MMA
レポート

【PANCRASE】新居すぐるが“センタク挟み”で新フェザー級王者に、ウェルター級・住村vs.藤田は住村が逆転KO勝ち、押忍マン初回KO勝ち、ストロー級・黒澤が判定勝ち、バンタム級・河村は一本勝ち、サロハイディノフが秋葉に圧勝!

2023/09/24 13:09
 2023年9月24日(日)立川ステージガーデンにて『PANCRASE 337』(30周年記念大会 vol.1)が開催された(U-NEXT配信)text by Jimura Yunta ▼フェザー級 第10代王者決定戦 5分5R×亀井晨佑(パラエストラ八王子)#1位・65.75kg[2R センタク挟み]〇新居すぐる(HI ROLLERS ENTERTAINMENT)#5位・65.65kg※新居が第10代王座に就く。 亀井 「30周年記念大会で“その先”が期待できるような試合をします。応援をよろしくお願いします」 新居「30周年記念で1位の亀井選手と対戦できてほんとうに嬉しいです。明日はメインにふさわしい、必ず完全決着で終わらせるんでよろしくお願いします」 1R、両者オーソドックス。ワンツーを出す亀井。新居は手を出さずに距離を詰めて亀井を下がらせる。亀井が左フックを放つ。新居が右を放ちつつ組みに行くが、亀井はかわして離れる。新居タックルへ。シングルレッグを狙うが、亀井が受け止めると金網際でボディロックの体勢に。新居が払腰でテイクダウン。サイドで押さえ込んだ新居。残り1分半。上四方になるが、下の亀井は両腕クラッチしてアームロックを掴ませないようにディフェンス。  新居はセンタク挟みへ。うつ伏せになり外して立った亀井。立ち際にパンチで出る新居に亀井もパンチを返す。左右のパンチがヒットし動きが止まった新居。亀井のパンチでしゃがみ込むように倒れた新居だが、立ち上がると首投げで投げた。1R終了。ジャッジ三者が10-9で新居を支持。  2R、動きが落ちている新居に亀井がパンチをヒットさせるが、新居も右フック・アッパーをヒットさせて出る。しかしまた動きが止まった新居。  亀井冷静にパンチを入れていくが、新居がシングルレッグへ。スタンドバックに回るといったん持ち上げて投げると得意の腕狙いに。両腕をクラッチして防いでいた亀井だが、新居は同時に両足でセンタク挟み。絞めると亀井が落ちた!  新居が一本勝ちでフェザー級キング・オブ・パンクラシストに。  苦しい時間帯を越えてベルトを巻いた新居は、「第10代K.O.Pの新居すぐるです。いろんな人に感謝の気持ちがありますが、僕は北海道から出てきて、のびのび育ててもらいました。今日はお父さんとお母さんが出てきていますが、のびのび育ててくれてありがとうございます。RIZINで負けてから、離れた人もいるけど、ついてきてくれた人もいる。何回も心が折れそうになったけど、皆さんのおかげで戦えました、ありがとうございました。勝ってお酒を飲んで遊ぼうと思ってたですけど、こんなに殴られたら一週間くらいは飲めなさそう(苦笑)。PANCRASEは硬派な団体で、その中で、こんなにいいんだと思ってもらいたいので、華のあるチャンピオンになります」と笑顔で語った。 [nextpage] ▼ウェルター級 5分3R×藤田 大(パラエストラ千葉)2位・75.5kg [2R 4分59秒 KO]〇住村竜市朗(TEAM ONE)#5位/元 DEEPウェルター級王者・77.55kg 藤田「コメインとして恥の無い戦いをします」 住村「久々の青コーナーでチャレンジャーのつもりで戦います」  1R、藤田が開始と同時に浴びせ蹴りからタックル。すぐにバックに回りチョーク!足のロックを外して脱出した住村だが、藤田放さずにバックマウントに。バックから腕十字を狙う。鉄槌を入れて外した住村が立ち上がろうとしたところで藤田が足に絡みつく。ストレートフットロックに。住村は上体を固めて押さえ込んだ。