GLORY 872023年8月19日(土)オランダ・ロッテルダム アホイアリーナ※U-NEXTで見逃し配信あり
▼第9試合 GLORYヘビー級グランプリ予選トーナメント決勝 3分3R〇バフラム・ラジャブザデ(アゼルバイジャン)=100.2kg[判定5-0] ※30-27×5×ウク・ユルジェンダル(エストニア/同級10位)=114.3kg※ラジャブザデが優勝。ヘビー級GP出場権を獲得。
年末に開催される優勝賞金50万ドルのGLORYヘビー級グランプリ出場者を決める4人制ワンナイト予選トーナメントが行われた。決勝は1回戦でモハメド・アミン(モロッコ)に2RでTKO勝ちしたラジャブザデと、マーティン・テルプストラ(オランダ)に1RでTKO勝ちしたユルジェンダルで争われた。
1R、前に出るのはラジャブザデ。ワンツーで飛び込んで左フックをヒットさせる。ユルジェンダルはワンツー、右フック。ラジャブザデも負けじと左右フックを繰り出す。ラジャブザデの右カーフから左右フック&アッパー。ラジャブザデはコーナーへ詰めての左右フックからヒザを見舞う。ユルジェンダルはコーナーへ詰められながらも右フックのカウンターを狙う。ラジャブザデは構わず左右フックを回転。オープンスコアは10-9×5でラジャブザデ。
2Rも圧をかけて前に出るのはラジャブザデ。右カーフを蹴り、左の前蹴りを出す。ラジャブザデがジャブを繰り出すとユルジェンダルは左フックのカウンターを放つ。逆にユルジェンダルが右フックを繰り出すとラジャブザデがカウンターの右フックを打つ。慎重になるラジャブザデだがユルジェンダルをコーナーへ詰めると左右フックからヒザ蹴り。ユルジェンダルが右フックを打って来ると大振りの左右フックで迎え撃つ。オープンスコアは再び10-9×5でラジャブザデ。
3R、構えを左右に帰るユルジェンダルに左右ボディを放って突進するラジャブザデ。思い切り左右フックを回転させ、ユルジェンダルも右フックを返すが勢いはラジャブザデが優る。ラジャブザデのスピードとパンチの回転力を警戒し、ユルジェンダルは攻められない展開が続く。ラジャブザデのバックハンドブロー。ユルジェンダルが前に出てくるとラジャブザデは左右フックを叩きつける。意を決して前へ出てフックを打って行ったユルジェンダルだが、ラジャブザデは下がらず左右フックを回転させた。
ジャッジ5名とも30-27の完勝で優勝したラジャブザデは「(足の裏の)出血なんて問題ないよ。俺はチャンピオンだから。いつも通りの仕事をした。相手のサイズは大きかったが俺のパフォーマンスを楽しんでもらえたかな」と、右足から大量の出血をしながらも元気にインタビューに答えた。
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▼第8試合 GLORY世界ライト級(-70kg)タイトルマッチ 3分5R〇ティジャニ・ベスタティ(オランダ/王者)=69.8kg[判定5-0] ※50-45×5×海人(TEAM F.O.D/シュートボクシング世界スーパーウェルター級王者/挑戦者)=69.5kg※ベスタティが4度目の防衛に成功。
シュートボクシング(以下SB)の絶対的エースの海人は2014年2月にデビュー。2017年11月にトーナメントを制してSB日本スーパーライト級王座を獲得し、2018年11月にはS-cup2018 -65kg世界トーナメント優勝。その活躍はSB内だけに留まらず、2016年以降はRISE、RIZIN、KNOCK OUTで全勝。
2022年6月の『THE MATCH 2022』ではK-1 WORLD GPウェルター級王者・野杁正明を延長R判定3-0で破った。12月にはGLORY世界ライト級1位ストーヤン・コプリヴレンスキーに判定2-1で勝利。2023年3月にはイ・ソンヒョンに判定勝ちでRISEミドル級王座を奪取し、6月にサモ・ペティとの再戦を制してSB世界スーパーウェルター級王座を獲得した。現在18連勝中。戦績は52勝(22KO)6敗1無効試合。
