2023年9月1日(金)タイ・ルンピニースタジアムで開催された『ONE Friday Fights 31』における、レフェリーの“ファインプレー”がタイで話題となっている。ムエタイの情報をSNSで提供している『Muay Thai Super Fight』が伝えた。
同大会の第10試合(セミファイナル)、モンコンゲーウ・ソー・ソンマイ(タイ)vs.チョーファー・トー・センティアンノーイ(タイ)にて、打ち合いとなってチョーファーの左フックが強烈にヒット。モンコンゲーウは明らかに意識を失って全身の力が抜け、勢いがついた状態で後方へバッタリとダウン。その瞬間、レフェリーが咄嗟に反応して自らも倒れ込むようにし、モンコンゲーウの後頭部へ手を滑り込ませて、マットに後頭部が強打されるのを未然に防いだのである。
世界中のムエタイ・キックボクシング関係者が優秀だと認めるムエタイのレフェリーには、選手がダウンした際にこのようにして後頭部がマットに打ち付けられるのを防ぐ光景はよく見られる。しかし今回は、かなり勢いがついて倒れるのが早いダウンであり、この反応の良さと咄嗟の判断はまさに“神技”。
【写真】咄嗟の判断力とそれを行動に移せる身体能力を持つタイのレフェリー タイでは壮絶決着となったこの試合自体のことよりも、モンコンゲーウの頭部をマットに打ちつけないように救ったレフェリーの方が話題になっているのだという。
モンコンゲーウのジムメイトである、“ムエタイの鉄人”としてファンから尊敬を集める存在のセクサンは「このレフェリーの動きは賞賛されるべき!」とコメントしている。
『ONE Friday Fights』では、ベストパフォーマンスを発揮した選手にその場で35万バーツ(約145万円)のボーナスが贈られるが、このレフェリーのファインプレーもボーナス級であろう。