ReBOOT~K-1 ReBIRTH~2023年9月10日(日)神奈川・横浜アリーナABEMA/U-NEXTでLIVE配信
▼第15試合 K-1 30周年記念無差別級トーナメント決勝戦 3分3R延長1R×クラウディオ・イストラテ(イタリア/Kombat Gym/ISKAヨーロッパ ヘビー級王者)KO 1R 0分42秒 ※右カーフキック〇リュウ・ツァー(中国/唐山文旅驍騎ファイトクラブ/CFP/2023年中国キックボクシング選手権90kg級優勝)※リュウ・ツァーが優勝。
「K-1 30周年記念無差別級トーナメント決勝戦」は、中国のリュウ・ツァーとルーマニア出身でイタリア国籍の“イタリアのビースト”クラウディオ・イストラテで争われることになった。
1R、前に出て左右フックを打って来るイストラテにツァーはヒザを突き上げる。さらに右カーフを2発蹴るとイストラテは後ろを向いてしまい、そこへツァーが左右フック、右ミドル、そして再び右カーフを蹴るとイストラテは座り込んでダウン。
そのまま立つことが出来ず、優勝はリュウ・ツァーとなった。ツァーは1996年9月生まれの27歳。身長195㎝。
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▼第14試合 K-1スーパー・バンタム級タイトルマッチ 3分3R延長1R〇金子晃大(K-1ジム三軒茶屋シルバーウルフ/王者)延長R 判定3-0 ※10-9×3×玖村将史(K-1ジム五反田チームキングス/挑戦者)※金子が2度目の防衛に成功。本戦の判定は30-30×2、30-29。
1R、玖村は右カーフから左ミドル、金子は右カーフと前蹴り。カーフを蹴り合う中、ジャブ、左フックも交錯させる。金子は玖村のローに右を合わせる。玖村のジャブには左ボディを合わせる金子。さらに右が玖村の顔面をかすめる。前に出る金子に玖村はロープを背負い、ここで打ち合いとなるが玖村が右フックでヒットを奪う。
2Rもカーフと左ミドルの応酬、ジャブも打ち合う。金子がワンツーから左ボディを打つと玖村は右ストレートをリターン。金子の攻めに得意の左フックを合わせようとする玖村。ジャブの相打ち、左フックの相打ち。玖村の右カーフで金子の足が流れ始めるが、金子の左ボディも強く決まる。
3Rも右カーフの蹴り合いから始まり、金子は左インローも蹴る。玖村のジャブに必ず攻撃を返す金子。金子の右が玖村の顔面を捉えるが、すぐに玖村が左ミドルを当てる。ジャブの突き合い、左ミドルの蹴り合い、金子が打ちに行くと玖村もすぐに左フックからの右フックを返す。そして最後は金子が打ち合いに行き、玖村も左フックでこれに応じた。
本戦の判定はドロー、延長戦へ。金子がジャブを突き右ボディストレートにつなぐ。玖村は左フックを狙い、金子が左ボディを叩くとすぐに玖村も返す。延長戦になってから金子の手数が増え、金子の左フックで玖村が大きくバランスを崩す。右ストレート、左フックをヒットさせる玖村だが、金子と比べると手数が少ない。前足と前足が触れそうなほど接近した距離で打ち合った。
判定は3-0で金子が勝利。最終決着戦を制した。
金子はマイクを持つと「僕がTHE MATCHでも負けて、1回目の玖村くんにも負けて、2回目もダウン取った以外は負けていて、それでも僕を信じてくれる人たちのために頑張りました。僕が見せたかった志、生き様は、負けても自分自身の中で1年間必死に努力して努力は報われることを見せたかった。ちょっとでも僕を見てやる気になってくれればいいかなと思って頑張りました。ただまだK-1代表として言えなくて。鈴木(真彦)選手ともう1回やらせてください。玖村くんに勝って挑戦権もあると思うので、やらせてください」と、『THE MATCH 2022』で敗れたRISEバンタム級王者・鈴木真彦との再戦をアピールした。