王者ベスタティは2016年からGLORYに参戦し、 ストヤン・コプリヴレンスキー、シッティチャイ・シッソンピーノン、マラット・グリゴリアンには敗れるも高い勝率で、2021年9月には王座決定戦でエルビス・ガシを破りGLORYライト級王座に就いた。同王座は2022年5月にジョシュ・ジャンシーをKO、同年10月にコプリヴレンスキーにリベンジを果たして2度の防衛に成功。2023年3月には同時二階級制覇を狙ったGLORY世界フェザー級王者ペットパノムルンの挑戦もKOで退け、3度目の防衛に成功している。
1R、ベスタティはジャブと前蹴りで距離をとり、海人は左ローから右カーフ。ベスタティも右カーフを返す。ベスタティの左ミドルに海人は右ローを返す。前足の蹴りを多用するベスタティは左ミドルから右ストレートを放つ。そして長いジャブから伸びる右ヒザ。海人はガードを固めて右ローを蹴る。手数が多いのはベスタティ、海人は右カーフをしっかり蹴っていく。オープンスコアは10-9×5でベスタティ。
2Rもベスタティはジャブを伸ばしつつ左へ回っていく。海人が前へ出るとバックステップで距離をとるベスタティは右フックで迎え撃つ。ジャブ、前蹴りと長い距離を保つベスタティは左ミドルを多用。海人は踏み込んでの右ロー、右カーフを蹴るが単発に終わる。ベスタティは蹴り数も多く、長いジャブで距離を制しての右アッパー。海人の左フックは空を切る。オープンスコアはまたしても10-9×5でベスタティ。
3Rもジャブを突いていくベスタティ。軸足払いで海人をコカす。フットワークを使うベスタティは左へ回っていきながら、ジャブ、右ローで海人を大きく崩す。ロープを背負う海人だが右ストレートで前へ出る。海人の右カーフには右アッパーのベスタティ。海人はスイッチを混ぜながら右ストレートを打つが届かない。ベスタティは左の前蹴りを連打していく。オープンスコアは10-9×5でベスタティ。海人は苦しい展開に。
4Rもベスタティは左の前蹴りを多用し、左ミドルとジャブ。海人はじりじりと距離を詰めるが、ベスタティの距離を潰すことが出来ない。海人の左ローにベスタティは右ストレート。ベスタティが左右フックから左ボディとパンチを回転させる。海人の右フックは空振りに。距離を完全に支配されている海人は左ハイを蹴るが、局面を打開できない。ラウンドが終わるとベスタティは両手を上げる。オープンスコアは10-9×5でベスタティ。
5R、海人は右ローから右ハイ、さらに右ローと攻撃を仕掛けていく。しかし、ベスタティのワンツーをもらってしまう。右ストレート、右アッパー、サイドに回っての左フックとベスタティが攻める。海人が返そうとするとバックステップでかわす。何とか距離を詰めようとする海人だがベスタティはジャブ、ステップ、回り込みでそれを許さない。海人の右カーフがヒットもベスタティは距離をとる。海人は左ボディ、右カーフもベスタティはジャブ、さらに右ストレート、左ミドル。海人は右ボディストレートを打ち返すも試合終了。ベスタティは勝利を確信して両腕を上げてアピールする。
【写真】リングサイドで無念の表情の伊藤隆RISE代表と緒形健一シュートボクシング協会代表 5人のジャッジは全員が50-45。ベスタティが完勝で4度目の防衛に成功した。「とてもテクニカルな試合だったよ。難しい試合だった。次は誰でもいい」とベスタティは振り返った。
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▼第7試合 ミドル級 3分3R〇マイケル・ボアペア(ガーナ/同級1位)=84.3kg[判定5-0] ※29-28、30-27×4×セルゲイ・ブラウン(ドイツ/同級3位)=84.5kg
