。  この試合は4オンスのオープンフィンガーグローブを着用、パンチのみ攻撃が許された特別ルールで行われる。両者ともシューズ着用。前日計量でジンナンはハイドレーションテストをパス出来ず、129ポンドのキャッチウェイト戦となった(ジンナンには罰金もあり)。  1R、両者ステップを踏み、ワンダーガールがステップインしてのジャブ、右フックを繰り出す。それを右オーバーハンドで迎え撃つジンナン。そのパンチがワンダーガールの後頭部に当たり試合は中断。再開後、ワンツーで前に出るワンダーガールを、頭を低く下げながらの左右オーバーハンドを繰り出すジンナン。ワンダーガールは頭を左右に振りながら前進する。今度はワンダーガールのパンチが後頭部に。再開後、両者足を止めての左右フックの打ち合い。ジンナンはかなり低くダッキングしてワンダーガールのパンチをかわす。  2R、前に出るワンダーガールを右オーバーハンドで迎え撃つジンナン。足を止めての打ち合いになると、頭を低く下げて左右フックを繰り出すジンナンの回転力が上回る。頭を低く下げるジンナンにワンダーガールはパンチを当てにくそうだ。再びワンダーガールが後頭部にパンチを浴びて中断。ジンナンが左フック連打、右フックでヒットを奪う。大きなパンチを繰り出すジンナンに対し、ワンダーガールは低い体勢のジンナンにパンチが当てられない。  3R、ジンナンは右オーバーハンドを当てると、打ち返してくるワンダーガールを頭を振ってかわす。ジンナンはジャブからワンツー、ワンダーガールも右を繰り出すが、頭を低く下げるジンナンに右は空振りが続く。ようやく左ボディをヒットさせたワンダーガールだが、ジンナンが左右フックで前へ出ると左フックをもらったワンダーガールが後退。そこに連打で畳みかけるジンナンの左フックをもらったワンダーガール。戦意喪失気味のワンダーガールを見てレフェリーがストップした。 [nextpage] ▼バンタム級(※65.8kg)5分3R〇ジョン・リネカー(ブラジル)[判定3-0]×ステファン・ローマン(フィリピン)  リネカーはUFC12勝3敗で、2019年からONEに参戦すると3連勝で、2022年3月に王者ビビアーノ・フェルナンデスに挑戦し、KO勝ちで王者に。初防衛戦でファブリシオ・アンドラージに攻め込まれるもローブローを受けてノーコンテスト。2023年2月のダイレクトリマッチでは4R TKO負けで王座陥落し、2023年8月に、キム・ジェウォンに3R 残り4秒で逆転のTKO勝ちで再起を遂げた。  対するローマンは元BRAVE王者。MMA11連勝中で、2022年3月に佐藤将光に判定勝ちし、2022年11月の前戦ではビビアーノ・フェルナンデスにも判定勝ちしている。  1R、サウスポー構えのローマンに、オーソから右ローはリネカー。右のダブルで圧力をかける。左回りで左後ろ蹴りを見せるローマンに右のトリプルで上下に打ち分けるリネカー。しかし、ローマンは詰めるリネカーにダブルレッグテイクダウン! ハーフのリネカーは金網まで這うが、ローマンはその立ち際にバック狙い。後方に引き込むが、正対したリネカーが上に。ローマンは金網まで這いすぐに体を入れ替えダブルレッグへ。  両腕を差し上げるリネカーが体を入れ替え崩しから左を抜いてヒジ打ちで離れる。右前足でサイドキック、左ハイを肩口に打つローマン。その蹴り足を掴もうとするリネカーだが、ローマンは足を抜く。リネカーが右から左のオーバーハンドを見せてゴング。  2R、詰めて右ボディを当てるリネカー。遠間から組もうとするローマンを切る。ローマンは左ハイをガード上に当てる。リネカーは右インロー。足を触りに行くローマンだがリネカーは切る。さらにシングルレッグも切るリネカーは右フックを首もとにヒット。  ローマンも右ジャブ。リネカーは右ボディ、左で前進もそこにローマンの右指がアイポークとなり中断。再開。遠間からのシングルレッグはローマンも切るリネカーに。ローマンも右ジャブ、左の蹴り。  ブロックするリネカーは右ボディ、左フックで押し戻す。