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▼第13試合 スーパーファイト K-1スーパー・ヘビー級 3分3R延長1R×K-Jee(K-1ジム福岡チームbeginning/K-1 WORLD GPクルーザー級王者)KO 2R 1分39秒〇上田幹雄(BRAVE/極真会館2019年第12回オープントーナメント全世界空手道選手権大会優勝) 上田は極真会館で高校時代から頭角を表し、2013年第30回全日本ウェイト制空手道選手権大会軽重量級優勝、2015年第11回全世界空手道選手権大会第6位、2018年第50回全日本空手道選手権大会優勝などの実績を収め、2019年11月に開催された「第12回全世界空手道選手権大会」で24歳にして優勝。2003年に開催された第8回大会以来、実に16年ぶりに空手母国である日本に世界王座を奪還。2021年4月には極真最大の荒行・百人組手にも挑戦した(60人でドクターストップ)。 その後、2021年8月31日をもって退会したことを極真会館が発表。9月5日には幕張ベイパークアリーナにて開催された『GRACHAN 50』でMMA転向を正式表明し、2022年4月のRIZINでデビュー戦を迎えたが、引退試合の高阪剛にTKO負け。2戦目はGRACHANで行い、12秒でKO勝ちを収めた。2023年6月にはRIZINで関根“シュレック”秀樹に1R22秒でTKO勝ちしている。 K-Jeeは福岡を拠点として2019年には初代Krushクルーザー級王座決定トーナメントで3試合ともKOして初代王座に就いた(同王座は返上)。2020年12月の福岡大会でK-1同級王者シナ・カリミアンに挑戦し、1R1分54秒の速攻勝負でTKO勝ち。第2代王座に就いたが、2021年3月の再戦でカリミアンに王座奪還を許した。2022年4月のK-1無差別級トーナメントでは1回戦でムハマード・サッタリにKO負けを喫し、8月大会では谷川聖哉に判定負け。11カ月ぶりの復帰戦となった7月大会ではステファン・ラテスクにKO負けと3連敗中。戦績は21勝(18KO)14敗。
1R、上田は右ロー、前蹴りでK-Jeeのバランスを崩して一気に前へ出ると左フックでK-Jeeをグラつかせる。しかし、続く前蹴りがローブローとなってしまい一時中断。再開後、上田は前蹴りでK-Jeeを転倒させ、接近戦になるとヒザを突き上げる。K-Jeeは左右フックを叩きつけるが、そこへ上田はヒザと前蹴り。上田のパワーが目立ったラウンドに。
2R、上田が右カーフで崩してからの左ハイでダウンを奪う。さらに上田は左フックから左ハイ、そして右ストレートでダウンを奪う。前蹴りとヒザ、パンチとボディへラッシュをかける上田。K-Jeeも右フックを打つが、上田の右ボディ、左ヒザを浴びる。最後は上田の左フックから後頭部付近に当たった右フックで倒れたK-Jeeを見てレフェリーがストップ。
K-1デビュー戦にして元K-1王者をKOした上田は「僕は初戦が本当にダメでまだ強さを見せていないので、これからもK-1で勝負していきたいです。MMAファイターに転向したのでまだまだダメだと思いますが、二刀流を目指したからには、口に出したからには男は出来なければいけないので出来るよう頑張ります。
僕はこのK-1のリングに立たせていただきました1週間前に極真会館にご挨拶させていただいて、そこで温かく受け入れてくださってこの場に立つことが出来ました。ありがとうございます。僕は退会したんですが僕の精神には大山総裁の遺志が宿っていると思うので、これからもそれを信じてやっていきます」とマイクで語った。
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▼第12試合 K-1 30周年記念無差別級トーナメント準決勝第2試合 3分3R延長1R×アリエル・マチャド(ブラジル/Hemmers Gym/Madison Team/WGP Kickboxingライト・ヘビー級王者)KO 1R 1分36秒 ※右カーフキック〇リュウ・ツァー(中国/唐山文旅驍騎ファイトクラブ/CFP/2023年中国キックボクシング選手権90kg級優勝)※ツァーが決勝戦へ進出。