ボアペアはRINGS Holland Fighting Networkが主催する『Rings Gala』を主戦場とし、2022年3月には『Rings Fighting Network 2022』にてRINGSミドル級タイトルマッチを経験(ケビン・ヴァン・ヘッケレンに判定負け)。2022年8月からGLORYに参戦するも、2戦目でセルゲイ・ブラウンに判定負け。2023年3月には当時ミドル級3位のエルトゥールル・バイラックを判定で破り、6月にはウルリック・ボケメにTKO勝ちで連勝。戦績は15勝(7KO)3敗1分。普段は棺桶作りの職人。
ブラウンは2013年6月に来日経験があり、オープンフィンガーグローブ着用で顔面打撃ありの極真館2013全日本ウェイト制空手道選手権大会にて-89kg級で準優勝を飾っている。極真空手三段。WKU(World Kyokushin Union)の世界選手権では2度優勝の実績を持つ空手家。2022年10月の『COLLISION4』でマイケル・ボアペアを破ってGLORYデビューを飾ったが、2023年2月にはセルカン・オズカグライヤンにTKO負け。戦績は43勝(12KO)27敗。
1R、ボアペアのワンツーにブラウンはジャブと左ミドルで応戦。ボアペアは右ハイキック、左ヒザ、右ローと多彩な攻撃。ブラウンは右ローを蹴られながらも右ストレートを返し、後ろ蹴りも繰り出す。ボアペアは右ローに狙いを絞ったか、前蹴りやジャブ、右アッパーを出しながら蹴っていく。その右ローに大きくバランス崩すブラウン。
2R、ブラウンが後ろ廻し蹴りを放つとボアペアは右ローで軸足を蹴る。ブラウンは右ローを蹴りつつ右ミドル、左ボディ。ボアペアはジャブを突き、右アッパーやヒザを突き上げる。ボアペアは右ボディから右アッパー、ブラウンも左右連打を返す。ボアペアが前に出て攻めれば、ブラウンが押し返すという展開に。
3R、至近距離でショートのパンチを打ち合う両者。ブラウンは左ミドル、ボアペアは前蹴りを出す。互いにパンチをブロックして返す。ボアペアは右ボディからの右アッパー、右フック。ブラウンも左右フックを返していくが、ボアペアは気合いの声を発しながら左右フックを回転させてヒザを突き刺す。ボアペアが飛びヒザからの左ストレート、ブラウンも左右ボディを返して試合終了。
一進一退のタフファイトを制したのはボアペア。ブラウンにリベンジを果たした。
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▼第6試合 ウェルター級 3分3R〇マーセル・グローエンハート(オランダ/元GLORY世界ウェルター級王者/同級7位)=77kg[判定5-0] ※29-28×2、30-27×4×シハード・アキパ(ドイツ)=77kg
グローエンハートは2014年9月デビューの36歳。K-1イタリア・オクタゴン2008 -75kg級トーナメントで優勝すると、当時ヨーロッパ最大の組織であった『It's Showtime』と契約。勝ったり負けたりの不安定な戦績だが、2010年2月にEMTA K-1ルールヨーロッパ王座-76kg級王座を獲得すると、2012年にはK-1GLOBALが主催したK-1 WORLD MAX 2012世界トーナメントで城戸康裕、マイク・ザンビディス、アルトゥール・キシェンコを破り優勝。世界にその名を轟かせた。
GLORYには2012年10月から参戦し、ロビン・ファン・ロスマーレン、ダビッド・キリア、シッティチャイ(この試合はKunlun Fight)らには黒星を喫するも、2015年11月にはウェルター級コンテンダートーナメントで優勝。2016年10月にGLORY世界ウェルター級王者ニキー・ホルツケンに挑戦したが惜敗。しかし、2017年8月にホルツケンに勝利して新王者となったセドリック・ドゥンブに挑戦して王座を奪取。初防衛戦でハルト・グレゴリアンに敗れて王座を失った。2023年4月には王座返り咲きを目指して王者エンディ・セメリアに挑戦するも判定負け。戦績は69勝(40KO)26敗3分。また、2021年と2022年にはMMAにも挑戦して3戦全勝を収めている。