サイドで押さえながらパウンドを入れる。  藤田がガードに戻すが、密着したままパウンドを入れる住村。しかしパウンドが後頭部に入ったためタイムストップ。住村にイエローカードが提示され、減点1。残り30秒でスタンドから再開となる。ミドルを入れた住村だが、藤田は組むと首投げで投げた。同時に1R終了のブザー。ジャッジ二者が10-8藤田、一者は9-9のイーブン。  2R、藤田がすぐに組み付いていく。脇を差した住村だが、藤田がまた首投げで投げた。住村の立ち際に首を抱えてギロチンで引き込む。しかし外した住村。藤田のガードに。密着した状態で肘を入れていく住村。藤田フックスイープで返した。すぐに腕十字を狙う。  腕を引き抜いて外した住村。再びハーフで押さえ込んだ。残り30秒で肘を連打する住村。腕で防ぐしかない藤田。住村がパウンドラッシュすると、動けず打たれ続ける藤田を見て、レフェリーが2R終了のブザーの直前にストップ。  2R4分59秒、住村が逆転のKO勝利。  試合後、住村は「まだまだ若い子の踏み台にされたくなくて、一生懸命練習してきました。12月、チャンピオンとやりたいですけど、少し休みたいので考えさせてください」と語った。 [nextpage] ▼ストロー級 5分3R×八田 亮(ストライプル オハナ)#2位/元ZST王者・52.75kg→52.6kg[判定0-3] ※27-30×2、28-29〇黒澤亮平(パラエストラ松戸)#5位/元 修斗王者 52.55kg 八田「すみません。すぐ体重を落としてきます。どっちが勝つにしてもたぶんそんなに長引かない試合になると思います。ものすごい醍醐味のある試合になると思うのでお楽しみにしていてください(※再計量でパス)」 黒澤 「明日はしっかり行くとこ行くんで見ていてください」  1R、オーソドックスの黒澤にサウスポーで構えた八田がシングルレッグを仕掛ける。テイクダウン。距離を作り立ち上がろうとする黒澤を追いかけてバックを狙った八田だが、黒澤が反転して上になる。立ち上がり離れた黒澤。スタンドで打撃の間合いに入ると八田はすぐにタックルに入る。切って足に触らせない黒澤。立ち上がるがすぐにまた八田がタックル。鉄槌を落とす黒澤。ガードに入れようとする八田だが黒澤は立って離れる。  八田のタックルを切ってパンチを入れ離れる黒澤。八田が引き込みガードに入れた。下から三角を狙う八田だが、体を起こして解除する黒澤。パウンドを入れると密着して押さえ込む。1R終了。ジャッジは三者ともに10-9で黒澤。  2R、手を出してこない黒澤に攻めてこいと挑発する八田。八田のミドルをキャッチした黒澤だが、八田は自ら引き込む。ラバーガードを仕掛ける八田。黒澤はラバーと逆の足を超えてハーフになるが、下から両脇を差してホールドした八田が立ち上がるとサバ折りで倒す。金網に上体を預けて寝かされないようにしている黒澤。  八田はボディロックしていたが、ギロチンを取ろうとしてクラッチを放した瞬間に黒澤が立ち上がる。すぐに引き込んだ八田。黒澤は八田の頭を金網に押し付けて固定すると、体を起こさずに脇腹にパウンドを入れていく。2R終了。ジャッジ一者八田、二者黒澤と割れたラウンドに。  3R、ミドルを入れた黒澤。八田のタックルは切ったが、八田再びシングルレッグに入る。片膝をついて耐える黒澤。八田は黒澤の奥足を掴んで寝かせようとする。金網を使って立ち上がった黒澤。八田はテイクダウンを狙ったが、倒せず引き込んだ。ハーフガードに。黒澤は肘で削っていく。  枕を取ってパスした黒澤だが、八田がガードに戻すと立ち上がる。八田はすぐに立ち上がりタックルに入るが、黒澤は足に触れさせずにがぶった。ハーフにしてスイープを狙う八田を上から押さえ込む黒澤。残り時間わずかとなり、黒澤がパウンドを打ち込みタイムアップ。  ジャッジ30-27×2、29-28の3-0で黒澤がランキング2位の八田に勝利。