1R、前に出るのはツァーでマチャドは回り込む。ツァーは強い右カーフキックを狙い撃ち。マチャドは左フックを当てに行く。マチャドが圧を強め、左フックをヒットさせた。
2Rもマチャドが前に出る。下がるマチャドだったが、右カーフでマチャドが下がる。それでも左右フックを打つマチャド。カーフとジャブをもらいながらも前へ出て左右フックを当てに行く。しかし、ツァーの右カーフでついにマチャドはダウン。そのまま立ち上がれず、ツァーのKO勝ちとなった。
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▼第11試合 K-1 30周年記念無差別級トーナメント準決勝第2試合 3分3R延長1R〇クラウディオ・イストラテ(ルーマニア/Kombat Gym/ISKAヨーロッパ ヘビー級王者)判定3-0 ※28-27×3×シナ・カリミアン(イラン/SINA ARMY/K-1 WORLD GPクルーザー級王者)※イストラテが決勝へ進出。
1R、イストラテの前足を左右カーフで蹴るカリミアン。イストラテは右フックをヒットさせると左フック、そのまま左右フックでラッシュを仕掛けてカリミアンからスタンディングダウンを奪う。カリミアンは意外とダメージはなく、ジャブとカーフ、前蹴りで前へ出ていった。
2R、クリンチ状態でカリミアンが打った左フックが後頭部に当たり、イストラテは反則をアピール。再開後、今度はカリミアンの左ミドルがローブローとなって長い中断に。再開後、カリミアンはジャブとカーフ。手数を出して前に出るカリミアンだが、またもローブローに。再開後、カリミアンはワンツーの連打で一気に襲い掛かるが、ラウンド終了のゴングが鳴ってレフェリーが両者を分けようとしたところでカリミアンの左フックがレフェリーにヒットしてしまい、レフェリーがダウン。
3Rが始まる前、レフェリーのドクターチェックがあるため長いインターバル。競技の結果、カリミアンは反則が多いため減点1のイエローカード。しかし、再開直後にカリミアンの左ローがローブローとなってしまい中断。再開後、ジャブを打つカリミアンにイストラテはフックを繰り出す。クリンチ状態になるとイストラテはカリミアンにやられた後頭部へのパンチをやり返す。再開後、カリミアンはジャブを出していきイストラテは右の大きなフック。前に出るカリミアンはジャブを打っていく。イストラテは疲労が見えるがクリンチも使って最後まで戦い抜いた。
判定はダウンを奪ったイストラテが3-0で制した。
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▼第10試合 スーパーファイト K-1フェザー級 3分3R延長1R〇軍司泰斗(K-1ジム総本部チームペガサス/K-1 WORLD GPフェザー級王者)判定2-0 ※30-30、30-29×2×アンジェロス・マルティノス(ギリシャ/FFK-POLITIS TEAM)
軍司はK-1アマチュア優勝を経て2015年2月にプロデビュー。2016年にK-1甲子園優勝を果たし、2017年9月にはKrushバンタム級王座を獲得(第2代)。2021年12月に椿原龍矢の持つK-1 WORLD GPフェザー級王座に挑戦し、延長戦の末に判定勝ちで第5代王座に就いた。2022年2月には武尊とエキシビションマッチで拳を交え、8月の「K-1 WORLD GP 2022 K-1フェザー級世界最強決定トーナメント」では優勝。12月にはワン・ジュングァンを判定で破り、2022年を5戦全勝で終えて『K-1 AWARDS 2022』ではMVPを獲得。2023年3月にはムエタイのトップ選手ヴューを判定に破り、初防衛に成功した。7月にはダウサヤームに判定勝ちして11連勝を達成。戦績は23勝(6KO)5敗1分。
今回は初めてヨーロッパの選手、そして1階級上の世界王者を迎え撃つ。その相手マルティノスは21歳にして28勝(8KO)3敗の戦績を誇る。ボディブローを織り交ぜた回転の速いパンチのコンビネーション、鋭いミドルキックやヒザ蹴りを武器とする。身長174cm。
