(C)RIZIN FF/KUSHIMAX/vugar_karamov
2023年7月30日の『超RIZIN.2』メインイベントで、朝倉未来(トライフォース赤坂)を1R リアネイキドチョークで極めてRIZINフェザー級のベルトを巻いたヴガール・ケラモフ(アゼルバイジャン)が帰国後、母国の『AZERISPORT.COM』のインタビューで、年内に2連戦に臨む可能性について語った。
2日にアゼルバイジャンに帰国し、バクーのヘイダル・アリエフ国際空港に到着したケラモフとムサエフの『超RIZIN.2』勝者たちを迎えたのは、多くのマスコミと楽団の演奏、祝福する市民たちだった。報道陣に囲まれ、取材を受ける両者の様子を現地メディアと青少年スポーツ省がSNSでも伝えている。
"Super Rizin 2" turnirində ölkəmizi uğurla təmsil etmiş MMA döyüşçüləri Tofiq Musayev və Vüqar Kərəmov Vətənə qayıdıblar. #birkimibirlikdə #AZEsport pic.twitter.com/0uB363LAMa
— Gənclər və İdman Nazirliyi (@officialmys) August 2, 2023
その後、ケラモフは『AZERISPORT.COM』のインタビューで、朝倉未来戦のこと、11月4日のアゼルバイジャン(ナショナルジムナステイックアリーナ)大会のこと、そして年末の王座防衛戦について、「12月31日は絶対に戦わなければならない」と決意を語っている。
7月最終週のさいたまスーパーアリーナでは、Bellatorパートも含め、メインイベントまで7時間を待たなければならなかったケラモフだが、「心理的には準備ができていた。困難があったとは言えない。すべてが静かで穏やかだった。まるで仕事をするように、さいたまスーパーアリーナに来て、自分の試合を待った」という。
朝倉未来の動きについては、「立ち技を効かせてくると思っていた。彼はヒザ蹴りをうまく使う。だから自分は相手が蹴り足を抜こうとするところを捕まえる。それは分かっていたから、自分も彼を捕まえて、パスガードすることができた」と、想定していたとする。
報道陣から「こんなに簡単に勝てると思っていたか?」と問われ、「朝倉未来は日本で、そしてRIZINのフェザー級で最も強いファイターの一人だ。簡単な試合になるとは思っていなかった。私はファイトするつもりで、彼はテイクダウンをディフェンスするつもりだと思っていた。私は3ラウンド戦うことを想定して準備していたけど、たまたま1Rにチョークをキープできて勝つことができた」と、長期戦を想定しながらの初回フィニッシュは“たまたま”だと振り返ったが、試合直後のインタビューでは「必ず極め切る自信がありました」とも語っている。
新王者としてRIZINフェザー級のベルトを巻いて、母国に降り立った。次戦は、11月4日にホームでの凱旋試合が期待されるが、ケラモフは悩める思いも吐露している。
「RIZINから、バクーでの試合をオファーされた。彼らはそれを望んでいる。でも、12月31日に日本で(大晦日の)伝統的な壮大な大会が開催されるんだ。この大会では伝説のボクサー、マニー・パッキャオも戦う。そこで私はブラジルのクレベル(※インタビュー後、9月24日にクレベルvs.金原正徳が決定)を相手に初防衛戦をしなければならない。彼らはその大会で私に防衛戦をさせたがっている」と、11月4日と12月31日の8週間間隔の連戦をいかに戦うかが問題だとする。
さらに、「2つの大会の間が短すぎる。それにこれはMMAだから、何が起こるか分からない。でも、私が12月31日に日本で試合をしないのは、彼らにとって採算が合わないんだ。12月31日は絶対に戦わなければならない。でも、11月4日についてはまだ決定していない。この短期間に2回も減量するのは生物として負荷が大きすぎる。だからキャッチウェイトで戦うことを提案されたんだ。仮に68kgとしようと」と、11月のバクー大会では66kgではなく、キャッチウェイトで戦う可能性もあることを示唆した。
アゼルバイジャンが国家事業として、RIZINを招聘する。そこには、RIIZNチームとして、日本、韓国、南米などの選抜選手が乗り込むことになる。迎え撃つアゼルバイジャン陣営は、「私以外にメイマン・ママドフ、トゥラル・ラジモフ(※2017年9月のACBで中島太一に判定勝ち)、トフィク・ムサエフが戦うことになっている」という。
ベルトを巻いた31歳のケラモフにとっては、これからがプライムタイムだ。かつて、UFCを目指していたことを問われた“コーカサスの雷”は、「RIZINでの契約が2試合残っている。まずはこの試合をこなさなければならない。それからさらなるプランを考え、交渉する。でも、(UFCとの交渉は)来年(2024年)になる可能性が高い」と、まずは年内の2連戦を王者として超えることが、今後に繋がるとした。
果たして、11月アゼルバイジャンでの相手は誰になるか。そして、大晦日さいたまで誰を挑戦者に防衛戦を行うか。