現ONEの山北渓人が返上し、空位となっている王座に近づいた。 [nextpage] ▼ウェルター級 5分3R〇押忍マン洸太(DESTINY JIU-JITSU)#4位・ 77.65kg→77.55kg[1R 2分32秒  KO]×川中孝浩(BRAVE GYM/初参戦)※GRANDウェルター級 前王者・76.95kg 押忍マン「明日は30周年盛り上げたいと思います」 川中 「PANCRASE初戦、インパクトのある試合をします」「パンクラス30周年おめでとうございます。俺も30で、今年ベルトを巻きたかったどすが、まだ諦めてません。30歳のうちに巻きたいのでチャンスをください」  1R、サウスポーの川中にオーソから右を一発入れた押忍マン。右ミドル、右ストレートを狙っていく。川中も左ミドルを返す。押忍マンがパンチで飛び込むタイミングに合わせてダブルレッグに入った川中。テイクダウン。川中がハーフで押さえ込むが、脇を差して立ち上がった押忍マン。  立ち際の川中のヒザがローブローになりタイムストップ。再開。川中の入り際に右ストレートを合わせた押忍マン。また踏み込んだ押忍マンだが、今度は右ストレートではなく右ハイ!顎にヒットし仰向けにダウンした川中。KO。  マイクでタイトルへの挑戦をアピールする押忍マン。「PANCRASE30周年おめでとうございます。俺も30で、今年ベルトを巻きたかったどすが、まだ諦めてません。30歳のうちに巻きたいのでチャンスをください」とアピールした。 [nextpage] ▼バンタム級 5分3R×井村 塁(ALMA FIGHT GYM PUGNUS)1位・※所属変更 61.35kg[1R 0分56秒 ダースチョーク] 〇河村泰博(和術慧舟會AKZA)第2代Fighting Nexusバンタム級王者・61.65kg 井村 「30周年大会に出れらて嬉しいです。河村選手にしっかり勝ってタイトルに繋げたいと思います」 河村 「3年ぶりのPANCRASEで、1位を倒していきなり1位になろうと思います」  1R、両者オーソドックスの構え。井村が距離を詰めてダブルレッグでテイクダウンするが、河村下からダースチョーク。サイドに出た井村だが、河村が絞め続けながらガードに戻す井村タップ!  河村はケージの中で「PANCRASEでデビューさせてもらってランキングにも入れなかったんですけど、NEXUSで王者になりました。来年でいいんですけど、僕を大将にしてNEXUSとPANCRASEで対抗戦やりません? だって、俺1位倒しちゃったし、悔しくないですか、PANCRASEの選手たち。俺らと対抗戦やろうぜ」とマイクで語った。 [nextpage] ▼フェザー級 5分3R〇平田直樹(フリー)8位・66.25kg[判定3-0] ※29-28×3×遠藤来生(Power Of Dream Sapporo)10位・66.0kg 平田「明日もしっかりフィニュシュ狙って勝ちにいきます」 遠藤「30周年記念大会、PANCRASEがなかったら、自分は総合格闘技やっていないです。感謝の気持ちを持って激しい試合をします」  1R、オーソドックスに構える両者。遠藤が先にローや右ハイを出していく。両者の大振りの右フックが空振り。平田がローシングルを狙ったが、足を引いて切った遠藤。ローやジャブで手数を出していく遠藤。遠藤の左の蹴りの打ち終わりにダブルレッグに入る平田。片膝を着いた遠藤。立ったがなおもボディロックを放さない平田が投げる。すぐに立ち上がる遠藤。  平田はスタンドバックから持ち上げて投げたが、押さえ込まれる前に立つ遠藤。残り40秒で平田が投げ、両足をフックしてバックマウント。バックキープのまま1R終了。ジャッジは三者とも10-9で平田。  2R、平田のダブルレッグを切って左右のパンチ連打を入れた遠藤。遠藤がプレッシャーをかけてきた。平田がシングルレッグに。ボディロックに切り替えて金網に押し込んだ。