1R、ローの蹴り合いからスタート。マルティノスの左インローがローブローになってしまい一時中断。再開後、再び前に出た軍司だったが、またもローブローをもらって試合は中断に。再開後も距離を詰めていく軍司にマルティノスも至近距離で打ち合う。左右ボディを叩く軍司にマルティノスも左右フックと左ミドルを蹴る。
2R、軍司が放った左ロー、ワンツーを同じように返すマルティノス。軍司はかなり接近した距離でパンチのコンビネーションを回転させ、マルティノスも至近距離での打ち合いに応じる。ラストは軍司が左右ボディの連打で優勢を印象付けた。
3Rがマルティノスが前へ出ていく、軍司は左フックを大きく振って行き、三日月も蹴る。軍司が左ボディからの左ヒザを突き上げたところでマルティノスがローブローをアピールして試合は中断。再開後、左右ストレートで前へ出る軍司はマルティノスをコーナーに詰めての左右ボディの連打。
判定は2-0で軍司の勝利となった。
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▼第9試合 スーパーファイト K-1スーパー・フェザー級 3分3R延長1R×江川優生(POWER OF DREAM/K-1 WORLD GPフェザー級王者)判定0-3 ※29-30×3〇横山朋哉(リーブルロア)
江川は2013年10月に高校生でプロデビュー。高いボクシングスキルを武器に連勝を重ね、2019年1月にKrushフェザー級王座を奪取。6月には初防衛を果たし、11月の第3代K-1フェザー級王座決定トーナメントでは3試合連続初回KOで王座に就いた。「K-1 AWARDS 2019」ではMVPにも輝いている。怪我のため12月の武尊とのエキシビションマッチ以来試合から遠ざかり、2020年9月のK-1で椿原龍矢との復帰戦で判定負け。2021年3月、王座を懸けての再戦でも延長R判定で敗れて王座を失った。2022年4月にはスーパー・フェザー級に階級を上げて大岩龍矢に敗れ3連敗を喫したが、8月にマキ・チャーチャイに判定勝ちで連敗を脱出すると、島野浩太朗、カン・ユンソンにKO勝ちして3連勝。戦績は17勝(12KO)5敗1分。
横山はK-1甲子園2017 -60kg準優勝の実績があり、2018年6月からK-1 JAPAN GROUPの大会に出場。「第10代Krushスーパー・フェザー級王座決定トーナメント」では優勝候補と目されるも、2022年1月の決勝で中島千博に敗れ戴冠ならず。6月に石田勝希から合計3度のダウンを奪う判定勝ちで再起を飾ると9月の「 K-1 WORLD GP 第5代スーパー・フェザー級王座決定トーナメント」に出場。1回戦でスタウロス・エグザコスティディスを左ハイでマットに沈めて見せたが、準決勝で朝久裕貴にKO負け。2月のKrushでペットサムイに判定勝ちして再起を飾ると、6月のK-1では大岩龍矢を破った。戦績は15勝(7KO)4敗。
1R、サウスポーの横山はステップで左へ回り込みながら力強い左ミドルとローを蹴る。江川はジャブを出しながら前へ出て、右を狙う。
2R、ローの蹴り合いから右ロングフックと左フック、右フックを畳みかける江川。横山も強い左ストレートを顔面とボディに打ち分ける。江川も顔面からボディへとコンビネーションを回転させ、横山は右フックを返す。
3R、横山は軽快なフットワークで右へ回り込みながらハイキック、ロー、飛びヒザを繰り出す横山。江川はその横山をコーナーやロープ際に追い詰めてフックを繰り出すが、すぐに横山が脱出する。動きながらジャブ、左ボディ、右フックを当てていく横山に江川は距離を詰めて左右のフックを思い切り振って行く。試合終了のゴングが鳴ると、横山は勝利を確信したかのようなガッツポーズ。
判定はその通り横山の勝利に。格上の江川を喰って見せた。