アキパは2022年11月にGLORY初参戦、イタイ・ガーションを判定で破ってGLORYデビューを飾ったが、2023年2月の2戦目ではゲリック・ビレットに判定負け。距離の長いワンツー、ヒザが鋭い。戦績は49勝(18KO)11敗。普段はバーガーショップのオーナーであるという。
1R、蹴りを繰り出していくグローエンハートにアキパはフックで飛び込む。両者が組んだところでバッティングとなり、アキパは流血。潜り込むようにして左右フックを打つグローエンハートに、アキパはヒザを突き刺しアッパー気味の左右フックを打つ。ジャブを伸ばし、左右のフックとアッパーを回転させるアキパにグローエンハートは左ミドル。アキパのパンチの回転の速さに押されるグローエンハート。
2R、アキパはワンツー、ジャブから飛び込んでの左右フック。アキパが近付くとグローエンハートはすぐにクリンチ。アキパのパンチを受けながらもジャブ、左フックを返すグローエンハート。手数ではアキパだが、ガードしながら当てていったのはグローエンハートだ。
3Rもワンツー、左右フック、ヒザで前へ出るのはアキパ。グローエンハートはジャブ、左フックで迎え撃つ。頭を下げてボディやアッパーを打つグローエンハートにアキパは左右フックとヒザで対抗する。前に出てきたグローエンハートが左右フック、左フックの強打でアキパがグラつく。必死にしがみつくアキパへグローエンハートは攻撃の手を休めない。左右ストレートと左右フックで前へ出るグローエンハートにアキパはグラつき、そこへグローエンハートが飛びヒザ蹴りをヒット。
判定5-0でグローエンハートが勝利。「俺はまだ終わっていない」と高らかに宣言した。
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▼第5試合 フェザー級 3分3R〇"ザ・ダイヤモンド "ヤン・カッファ(オランダ/同級7位)=64.8kg[判定4-1] ※29-28×4、28-29×モハメド・エル・ハムティ (モロッコ/同級9位)=65.0kg
カッファはキックボクシングを5歳から始めて“ラモン・デッカーの再来”と呼ばれているという。2022年8月にRISEに初来日し、山田洸誓と対戦するもKO負け。2023年5月にGLORYデビューを果たし、ベルジャン・ペポシとの激しい打撃戦を制して判定勝ち。戦績は19勝(7KO)3敗。
ハムティは7戦全勝(4KO)の戦績を引っ提げて2022年11月にGLORY初参戦を果たしたが、アフマッド・チク・ムサに判定負け。今回再起戦に臨む。
1R、ハムティは速い前蹴り、左ミドルを連打。カッファは距離を詰めて左右フックからの左ボディ。左ミドルを蹴るハムティにカッファは左右ボディを打ち、左右フック。前に出るカッファにハムティは回り込み、ハムティも鋭い右アッパーを突き上げる。左ミドルを蹴るハムティだが左右フックも鋭い。
2Rも両者は速い攻撃を交わす。ハムティは右ハイ、カッファのバックハンドブローには左フックを打つ。鋭い右ストレート、さらにテンカオ、そして飛びヒザと当てていくハムティ。カッファは前へ出て頭を振りながらジャブから右ロー、左右フック。カッファはパンチからロー、ローからパンチ、ボディも打ってハムティの足を止めに行く。カッファのバックハンドブローがヒット。
3R、カッファのボディに左フックを合わせるハムティ。前へ出るカッファが連打を繰り出すが、ハムティはそこへヒザを突き上げる。カッファも負けじとヒザ。ハムティは長い距離から右ストレートを当てにいく。カッファはロープへ追い詰めての左ボディ。左右ボディと左右フックのカッファにハムティもワンツーと左ミドルを返す。スピーディーな一進一退の攻防が続き、勝敗は判定に持ち込まれる。