脇をくぐってスタンドバックを取った平田。  クラッチを切ろうとする遠藤だが、平田が投げる。片膝をついた遠藤。上体を金網に預ける遠藤の両足を平田が両足でホールドする。2R終了。このラウンドも三者10-9で平田。  3R、詰めてきた遠藤。平田のダブルレッグを受け止めて切った。平田は今度はシングルレッグに入る。金網でこらえる遠藤がヒジやパンチを入れて抵抗する。シングルからダブルレッグに切り替えた平田。膝を着いた遠藤。立ち上がるが平田がスタンドバックに。金網際で正対した遠藤。外掛けテイクダウンを狙った平田だが遠藤はこらえる。投げをこらえて離れた遠藤。パンチ連打で出ていく。平田は引き込みで自ら下になり逃げ切り体勢に。パウンドを打ちながらハーフにした遠藤だが、平田は下からホールドして凌ぐ。肘を連打する遠藤。タイムアップ。  ジャッジ3者とも29-28で、平田が逃げ切り勝利した。 [nextpage] ▼フライ級 5分3R×秋葉太樹(パンクラス稲垣組)#5位・57.05kg[2R 2分42秒 TKO]レフェリーストップ〇ムハンマド・サロハイディノフ(Katran Gym/タジキスタン)2022 IMMAF World Championshipsフライ級優勝 ※プロデビュー戦:アマチュア戦績16戦:14勝2敗 57.05kg 秋葉「30周年記念大会に出場でめちゃくちゃ嬉しいです。ファイトスタイルを楽しみにしていてください。応援よろしくお願いします」 サロハイディノフ「日本に招待していただきありがとうございます。とてもエキサイトしています。あまり多くは語りたくない。明日試合で見せます」  1R、オーソに構えたサロハイディノフはすぐに詰めるとワンツーを打ち込みタックルへ。ボディロックしてスタンドバックに。投げをこらえた秋葉は自ら前転して足関へ。外ヒールを狙うが、ディフェンスしたサロハイディノフがまたバックを取る。立った秋葉をバックから投げてパウンドを入れる。  金網際で立ち上がる秋葉だが、立った瞬間にボディロックから投げたサロハイディノフ。がぶった体勢から首を狙う。背中を向けて立った秋葉。強引に投げを狙った秋葉だが潰されて下に。首をホールドしてダースチョークを狙ったサロハイディノフ。入らないと見てパウンドに切り替えたところで1R終了のブザー。ジャッジ三者ともにサロハイディノフ10-9。  2R、詰めてきたサロハイディノフ。すぐにタックルに。一度は切った秋葉だが、すぐに二度目のタックルに入りダブルレッグで倒した。背中を向けて立とうとする秋葉だが、上から押さえこまれてマウントに。  パウンドを落とすサロハイディノフ。ヒジ。チョークを狙ったが、外されるとすぐにまたヒジを落としていく。動けないまま打たれ続ける秋葉を見てレフェリーストップ。  サロハイディノフがプロデビュー戦でランキング5位の秋葉からフィニッシュ勝利。「日本のファンの皆さん、パンクラスのみなさん、IMMAFタジキスタンの皆さんありがとうございました。ベルトが欲しいです。ありがとう」とマイクアピールした。 [nextpage] ▼ライト級 5分3R×余 勇利(マッハ道場)9位・70.55kg[判定0-3]※27-30×2、28-29〇神谷大智(BRAVE GYM)10位・70.55kg 余「最近、バックチョークを覚えました。明日よろしくお願いします」 神谷「持ち味を生かして勝ちに行きます」  1R、サウスポー同士から神谷が蹴りを入れる。組んだ神谷だが、両脇を差しているのは余。差し返した神谷が四つから大内刈でテイクダウン。金網際でハーフからパウンドを入れる神谷。バックマウントを狙ったが、余が反転して立ち上がる。放さず金網に押し込む神谷が外掛けで倒して上に。  余は下から両足で距離を作って立つが、神谷は立たれてもクラッチを放さずに投げる。投げられても押さえ込まれる前に立つ余。しかし神谷がまた大内刈でテイクダウンする。