改めて11月5日に行われることが発表されたブアカーオvs.セーンチャイのレジェンド対決(C)BKFC
2023年3月18日に一度決定しながらも諸事情で流れた、「世界で最も期待されているムエタイの戦い」であるブアカーオ・バンチャメーク(タイ)vs.セーンチャイ・PKセンチャイムエタイジム(タイ)が11月4日(土)に行われることが素手のボクシング『BKFC=ベアナックル・ファイティング・チャンピオンシップ』より発表された。
【写真】BKFCデビュー戦でKO勝ちしたブアカーオ
ブアカーオは2002年12月にルンピニースタジアムで行われた「TOYOTAタイランド・ムエマラソン 140ポンド・トーナメント」の決勝戦で小林聡を破って優勝し、その名が日本にも知られるようになった。2004年7月からはK-1 WORLD MAXに参戦し、トーナメント決勝で魔裟斗を破って初出場初優勝。2006年6月には決勝でアンディ・サワーを破り、MAX史上初の2度目の優勝を飾った。2010年11月にはシュートボクシングの世界トーナメント『S-cup』にも出場し、優勝している。
K-1の活動休止後も世界中で活躍し、高い勝率を誇った。コロナ禍のためリングから離れていた時期もあったが、2022年7月に約3年ぶりに復帰。32勝10敗の戦績を持つドミトリー・ヴァラッツに完勝して240勝目をあげると、2022年8月には三浦孝太とエキシビションマッチを行い、続く9月には素手ボクシングの『BKFC』に初出場して110秒でKO勝ち。10月にも佐藤嘉洋とエキシビションマッチを行っている。2023年5月のRIZINでは10年ぶりに日本で試合を行い、安保瑠輝也と引き分けた。9月9日にはRWSで城戸康裕との対戦が決まっている。戦績は240勝(73KO)24敗14分。
セーンチャイはムエタイの殿堂ルンピニースタジアムでスーパーフライ級、バンタム級、スーパーフェザー級、ライト級の4階級を制覇したほか、WMC世界ライト級、WBCムエタイ世界スーパーライト級(ブアカーオと共に最上級のダイヤモンド王座に認定)王座など数多くのタイトルを獲得。ムエマラソンと呼ばれるトーナメントでも多数優勝。ボクシングでも5戦5勝の戦績を収めている。
強すぎるがゆえに同じ階級では対戦相手がおらず、常にハンディマッチ(体重差を付ける)で試合を行い続けており、“ムエタイの神”“ムエタイの生ける伝説”“近代ムエタイの最高傑作”などと呼ばれる。日本には2006年以降10回来日して全勝。戦績は314勝41敗5分で現在42歳だが、2014年10月にペットモラコット・ウォー・サンプラパイ(ONEフェザー級ムエタイ世界王者)にラジャダムナンスタジアムで判定負けを喫して以来、約8年間無敗。この数年はタイではなく各国の選手たちからの挑戦を受け2023年6月18日にはひとつの引き分けを挟んで70連勝目をマークしている。戦績は327勝(41KO)49敗2分。
前述の通り両者の対決は2023年3月18日に「BKFC特別ルール ベアナックルムエタイ」(素手のムエタイ)で実現するはずだったが、2月中旬にマーケティング資料でのムエタイという名前の使用に関する法的影響により、試合は無期限延期。事実上中止となったが、BKFCアジアCEOのニック・チャップマンは、2023年11月5日にタイ・パタヤで開催される『BKFC ASIA 5』で行われると発表した。
ムエタイの究極のレジェンド対決、今度こそ実現なるか。