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▼第8試合 K-1 30周年記念無差別級トーナメント1回戦 3分3R延長1R×ヴァレンティン・ボルディアヌ(ルーマニア/Catalin Morosanu Academy/キックボクシング・ルーマニア選手権 3度優勝)KO 1R 2分36秒 ※右ストレート〇リュウ・ツァー(中国/唐山文旅驍騎ファイトクラブ/CFP/2023年中国キックボクシング選手権90kg級優勝)※ツァーが準決勝へ進出。
1R、じりじりと前に出るボルディアヌだったが、終盤に大きな左右フックを放って前へ出ていく。それにジャブ、右カーフで対抗するツァー。前に出てくるボルディアヌにツァーが右クロスをクリーンヒットさせ、ボルディアヌは前に倒れて起き上がることは出来なかった。
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▼第7試合 K-1 30周年記念無差別級トーナメント1回戦 3分3R延長1R×ミハル・トゥリンスキー(ポーランド/HWLOW-KICK/KOKヘビー級王者)延長R 判定0-3 ※9-10×3〇アリエル・マチャド(ブラジル/Hemmers Gym/Madison Team/WGP Kickboxingライト・ヘビー級王者)
1R、静かな出足。トゥリンスキーがジャブを出して前へ行き、マチャドは右ローで迎え撃つ。トゥリンスキーはバックハンドブローから左フック。マチャドは右ローを蹴り続ける。
2R、トゥリンスキーは前蹴りと左ミドル、左ミドルからの左フックを繰り出すがスピードがない。マチャドはしつこく右ローを蹴っていく。最後はトゥリンスキーがポイントを意識したか、飛びヒザ蹴りからの連打を繰り出した。
3R、前に出るのはトゥリンスキーで、マチャドは下がりつつ右フックと左右ロー。このラウンドも両者手があまり出ず、トゥリンスキーが前へ出て攻撃をするもヒットがあまり奪えず、下がりながらマチャドが返していく。
決め手がない試合は延長戦へ突入。延長戦もトゥリンスキーが前へ出て、前蹴りとジャブ。マチャドは下がりながら右ローを蹴る。かなり疲れが見える両者の戦いは決着がつかず、大きな展開はないまま延長戦を終え、ヒットが多かったマチャドが判定3-0で決勝進出を極めた。
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▼第6試合 K-1 30周年記念無差別級トーナメント1回戦 3分3R延長1R〇シナ・カリミアン(イラン/SINA ARMY/K-1 WORLD GPクルーザー級王者)KO 3R 1分35秒 ※2ノックダウン×ケリム・ジェマイ(ドイツ/ZAM-ZAM Ulm/ISKA世界スーパーヘビー級王者)※カリミアンが準決勝へ進出。
カリミアンはアマチュアムエタイで活躍後、2018年9月の「K-1 WORLD GP初代クルーザー級王座決定トーナメント」に初来日。トーナメントを制して初代王者となった。2019年3月には加藤久輝を下して初防衛に成功、2020年3月には愛鷹亮の挑戦を退けて2度の防衛に成功したが、2020年12月の3度目の防衛戦でK-Jeeに敗れてタイトルを手放した。しかし、2021年3月のダイレクトリマッチでK-Jeeを2RにバックハンドブローでKOし、王座を奪還。9月には京太郎からも延長戦の末に判定勝利を収め、反則勝ちも含めて現在5連勝中。戦績は15勝(7KO)2敗。
ジェマイは現ISKA世界スーパーヘビー級王者で、戦績は18勝(7KO)無敗。189cm、105kg。
1R、ローを蹴り合う両者。左右ミドル、ローと蹴りを多用するカリミアンにジェマイはワンツー。左右ミドルやロー、前蹴りをしっかり当てながら、ジェマイのパンチは距離でかわしていくカリミアン。
2Rになるとカリミアンが左右の細かい連打でジェマイにロープを背負わせる。カリミアンのミドルがローブローになり、痛がって身体を丸めたジェマイの顔面へカリミアンが蹴りを放つ。左右ローを蹴るカリミアンにジェマイはパンチをまとめて返すが、カリミアンも打ち返す。