ハーフからパウンドを入れていく神谷。余は残り20秒で金網を蹴って立ち上がると、立ち際に左右のパンチを連打して出ていく。ブザー。1Rはジャッジ三者が神谷を支持。  2R、すぐに詰めてパンチを打ち込む余に神谷がカウンターのタックル。ダブルレッグでテイクダウン。余のガードに。パウンドを落とす神谷だが、また足で距離を作って立った余。押し込む神谷の腹にヒザを入れると離れた。パンチを入れる余に神谷がタックル。切った余だが、四つに組んだ神谷が大内刈でテイクダウン。背中を付けて寝かされた余。下から顔を押して距離を作り立ち上がる余だが、神谷がシングルレッグでまた倒した。金網を使って立つ余。  残り1分。金網に押し込んだ余がヒジを入れるが、入れ替えた神谷に膝を連打すると、2発目がローブローになりタイムストップ。神谷の回復待ちでインターバルが取られる。長めのインターバルとなったが再開。余が前蹴りから左をヒットさせたところで2R終了のブザー。2Rもジャッジ三者10-9で神谷。  3R、余が距離を詰めるとワンツーをヒット。さらに神谷のタックルにヒザを合わせる。神谷またタックルへ。切って離れた余。しかし神谷はすぐにまたタックル。シングルレッグで余の左足を両足で挟んでホールドすると、奥足を掴んで倒しバックマウントに。  四の字でクラッチする神谷。向き直った余だが、神谷はハーフで上体を固めて押さえ込む。背中を向けて立とうとする余だが、両足をフックして倒した神谷が再び四の字バックの体勢に。反転しようとする余だが返せないままタイムアップ。  30-27×2、29-28の3-0で神谷が勝利。 [nextpage] ▼バンタム級 5分3R×山口怜臣(TIGER MUAY THAI/ALIVE)※プロデビュー戦 61.6kg[判定1-2] ※28-29×2, 29-28〇安藤武尊(和術慧舟會AKZA) 61.0kg  世界レベルのアマチュアを経験してきた山口怜臣のデビュー戦がPANCRASEに決定した。愛知県春日井市出身で日本ではALIVEで、タイ・プーケットではAKA、TIGER MUAY THAIで練習したきた山口は、IMMAF2018・2019世界Jr.選手権準優勝者。両年とも決勝で現UFCプロスペクトのムハマド・モカエフに敗れている。  2022年12月の『PANCRASE 330』では、アマチュア戦のバンタム級3分3Rで岡田嵐士にフルマークの判定勝ちしている。BRAVE CFやUAE Warriorsでのプロデビューを目指していたが、PANCRASEでいよいよ5分3Rのプロ戦に挑む。23歳。  対する安藤武尊(ほたか)は、16年のレスリングキャリアを持つ25歳。山北渓人と同じ三重の名門いなべクラブ出身。いなべ総合学園高から大東文化大へ。2019年東日本学生選手権の春季・秋季ともにグレコローマンレスリング60kg級で3位となっている。アマチュアPANCRASE東京選手権で優勝し、2021年8月の『EXFIGHT.1』では山口丈に判定勝ちを収めている。こちらもプロデビュー戦となる。 山口「タイガームエタイとALIVEから来ました。今回相手がレスリングが得意ということで、逆に突っ込んでくるだけなら辛い思いをすると思うので、覚悟しておいてください」 安藤「いろいろSNSで言っているらしいですけど、生まれてからここまで培ってきたもので勝ちにいきます」  1R、サウスポーの山口が低く構えて詰めていく。オーソの安藤は距離を取りつつ蹴りで牽制する。インローを入れる安藤。山口は距離を詰めてワンツーをヒット。ケージ際で左右にステップしながら蹴りを出す安藤。山口がジャブで飛び込みヒット。  ジャブから左ストレート。また飛び込むと今度はジャブからボディストレート。安藤も右を一発返した。サークリングする安藤を追っていく山口だが両者ともに間合いに入らず手数が少ない。1R終了。ジャッジは二者10-9安藤、一者10-9で山口と割れた。  