MMA
インタビュー

【UFC】対日本人2連勝のシャオ・ロン「上久保選手は一人で歩けないような状態だったのに声をかけてくれた。彼の思いも背負って優勝したい」=『ROAD TO UFC 2』

2023/08/29 20:08
 2023年8月27日(日)『ROAD TO UFC 2』(シンガポール・インドアスタジアム)バンタム級準決勝で、中国のシャオ・ロン(Xin-Du Martial Arts Club)が、日本の上久保周哉(頂柔術/TRY H Studio)と対戦。判定2-0(29-28, 29-27, 28-28)の接戦を制した。  シャオ・ロンは、一回戦を野瀬翔平にスプリット判定勝ちで突破。序盤の野瀬のヒザ十字で足を負傷しながらも、テイクダウンを切ってコントロール。組みにも細かい打撃を入れて上回り、スプリット判定をモノにした。25歳でMM25勝7敗の戦績を持つ。  上久保は、日本人バンタム級最強の一角。様々なテイクダウンを武器に、相手を寝かせて削って極める、MMAグラップラーで、2018年7月からONEに参戦し、スノト、モハメド・アイマン、キム・デファン、ブルーノ・プッチ、ミチェル・チャマール、トロイ・ウォーゼンに勝利し、サークルケージで6連勝をマーク。  UFC挑戦のために、ONE Chmpionshipとの契約のマッチング期間を消化し、『ROAD TO UFC』に参戦。5月の1回戦は組みに行ったところに中国のバーエゴン・ジェライスの下からのヒザ蹴りにダウンを喫し、テイクダウンディフェンスにも苦しみながらも、最後は組みで上回り、スプリット判定を制した。8年間負けなしで10連勝、MMA13勝1敗分けの28歳。  試合は、1Rに上久保がケージ際でボディロックテイクダウンからマウントを奪うなど攻勢も、2Rに痛めていたヒザがロックし、テイクダウン出来ず。徐々に打撃を被弾するようになった上久保に、シャオ・ロンが左右のパンチに、ヒザも打ち込み、1者がドローのクロスファイトをモノにした。  試合後、ショオ・ロンは、U-NEXTのインタビューに答え、「長い時間をかけてゲームプランを練ってきた。コーチとUFC上海パフォーマンス・インスティチュートに感謝したい」と語った。  フェザー級の同門対決も含め、全階級で中国人選手が勝ち上がった決勝戦。再び地元上海での決勝の可能性も浮上するなか、充実のバックアップ体制の中国勢は、何人がUFCとの契約を勝ち獲るか。実績ある上久保を下したショオ・ロンにも注目だ。 野瀬選手、上久保選手との2試合で決勝に向けて大きな土台を築くことができた ──熱戦をモノにしました。上久保選手との試合を終えた感想を。 「やはり上久保選手はタフで粘り強いところがあって、とても強い対戦相手でした。ご存じの通り、13勝していてその戦績の中で、僕の中国のチームメイト(バーエゴン・ジェライス)にも勝っている。だから、リベンジという意味でも勝てて嬉しいし、自分のパフォーマンスにはとても満足しています」 ──1Rもしくは1、2Rを落としたという考えから3Rにスタンドで猛攻をしたのですか? 「自分はスロースターターだから1R目は取られた、と思っているし、2R目、3R目にもっとダメージを与えられたと思う。ところで、試合後、上久保選手が足を負傷しているのが見えたけど、1人で歩けないような状態だったのに、僕に対して優しく接してくれ、試合後に『トーナメントでチャンピオンになってくれ』と言ってくれました。だから彼の思いも背負って、絶対に優勝しようと思います」 ──上久保選手のスタイルをチームでかなり研究して練習してきたのですか。 「はい。上久保選手はとても強いグラップラーなので、実際長い時間をかけてゲームプランを練ってきました。なので、キャンプをサポートしてくれたコーチとUFC上海パフォーマンス・インスティチュートにも感謝したいです。  爆発力があると自負しているし、相手に応じて動ける。ウォーミングアップでは、打撃のテクニックを色々出せるようにとイメージしていたのだけど、上久保スタイルの前では、この試合でそれもほとんど見せられなかった。ただ、ただ3R目については、上久保選手に感謝したいのです。彼は僕と打撃戦をやってくれた。あのパフォーマンスに関して感謝しています」 ──上久保スタイルと関連して、カーディオに関してはいかがですか、スタミナに心配はなかったですか。 「自分はいつもスロースターターで、特に1R目というのは、もし相手が自分に1、2発でもパンチをぶち込んでくれなかったら、なかなか覚醒できないというような感じで、でも2R、3Rは、自分のリズムを掴めていました。  自分は見ての通りのスタイルだし、自分のペースで試合をする。相手が自分にパンチを何発当てようとも、自分は打撃がでやりたいところがあって、相手が倒れるまで、絶対に立ち上がれるんです。それが自分のスタイルです。自分は15分間、決して止まることはないし、決してパンチの手を止めることもないんです」 ──次戦の対戦相手は、中国のダーエミィスウ・ザウパースー選手を、3Rの激闘の末に下した韓国のイ・チャンホ選手となりました。どんな試合を見せたいですか。 「初戦の相手だった野瀬選手もとてもよいグラップラーで、今回の上久保選手もさらにグラップリングをとてもたくさん自分に仕掛けてきた。3度目(決勝)の対戦相手はどちらかというと同じようなスタイルです。だから、この2試合ですでに大きな土台を築いているから、決勝の相手に関してさしたる問題はないでしょう。そして、この大会のチャンピオンだとしっかり証明できるようなコンボを繰り出すつもりです」 ──最後に日本のファンにメッセージを。 「日本の皆さんこんにちは、自分はシャオ・ロンと言います。応援ありがとうございました、そして素晴らしい対戦相手の上久保選手にも『ありがとう』と改めて言いたいです。彼はまさしく自分にとても素晴らしい稽古をつけてくれました、そういうほどに彼は強いグラップラーであり、対戦相手としてとてもタフでした。だから本当に感謝しています。ありがとうございます」
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