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2023年10月1日(日)愛知県ドルフィンズアリーナ(愛知県体育館)で開催される『RIZIN LANDMARK.6』にて、佐藤将光(坂口道場一族/FightBase都立大)がRIZIN初参戦。63.0kg契約(5分3R)で太田忍(パラエストラ柏)と対戦する。
当初、太田と対戦予定だった井上直樹が右顎下腺唾石症を発症し、ドクターストップにより欠場。佐藤は緊急オファーを受けて63.0kg契約で太田と戦う。
佐藤は、修斗では堀口恭司が返上したバンタム級王座を獲得し、ONEでは現王者のファブリシオ・アンドラージとランキング2位のステファン・ローマンに判定負けしたのみで4勝2敗と勝ち越し。さらなる試合機会を求めて、RIZINに参戦する。
これまでRIZINに出場していない日本バンタム級トップのひとり、佐藤将光は、初のケージRIZINでどんな試合を見せるか。FightBase都立大で聞いた。
僕がやろうとしていることと、ONEが求めていることが、ちょっと離れてきていた
――佐藤将光選手には、RIZINから何度か状況の確認があったようですね。参戦が今回のタイミングになったのは?
「一番最初に声をかけてもらったのは、2021年のバンタム級トーナメントをやるときでしたね。でもそのときはONEの契約真っ只中で、自分でどうこうできる問題じゃなかったですし、RIZINもそのことは理解してもらっていて、ありがたいなと思っていました。同時に、16人も集めてグランプリをやるのは羨ましい、面白そうだなと思いながら見てたんですけど、僕は僕でONEでチャンピオンを目指してやっていたので、本気で参戦を考えるようなことはなかったんです。ちょっといいなって浮ついた気持ちが少し出るくらいで(笑)」
――2017年に修斗世界バンタム級王者となり、ONEで4連勝。ONEバンタム級2位につけていました。しかし、ランキング外の選手を当てられ、コロナがあったとしても、VTJを挟んでも1年に1度ほどしか試合が組まれませんでした。
「今年の1月の後も、マネジメントのほうに試合をしたいというのを伝えて、ONE本体のグローバルにも直接連絡して、この間のキム・ジェウォン戦から8カ月、そろそろ試合ないの? というのを、2週間に1回はメールを送ってましたが、試合は決まらずで、返事が来たと思ったら、『しばらく試合はありません』と。それで、そうですかという感じでリリースにさせてもらいました」
――元王者のジョン・リネカーを最後まで苦しめたジェウォンに勝っても、試合が無いんですか。
「ちょっと厳しいなと思って。このままここにいても、自分の思うようなペースで試合できない。競技人生も限られているので、こういう決断に至った部分もあります」
――日本人選手にとってなかなか試合が組まれず、厳しい状況が続いていますね。
「チャンピオンシップまで負けてなければ、さすがに関係なく組まれたとは思うので、そこはちょっと足りない部分はあったのかなとは思うんですけど……でもなかなか“方向が違う”というのは非常に感じましたね。『アクション』のコールがすごく早かったり……たぶん僕がやろうとしていることと、向こう(ONE)が求めていることが、ちょっと離れてきてる。昨年3月のステファン・ローマン戦くらいから、なんか方針がちょっと変わったんじゃないかなと感じていました。ちょっとずつズレを感じ始めていたというのはあります」
――とはいえ、佐藤選手の試合に動きがないかというと、そんなことはなくて、行くときはしっかり行く。多種多様なMMAの動きがありました。
「あそこを評価しないということだと思うんですよね。しっかり明確に、毎回の攻撃を倒しに行く感じを出せということだと思うんですよね」
――でもその動きの積み上げの先にフィニュシュがあるのだと思うのですが……。
「そうですよね。そこに向かっていたのですが。ただ、ジェウォン戦はともかくローマン戦ではテイクダウンを受けてからの動きをもうちょっと作らないといけなかった。結構相手もバテてた感じしたんですが、思ったよりガードから作れず潰しが強かったですね」
――佐藤選手のONEでの黒星は2つのみ。BRAVE王者のローマンは佐藤選手に判定勝ち後にビビアーノ・フェルナンデスも下して11連勝。ユーサップ・サーデュラエフにも勝利していますし、もともと佐藤選手はサーデュラエフとの対戦がローマンに変更された試合でした。その前年のファブリシオ・アンドラージも、佐藤選手との試合後もONE負けなしの8連勝で王者に駆け上がった。ONEで唯一アンドラージがフィニュシュできなかった相手が佐藤選手になります。あのときも2位の佐藤選手がノーランカーの危険な相手を当てられました。
「実際強い選手だったので……アンドラージがジョン・リネカーを倒して、それくらいの力量なんだなと。彼が通じたからといって自分が通じるわけじゃないですが、(王座には)遠からず、遠いところにはいないなという風には感じていました」
――そのリネカーとの試合を支配し、残り1秒で逆転KO負けしたキム・ジェウォンに、佐藤選手は1月の試合で判定3-0で勝っています。試合間隔が空くなか、日本で戦うということに関しては、いくつかの選択肢の一つだったんでしょうか。
「ちょうど1カ月前くらいにリリースがあったので、次どうしようかとちょっと考えていたところで、いろいろなところを当たっていた感じなんです」
――それは海外を含めて?
「そうですね。PFLとかにもコンタクトを取って行こうとか、日本でもRIZIN以外にも、もちろん修斗とか、日本のローカルもいろいろ声かけて、とりあえずまとまった複数試合契約を取る前に、単発で、契約の縛りがない試合をやらせてもらいながら、そういう話をしていけたらいいなと考えていたところで、今回、急にこういう話が来て。RIZINも元々はたぶんもうちょっと先の試合で考えていたと思うんですけど、たとえばアゼルバイジャンとか大晦日あたりで。でも、井上直樹選手の病気(※右顎下腺唾石症)による欠場があって、僕に矢印が向いたというところだと思います」