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2023年8月26日(土)、シンガポール・カランのシンガポール・インドアスタジアムで開催される『UFC Fight Night: Holloway vs. Korean Zombie』(U-NEXT配信)のメインイベントで、ジョン・チャンソン(韓国)と対戦するマックス・ホロウェイ(米国)が24日、同地でメディアインタビューに応じた。その中でホロウェイは、8月8日未明に米国ハワイ・マウイ島で発生した大規模な山火事について涙し、今回のファイトショーツを初めて「赤」にすると、悲しみと怒りを示した。
▼フェザー級 5分5R
マックス・ホロウェイ(米国)24勝7敗(UFC20勝7敗)
ジョン・チャンソン(韓国)17勝7敗(UFC7勝4敗)
ホロウェイは、2022年7月の『UFC 276』で王者アレクサンダー・ヴォルカノフスキーとラバーマッチを行うも5R 判定負けで王座奪還ならず。しかし、2023年4月に、当時UFC10連勝中だったアーノルド・アレンを終始圧倒し、判定勝ちで再起を遂げている。
──シンガポールでの試合は、2014年1月のUFNでのウィル・チョープ戦以来になります。キャリアの最初の頃にここで戦い、今あなたはチャンピオンです。そして世界中の最強の選手と戦っています。選手としてもかなり成長をしたとここに来て実感しますか。
「全てはフルサークル(巡り廻るもの)だ。その一言がまず最初に頭に浮かぶ。さっきも少し話したんだけれど、自分は世界王者のトロフィーを獲る為にこの競技を始めた、解雇通知をもらうためじゃない。デビュー当初はそういう危機もあったと思う。だから成功する必要があった。それからは同じ事をするように心がけているだけだ。毎試合を勝つという同じ事を目指しているだけなんだけれど。ただ、今回はそれが“コリアンゾンビ”にとってレガシーとなる試合になると思う。とにかくとても楽しみにしているよ。これに勝てればまた一つ自分のキャリアにボーナスを重ねられるのかなと思っている」
──今回、圧倒的なフェイバリットになっている事について、どう感じていますか。
「前の試合の結果だと思う。バスケや野球のような一般的なスポーツとは違って、試合をしてオフになって、オン・オフが繰り返される。3カ月、4カ月と試合が無くて、もう少し早い時もあるが、それは本当にラッキーだった場合だ。だから自分が思うのはボルカノフスキー戦の後だったら違ったと思う。コリアンゾンビはボルカノフスキー戦の後だから、もし自分もボルカノフスキー戦の後だったらまるで違う状況になっていたと思うよ。アーノルドアレンとの試合後だから恵まれていたと思う。最終的にこのような状況になったが、確かコリアンゾンビは1年4カ月ぶりの試合になるだろう。だから彼もベストの状態で出てくると思っている。彼は1年4カ月もの期間、選手としても人としても調子を整える時間があったのだから。この土曜日の夜は、危険なコリアンゾンビが見られるのではないかと期待しているよ」
──今回の対戦相手のジョン・チャンソンは、2022年4月にアレクサンダー・ヴォルカノフスキーに4R TKO負けし、あなたは2022年7月にアレクサンダー・ヴォルカノフスキーに判定負けしたものの、2023年4月にアーノルド・アレンに判定勝ちした。この2試合を経て、フェザー級戦線をどうとらえていますか。次戦のプランはありますか? イリア・トプリアとか?
「どうなるかは待ってみないと分からないね。まずはコリアンゾンビだ。その後で考えたいが、現在のランキングを見ると自分はNO.1コンテンダーだから。今まですごく忙しく過ごしてきた。ランキング見て、“あ、この人今何位だな”って会話をする時に“え、いつ前試合したっけ?”って思うとまだ8カ月しか経ってなかったりする。UFCが何故こんなに人気なのかというと、ベストな選手をベストなカードで組むからだ。自分も常に誰が挑戦してくるか待っているが、さっき名が上がった選手の話も候補にいるのは知っているが、どうなるかは待つしかないんじゃないかな。彼は前回ギリギリ勝って、俺はチャンプに負けたばかりだし」
──スターリングが階級を上げてヴォルカノフスキーとの対戦を望んでいますが、スターリングがこの階級に上がったらどうなるでしょうか?
「分からないよ。何にしろ厳しいと思う。前回彼はやられたし。敗戦を色んな事のせいにする事は可能だけど彼はしなかった。オマリーを褒めていたし。オマリーは色んな人に自分の力を証明しただろうし。誰がどのポジションでどのくらいできるのかを判断するのは俺の仕事じゃないから。とにかく今はコリアンゾンビ戦に全集中をしている」
──以前、ジョン・チャンソンは「ホロウェイのパンチは大したことない」って言ってたが?
「あぁ、その事は知っているよ。2年前か? 2年てのは長いな。よく分からないが、今週土曜日皆分るだろう。俺のパンチにパワーがないか? 土曜に判断しようぜ?」
──メインランドで戦うのと、こうしてアジアで戦う事の違いをどう感じていますか?
「なんせ海の真ん中に住んでるから、ハワイを出たら一番近くても5時間だし、7-8時間かかったとしても……ただ、ここの湿度はヤバいね(苦笑)。ハワイで慣れてると思ったけど、ここはレベルが違った」
──ハワイのラハイナでは山火事で大変だと思います(※行方不明者が1050人を超えている)。MMAを通して、マウイの人々へメッセージはありますか。
「もちろんあるよ。ラハイナの人たちが……というかこれは世界中の人が目にしているはずだろう、全てがどれほどのことになり、ラハイナのみんながどれほど政府や国家に失望させられたかを。だけど、ハワイのコミュニティは前進してる。人たちは前を向いて、ハワイアンは前を向いてる。世界が一歩踏み出して、皆さんも見ているだろうけど、手を差し伸べてくれている人たちも。
UFCが『UFC LOVES HAWAII』(というチャリティで)助けてくれている他にも色々、たくさんある。俺はただ、その……これは辛いことだ……(言葉に詰まり)俺の話を共有したいところだ、みんなが如何にして最期を遂げて亡くなったか……彼らは本物のヒーローだ。そしてそれを噛みしめてる。俺の入場曲(Moke Boyの『Hawaiian Kickbooxe』)をみんなに捧げるつもりだ。
今回、赤いショーツを着用する予定なんだ、UFCのキャリアで初めてのことだ。通常はユニバーサルブラックを使ってるんだけど、その赤いショーツとともにある、それで、そう、たくさんのことが、自分はいつもそこにいて裏側が見えて聴こえてくるんだ。でもハワイはまた立ち上がるよ」