3R、狙いすましたカリミアンが得意技のバックハンドブローをクリーンヒット。一気に左右フックでラッシュしてスタンディングダウンを奪う。左右フックで一方的に打ち続けるカリミアンにジェマイは防戦一方。ついにレフェリーがストップし、カリミアンがKO勝ちで1回戦を突破した。
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▼第5試合 K-1 30周年記念無差別級トーナメント1回戦 3分3R延長1R×マハムード・サッタリ(イラン/TEAM OTA/K-1 WORLD GP 2022 K-1無差別級トーナメント優勝)KO 1R 2分19秒 ※2ノックダウン〇クラウディオ・イストラテ(イタリア/ルーマニア/Kombat Gym/ISKAヨーロッパ ヘビー級王者)※イストラテが準決勝へ進出。
サッタリはWAKOアマチュアムエタイ世界ミドル級王者、ムエタイ・プレジデントカップ2012優勝、ムエタイ・アジアンビーチゲーム2014優勝、ムエタイ・アジアインドア&マーシャルアーツ2017優勝などの実績を持ち、プロ戦績は20勝(12KO)無敗。2020年10月のKrushに初参戦を果たすと谷川聖哉を右フックでKO、2021年3月のK-1では加藤久輝をもヒザ蹴りでKO。7月の第2代Krushクルーザー級王座決定トーナメントでもRUIと谷川を初回KOに沈め、圧倒的な強さで王座に就いている。12月にはANIMAL☆KOJIを1Rわずか30秒でKOし初防衛にも成功。
そして今年4月の「K-1 WORLD GP 2022 K-1無差別級トーナメント」では最軽量(85.20kg)にも関わらずK-JeeをKO、京太郎に判定勝ち、谷川をKOして優勝。6月の『THE MATCH 2022』ではHOOST CUP日本ヘビー級王者・内田雄大を1R1分18秒、左フックで豪快TKOして東京ドームを大いに沸かせるビッグインパクトを残した。しかし12月にステファン・ラテスクにKO負けで初黒星。今回はそれ以来の再起戦となる。
イストラテはルーマニア出身でイタリア在住のISKAヨーロッパ・ヘビー級王者。58勝(32KO)21敗3分の戦績を持ち、ガードが固く、攻撃は大胆に突進するのが持ち味だという。187cm、110kg。
1R、サッタリが右ボディストレートを打ったところで、すぐにイストラテが左フックを返してダウンを奪う。最後は飛び込んでの右フックでサッタリをKOした。
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▼第4試合 スーパーファイト K-1女子アトム級 3分3R延長1R〇菅原美優(K-1ジム三軒茶屋シルバーウルフ/K-1 WORLD GP女子アトム級王者)判定3-0 ※30-28×2、30-27×マリア・ネラ(ギリシャ/WAKOヨーロッパ女子-48kg級王者) 菅原は2019年1月にプロデビュー。2020年11月の「女子アトム級王座決定トーナメント」決勝戦で第3代Krush女子アトム級王座に就き、これまで3度の防衛に成功。2022年6月の「K-1 WORLD GP初代女子アトム級王座決定トーナメント」決勝でパヤーフォンに敗れたが、2023年3月のタイトルマッチでの再戦でリベンジし、K-1王座に就いた。7月にはディミトラ・アガサゲリドゥに勝ったばかり。戦績は12勝(1KO)3敗。2020年3月に美容技術専門学校を卒業し、“戦う美容師”として活動している。 ネラは菅原よりも長身(菅原が162cm、ネラは167cm)の22歳。戦績は8勝(3KO)2敗で2022年アマチュアWAKOヨーロッパ選手権K1スタイル女子-48kg級で優勝している。
1R、菅原が前蹴りから前へ出ていくとネラは下がりながらも左ロー、前蹴り。菅原は前蹴り、左ミドル。菅原が右ストレートを打つとネラはバックハンドブローを合わせに来た。
