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2023年8月19日(日本時間20日)米国マサチューセッツ州ボストンのTDガーデンにて『UFC 292: Sterling vs. O'Malley』が開催され、UFC世界バンタム級タイトルマッチとして、王者アルジャメイン・スターリング(米国)が、同級2位のショーン・オマリー(米国)の挑戦を受けるメインイベントが行われる。
スターリングは、NCAAディビジョン3でオールアメリカンに2度選出されたレスリングをベースに持つ。強力なテイクダウンに加え、長い手足を活かした打撃と懐の深いディフェンス。さらに柔術黒帯のバック奪取とコントロールにも長けたウェルラウンダーだ。
2021年3月にピョートル・ヤンの反則のヒザ蹴りを受けてバンタム級王座を獲得。翌22年4月の再戦ではヤンにスプリット判定勝ちで、王座を初防衛した。
同年10月には元王者で同級2位のTJ・ディラショーをパウンドによるTKOで破り、2度目の防衛に成功。そして、2023年5月の前戦では、元2階級制覇王者のヘンリー・セフードを判定で下し、3度目の防衛に成功している。
34歳の王者のスターリングにとって、オマリーとの試合はバンタム級最後の試合になる可能性がある。「若い頃はファイトウィークで20ポンド(9kg)から25ポンド(11.3kg)の減量をしていたというスターリングは、減量の負担が大きいこと。そして、トレーニングパートナーのメラブ・ドバリシビリが9連勝でバンタム級1位につけていることも、フェザー級転向の理由のひとつに挙げている。
『THE MMA HOUR』でスターリングは、「どの選手も怪我をしているし、バンタムで他にはメラブしかいない。メラブの時が来たんだ。彼は手術を受けたばかりなのに、片手だけでスパーリングやグラップリングのトレーニングをしている。正気じゃないね(笑)。この階級をリードする男になるだろう」と盟友の台頭を前に、オマリーを下してバンタムの頂を譲るつもりだ。
Merab put on O'Malley's jacket 😭 #UFC288 pic.twitter.com/1dH5inwJWz
— UFC (@ufc) May 7, 2023
明確に「ストライカーvs.グラップラー」の構図を見せる今回のバンタム級タイトルマッチだが、オマリーとは“ある賭け”をしているという。
「先にタックルをした方が100ドルを支払う。俺が圧力をかけたらアイツが焦ってタックルをしてくるかもしれない。俺にテイクダウンされるのが怖いから。これも心理戦かもね。俺が先に組みを仕掛ける? ボディロックはタックルに含まれないだろ?」と、必ずしもグラップラーのスターリングがシングルやダブルレッグのタックルで組むばかりの展開にならない可能性も示唆する。
果たして、スターリングはオマリーの打撃を被弾せずに、組めるか。それはどんな形になるか。それとも、新たな武器を見せるか。