判定は2-1と割れ、カッファがハイスピードバトルの接戦を制した。「いい気分だ。ベストなパフォーマンスではなかったが勝利したことには満足している。みんな、また会おう」とカッファはマイクで語った。
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▼第4試合 GLORYヘビー級グランプリ予選トーナメント準決勝 3分3R〇ウク・ユルジェンダル(エストニア/同級10位)=114.3kgTKO 1R 2分23秒 ※2ノックダウン×マーティン・テルプストラ(オランダ/Enfusion世界ヘビー級王者)=117.6kg※ユルジェンダルが決勝へ進出。
エストニア出身のブルドーザーであるユルジェンダルは、5月大会の試合で破壊的なパワーパンチによる1R KO勝ちを収め、その実力を皆に見せつけた。刑務所入りしていた過去も持つ。戦績は18勝(14KO)7敗。
身長207cmのオランダの巨人テルプストラは、昨年6月の『GLORY Rivals 1』で2R TKO勝ちを収め、GLORYデビューを飾った。Enfusionでは8勝6KO、Enfusion世界ヘビー級王座にも就いている。戦績は21勝(11KO)5敗。
1R、右ストレートを伸ばして前へ出るテルプストラにユルジェンダルは右カーフ&ローキックを連発。テルプストラがコーナーへ詰める場面が多いが、テルプストラもそこで攻めあぐねる。互いに右ストレートを放ち、左フックを返したところでユルジェンダルがカウンターでダウンを奪う。立ち上がったテルプストラにユルジェンダルがスーパーマンパンチでダウンを追加。
テルプストラが吹っ飛ぶようにダウンし、2ノックダウンによりユルジェンダルが巨人狩りに成功した。
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▼第3試合 GLORYヘビー級グランプリ予選トーナメント準決勝 3分3R×モハメド・アミン(モロッコ)=100.3kg[2R 2分59秒 TKO] ※2ノックダウン〇バフラム・ラジャブザデ(アゼルバイジャン)=100.2kg※ラジャブザデが決勝へ進出。
ライトヘビー級からステップアップしたモロッコのアミンは、今年GLORYデビューしたばかりだが、すでに2度の注目される試合に出場している。6月大会ではGLORY世界ライトヘビー級暫定王座決定戦でタリク・カバベに4RでKO負けを喫したが、持ち前のスピードを生かし、GLORYでの記念すべきルーキーイヤーを目指す。戦績は29勝(16KO)5敗。
アゼルバイジャン出身のラジャブザデは、4年ぶりのGLORY復帰戦となった5月、ルイス・タバレスを1Rで右ハイキックKOし、存在感を示した。今、彼は今年最大のキックボクシング・トーナメントに出場する機会を得た。戦績は63勝(57KO)1敗。
1R、ラジャブザデは飛びヒザ蹴りから右フックでアミンをスリップさせる。前蹴りから左右フック、そして飛びヒザのラジャブザデ。前蹴りを多用しながら左右フック、そしてヒザを突き上げて来る。スピードも速い。アミンは右へ回り込みながら右ロー、ワンツー。ラジャブザデは右ミドルでバランスを崩して倒れたところを蹴り上げるというラフプレーを見せる。
2R、前蹴りや右ローを蹴りながら左右フックを振り回すラジャブザデ。その回転力に圧倒されるアミンだが、飛びヒザ蹴りを見舞う。ラジャブザデの前蹴りがローブローとなり、アミンがアピールするがレフェリーは認めずダウンを宣告する。ラジャブザデは構えをスイッチして右前蹴りでアゴを蹴り上げる。アミンのワンツーにはすかさず飛びヒザ蹴りからの右フックでダウンを奪う。
トーナメントルールにより、2ダウンでラジャブザデのKO勝ちに。アミンは納得がいかないとばかりに自分のマウスピースを蹴り飛ばした。
