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インタビュー

【RIZIN】金原正徳「最後に燃え尽きるなら、この相手なら問題ない」×クレベル「“チャンピオン”を守りたい」=9月24日(日)さいたま

2023/08/10 13:08
 2023年9月24日(日)さいたまスーパーアリーナにて開催される『RIZIN.44』の記者会見が8月9日、都内で行われ、フェザー級で前王者のクレベル・コイケ(ボンサイ柔術)vs.金原正徳(リバーサルジム立川ALPHA)の試合が発表された。  会見の模様は下記の通りだが、金原は自身のYouTubeでも、今回の一戦に賭ける思いを語っている。  そこで金原は、クレベル戦を「戦う巡り合わせ。いままでやってきたことの“答え合わせ“になる」とし、「日本人で唯一勝てるのは僕。格闘技人生の最後の大一番、クレベル・コイケをブッ倒して、ヴガール・ケラモフに挑戦して、日本にベルトを取り返す」と、自身の格闘技人生の集大成として、進退を賭けて戦う意気込みを語っている 金原「自分がほんとうに強いなと思える人が3人いて、クレベルは4人目、ケラモフで5人目になる」 「自分が一番、望んだ相手(ヴガール・ケラモフ)ではなかったけど、やりたかった相手の一人なので、まずほんとうにクレベルが受けてくれたことに感謝したいと思います。  ものすごく強い元王者で絶対的な強さを見せるクレベル・コイケ──戦う巡り合わせにあるなと。日本人で唯一勝てるのは僕だとずっと公言していました。ここで、自分のいままでやってきたことの“答え合わせ“になる1戦だと思うし、この試合をクリアして、ケラモフに挑戦して、日本にベルトを取り返したいという気持ちも強いです。なので、あと最低、2回は頑張ります(笑)。ので応援してもらえたら嬉しいです。  毎回見ている、見るたびに強くなっているなとすごく思うので、前回よりも強いクレベルを戦えると思うと、自分もやらないといけないなと思う。来週から海外修行に1カ月行って、格闘技だけに集中できる環境を作らせてもらうことになります。  まさか、この歳でもう一度、海外で練習できる状況になるとは思っていなかった。ビクター・ヘンリー戦のときもそうですが、それくらいほんとうに人生最後に賭けたい思いがあるので、もうみんなが納得できるコンディションに仕上げて、挑んでいきたい。みんなが期待している以上の試合をしたいと思います。  自分がほんとうに強いなと思える人がいて、日沖(発)くんだったり、(マルロン)サンドロ、マイケル・マクドナルド──3人いて、クレベルは4人目。自分がほんとうに挑戦したいという選手が、あとケラモフがいて5人目。格闘技人生の最後の大一番、クレベル・コイケをブッ倒して、ケラモフに挑戦して、日本にベルトを持って帰って来ようと思っていますんで、ぜひ皆さん、応援よろしくお願いします!」  MMA31勝6敗1分1NCのクレベルは、27の一本勝ちを誇るボンサイ柔術の鬼神。Rebel FCフェザー級王者、KSW同級王者を経て、2020年大晦日にRIZIN初参戦。カイル・アグォン、摩嶋一整、朝倉未来、佐々木憂流迦、萩原京平にすべて一本勝ちで、2022年10月23日に牛久絢太郎が持つフェザー級王座に挑戦。2R 三角絞めで一本勝ちし、念願のRIZIN王者に輝いた。  2022年大晦日のBellatorとの対抗戦でパトリシオ・“ピットブル”・フレイレに判定で敗れ、連勝が「7」でストップ。2023年6月の『RIZIN.43』北海道大会で400gの計量ミスで王座剥奪も、鈴木千裕を1R 腕十字で極めている(※公式結果はノーコンテスト)。  MMA28勝12敗5分の金原正徳は、元SRCフェザー級王者。2003年9月にDEEPでプロデビューすると、2009年の戦極でキム・ジョンマン、ジョン・チャンソン、小見川道大を撃破し、初代戦極フェザー級王者に。2009年大晦日には山本"KID"徳郁に判定勝ち。2014年9月にUFCに初参戦するとアレックス・カサレスに勝利も、ハニ・ヤヒーラにスプリット判定負け、マイケル・マクドナルドに逆転の一本負けし、日本マットに戻った。  