2Rも前に出るのは菅原。前蹴りと左ミドル、ローを蹴りつつ右ストレート、左フックを狙う。ネラは前蹴りを出しながら細かくパンチを打って来るが、菅原の前蹴りに突き放され、さらにボディをもらって後退。菅原はジャブでもボディを打ち、前蹴り、ヒザでダメージを与えていく。
3Rも前蹴り、左ミドル距離を作りながら右カーフ、右ストレートを当てにいく菅原。ネラは下がる一方で菅原が右カーフも右ストレートもいい距離で当てていく。最後まで前へ出続け、課題としていたごちゃごちゃとした展開にはならず、菅原が自分の距離・ペースを保って判定勝ちした。
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▼第3試合 K-1ライト級 3分3R延長1R×里見柚己(team NOVA/Krushライト級王者)KO 2R 2分18秒 ※左右フック連打〇伊藤健人(K-1ジム蒲田チームアスラ)
里見は2019年8月にベテランの山本真弘から得意の左ストレートでKO勝ちして名を上げた。スーパー・フェザー級からライト級に階級を上げて2021年7月・9月の「第6代Krushライト級王座決定トーナメント」では川崎真一朗にKO勝ち、弘輝に判定勝ちで決勝へ進出するも瓦田脩二に敗れて戴冠ならず。2022年8月には元スーパー・フェザー級王者の西京佑馬に判定勝ち。2023年6月、1月に無効試合となった大沢文也との再戦で勝利し、第8代Krushライト級王者となった。戦績は19勝(8KO)10敗1分1無効試合。
2014年11月の新生K-1旗揚げ戦のプレリミナリーファイト第1試合を務めた伊藤は3連敗を喫した後、2022年6月に階級をライト級に上げて初戦で南雲大輝に2RKO勝ち。9月は弘輝に判定で敗れるも12月は鈴木翔也に判定勝ち。2023年2月には堀井翼から得意の右フックでダウンを奪って判定勝ちした。7月にはK-1でティントーンからも判定勝ち。戦績は13勝(3KO)12敗4分。
1R開始直後から右ストレートを伸ばして積極的に前へ出る伊藤。どんどん前へ出てくるため里見は後退を余儀なくされる。伊藤はさらに前へで行くが終盤には里見が右アッパー、左フックでビッグヒットを奪う。
2R、左アッパーを打とうとした里見に伊藤が右ロングフックを振り抜いてついにクリーンヒット、ダウンを奪う。左右フックで畳みかける伊藤に里見は棒立ちに。ここでレフェリーがストップをかける。
現Krush王者をKOする番狂わせを起こした伊藤は「新しく生まれ変わるということで朴も生まれ変わらないと終わりだと思っていました。今年中に必ず王者になります。僕はいつも勝ったり負けたりですが4連勝で、次はタイトルマッチでいいんじゃないかなと思います」とタイトルマッチをアピールした。
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▼第2試合 K-1バンタム級 3分3R延長1R〇池田幸司(ReBORN経堂/Krushバンタム級王者)KO 2R 2分43秒 ※右ヒザ蹴り×心直(REON Fighting sports GYM/第2代KNOCK OUT-REDスーパーフライ級王者)
池田は幼稚園から始めた空手をバックボーンに持ち、アマチュアでは無敗を誇り、2019年にはK-1カレッジ優勝。同年10月にKrushでプロデビュー。2021年5月の「K-1バンタム級日本最強決定トーナメント」では1回戦で黒田斗真にKO負けを喫したが、その後は連勝して2022年3月に壬生狼一輝を判定で破りKrushバンタム級王座に就いた。7月には野田蒼をKO、今年2月には松谷桐をKOして2度の防衛に成功している。2022年12月の「K-1 WORLD GP初代バンタム級王座決定トーナメント」では準決勝で石井一成に敗れて3位に。2023年6月、ペットモンコンに延長戦の末判定勝ち。戦績は11勝(6KO)4敗。
