2023年11月25日(土)東京・後楽園ホール『Krush.155』の対戦カード発表記者会見が、9月26日(火)都内にて行われた。
Krushスーパー・ライト級タイトルマッチ3分3R延長1Rとして、王者・稲垣柊(K-1ジム大宮チームレオン)vs.挑戦者・小嶋瑠久(ARROWS GYM)が決定。
稲垣は極真空手出身で少年時代に数々の大会で優勝・入賞を果たす。中学・高校はバレーボールで全国大会に出場するなど活躍。高校卒業後に格闘技に戻ると「格闘代理戦争」出演を経て2019年9月にプロデビュー。2戦目で瓦田脩二にKO負けを喫したが、その後は9連勝。2023年1月・4月の王座決定トーナメントを制し、第9代王座に就いた。戦績は10勝(6KO)1敗。
小嶋はフルコンタクト空手出身で、K-1甲子園2017 -65kg準優勝を経て2017年5月のKHAOSでプロデビュー。加藤虎於奈、平山迅、堀井翼らに勝利を収めるも、近藤魁成、山崎秀晃、不可思ら上位陣には阻まれている。2021年9月の「第2代K-1ウェルター級王座決定トーナメント」では1回戦で寧仁太・アリに判定負け。2023年1月・4月の「第9代Krushスーパー・ライト級王座決定トーナメント」では決勝進出を果たすも、ドクターストップで決勝には出られなかった。戦績は10勝(4KO)7敗。
本来なら「第9代Krushスーパー・ライト級王座決定トーナメント」の決勝戦で実現するはずだったカードが、稲垣の防衛戦という形で行われることに。
小嶋は「今回稲垣を喰ってやる。そして俺が王者になる。それだけです」、稲垣は「トーナメントで瑠久と出来なかったので、いつかやるだろうと思っていた。あの試合の続きではなく僕が王者として防衛戦として臨みます」とそれぞれの意気込み。
互いの印象を聞かれると、小嶋は「柊はいいヤツ。サウスポーです。警戒することを言ったら相手にバレるので言わないでしょ」、稲垣は「技術はもちろん最後まで諦めないので、ゴングが鳴るまで絶対に隙を見せずに戦い抜きたい」とそれぞれ評した。
決勝戦が出来なかったことを小嶋は「ストップで悔しい思いをした。戦い切りたかったったんですが、いま思うとあの状態でやっても柊には勝てないと思うので、(代わりに決勝を戦った)塚本選手には感謝です。互いにリセットして万全な状態で、ワンマッチで本当の実力を見せられるので楽しみです」と、今では良かったと思えるようになったという。
初防衛戦ということに関して稲垣は「何連勝と言われますが、毎試合その試合のことしか考えていません。その結果が9連勝になっている。今回もその想いは無しにこの試合のことだけを考えてやります。心境的には変わらないですね。僕の実力を示すだけです」と、1試合1試合に集中しているので気にならないとする。
互いに「柊」「瑠久」と名前で呼び合っていることから親交があるのかと聞かれると、稲垣は「瑠久は僕がアマチュアの時からプロで活躍していて。初めて出稽古に行ったのが当時瑠久が所属していたジムでした。その時にスパーリングをして、同い年でこんな強い選手がいるのかと僕は思って。自分もここまで行きたいと思ってプロになりました。練習もしたし、1度ご飯に行ったこともあります。でも何も知らないよりも、お互いを知っていてそのうえで戦う方が気持ちが入ります」と説明。
これに小嶋は「仲がいいって言えば仲いいっていうか。一緒に練習して1回遊んだし。その時は柊がライト級でひとつ下の階級だったので戦うことはないと思っていました。今は同じ土俵に立って、リングの上では俺の敵なので普通に今は大嫌いですね。どんなに仲良かっただろうが、リングの上に立ったらボッコボコにしてやろうと思っている。リングの上は残酷なので残酷な結果で終わらせてやりたいと思っています」と言い放つ。
先を走っていた小嶋が、稲垣が先に王座に就いたことで追い抜かされた形となっている現状については「悔しいですね。だけど、今だけ味わっていろよって思っていたので。トーナメントの時から、1回戦から柊が上がってくるだろうなとずっと思っていたのでずっと考えていたし、今はとにかく稲垣柊をぶっ潰すことだけを考えています」と、稲垣を王座から引きずり下ろす気満々だ。
【写真】小嶋の方から「フェイスオフしようぜ」と呼びかけ、向かい合った両者 それを聞いた稲垣は「知っている人を殴る蹴るするのは誰しもが嫌だと思いますし、戦いたくはないですが、それ以上に負けるのが嫌。ベルトを奪われるのは嫌。残酷な結果で終わらせると言われましたが、その言葉はそっくりそのまま返して残酷な結果で終わらせたいと思います。僕が目指していた選手なので、リングでは叩き潰します」と、こちらも私情を一切捨てて叩き潰すと宣言した。
すると小嶋は「1回、絶交しようか」とこの場で縁を切るとし、稲垣も「トーナメントが決まった時からお互いに目を合わせない、喋らなくなったので、さらに今日から絶交です」と応じた。小嶋は「今日、乱闘ありですか?」とまで言い、両者は完全に戦闘モードに突入していった。
最後に小嶋は「トーナメントの時は諸事情があったけれど今は充実している。王者をぶっ倒すためだけに日々過ごしています。着々と準備は出来ている。過去一番強い自分を見せないといけないし、見せられると思う。だから必ず俺が王者になる。K-1を盛り上げたいと思います」と王座奪取を誓う。稲垣も「王者として防衛戦をクリアして、僕の実力を示したい」と王座は渡さないと話した。 なお、今大会は2008年11月8日に第1回大会が行われたKrushの「15周年記念大会」として行われることも決定した。