2020年2月にRIZINに初参戦するとバンタム級でビクター・ヘンリーに2R TKO負けも、フェザー級で芦田崇宏、摩嶋一整にTKO勝ち。2023年4月の前戦で山本空良から再三のダウンを奪う判定勝ちで、3連勝をマーク。試合後にヴガール・ケラモフとの対戦をアピールしていた。  会見での一問一答の全文は以下の通りだ。 [nextpage] 榊原CEO「ピットブル兄弟と揉めたクレベルに、我々からペナルティをかすことはない」 榊原 今回の試合の前に、先般、磐田までいって『さわやか』でさわやかにハンバーグを食べて、クレベルといろんな話をしました。『超RIZIN.2』で起きたことは起きたこと。ピットブル兄弟とクレベルが揉めました。リングサイドで揉めてから、バックヤードでも。クレベルから謝罪があり、ピットブルも謝罪した。『喧嘩両成敗』ではないですが、傷害事件や怪我が起きたのではなく、感情が昂るなかで、日々の、戦う者同士の意地やプライド、同じブラジルの血をひく者同士の思いもあったのかもしれない。少しなのか、激しくなのか、揉めました。  この先、勝負事でお互いファイター同士、公の舞台で、リングかケージか、戦う舞台で正々堂々、戦って決着を着けてほしいと思います。あえて我々からペナルティをかすことでもない。思うところもあると思いますが、それも含めて9月24日、金ちゃん(金原正徳)との試合で表現してもらえたらいいと思っています。 金原 まず初めにクレベル選手、対戦受けてくれてありがとうございます。昔から知ってる選手だし、RIZINに出るようになってから全部試合も見てるし、『すごい強い選手』という自分の中でも理解です。あらためて『挑戦者』という立場でクレベルに向かっていきたい。この歳で言うのもなんですが、ゼロから気持ちを作り直したいと思います。 クレベル 金原さん、試合ありがとうございます。長い知り合いで、一緒にハードに練習しました。この試合は特別。試合やって自分、“チャンピオン”を守りたいです。タイトルマッチをもう1回やりたい。次の試合、頑張ります。ベルトは無いけど、まだ私フェザー級チャンプ。みんなよろしくお願いします。 榊原CEO 前回、クレベルは体重が作れずにタイトル剥奪という状況のなかで、朝倉未来vs.ヴガール・ケラモフでフェザー級のタイトル戦が決まり、ケラモフが王者になりました。(前王者の)クレベルが、その挑戦権をもつ最右翼であることは変わらない。ファンも含めて、次に挑戦するべきだと太鼓判を強く押してもらうために、金原戦はとても大きな意味を持つ。“金ちゃん”──金原選手にとってもここでクレベルを獲れば、タイトル挑戦権に一番近い選手を倒すわけで、鈴木千裕が勝って、さらにフェザー級戦線が混沌としているなかで、金原選手が勝つことでさらに風雲急を告げる。これぞRIZINという、実力者同士の試合が見せられること、このカードが組めたことを嬉しく思います。 クレベル「いまは自分のタイミング」、金原「グラップリングで対抗できるのは自分しかいない」 ──互いの印象を。 金原 本当にクレベルの試合はRIZINに出てからも、ずっと見てきたので強み弱みも分かっている。ここ最近、完成度が高くなってきて、まだどこで勝負しようかなと決まってない部分もあります。フィニッシュ率も高い。RIZINでは全部フィニッシュしているし、本当にグラップリングの強い、完成度の高いイメージです。 クレベル 二人で一緒に練習したこともあり、金原は前に戦極のチャンピオンで、すごい全部が、MMAが上手い。ちょっと歳が上だけど、まだ上手で身体が強い。グラップリング、キックボクシング、レスリング……全部が上手い。でも、いまは“自分のタイミング”かな。頑張りましょう。大リスペクトしています。でもこれは自分のタイミング。私が勝ちます。 ──山本空良戦後に「クレベル渋滞」には並ばないと言っていたなか、試合が決まっていかがですか。 金原 ほんとうにこれ決まった時に、カードは“巡り合わせ”だと思いました。