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▼第2試合 ミドル級 3分3R〇イマド・ハダル(モロッコ)=84.4kg[判定5-0] ※30-25, 30-26×4×バルトス・ムゼンスキー(ポーランド)=84.7kg
19勝(2KO)7敗のハダルと、マクシミリアン・ブラトコビッチ(ポーランド)の代打で1週間前に出場が決まったムゼンスキーがミドル級戦で対戦。ハダルは“バダ・ハリ2世”として期待される新鋭だという。
1R、ハダルは遠い距離から右ボディストレート、右ハイ、ワンツーを繰り出す。ムゼンスキーは右カーフを蹴るが、ハダルが思い切り左フックを振って来る。さらに右ストレート。ハダルの左ハイキックでムゼンスキーは右目の上をカットして流血、ドクターチェックが入る。再開後、左フックから右ストレートで攻めるのはハダル。ムゼンスキーは右カーフ狙いだ。ハダルはサウスポーに構えて左ローを蹴る。
2R、飛び込んでのパンチを繰り出すハダルにクリンチを繰り返すムゼンスキー。ハダルが左ボディ、右ストレートを打つと右カーフを返す。ハダルは左右フックから左ハイとスピードのあるコンビネーション。
3R、ハダルのスピードのあるパンチに右カーフで対抗するムゼンスキーは、ハダルがハイキックを放つとキャッチしての足払い。両者クリンチが多くなり、ハダルのヒザ蹴りでムゼンスキーがダウン。ローブローにも見えたがカウントが進んだ。ハダルはワンツー、左ハイ、バックステップからの飛びヒザ蹴りと攻めるが、テンカオがローブローに。再開後、バックハンドブローを放つムゼンスキーだが空を切り、ハダルを投げ飛ばしてしまい宙を受けたところで試合終了となった。
判定3-0でハダルがGLORY3戦目にして初白星をあげた。「母が数年前に亡くなって、それから初めてリングに上がったんだ」と涙ながらに語った。
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▼第1試合 GLORYヘビー級グランプリ予選トーナメント・リザーブマッチ 3分3R〇ニコラ・フィリポビッチ(セルビア)=111.9kg[判定4-1] ※28-29, 29-28×3, 30-27×クリスティアン・リステア(ルーマニア)=105.9kg
10勝(2KO)6敗で元バスケットボール選手のフィリポビッチが、44勝(21KO)10敗でGLORY初参戦のリステアとヘビー級トーナメントのリザーブマッチで激突する。
1R、フィリポビッチはフェイントを用いながらジャブ、右ロー。前に出るのはリステアでフィリポビッチはステップで動きながら左フックで迎え撃つ。リステアはコーナーへ詰めての左ボディ、フィリポビッチの動きが止まる。リステアは左ミドルも蹴っていく。右アッパーを突き上げるフィリポビッチにリステアも左アッパーを返す。オープンスコアはリステアの4-1。
2Rも前に出るのはリステア。右ロングフックから右フック、ジャブを突きながら右ストレートをボディに突き刺す。フィリポビッチは右アッパーを突き上げての左フックを打つが空を切る。リステアは右フックを叩きつけ、フィリポビッチもフック&アッパーで打ち合う。リステアは右ローからの左ボディ、さらにヒザ。フィリポビッチはボディに攻撃をもらって下がるが、左フックを強振する。この左フックがヒットし、左右フックでフィリポビッチがリステアにロープを背負わせた。オープンスコアはフィリポビッチの4-1に。
3R、いきなり左右フックで前に出るリステア。フィリポビッチも圧を強めて左フックと左ボディ、リステアも再び前へ出るがフィリポビッチはリステアのパンチをかわしながらフック&アッパーを打つ。リステアの左ミドルからの左ボディ。左右ローを蹴るリステアにフィリポビッチは前へ出て左フックと右アッパーでリステアをコーナーへ追い詰めてパンチをまとめた。
スプリットデシジョンでフィリポビッチがリザーバー権を手にした。