2R、さかんに動いてフェイントをかける安藤。右ミドル・ローを単発ながら入れていく。安藤のローにワンツーを返した山口。距離を詰めて左をヒットさせた。山口また飛び込んでワンツーを入れ離れる。左ミドルを入れた山口。安藤の右をかわしてワンツー。またワンツーを入れた山口。2Rはジャッジ三者とも山口に入る。  3R、詰めた山口に初めてタックルに入る安藤。シングルレッグを狙ったが、足を抜いて離れる山口。ジャブから右ストレートを入れた安藤。山口は詰めていくが、パンチを一発入れるとまた距離を取る。安藤が蹴りを出すがバックステップでかわした山口。山口のサイドキックをキャッチした安藤がシングルレッグでテイクダウン。ハーフの安藤に山口は下から外ヒール。足を抜いて立った安藤。 安藤が再びシングルレッグで倒した。山口はまた下から外ヒールを狙ったが、安藤が上からパウンドを落とす。タックルに入り立ち上がる山口。残りわずかでダブルレッグでリフトして倒した山口だがタイムアップ。  判定は29-28山口、29-28安藤、29-28安藤。2-1のスプリットで安藤勝利。IMMAFでキャリアを積んだ山口だが、プロデビュー戦は黒星となった。 [nextpage] ▼ライト級 5分3R×松岡嵩志(パンクラスイズム横浜)#5位・70.15kg【判定0-3】27-30×2、28-29〇葛西和希(マッハ道場)#6位・70.6kg 葛西「30周年でめでたい大会ですが、いつも通り勝ちにいきます」 松岡「明日は全力で戦います」  1R、ライト級戦。両者オーソドックス。葛西のローに松岡がタックルへ。体勢を入れ替えた葛西が金網に押し込む。四つでクラッチすると腹・太ももにヒザを入れる。松岡が押し返すと葛西は離れる。ジャブの刺し合い。ワンツーを放った松岡。 松岡がまたタックルに。金網に押し込む。ヒザの打ち合いから葛西が入れ替える。松岡がさらに入れ替えると払腰を狙ったが、こらえた松岡が押し込みながら肩パンチを入れる。その体勢のまま1R終了。ジャッジ一者が10-9松岡、二者が10-9で葛西を支持。  2R、ジャブを突く葛西に松岡はローを蹴りながら詰めていく。ボディアッパーを入れた松岡。松岡はカーフキック、インローを葛西の左足に入れる。間合いが詰まりパンチがヒットする距離に。松岡はそこからシングルレッグへ。耐える葛西のバックを狙ったが、正対した葛西が大外刈でテイクダウン。松岡はすぐに立ち上がるが、葛西が金網に押し込みながら肩パンチを入れる。離れた葛西。 パンチの手数を増やしてきた松岡。パンチで出るところに葛西の左フックがヒット。一瞬動きが止まった松岡に組み付くと四つから投げてテイクダウン。立ち上がる松岡だが、葛西が外掛けでテイクダウンすると膝を着いた松岡のバックからパウンドを連打する。立ち上がり離れた松岡。2Rは三者葛西。  3R、松岡が左右のパンチで詰めていく。右のダブルを入れたが、組んだ葛西が大外刈でテイクダウン。すぐに立ち上がる松岡だが、葛西は金網に押し込みながら腹にヒザを打ち込んでいく。葛西の外掛けテイクダウンをこらえた松岡。口が開いていて消耗しているが、入れ替えて離れた。葛西のジャブがヒット。松岡はもらいながら出てワンツーを放つ。  松岡がパンチの連打でケージまで追い込むが、組み止めた葛西。引き剥がし離れる松岡。逆転を狙い右ストレートで出る松岡に葛西は四つでクリンチ。すぐに引きはがす松岡だが、再び出てきたところを大外刈で投げた葛西。パウンド連打から松岡の立ち際に膝を入れてタイムアップ。  30-27×2、29-28の3-0で葛西が勝利した。 [nextpage] ▼ストロー級 5分3R〇KAREN(パラエストラ柏)#2位/前 Q.O.P.・51.85kg[判定3-0] ※29-28✖️3×高本千代(高本道場)52.0kg KAREN「30周年大会、自分が必ず一本・KOで勝ちます」 高本「KAREN選手は元チャンピオンですが、私がチャンピオンになるには負けられない相手。