横山武司「想像していた中で一番したくない展開になった」
──試合後の率直な感想をお聞かせいただけますか。
「すごく悔しいです」
──「寝技師対決」として注目されていました。寝技の攻防をしてみていかがでしたか。
「想像していた中で一番したくない展開になっちゃって、まあ本当に悔しいです」
──「一番したくなかった展開」とは?
「自分が下になって、技もワンパターンの技しかかけられなくて、他の技に変えたり他の展開に変えたり練習ではできるのですが、試合でいざかからないとそれしか意識できなくなっていくっていう、本当こう“試合あるある”ですけど、一番良くない、ひとつのことしかどんどん考えられなくなるという感じで、素人くさい試合をしてしまったなと反省しています」
──対戦相手の印象は試合前にイメージしていたものと戦った後では違うところはありましたか。
「僕は下から一本取るのが得意なので、誰からでも取れるだろうというか、それが武器だったのですけど、摩嶋選手はそれをしっかり分かっていて警戒していたなかで、取るほどの技術が全然足りなくて、思ったより全然強かったです」
──試合を終えたばかりですが、今後の目標・展望を教えていただけますか。
「全く考えてないです」
──右瞼の上のカットはどの場面で?
「最後の最後にヒジをもらったんですけど。もう、めちゃくちゃつまらない試合して最後“あっ、もう、このまま無傷で終わっても嫌だな”と思って、最後1発もらって終わろうと思ってバーンともらって、10針縫いました。本当にいい傷が残ってよかったです」
──自分からもらいにいったと?
「そうです、最後は1発もらってこう──柔術の試合でもあるのですけど、明らかに負けているけど、そのまま終わるのは良くないと思っていて──ちゃんと負けて終われるように最後1発くらいもらっとこうと思ったら、いいのもらって、案の定10針縫って、“ああ、良かった”と思いました」
──戒めのようなことでしょうか?
「そうですね、戦った証です」
──つまり負けを覚悟していたのだと思いますが、勝てないと思い始めたのはどのあたりからなのでしょうか。
「いやなんか、試合中もどんどん、始まった時から終わる時にかけてどんどん自分の技も思うようにいかなくなっていたし、頭もどんどん真っ白になっていく感じで、ラウンドの間に兄とかに言われたこととかもあまり思い出せないので、ダメージで思い出せないのではないけれど、本当に経験不足がすごい響いて、あんまりちゃんと考えて試合できなかったですね、あまり覚えていないです」
──楽しみにされていた試合かと思いますが、気持ちとしては楽しめたのでしょうか。
「すごい楽しみで入場の時も調子よくてゴング鳴るときも調子良かったのですが、ゴングが鳴って、試合が始まってからめちゃくちゃ右肩下がりで最悪でした」
──MMA初黒星で経験不足ということですが、もっと強くなるためにMMAの経験を積んでいくことが必要だと思いますか。
「今は別にそうは考えていないですけど、本当にMMAのキャリアが長くて良い戦績を収めている摩嶋選手に、若手のキャリアの浅い僕がしっかり洗礼を受ける、っていう試合で終わったなと思っています」
──下からサブミッションを狙ったとして上を取られ続けて負けることは、MMAではあるパターンです。これからそこを改善したいとも思いますか? リバーサルとか。
「そうですね、まだこれから続けるんだったら、今のスタイルではまだ足りないので、もうちょっと自分からタックル入ったり、打撃もそんなに押されているわけではなかったから、反省点で言ったら、もっと打撃と自分からタックルして基本は上を取りに行く、けど下になっちゃうみたいな展開なら良かったのですけれど、下から一本取ることしか頭に考えられなくなっちゃってたので、そこはすごい改善の余地があると思います」