右から左ボディを当てるリネカー。金網背にサークリングするローマンを追って左ボディはリネカー! ローマンの打ち返しをスウェイでかわして来いと挑発。ローマンの打撃の崩しが無いシングルレッグを切る。  3R、ダブルレッグへで金網まで押し込むも組ませず差し上げて体を入れ替えて離れるリネカー。左から右ボディ。続けて右フックから左ボディ打ちを突く。さらに右ボディ打ちに入るが、ローマンの左蹴りがローブローとなり中断。  再開。左ハイを打つローマン。リネカーはかろうじてブロッキングすると右のダブルを上下に突く。それを切り返してダブルレッグはローマン。しかしがぶりから上になるリネカーは、スクランブルで離れるローマンは残り20秒で打ち合いへ。待っていたリネカーは右から左を打ち込むが、ゴング。  判定は3-0でローマンのテイクダウンを切り、前に出て打撃を当てたリネカーが勝利。再びコンテンダー争いに頭角を現した。 [nextpage] ▼ムエタイ・ライト級 3分3R〇ドミトリー・メンシコフ(ロシア)[1R 2分41秒 KO]×ルンラーウィー・シッソンピーノン(タイ)  ルンラーウィーは早くからフランス、中国など海外で試合を行って来たムエタイでは重量級の選手。タイでは2015年のいすゞカップで優勝し、中国の『EMレジェンド』では2017年に世界75kgトーナメント準優勝、2020年には77kg王者になっている。ONEには2023年2月の『ONE Friday Fights』から参戦して負けなしの3連勝。WBCとWMCの77kg級世界1位。  メンシコフは2018年10月から『GLORY』に参戦して3連勝を収めたが、ロシアのウクライナ侵攻に抗議したGLORYが契約を解除。ロシア国内の大会に戻って4連勝を収めると2023年6月に『ONE Friday Fights』初参戦。いきなりONEライト級ムエタイ世界王座への挑戦が実現したが、王者レギオン・アーセルにKO負けを喫した。  1R、サウスポーのルンラーウィーは左ミドルを蹴っていき、メンシコフは右インローで対抗。左ミドルを警戒するメンシコフだが、飛び込むと右アッパー、右フックをヒットさせる。メンシコフの左右フックにグラつきながらも左ミドルで右腕を強打するルンラーウィー。テンカオも突き刺し、首相撲に持ち込んでヒザを入れる。  右クロスでグラつかせたメンシコフが右フック、右アッパーからの右フックでダウンを奪い、右フックでダウンを追加。両腕ブロックしてしまうルンラーウィーに、メンシコフのガードを突き破る右強打とヒジが次々と決まり、ルンラーウィーは左ストレートで逆襲するもメンシコフの右フック連打で崩れ落ちた。 [nextpage] ▼ライト級(※77.1kg)5分3R〇エドゥアルド・フォラヤン(フィリピン)[3R 1分57秒 TKO] ※左フック×アミール・カーン(シンガポール)  元ライト級王者のフォラヤンは、ONE12勝11敗。2022年3月にムエタイルールでウェイン・パーに判定勝利したが、MMAルールでは12月にエドソン・マルケスの右クロスにKO負けで5連敗中。  地元カーンはONE14勝8敗。2022年3月に高橋遼伍にスプリット判定勝ちしたが、8月の前戦はケンヌ・スッバに右オーバーハンドをもらい、1R KO負け。  1R、ともにオーソドックス構え。アミールカーンの左ジャブに後退したフォラヤン。続く長い左に左を合わせ行くと左ストレートも。遠間でかわすカーンに左ロー。  圧力かけるカーンに右ロー、右ストレートで押し戻す。そこに左ジャブを合わせに行くフォラヤン。右バックスピンキックを見せると、カーンの左の蹴りを持ち上げテイクダウン。パウンドを狙うが、カーンはすぐに蹴り上げから立ち上がり。右を突いて右で差して組みへ。離れ際にフォラヤンも右を振る。またもカーンの右の蹴りを掴んで尻もちを着かせ、パウンドで飛び込む。  2Rもカーンの蹴り足を掴んで崩そうとするフォラヤン。左ジャブからシングルレッグもカ-ンは倒れない。