全力で勝ちにいきます」  1R、前蹴りで出たKAREN。金網まで下がった高本に組みついて四つでクラッチする。金網に押し付けながらヒザを入れるKAREN。ボディ・顔面にヒザがヒット。しかし動きがなく膠着と見てレフェリーがブレイク。また前蹴りからパンチで出たKARENだが、高本がタックルへ。  シングルレッグを狙うが、KARENは右腕を小手に巻いて防ぐと左のヒジを側頭部に打ち込む。シングルレッグを放して四つで両脇を差した高本。投げを狙ったが耐えたKARENが逆に両脇を差してスタンドバックに。バックから膝を入れたKAREN。投げたKARENだがすぐに立った高本。四つからヒザを打ち込むKAREN。ジャッジは1R三者10-9でKAREN。  2R、パンチ・前蹴りを出しながら出て四つに組んだKARENが金網に押し込む。ヒザ・肩パンチを入れるKAREN。レフェリーブレイク。前蹴りからパンチで出たKARENに高本がダブルレッグへ。テイクダウン成功。両足を束ねて足をまたごうとする。ハーフに。  KAREN金網際で立ち上がろうとするが、高本がハーフバックからチョークを狙う。尻を上げて前に落とそうとするKAREN。高本腕十字に。腕が伸びたKARENだが、足で高本の体をまたいでディフェンスする。ブザー。2Rは三者10-9で高本が取り返しイーブンに。  3R、KARENが前蹴りを入れるとケージまで下がった高本の顔面にまた前蹴り。組んだKARENがヒジの連打を入れる。大内刈でテイクダウンを狙った高本を切り替えして倒したKAREN。ハーフから潜ろうとする高本にヒジを入れたKAREN。ヒジをもらってガードに切り替えた高本だが、KARENがパスを狙うとハーフからヒジを連打。 またディープハーフから返そうとする高本だが、こらえながらパウンドを入れるKAREN。しかし高本反転して上に。残り1分。KARENアームロックに取りつつ背中を向けて立った。スタンドバックからテイクダウンを狙う高本だが、倒されてもすぐに立ち上がる。タイムアップ。  判定29-28×3でKARENが再起戦を勝利した。 [nextpage] ▼バンタム級 5分3R #4位×矢澤 諒(パンクラスイズム横浜)4位・61.8kg→61.65kg[判定0-3] ※9-10×3〇笹 晋久(パラエストラ柏)61.4kg 矢澤「明日はしっかり倒して勝ちます」 笹「明日は頑張ります。応援よろしくお願いします」  1R、バンタム級。オーソの矢澤にサウスポーで構える笹が左ミドルを連続でヒットさせる。一転してシングルレッグに。金網際でこらえる矢澤。笹はシングルレッグを放さずに太ももに膝を打ち込む。ボディロックしてバックに回ろうとする笹。 差されている右腕を小手に巻いて防ぐ矢澤。片膝をついた矢澤の首をギロチンに抱えようとした笹だが、その瞬間に立ち上がる矢澤。しかし笹のヒザがローブローとなりタイムストップ。再開してまたシングルレッグに入る笹。両足を掴んで寝かせようとするが、矢澤は金網際でこらえる。笹が残りわずかで放してパンチを入れようとしたがブザー。ジャッジ三者10-9で笹。  2R、矢澤がスタンドで圧をかけていく。ケージ手前まで下がる笹だが、プレッシャーを受けてスイッチを繰り返す。飛び込んで右を放った笹。矢澤がワンツーを強打。タックルに入る笹だが切られる。またシングルレッグで足首にしがみついた捺さだが足を引き抜いた矢澤。 笹またシングルレッグに。スタンドバックの体勢。矢澤が向き直った瞬間に笹はまたタックルに入る。またシングルレッグ片足を着いて耐える矢澤。矢澤は脇腹に細かいパンチを入れるが、笹が矢澤の右足をクラッチしたままブザー。ジャッジ三者とも10-9で笹を支持。  3R。タックルで飛び込む笹。矢澤が切るがすぐにまたタックル。矢澤はそこにヒザを合わせると切って離れた。