初防衛戦に臨む古木
2023年8月6日(日)東京・後楽園ホール『MAROOMS presents KNOCK OUT 2023 vol.3』にて、KNOCK OUT-BLACKスーパーバンタム級タイトルマッチ3分3R延長1Rで小倉尚也(スクランブル渋谷)の挑戦を受けての初防衛戦に臨む王者・古木誠也(G1 TEAM TAKAGI) のインタビューが主催者を通じて届いた。
古木はフルコンタクト空手で多数の優勝・入賞歴を持ち、2022年9月大会で前田翔太に初回TKO勝ち、11月大会では5戦目にして元KNOCK OUT-REDバンタム級王者・響波を右フックで初回KOに破り、12月の王座決定戦では工藤“red”玲央を初回KOして王座に就いた。しかし、2023年3月の王者第一戦で武蔵に初回KO負けを喫している。戦績は5勝(4KO)2敗。
──まず、3月の代々木大会での敗戦(武蔵にKO負け)を今振り返ると?
「今でも映像を何度も見返すんですけど、あの時はやっぱりすごく悔しくて、今でも思い出すと悔しいです。スピードもすごく速くて焦りましたし、効かされてからの攻め込みも速くて、ちょっとパニック状態みたいな感じでした」
──一度はそのリベンジの機会が得られたはずでしたが、カードが変更になりました。その時の気持ちは?
「その相手のことをずっと考えていて、動画もずっと見て練習もリベンジのためだけにやっていた感じだったところに、急にカード変更を知らされて…でも、自分がやるべきなのはベルトを守ることなので、会長からも『気持ちを変えずに練習に励め』と言われて、気持ちが落ちたりということはなかったです」
「小倉選手も決して弱い選手じゃないので、油断もしてないですし、自分がキックを始める前から試合を見ていた選手なので、対戦できてすごく光栄だと思ってます。いつの試合を見ても倒し倒されの激闘をしていた選手なので」
──その激闘派が対戦相手になったわけですが。
「気持ちがすごく強いと思うんですよね。もしダウンを取れたとしても、絶対そこから盛り返してくるので、呑み込まれないようにしなきゃなと思ってます」
──先日の記者会見では、仕事をやめてキック一本の生活にしたということを話されていました。それは3月の試合の後からということですか?
「そうですね。3月までは昼間普通に働いていたんですが、負けちゃってからはその仕事をやめて、キック一本に専念できる環境に変えて練習してます」
──それまでも、練習量については自信があるというお話でした。あの敗戦を経て、もっとやらなきゃと思ったということですか?
「練習量は、昼もやれるようになったので増えているのは確かなんですけど……夜だと他の選手たちも練習していたりして、教わるにしても自分1人に時間をかけてもらうというわけにはいかなかったんですよね。今は昼と夜に練習しているので、より細かいところまで見てもらえるようになりました」
──なるほど。今は、どういうスケジュールで練習しているんですか?
「日にもよるんですけど、今はお昼頃からいろんなジムに出稽古に行かせてもらっていて、そうじゃない日は8時か9時ぐらいに起きてランニングして、10時ぐらいからお昼頃までジムで練習しています。一度帰って休んで、夕方から夜10時半ぐらいまでまたジムで練習ですね」
──では時間にしてもだいぶ増えましたね。それに出稽古も、以前はなかなか行けなかったわけですよね。
「はい、仕事があったのであまり行けなかったですね。今は毎週行くようにしています。出稽古先はちょっと言えないんですけど、近い階級の強い選手たちとたくさんスパーリングができているので、すごく充実した練習ができています」
「出稽古でのスパーリングって、初めて会った選手とバチバチやったりするので、試合に近いじゃないですか。そこで自分のダメなところ、いいところが明確に分かりますね」
──具体的に気付いたところというと?
「例えば…どうしてもパワーに頼っちゃうので、手数が少ないところですね。一発に頼ってバンバンバンという感じで打つので。上に行くとそれでは通用しなくて、コンビネーションとかが大事だなと、改めて気付かされました」
──ということは、根本的にスタイルを見直している感じですか?
「まあ、パワーに頼っちゃうところはよくないんですけど、一発で倒せているところもあるので、いいところは伸ばしつつという感じでやっています。あとはブロックとかディフェンス面の強化についても、トレーナーにいろいろ教わっています」
──なるほど。では今回の試合では、変化も見られそうですね。
「そうだと思います。練習通りに動ければという感じですけど、そうできるように練習しています。試合に向けて、いい感じに仕上がってきているので」
──チャンピオンになって半年以上が経過していますが、心境的な変化はありますか?
「今までよりプレッシャーも感じてますし、浮かれることはないですね。その後の試合で負けたのもあって練習も以前よりやっていますし、今まで以上に気合いが入っています。ベルトを守るということについても、前回の負けでさらに意識が強くなりました。ジムのみんなもけっこうサポートしてくれていて、減量の面でも、会長の奥さんが食事のメニューを考えてくれるんです。なので減量もスムーズにいっていて、ありがたいです。なのでみんなのためにも勝ちたいという気持ちが強くなってますね」
──では今回の試合で、一番注目してほしいポイントはどこでしょう?
「全部ですね。今までとは違ったスタイルで、攻撃面も防御面もパワーアップしているので、期待してください」
──インタビューの対応も、けっこう慣れてきましたね(笑)。
「いえ、メッチャ頑張ってます(笑)。こうやって1対1ならまだいいんですけど、記者会見とかでカメラが回ってたりすると、やっぱり緊張してしまうので。宮田プロデューサーが横にいるのも緊張しますし(笑)」