逆にカーンがタックルに入るがフォラヤンも切って離れる。前蹴りを顔にヒットさせるカーン。オーバーハンドで飛び込みニータップも狙うが、フォラヤンも倒れず。カーンの左右がヒットしフォラヤンが離れる。  3R、ワンツーから右ボディを突くフォラヤンが勝負をかけて前に。カーンを金網に詰めると、左から右オーバーハンド! さらに左フックでカーンをダウンさせると、パウンド。レフェリーが間に入った。  39歳、フォラヤンの4年ぶりの勝利に、場内は大歓声に包まれた。 [nextpage] ▼ヘビー級(※102.01kg)5分3R〇マウロ・チリリ(イタリア)[1R 5分00秒 TKO]×ポール・エリオット(英国)  ヘビー級戦。イタリアのチリリはブランドン・ヴェラ、アージャン・ブラーに敗れ、ロシアのアブルバシール・バガボフにローキックで勝利。2022年8月の前戦でアミール・アリアックバリに2R TKO負け。  エリオットは2022年3月のONEデビュー戦でカン・ジウォンに1R KO負け。8月の2戦目はマーティン・バトゥールとノーコンテスト。 1R、左右のパンチで前進するチリリ。エリオットのテイクダウン狙いを切ると四つからチリリがダブルレッグでテイクダウン。ハーフからパウンド、ヒジ。カットで出血を奪いゴング。  2R開始前にエリオットの右ヒジが脱臼しておりドクターストップ、チリリがTKO勝ち。 [nextpage] ▼バンタム級 ムエタイ 3分3R〇エイサー・テン・パウ(米国)[3R 0分25秒 KO]※右ハイキック×ランボーレック・チョー・アッジャラブーン(タイ)  ハウは身長173cmの34歳。2022年10月にONE初出場を果たし、初陣はメディ・ザトゥーにTKOで敗れるも2023年4月のハン・ズーハオ戦でTKO勝ち。ランボーレックも公式プロフィールでは身長173cmの20歳。これまで『ONE Friday Fights』で2勝(2KO)1敗。前戦は2023年6月にファリヤ・アミニプールにスプリット判定で敗れている。 1R、両者かなりの体格差でハウはひとまわり大きい印象。ハウはワンツーで前へ出るとケージを背負ったランボーレックへバックスピンエルボーをさく裂させる。ランボーレックがボディストレートで前に出るとハウはヒジで応戦。ランボーレックはヒザも突き刺す。  2Rになると右ローを連発して前へ出ていくランボーレック。さらにボディへのワンツー。ハウは右ローをモロにもらって下がっていくが、左右フックで打ち合いを挑む。ハウのワンツー・右ローに下がるハウ。しかし、前に出たランボーレックの頭がバッティングとなってしまう。再開後、ハウは後ろ廻し蹴り2連発をヒットさせると、アッパーからワンツー。ランボーレックは組むと投げで応戦する。ランボーレックの右ハイ2連打にハウはワンツーから飛びヒザ蹴り。  3Rが始まった直後、前蹴りからワンツーで前に出たハウ。右ストレートが直撃し、ランボーレックが崩れ落ちるところへハウはダメ押しの右ハイキック。ハウが壮絶なKOで激闘を制し、ボーナスを獲得した。  勝者は「タフな相手だとはわかってたんだけど、妻にドッグファイトしてきなさいって言われたんだ」とコメントした。 [nextpage] ▼ライト級(※77.1kg)5分3R〇モーリス・アベビ(スイス)[1R 4分36秒 TKO] ※右テンカオ、右ヒジ×ブレイク・クーパー(米国)  スイスのアベビは、MMA6戦全勝で4月のONEに参戦もハリル・アミールに判定負け。  対するクーパーはONEデビュー戦。レイ・クーパーの息子でPFL優勝のレイ・クーパー3世の弟。MMA2勝0敗。  1R、アベビのミドルに、クーパーはダブルレッグへ。切るアベビは右ハイをヒット。クーパーは右オーバーハンドを返すが、ケージに詰めるアベビが左右のラッシュ。右ストレートを当てて右ヒザ、さらに右ヒジ、パンチ連打でレフェリーが間に入った。
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