またタックルに入る笹。そのまま金網に押し込んだ。片足でこらえたまま、パンチやヒジを入れる矢澤。切って離れた。矢澤がプレッシャーをかけて右を打ち込む。 またシングルレッグに入る笹。クラッチしてテイクダウンを狙う笹に、金網際で耐えて足を抜いた矢澤。笹すぐにシングルレッグ。矢澤は金網でこらえながらパンチやヒジを入れるが、放さない笹。タイムアップ。  ジャッジ30-27×3で笹がランカーの矢澤を下した。 [nextpage] 【プレリミナリーファイト】 ▼フライ級 5分3R×梅原規祥(リバーサルジム武蔵小杉 所プラス)57.05kg[判定0-3] ※27-30×2, 28-29〇饒平名知靖(K太郎道場)※デビュー戦 56.1kg 梅原「明日は僕にしか出来ない、華のある勝ち方をしたいと思います」 米田「明日は何が何でも勝ちます」  1R、フライ級戦。サウスポーの梅原にオーソで構える饒平名。饒平名はパンチを入れるとダブルレッグに。金網まで下がった梅原からテイクダウン。バックを取られるが立ち上がる梅原。スタンドバックに。バックから投げた饒平名だが、すぐに立ち上がる梅原。 バックを取られたままアームロックを狙う梅原。後方に転がして倒した饒平名だがアームロックを離さない梅原は、マウントを取られても極めに行く。サイドに移行した饒平名。腕が背中側まで曲がったがブザーが鳴り1R終了。オープンスコアは2者饒平名、1者梅原で割れた。  2R。遠い間合いでお互い牽制の蹴りを入れ合う。両者ともにパンチの間合いに入らない。右ハイを見せた饒平名だが、腕でブロックした梅原。飛び膝を見せる梅原だがヒットせず。饒平名がじわじわと圧をかけ、金網を背負わせる。右で飛び込んだ饒平名に梅原のジャブがヒットするが、もらいながらシングルレッグに。 梅原はシングルレッグのカウンターでアームロック。そのまま後方に倒れ込みながら極めに行く。外れたが足関を狙う梅原。右足を取られた体勢でパウンドを落とす饒平名。顔面にヒット。梅原下からヒールを狙うが浅い。足を引き抜いたところでブザーが鳴る。2Rは三者饒平名。梅原はフィニッシュが必要に。  3R、梅原からタックルに。ダブルレッグへ。しかし脇を差して受け止めた饒平名がそのまま脇をくぐりバックに回る。スタンドバックを取られた体勢でまたアームロックを狙う梅原。梅原は倒れ込みながら極めに行くが、外れてマウントを取られる。 背中を向けて立とうとする梅原から四の字バックを取った饒平名。正対した梅原からマウントを狙う饒平名だが、その体勢でまた饒平名の右腕を取りアームロックを狙う梅原。梅原の足を掴んで防いでいる饒平名に残り10秒で極めに行くが、クラッチしてディフェンスする饒平名。タイムアップ。  30-27×2、29-27の3-0で饒平名勝利。 [nextpage] ▼ウェルター級 5分3R〇佐藤生虎(UNITED GYM TOKYO)77.5kg[1R 0分35秒 TKO]×渡邉ショーン(暁道場)※デビュー戦 77.0kg 佐藤「明日は頑張って勝って30周年を盛り上げたい」 渡邉「大事な初戦、しっかり勝っていいスタートを切りたい」  ウェルター級戦。互いにサウスポーに構えから。パンチで飛び込んだ渡邉。さらに出た渡邉だが、佐藤の下がりながらの左フックがヒットし腰が落ちる。佐藤がそのままパンチを打ち込み渡邉ダウン!パウンドを打ち続けてレフェリーが止めた。佐藤デビューから2試合続けての秒殺KO勝ち。
全文を読む

MAGAZINE

ゴング格闘技 NO.335
2024年11月22日発売
年末年始の主役たちを特集。UFC世界王座に挑む朝倉海、パントージャ独占インタビュー、大晦日・鈴木千裕vs.クレベル、井上直樹、久保優太。武尊、KANA。「武の世界」でプロハースカ、石井慧も
ブラジリアン柔術&総合格闘技専門店 ブルテリアブラジリアン柔術&総合格闘技専門店 ブルテリア

関連するイベント