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2023年9月9日(日本時間10日)、豪州シドニーのクドス・バンク・アリーナで開催される『UFC 293: Adesanya vs. Strickland』(U-NEXT配信)のヘビー級にて、2連勝中のアレキサンダー・ヴォルコフ(ロシア・7位)と対戦する同級6位のタイ・トゥイバサ(豪州・6位)に本誌がインタビューした。
地元のトゥイバサは、14勝のうち13KOを量産する剛腕ファイター。しかし、2022年9月にシリル・ガーン、同12月にセルゲイ・パブロビッチといずれも強豪相手に連続KO負けを喫している。
今回対するヴォルコフは、極真空手黒帯、アマ時代に芦原空手モスクワ大会で優勝するなど活躍。2022年6月にジャルジーニョ・ホーゼンストライクを1R TKO。2023年3月の前戦でもアレクサンドル・ロマノフを1R TKOに下し、UFC2連続1R KOをマークしている。
勢いづくヴォルコフを相手に、ホームでトゥイバサはいかに戦い、勝利の“シューイ”を味わうか。
会見でトゥイバサは「僕はファイターである前にシューイ・ガイなんだ。靴の味が分かることもある。それが誰の靴かにもよる(笑)。今回の仕事を終えた後、2、3日分の靴を味わうことになるね」と、復活を予告。さらに、本誌のインタビューで、ジャスティン&ジュニア・タファらとのファイトキャンプ、元K-1王者&UFCのマーク・ハントからもアドバイスを得ていることを語った。
シリル・ガーンほどヴォルコフの前蹴りは速くない
──今回の試合に向けて、タイガームエタイやZoo Fitnessでの練習映像を見ましたがどのようなキャンプになりましたか。
「トレーニングキャンプはとても良かったよ。故郷のシドニーに帰ってトレーニングできたたのもすごく嬉しい、家族も友人たちもいるし、とても良い感じだ」
──シンガポールで練習仲間のジュニア・タファが勝利し、同じ大会にジャスティン・タファも出場することはやはり刺激になりますか。
「もちろんジュニア・タファのKO勝ちは刺激になったよ。彼だけじゃなくてチームの皆が刺激になっている。俺の兄弟たち。ジュニア・タファは本当に同じチームで同じ競技をできている事を嬉しく思っている。すごく良かったよ」
──そしてマーク・ハント選手との写真も見ることが出来ます。いまでも彼からアドバイスをもらったりする事もあるのでしょうか。
「マークは、もう何年も一緒にいて。ジェームズ・タファとジャスティン・タファ、カーロス・アルバーグももちろんそのチームの一員で。マークが俺達皆を育てたようなもんだし、彼が道を作ってくれた。彼は今でも俺の一番好きなファイターで親友でもあるんだ」
──そのマーク・ハントも、今回、事前イベントを共にしたアレクサンダー・ヴォルカノフスキーも、あなたもラグビーリーグの出身です。スピーディーな展開のあるラグビーリーグの経験は、いまのあなたにどのように生きていますか。
「ラグビーはオーストラリアとニュージーランドでは大きな競技だからね。メインスポーツだ。特に自分みたいなアイランダーにはMMAのとても良いベースになっているんじゃないかと思うよ。常にグラウンド近くで戦うということ、テイクダウンされても、ラグビーは相手より先に立ち上がることで数的優位を作れる。それに、そこからMMAでは相手のテイクダウンを止めてパンチする事にシフトもできるからね(笑)。僕は人を殴るのが好きなんだ。殴られるのも嫌いじゃない。“自分を試す”ことが好きなんだ」
──この試合までの2連敗については、どう課題をとらえましたか。
「連敗後、自分にとって重要だったのは休暇をしっかり取れた事だ。この数年かなり積極的に戦ってきたと思う。休養が必要だったんだよ。家族との時間を持って、気の置けない仲間たちと時間を過ごした。地元にいて家族と過ごすというのは本当に大事な事で、そこから再調整をした。しっかりオフを作って、今はリフレッシュしているし、準備はできている。“日曜は仕事をしてくるか!”って感じだ」
──対戦相手のボルコフとのスタンドの距離をどう考えていますか。
「そう、ヴォルコフは背も高いしね。打撃も長く伸びるし重い。だけど俺のプランは彼よりもアグレッシブに向かって行ってペースを押し上げる事。俺ら2人のどっちがその中でどれだけ長く立ててお互いパンチし合えるかだな」
──その殴り合いに持ち込むために、彼の長い蹴りについてはどう思いますか。
「シリル・ガーンほど彼の前蹴りは速くないだろ? 前回ガーンには前蹴り入れられたけど、ガーン程速くないと思うし、それ以降対策もしっかりしている。問題ないよ」
──この目標は?
「とにかくケージでペースを押し上げてノックアウトをして、試合の後にシューイーで祝う事かな」
──ヴォルコフは「シューイーをさせない」と。
「俺はシューイーするし、奴は敗北のウォッカでも飲んでおけばいいんだよ!(笑)」
──日本のファンへメッセージを。
「ハロー、ジャパン! BamBamだ、I LOVE YOU。日本に早く行けるといいなと思っています。“行きたいところリスト”に入っているよ。だからきっとすぐ会えると思う! 今回の試合もU-NEXTで楽しんでほしい」