クレベルとそこまでやりたいというよりは、ケラモフとやりたい気持ちがあり、マイクでそう言いましたが、一番人気のクレベルの列に、一番手で並べると思ってなかった。僕の後輩の徳留(一樹)とサトシが戦って、こういうカードもあるのかなと。自分とクレベルに運命を感じます。 ーー「よく知っている」という相手と戦うことは? 金原 リングに上がっちゃえば、親兄弟であろうと関係ない。昔から知っているし、尊敬できるファイターですが、関係なく、いちファイターとして拳を交えるだけです。 ーー前回大会の時にクレベルを「最強」と。どんな展開を予想していますか。 金原 クレベルとは誰もが避けるグラップリング勝負をしない選択肢もありますが、自分はグラップリング、柔術に自信があるので、そこで唯一対抗できるのは自分しかいないとずっと思っていたし、そのなかでクレベルがどう選択するか分からないけど、組んだなかで勝てるもので勝負していけばいいと思っています。 ーー弱点は? 金原 弱点はないでしょうね。強みしか正直見えてこないし、自分がどこで勝負しようかなというところです。 ーー対戦を望んでいたケラモフ選手と朝倉未来選手との試合をどう見ましたか。 金原 ケラモフ、やっぱ強いなって思いました、シンプルに。未来の強さも知っているし、組んだことがないから強さを感じたことはないけど堀江(圭功)くんとの試合も見ていて、ただ、強いなと感じていました。 ーークレベル選手、前回、400gの計量オーバーで、今回はどんな準備で計量に臨みますか。 クレベル 間違いないです。ご飯とかいろいろ、もっと厳しいダイエットをするので、それはみんな心配しないで。ちゃんと自分の階級で出来るように。前はすみませんでした。多分、もうアップしない。ちょうど今、75kgくらいで、いつもそれくらいです。 ーーこの試合に勝ったらベルトに挑戦できる可能性が高いと。ベルトに対する思いは? 金原 フェザー級に参戦した頃からそれは目指していたところ。でも今回は、マジででそんなことを考えている余裕のない相手なので、進退を賭けてやるつもりです。終わってからどうなるかは、あらためて考えます。 クレベル 一個ずつ考えています。まず、金原戦が最初で勝つ。(ケラモフが)誰とでも勝ったら、ベルトを日本に戻すべき。1回、金原と戦って、次がタイトルマッチだったらケラモフとやりたいです。 [nextpage] 金原「終活になって強い相手と戦えることが嬉しい」、クレベル「ケラモフはもっと簡単。金原はあんまり簡単じゃない」 ーー金原選手、前回の山本戦はモチベーションを作るのに苦労されたようですが、今回は? 金原 ビンビンっスね、今回は。すぐ僕も海外に練習しにいきます。クレベルは(これまでの相手とは)ワケが違うので。初心に帰って、身ひとつで海外で練習し尽してクレベルに挑みたいと思います。 ──ファイトキャンプは米国でしょうか? 金原 タイに行こうかなと思っています クレベル タイ? 同じだからぁ(笑)えええええ(笑) ーークレベル選手もタイに? クレベル チームで話して、多分行きます。いつもあっちでやっていますし、アメリカに行きたいけど、アメリカに行くには、1カ月月半なので試合が近すぎる。サトシ先生が(パトリッキー戦の怪我で)いま練習できないので、タイでの練習が一番いいと思っています。 ーー山本空良選手に勝って3連勝。そこでケラモフ戦を望むも、朝倉未来選手がタイトルマッチで戦うことになって、ケラモフが王者になり、ケラモフ戦から遠ざかってしまった。そんななかでクレベル選手が王座を剥奪されたことで、クレベル戦が実現した。もしクレベル選手が王者だったら、この試合は無かったかもしれません。これまで45試合を戦った金原選手にとって、この試合はどんな意味を持ちますか。 金原 どんな試合か……今まで、120パーセントを尽くしてやってきました。その中で自分でも、これマジでやらなきゃ勝てないなという試合もあったし、イージーだな、という試合もありました。そのなかでやらなきゃいけない試合が、“終活”になってもう1回来ると思わなかったから、逆に嬉しいです。対クレベルなら嬉しい気持ちが大きい。最後に燃え尽きるなら、この相手なら問題ない。