心直は“プロフェッショナルシスト”健太の愛弟子で、J-NETWORKフライ級新人王を獲得後、KNOCK OUT、REBELS、シュートボクシングに参戦。KNOCK OUTでは2021年に「初代KNOCK OUT-BLACKスーパーフライ級王座決定トーナメント」に出場、SBでは日本バンタム級1位になっている。2022年12月のKNOCK OUT-REDスーパーフライ級王座決定戦では無敗のホープ乙津陸を判定に破り、王座に就いた。しかし、2023年3月の王者第一戦でMASA BRAVELYに判定負けを喫し、8月のKNOCK OUT-REDバンタム級王座決定戦では乙津にリベンジを許した。戦績は8勝(1KO)10敗2分。
1R、サウスポーの心直に池田は右ミドル、右ロー。心直は左インローを返していく。心直も負けじと左ミドルを蹴り返し、左ストレート。池田は右ミドルをスネブロックされるとすかさず右ローを蹴り、心直の左ミドルには右ストレートをジャストミート。
2R、池田が右ヒザをボディに突き刺し、この一発で心直はうずくまり、鮮やかなKO勝ち。「倒せるバンタム級の池田です。自分3連勝中で12月の大阪大会で黒田選手の初防衛戦の相手、池田でどうですか?」と、K-1バンタム級王者・黒田斗真に挑戦状を叩きつけた。
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▼第1試合 K-1スーパー・ライト級 3分3R延長1R〇鈴木勇人(K-1ジム五反田チームキングス/Krushスーパー・ライト級王者)延長R 判定2-1 ※9-10、10-9×2×モハメド・イスラム(モロッコ/IFMA-65kgヨーロッパ王者)※本戦の判定は30-29、30-30、30-30。
鈴木は2016年12月にKrushでプロデビューすると、サウスポースタイルから繰り出す左ミドル&左ストレートを武器に頭角を現し、2019年1月にKrushスーパー・ライト級王座を獲得。佐々木大蔵にタイトルを奪われたが、7月大会でFUMIYAを初回KOに破って再起。その後は泥沼の3連敗を味わったが、崖っぷちで臨んだ2022年4月の林健太戦で元K-1ライト級王者の林をKOする金星を得ると、8月には近藤魁成に先制のダウンを奪われるも延長戦で大逆転KOに成功した。11月にはヴィトー・トファネリも破って3連勝を飾ったが、2023年3月のK-1でパコーンに敗れる。7月にはデンサヤームを左で一撃KO。戦績は14勝(9KO)8敗1分。
初来日のイスラムはIFMA-65kgヨーロッパ王者、IFMA-63.5kgベルギー王者となり、Enfusionなどでキャリアを積んだ。20歳ながら17勝(7KO)1敗の戦績を誇る。
1R、鈴木は左ミドルの連打でいきなり攻め、イスラムは右ローを蹴り返す。両者とも蹴りを多用しての蹴り合いとなり、鈴木は左ミドル、イスラムは右ミドルを当て合う。ガードを固める鈴木にイスラムは左右ボディを叩くが、すかさず鈴木が右フック。K-1では珍しいほどの蹴り合いが続いた。
2R、イスラムが前に出て蹴りに加えて左右のストレートと左ボディ、左フック。イスラムはさらに左ボディからの右ストレート。やや動きが鈍くなってきた鈴木だが、前に出て左右フックと左ヒザで応戦する。このヒザが決まるとイスラムは後退するがすぐに前に出てきてワンツー。鈴木も苦しいか大振りに。
3R、イスラムはアップライトの構えで待ちの姿勢となり、鈴木が前に出てくるところへ左ハイ、バックハンドブロー。左ボディをもらう鈴木だが、左ストレートを返す。鈴木はヒザを突き刺し、さらに左ミドル。イスラムも前へ出て左ボディを叩く。タフファイトに両者とも動きが鈍る中、パンチと蹴りを打ち合う。鈴木のヒザが有効だが、イスラムも負けじとパンチを返してくる。
文字通り一進一退の攻防はジャッジ1名が鈴木を支持するもドロー。延長戦へ突入する。イスラムは苦しいからかつかんでのヒザを多用してしまい警告。鈴木はワンツーから左ミドル、イスラムも右を返す。顔面を打たれても前へ出ていく鈴木。左フックの相打ちから鈴木が前へ出て左ストレートの連打を決めた。
判定は2-1と割れ、鈴木が接戦を制した。