ムエタイ
レポート

【ONE】小笠原瑛作が秒殺KO勝ち、リカルド・ブラボが現ルンピニー王者をKOの大金星、小川翔は判定負けも激闘でボーナス獲得

2023/08/25 23:08
ONE Friday Fights 302023年8月25日(金)タイ・ルンピニースタジアム ▼第6試合 フライ級 3分3R〇コンクライ・エニームエタイ(タイ)TKO 2R 2分42秒 ※左ヒザ蹴り×シルビュー・ヴィテズ(スペイン/ルーマニア)  コンクライは2016年にMAX MUAYTHAIのスーパーライト級トーナメントで優勝。逆転勝利とアグレッシブなファイトスタイルで人気を博し、2020年にはISUZU CUPスーパーライト級トーナメント優勝、9月と10月にはあのセクサン・オー.クワンムアンに連勝し、オムノーイスタジアム認定スーパーライト級王座を獲得している。特に初戦ではセクサンをKOした初のファイターとなった。この年は無敗を達成し、タイ・スポーツ省が選ぶファイター・オブ・ザ・イヤー(MVP)を受賞したほか、ムエタイアワードでも年間最優秀選手賞を受賞。2021年12月にはTHAI FIGHT King's Cup 67kg級で優勝するなど好調を保っていたが、2022年に入るとセンマニー、クラップダムに連敗。2023年2月からONE Friday Fightsに参戦してスーパーボールに連敗するが、6月にはパットサンレックにKO勝ち。24歳で92勝31敗4分。  ヴィテズは2018年6月のK-1に来日し、K-1フェザー級トーナメントで芦澤竜誠に初回TKO負け。2019年にISKAインターコンチネンタル・ムエタイルール・フェザー級王座を獲得すると、2021年にMTGPヨーロッパ61kg級王座、2022年8月にはWAKO-PRO世界K-1ライト級王座も獲得。2022年2月にはRISEで那須川天心と対戦したフレッド“The Joker”コルデイロにも勝利している。ONE FRIDAY FIGHTSには2023年1月から参戦し、ヨードレックペットとセクサンに連敗を喫したが、6月にリバー・ダスから勝利を収めた。戦績は46勝(12KO)9敗3分。  1R、サウスポーのコンクライは左ミドルを多用、ヴィテズがヒザを上げてカットにいくと軸足を払って転倒させる。コンクライが左右フックとヒジを放つとヴィテズも強気にヒジを返す。  2Rも左ミドルを蹴っていくコンクライは左ストレートにつなぐ。組むとヒザ蹴りの連打、離して左ミドル。ヴィテズは下がらず前へ出て左フック、すかさずコンクライは首相撲に捕まえる。左ストレート、左フック、左ヒジでコーナーへ詰めるコンクライは首相撲からのヒザ。ヴィテズは左フックを返すがスピードがない。コンクライは左ミドルからパンチにつないでいき、右フックで吹っ飛ばすと首相撲からのヒザでダウンを奪う。  コンクライは左ミドルから軸足蹴り、そして首相撲からのヒザ連打。最後は顔面へ左ヒザを突き上げ、圧倒的なKO勝ちを飾った。コンクライは292万円のボーナスを獲得し、歓喜のダンスを舞った。 [nextpage] ▼第6試合キャッチウェイト 59.87kg契約 ムエタイ 3分3R×ヨッドウィッタヤ・ペッチョンプー(タイ)KO 1R 0分31秒 ※左フック〇小笠原瑛作(クロスポイント吉祥寺/KNOCK OUT-REDフェザー級王者)  小笠原はジュニアキックで活躍後、2011年7月にプロデビュー。2013年5月にプロ9戦目でREBELS-MUAYTHAIフライ級王座を獲得、2015年7月にはREBELS52.5kg級王座も手にした。2017年9月、ISKA K-1ルール世界バンタム級王座を獲得。2021年3月にはトーナメントを制してKNOCK OUT-REDスーパーバンタム級王者となり、2022年9月にTAKERUにTKO勝ちして第2代KNOCK OUT-REDフェザー級王座に就き2階級制覇を達成。今年3月には2022年ムエタイMVPでルンピニースタジアム3階級制覇を達成しているロンナチャイをダウン寸前まで追い込む完勝を収めた。6月にはトンミーチャイに判定勝ち。サウスポーから放たれる左ストレート、左ミドルキックが得意。戦績は42勝(20KO)7敗1分。  ヨッドウィッタヤの詳細は不明だが、2023年2月の『ラジャダムナン・ワールド・シリーズ』にて、K-1で武尊と対戦したヨーキッサダーに右フックで2R KO負けを喫している。その時点では45勝15敗3分の戦績を紹介された。  1R、ヨッドウィッタヤの右ミドルに小笠原は左ロー、その後も左ローをどんどん蹴っていく。ヨッドウィッタヤがパンチで前へ出てきたところへ小笠原が左インローから右フックのカウンター。ヨッドウィッタヤの動きが止まり、そこへ再び右フックを直撃。ダメ押しの左フックを打つとヨッドウィッタヤがその場に崩れ落ち、小笠原が秒殺KO勝ち。  見事なKO勝ちで35万バーツ(145万円)のボーナスも獲得した小笠原は「初めてのONE Championship出場でKOで勝てて嬉しいです。相手も強い選手ですけれど自分の実力はこんなもんじゃないのでもっと強い相手とやりたい。僕はKNOCK OUTという日本の団体の王者なんですけれど世界に広めていきたいと思っています」と勝利者インタビューに答えた。 [nextpage] ▼第4試合 キャッチウェイト 75.0kg契約 ムエタイ 3分3R〇リカルド・ブラボ(ウィラサクレック・フェアテックスジム/アルゼンチン)KO 2R 1分48秒 ※右ストレート×デンパノム・プラン26(タイ/ルンピニースタジアム認定ミドル級王者)  ブラボは17歳の時にアルゼンチンから来日。長いリーチから生み出される鋭いストレートを武器にKOを量産し、2018年に7戦無敗で新日本キックボクシング協会ウェルター級王座を獲得。2022年に所属していた新日本キックを離れ、新たにWSRフェアテックス所属となり12月にRISE初参戦。緑川創と延長戦まで戦って引き分け、2023年2月にはサーシャ・タダヨニをKOしている。5月のRISEは体調不良で不戦敗となったが、7月のNO KICK NO LIFEでKO勝ち。戦績は24勝(19KO)3敗2分。RISEでオープンフィンガーグローブマッチをアピールしたことがあり、本人にとっては待望のOFGマッチとなる。  1R、デンパノムの左ミドルにブラボは右ローを返す。前に出るブラボがジャブから右ストレート、右フックを繰り出すがデンパノムは頭を振ってかわす。ジャブを伸ばすデンパノムにブラボは左ボディ。デンパノムも右ストレートを伸ばし始める。ブラボはワンツーもデンパノムはかわす。両手を伸ばして距離をとるデンパノム。ブラボは右ヒジも繰り出すが、デンパノムの右ロングフックの被弾が目立つ。  2R、前に出るブラボを右ミドルで迎え撃つデンパノム。右ストレートを当てるデンパノムだが、ブラボのパンチは空振りが続く。右ミドルで腕を蹴るデンパノムに、意を決したかブラボは左フックから一気にラッシュを仕掛ける。その左フックがテンプルを捉え、右ストレートをフォローするとデンパノムが強烈なダウン。ブラボが豪快なKO勝ちでONE初陣を飾った。  現ルンピニー王者をKOしたブラボには35万バーツのボーナスが贈られた。 [nextpage] ▼第3試合 キャッチウェイト 62.60kg契約 ムエタイ 3分3R〇ペットガーフィールド・ジットムアンノン(タイ)判定3-0×小川 翔(OISHI GYM) 小川は極真空手を学び、中学でキックボクシングに転向して2019年に15歳でプロデビュー。2012年にはK-1甲子園で優勝し、以後は様々な団体に出場してREBELS-MUAYTHAIライト級王座、蹴拳ムエタイスーパーライト級王座、WBCムエタイ日本統一ライト級王座、HOOST CUP日本スーパーライト級王座を獲得。2018年8月のRIZIN初出場では海人に惜敗、2022年3月の2度目の出場では山畑雄摩にKO勝利。ひとつの引き分けを挟んで4連勝していたが、5月の『KICKBOXING WORLD CUP』ではチョ・ギョンジェに敗れている。  6月16日に開催された『ONE FRIDAY FIGHTS 21』でONE初参戦を果たすも、トンサヤーム・ゲッソンリット(タイ)に判定負けしており、2戦目で初勝利を目指す。  1R、右ローで攻めていく小川にペットガーフィールドは縦ヒジを繰り出す。右ストレートから組んでのヒザも。小川は右ボディ、ペットガーフィールドは組むとヒジを連発してくる。右フックからの左フックでペットガーフィールドが大きくグラつく。小川はここでパンチで詰めていくが、左縦ヒジのカウンターでダウンを奪われる。  ペットガーフィールドは右ハイ、小川もボディから左右フックとヒジで応戦、ペットガーフィールドが左右のヒジをどんどん繰り出し、右ストレートから右ハイ。  2Rもアグレッシブなペットガーフィールドはヒジをどんどん繰り出す。ヒザから右フック、カウンターの左ヒザ。カモンゼスチャーからヒジを打つと小川もヒジ、左フックを返す。そこへペットガーフィールドは縦ヒジを合わせに行く。組んだ状態からヒジを上手く当てていくペットガーフィールドに小川は左ボディ、右ヒジ。  前に出るペットガーフィールドはヒザとヒジ、小川は下がりながらも左ボディ。両者のヒジが激しく交錯する。小川の右フックをカウンターでもらっても下がらないペットガーフィールド。左右ボディを打つ小川にペットガーフィールドはヒザ、左右ボディを打つと小川が後退し、ペットガーフィールドは前へ出てヒザ、ボディ、左右のフックと激しい打ち合いが続く。  3Rも両者打ち合い。ペットガーフィールドは左のヒジを縦・横と使い分け、小川もヒジを返すがペットガーフィールドは左ハイ。ヒジとパンチの激しい応酬の中、ペットガーフィールドはボディを打って顔面へ。さらに右アッパーの連打。小川もヒジと左フックを返すが、ペットガーフィールドの勢いは止まらない。右フックと右アッパーの連打を叩き込むペットガーフィールド。  最後まで激しい打ち合いが続き、場内は大熱狂。判定はダウンを奪ったペットガーフィールドの勝利となった。  敗れた小川にも35万バーツのボーナスが贈られ、「ありがとうございます。チームに協力してもらってのボーナスだと思うのでありがとうございます」とコメント。歓声に包まれた。
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