今までなら挑戦して立場変えようとかありましたが──もちろん挑戦者だけど“強い相手”とやれる嬉しい気持ちが大きいです。 ーーさきほど運命だと仰いましたが、この試合がリングになったことはケージと比べて、どのようにとらえていますか。 金原 ケージのほうがそれはいいですけど、与えられたルールのなかで一生懸命やるしかないです。対策を練りながら。 ーー榊原CEO、「クレベル選手が勝てばタイトルマッチ」だと。時期としては? 榊原 大晦日じゃないですかね。クレベルが勝っても、金ちゃんが勝っても、この2人がタイトルに挑むことになるなら年末。実は今日からアゼルバイジャンに行ってきます。遠いんですが(笑)、11月のアゼルバイジャン大会は、もちろん王者としてベルトを奪取したケラモフがメイン。対戦相手を誰にするのか、その辺も含めてアゼルバイジャンに行っていろんな準備の打ち合わせと、選手サイドをどうするか。  いい選手がいっぱいいるのでコミュニケーションをとって、11月はこの2人の勝者ではない選手、それがタイトルマッチになるかもしれないし、ケラモフが連戦になるかもしれません。もしアゼルバイジャン大会がタイトルマッチになって、王座が移動して、ケラモフ以外の勝者と、この2人の勝者が戦うかもしれません。 ーーケラモフ戦後、朝倉未来選手とは? 榊原 直接はまだ話していません。周りを介してコミュニケーションを取っています。ただ、これで引退することはない。どういう目標を立てて前に進むか。これからすり合わせていくことになります。 ーーどのような試合展開になるか、勝ち方にこだわりがあれば 金原 質の高いMMAをやりたい、ただそれだけです。打撃にこだわることなく、グラップリングを拒否せず、流れのなかで場面場面で決める。レベルの高い試合がクレベルとできると思います。フィニッシュも流れのなかで、何かを決めます。 クレベル 同じ感覚です。いい試合をしたいけど、彼は全部できる。チャンスはあるけど簡単じゃない。ポテンシャルもある、全部を持っている。次の試合は、今の階級で一番難しい試合になります。彼と一緒に練習して、全部分かっています。ケラモフはもっと簡単。金原はあんまり簡単じゃない、リスペクトしています。一番上手なのはグラップリング。だから絶対それで頑張りましょう。 ーー鈴木千裕選手がパトリシオ・ピットブル選手をKOしました。以前、金原選手は日本人選手が中堅が並んでいると。鈴木選手は頭ひとつ抜けたと感じますか。 金原 もちろんピットブルに勝ったことで彼がひとつ抜けたのは間違いないです。ただ、クレベル戦を見ても、それを維持するのは難しい。ランク的に上に行けると思うけど、その位置をキープできるほど、MMAファイターとして安定感はまだないかなと思います。 クレベル 千裕が勝ったのはちょっとびっくりしたけど、彼は強いけど、まだすぐレベルアップじゃない。毎回彼と戦っても心配しない。絶対、自分が勝ちます。 [nextpage] 『RIZIN.44』決定カード 2023年9月24日(日)さいたまスーパーアリーナ ▼フェザー級(66kg)5分3Rクレベル・コイケ(ボンサイ柔術)金原正徳(リバーサルジム立川ALPHA) ▼フェザー級(66kg)5分3R牛久絢太郎(K-Clann/ATT)萩原京平(SMOKER GYM) ▼ライト級(71.0kg)5分3Rスパイク・カーライル(米国)堀江圭功(ALLIANCE) ▼フェザー級(66kg)5分3R中原由貴(マッハ道場)白川陸斗(トライフォース赤坂) ▼フェザー級(66kg)5分3R摩嶋一整(毛利道場)横山武司(teamセラヴィー/スウェルズ柔術ジム) ▼バンタム級(61.0kg)5分3R中島太一(ロータス世田谷)岡田 遼(パラエストラ千葉) ▼ヘビー級(120.0kg)5分3Rシビサイ頌真(パラエストラ東京/巌流島)ヤノス・チューカス(ハンガリー) ▼ヘビー級(120.0kg)5分3Rスダリオ剛(HI ROLLERS ENTERTAINMENT)トッド・ダフィー(米国)
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